市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

公共放送が好んで起用する御用学者が呪文のように繰り返す「問題ない」「安心だ」「直ちに影響ない」の辟易

2011-03-24 23:28:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■公共放送のNHKが、放射性物質の拡散による大気、水、土壌、食品汚染の被害の拡大の事実の打ち消しにやっきとなっています。

 先ほど、放送されたクローズアップ現代では、「原発事故 広がる波紋」(3月24日(木) 20:00~20:45 )では、ゲストとしてスタジオに呼んだNHKの取材記者と大学教授と称する専門家が、政府のキャッチフレーズである「摂取しても直ちに健康に問題がないので、冷静に対応するように」という言葉どころか、さらに踏み込んでチェルノブイリの例を挙げて、「被災直後にミルクを摂取した子どもたちのなかには甲状腺がんはたしかに一時的にみられたが、その後はまったくそうした現象は見られず、大人に至っては、放射性物質による影響はまったくなかった」などと断言をしていました。

 しかし、海外では、すでに福島、栃木、群馬、茨城産の農産物は輸入禁止措置に踏み切っている国が続出しています。

■当会では、先日18日に、群馬県の衛生食品課を訪れて、前日送った水道水に関する質問に対する回答を聞こうとしましたが、電話がじゃんじゃなっており、10分ほど待たされました。結局、群馬県では水質検査を委託している県の検査機関に、水道水の検査について依頼をしようと言うことで、対応が後手後手であることが分かりました。

 「具体的な対策については、これから協議して対応したい」と繰り返すだけの県の担当者には、「とにかく、県民から分からないことについて質問があれば、いち早く行政のネットワークを駆使して専門家や専門機関に聞いて、その結果判明したことはホームページや記者会見で迅速に広報してほしい」と申し入れました。

 現時点では、群馬県ではまだ、1リットル当たり100ベクレルをこえる放射性物質が検出された水道水はないようですが、検査のサンプリング件数が圧倒的に少ないため、安心はできません。

■一方、関東地方に降下した放射性汚染物質が利根川に集まり、流れ下った先で水道原水として取水している金町浄水場では、3月23日に採取された水道水から食品衛生法に基づく乳児の摂取に関する暫定指標値の2.1倍となる210ベクレルの放射性ヨウ素が検出されました。この他、セシウムやストロンチウムなどの半減期の長い物質も微量ながら含まれていると思われます。また、福島第1原発の3号機ではプルトニウムを使ったプルサーマル燃料棒を使っていたことから、猛毒のプルトニウムが環境中に放出されている可能性があります。

 当会は、5年前にウクライナのキエフを取材に訪れたことがありますが、そこで、国土の10数%が放射性物質に汚染された土壌であるという話を聞きました。ウクライナは肥沃な穀倉地帯が広がり、小麦などの穀物の一大生産地で、「ヨーロッパのパン籠」と呼ばれていましたが、チェルノブイリ原発事故で広大な穀倉地帯が、土壌汚染され、いまでも土壌汚染のひどい肥沃な農地が放棄されたままとなっており、国家的な損失が続いています。

■3月11日の福島原発事故から明日で2週間となります。今日のロイター報道http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20220820110324
によると、オーストリア気象地球力学中央研究所が3月23日に発表した内容は「試算したところ、福島第1原発の事故後3─4日間に放出されたヨウ素131とセシウム137の量が、旧ソ連チェルノブイリ原発の事故後10日間の放出量の約20─50%に相当する。日米の測定結果を基に算出した。事故後3─4日間のヨウ素131の放出量は、チェルノブイリ原発の事故後10日間の放出量の約20%。セシウム137の放出量は、同約50%に達する可能性がある」ということです。

 また、同じくロイター電によれば、フランスの放射線防御原子力安全研究所(IRSN)は3月22日、「福島原発の事故で漏えいした放射性物質の量はチェルノブイリ事故の約10%で、チェルノブイリの事故では原子炉が爆発したが、福島原発の事故では放射性物質が比較的ゆっくりと漏えいしている」という見解を示しています。

