ぱたの関心空間

関心空間と徒然なるままに。

ホテル・ルワンダ@京都みなみ会館

2006-06-19 23:01:28 | 映画感想
3ヶ月で100万人が殺されたと言われる1994年のルワンダでの虐殺の時に、実際にあった事を元に作られた映画。

下手な説明は取りあえず割愛。
虐殺があったのは事実。似たような事が今でも起きているのも事実。ダルフールとか。東ティモールとか。
それに対して何も出来ない恥ずかしさだけが去来する。

「ナイロビの蜂」でもそうだけど、アフリカは明らかに先進国に蔑ろにされているわけだ。ホテルルワンダではそこがはっきりと指摘されてしまった。
各国からの軍隊は介入するためにきたのではなくて外国人を国外に退去させるためだけに、そう、ルワンダを見捨てるために来たのである。アメリカもイギリスもフランスも。ホテルのオーナーだって、自分のホテルの事だから大統領にお願いしただけだろ。

利権のある国には平気で介入したりちょっかい出したりする。「真の民主主義のために」とか言って手を出すなら他に手をさしのべなくちゃ行けない国は山ほどあるでしょ。
(そもそもその民主主義ってやつが怪しいんだけど)
先進国ってのは結局未だに発展途上にある国をいじめる事しかできないのかねぇ。

虐殺の映像をテレビで流しても「ディナーを食べながら『恐いね』っていうだけ」なのだ。
僕らに出来る事はせいぜい申し訳なく思う事ぐらいでしかない。最前線にいる国連平和維持軍でさえ、自分たちの護身のためにしか武器を使う事が出来ない(もちろんそれは当たり前の事で非難される事ではないんだけど)。公に助け出される為には理由がなくては行けないし、情でその場の誰かを助ける事も許されはしない。
国外に逃げるバスに乗り込む時にホテル従業員に傘をさしかけられていたジャーナリストは「やめてくれ、恥ずかしい」と言っていた。
そう、私たちはもっと恥ずべきなのだ。

映画の中では千人あまりの人が助かり、最後には探していた姪達とも出会える。ハッピーエンドだ。けれど世界にはハッピーエンドで終われない現実があまりにも多すぎる。


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