■チェルノブイリでは、原子炉4号炉の炉心溶融により、およそ10tの放射性物質が大気中に放出されたといわれています。ところが、今回の福島原発では、1号炉から4号炉まで、冷却材の欠乏により炉心溶融が発生して、原子炉格納容器に穴があいていたり、使用済み燃料棒の冷却プールの水がなくなって、直接、大気中にさらされているのです。単純計算でいえば、原子炉の数からいえば4倍であり、可能性としては、核分裂反応は止まっているとはいえ大気中に拡散しかねない放射性物質の量はそれだけチェルノブイリよりも多いことになります。

 しかし、政府の経済産業省原子力安全・保安院は3月11日の原発事故が連続的に発生後、国際原子力機関(IAEA)が決めた8段階の国際原子力事象評価尺度(INES)でレベル4程度相当だと言っていましたが、3月18日になって渋々「レベル5に相当する」との暫定評価を発表しました。これは、原子炉が炉心溶融を起こし周辺に放射性物質が放出された米スリーマイルアイランド原発事故(1979年に)と同レベルというわけですが、海外ではすでに、スリーマイルとチェルノブイリとの中間のレベル6或いはレベル6.5だという報道がされてきました。

 レベル6は「原子炉や放射性物質障壁に致命的な被害」により「放射性物質のかなりの外部放出:ヨウ素131等価で数千から数万テラベクレル相当の放射性物質の外部放出」とされていますが、日本政府だけが、まだレベル5のスリーマイル事故と同程度だと言ってます。この未曾有の原発大事故を矮小化したいという思惑が見え見えです。この期に及んで、相変わらずの事なかれ主義では困ったものです。

■それでも、ようやく最近になって、日本国内でも、「ひょっとしたらこの福島原発事故の比較の対象は、1986年4月26日1時23分(モスクワ時間)に発生した史上最悪の原発事故だったチェルノブイリしかないのではないか」と思うようになってきました。

 今後、このまま福島原発の事故で、放射性物質が飛散し続けた場合、どこまで被害が拡散し深刻化するのかを評価するには、やはりチェルノブイリしか比較対象がないことになります。

 今日のNHK番組「クローズアップ現代」の「とんでもない発言」にも見られるように、「直ちに健康に影響はない」とひとくくりにされてしまいがちですが、要するに確率の問題だと思われます。広島の原爆でも爆心地から3キロの場所で被ばくしても、物陰にいたため、直接閃光を浴び素に住んだ人の中には、90歳以上の長寿で存命のかたもいますが、同じように物陰にいて被ばくして、数年後に血液ガンで死亡した人もいます。要するに、発がん等放射線被曝に起因する疾患がどの程度、数的及び質的に発症するかどうかの確率の問題なのですが、今後、日本人の放射線被ばくレベルは3.11の福島原発事故を境にして、確実に、しかも大幅に上昇したことは誰も否定できないでしょう。

■この変化の程度は、後世にならないと定量的評価値は正確に確定されないのでしょうが、ここでも指標として参考になるのは、やはり25年前に発生したチェルノブイリ原発事故の事後評価です。そのチェルノブイリ原発事故の医療支援活動に平成3年3月からNGOの一員として参加した甲状腺疾患が専門の医師で、現在、長野県松本市の市長となっている菅谷昭(すげのや・あきら)氏は、平成8年1月から平成13年6月までベラルーシ共和国で、5年半に及ぶ長期滞在活動をした経験から、今回の福島原発の事故について、3月22日の定例記者会見で、放射性物質による大気、水、土壌、食物の汚染で発言をしています。非常に含蓄のある発言ですので、ぜひ参考にしてください。
http://www.city.matsumoto.nagano.jp/aramasi/sityo/puro/index.html
(菅谷・松本市長の経歴)
http://www.city.matsumoto.nagano.jp/aramasi/sityo/kaiken/teirei20110322/index.html
(福島原発に関する発言)

【ひらく会情報部】

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「なんでも鑑定団」の制作担当スタッフを、何がなんでも当会に教えない観光協会と市商工観光課

2011-03-22 23:52:00 | 土地開発公社51億円横領事件
■安中市土地開発公社の元職員タゴは、平成7年5月18日に発覚した51億円巨額詐欺横領事件により同5月31日に懲戒免職となり、同6月3日に安中警察署に出頭しましたが、その直前に、家族ぐるみの付き合いをしていた知人に、それまで知人に買ってもらっていた膨大なコレクションの中から、とっておきの「お宝」である絵画等6点をひそかに預けていました。
 警察がタゴを逮捕し、家宅捜査を始めたのが同6月6日ですが、タゴ本人はともかく、事情聴取を受けた知人も、とっておきの「お宝」については、警察にもしゃべらず、平成8年4月8日にタゴが懲役14年(未決勾留200日を含む)の実刑判決を受けた後、14年もの間、知人が保管していました。

■そして、タゴが名実ともに務めを終えた平成21年9月21日に出所した後も、知人は、タゴの「お宝」を預かり続けていました。そして半年が経過して、平成22年4月に市長選挙が行われました。

 4月11日(日)の午後9時ごろ開票速報で未来塾の候補を僅差で破り、岡田義弘市長が2期目の当選を果たしました。タゴの知人はその様子を報道した群馬テレビの選挙開票速報を見ていたのでしょう。翌日の4月12日(月)に、タゴの知人はタゴの妻の住む自宅を訪れて「おたくのダンナさんからこれまで預かっていたのでお返しする」といって、絵画等6点を置いていったのでした。

 知人は、親友のタゴも既に出所済みでシャバに出て来ており、警察にも内緒で隠し通してきた「お宝」をこれ以上保管し続けていることが内心プレッシャーになっていたことでしょう。あるいは、この事件で自分や自分の親友がいろいろ世話になった政治関係者が再選されたことで、そろそろ返却する潮時だと感じたのかもしれません。

■知人から「お宝」6点を返却されたタゴの妻は、さっそく出所をしていた夫にコンタクトして、「これをどう処分しようか」と相談したことでしょう。もちろん、事件でお世話になったかたがた(いや「お世話をした」のほうが正しい表現かも)にも相談したはずです。

 その結果、タゴの妻は平成22年4月27日(火)に安中市土地開発公社の理事長をしている岡田義弘市長に、「夫の知人から絵画等6点の返却を受けて、自宅に保管しています。ついては、公社で引き取って処分してもらい、夫の損害賠償金に充ててもらえませんか。ただし、本物がどうかは不明です」と電話をしたのでした。

 タゴの妻からの電話はこの日の早朝だったと思われます。なぜなら、岡田市長が公表している日誌をみると、平成22年4月27日(火)午前9時から「土地開発公社打ち合わせ」となっているからです。

■事前から情報を得ていたため、安中市土地開発公社は、岡田義弘理事長ら3役と事務局であらためて正式に協議し、その日のうちに「もう事件も風化したし、時効だから使途不明金の追及を受ける心配もないので、引き取ることにすべえ」とばかりに、「お宝」6点を引き取る方針を固め、タゴの妻に「それじゃあ、引き取らせてもらうかのう」と電話で伝えたのでした。

 岡田市長の日誌には、4月27日(火)午後2時から「富岡市訪問対話」とあり、同日午後3時半から「藤岡市訪問対話」と記してあります。もしかしたら、富岡市や藤岡市に在住する関係者に、絵画等6点の処分について直接対話のため相談にいった可能性も想定されます。

 そして、公社の岡田理事長らは、絵画等6点を引き取る為の準備に入りました。しかし、「お宝」の絵画等6点を引き取るといっても、どこにどうやって保管したらよいのか、骨董品の知識を持たない岡田理事長ら公社の幹部としては、いろいろ検討したのでしょう。

■連休明けの平成22年5月7日(金)午後1時半から、岡田義弘市長兼公社理事長は安中市土地開発公社の理事会を開催し、午後2時からわずか20分たらずで監査も済ませました。こうして準備体制が整ったことから、公務で午後に予定のあった岡田市長を除く公社幹部らはタゴの妻の自宅を訪れ、あらかじめ用意しておいた書類をタゴの妻に見せて(ひょっとしたら半年前に出所したタゴも同席していたかも)説明し、理解を得た上で、債務者であるタゴの署名押印と提出者であるタゴの妻の署名押印を依頼したのでした。

 そして平成22年5月11日(火)に、タゴの妻から公社に「書類の準備ができました」と電話がありました。

■いつもなら、直ちに、タゴの妻の自宅に行くところですが、この日午前中、岡田市長は軽井沢町役場と警察署を訪れて、遠足マラソンの協力に対するお礼の挨拶で不在であり、午後に市役所に戻りましたが、午後3時から自ら会長を務める安中市観光協会(浜口徹夫事務局長)の理事会、4時から総会、5時から懇親会だったため、公社のほかの幹部らは、あらためて日程を調整したうえで、3日後の同5月14日(金)に、タゴの妻の自宅に「お宝」を引き取りに行くことにしました。

 5月14日(金)の岡田市長の業務日誌をみると、午前9時から午後2時まで「友愛訪問(市内)※終日」となっています。タゴの妻が「安中市内」に在住しているのかどうかは未確認ですが、この日、タゴの妻の自宅を友愛訪問した公社幹部らは、冒頭に、タゴ側が用意した「提出書」を確認したあと、いよいよ「お宝」である絵画等6点を確認して、引き取り、車に積んで持ち帰り、市役所のどこかで保管しているのです。そして、このことについて、同年5月21日(金)午後3時半から開催された安中市土地開発公社理事会で報告がなされたのでした。

 そして、預かった「お宝」については、本物かどうかが不明だとして、岡田理事長は、「絵画等の鑑定評価が必要となってくると思われるが、その方法について、今後、研究・検討を十分に重ねてから、その対応について決めていくこととしたい」と理事会で方針を述べていました。

■それから今日で約10ヶ月が経過しました。たまたまこの時期に、テレビ東京の人気番組の「出張!なんでも鑑定団」が安中にやってくるという知らせが、広報あんなか3月号で市民に伝えられました。

 当然、岡田市長は、安中市の命運をかけて、このイベントに、とっておきの「お宝」を出品し、専門家に鑑定してもらい、巷間で噂されている6億円という「お宝」の価値がもし確認できれば、ひろく安中市の話題の発信ができるとともに、この番組史上最高額の達成の期待も膨らみます。

 当会は、3月10日付の書面でこのことについて岡田市長宛に働きかけをしました。同時に、安中市民として、この6億円かもしれない「お宝」の鑑定を窓口の安中市観光協会に申し込みました。

 当会では、申込書に、この「お宝」の経緯と背景についても詳しく記載したつもりです。写真については、岡田市長・公社理事長に情報公開をしたのですが、残念ながら拒否された為、写真の添付はできませんでしたが、特別法人である土地開発公社が保管していることから、テレビ局側はいつでも本物かどうか、確認できるはずです。なぜなら、岡田市長としても、鑑定の必要性は十分認識していることから、テレビ局側に対して拒否をすることは考えられないからです。

■せっかくのこのアイデアも、3月14日(月)午後、窓口の安中市観光協会の事務局長からの電話で、「お宝の写真が貼ってないので受け付けられない」といわれ、水を差されてしまいました。

 そこで、3月18日(金)午後1時半頃、当会では直接、磯部温泉会館1階にある安中市観光協会を訪問し、局長に面談して直訴するとともに、ダメなら申込書の回収と、番組制作担当者の連絡先を聞こうとしたわけです。

 ところが、平日の金曜日にもかかわらず、事務局長の浜口氏は代休を取っていて不在でした。留守番役の女性の事務員に、申込書の回収と、番組制作担当者の連絡先の教示をお願いしましたが、「局長でないとわからない」の一点張りでした。

 そこで、3連休明けの本日3月22日(火)午後1時半頃、再度、安中市観光協会の浜口局長に電話をしてみました。申込書については、「返してもらいたいのであれば、返すことは可能だ」ということでした。

■広報あんなかに掲載された「お宝大募集」によれば、「応募書類の中から、テレビ東京の担当スタッフが選考します。※選考の途中経過に関しては、一切お答えできません」となっています。また、「採用の可能性がある人には、テレビ東京の番組担当スタッフから直接連絡があります。※連絡がない場合は不採用です※応募いただいた書類。写真は返却しません」という記載もあります。

 当会では、窓口である安中市観光協会の勝手な判断で受付を拒否されたことから、直接、テレビ東京の番組担当スタッフに再度、直接提出するしか方法がありません。

 そのため、今回の募集要領について「そもそも、窓口の観光協会が申込書の内容について判断する立場にはなく、テレビ局が採否の判断をすることになっているのではないか」ということを再度確認してもらったうえで、浜口局長に「あらためて、テレビ東京の番組担当スタッフの所属先と氏名、電話番号を教えてください」とお願いしました。ところが、浜口局長はなぜか口ごもり「そこまで教えてよいのかどうか分からない。自分の一存ではできない」と言うのです。

■当会は「では、市役所のどの部署から、観光協会を窓口にして、今回の企画を進めるよう指示があったのでしょうか」と質問したところ、これまた浜口局長は返事を躊躇しました。そこで、当会から「商工観光課ですか」とたずねたところ、局長は否定をしませんでした。

 また、テレビ東京の番組制作会社についても、局長は当然知っているわけで、当会があらかじめネットで調べをつけておいた番組制作会社の名前を告げたところ、局長は「そういうことは(自分で)直接テレビ東京に聞いてほしい」と言いました。どうやら、テレビ局が当会に対して「誰から聞いたのか」と問われた時に、当会が「観光協会からききました」と言われるのを極度に警戒している様子です。

 しばらく交渉をしましたが、埒があかないので、当会は浜口局長に「それでは市役所の商工観光課に頼んでみます」と伝えて電話を切りました。

■次に、安中市役所の商工観光課に電話をしました。ところが生憎、小林課長と担当の萩原課員の2名とも会議の為、谷津庁舎から出かけていて不在であることが分かりました。留守番の女性が「午後4時半ごろには戻るでしょう」というので、午後4時半に再度電話をしたところ、今度は2名とも電話中でしたが、5分後にかけなおしたところ、小林課長と繋がりました。

 当会「すいません。なんでも鑑定団に応募したのですが、観光協会の浜口局長から、写真がないから受理しないと言われて困っています。直接、テレビ局の番組制作担当者と連絡を取って申込書をあらためて提出したいのですが、連絡先を教えてください」
 課長「それはちょっと・・・個人情報だし。観光協会が受付なかったのなら申込書を返してもらったか」
 当会「返してもらいに18日に直接伺ったが、局長が不在で、しかも大事なものは金庫に入れてある、と言うので、まだ手元にない。さっき局長に電話したら、返してもらいたいのなら返す、と言っていました」
 課長「受付をしなかったのであれば、やはり申込書は返すのがスジだが」
 当会「とにかく、締切日が過ぎていることもあり、直接、テレビ番組制作会社の担当者の連絡先を教えてください」
 課長「それは、テレビ局との取り決めて、そういうことについて、こちらがわから応募者に市直接教えてよいものかどうか、規約があるので、それにもし違反するとまずいし・・・。直接テレビ東京にあたって聞いてみたらどうか」
 当会「それは浜口局長からも同じことを言われました。テレビ局は組織が大きいし、製作担当スタッフを特定してもらうまでに時間がかかると思います。番組製作スタッフとしては、限られた時間内でできる限り面白い番組作りを目指しているはずですから、ぜひ番組制作会社にコンタクトして、いろいろな情報を差し上げたいし、彼らもそれを拒否することはないと思いますので、ぜひ担当者と連絡先を教えてください」
 課長「そうは言われてもね。個人情報だし・・・こっちから教えるとなると何か問題になると思うので、そちらで直接テレビ東京に連絡をとってしらべてもらえませんか」

 といった按配で、結局、こちらも埒があきませんでした。

■岡田市長・公社理事長宛にも3月10日付で、この件について要請書を提出済みですが、こちらについても、岡田市長・公社理事長から今のところ「なしのつぶて」です。

 この番組の公開録画は5月22日(日)午後1時から(開場は正午)松井田文化会館大ホールで開催予定となっており、3月中に番組制作会社とコンタクトできれば、なんとか、テレビ局側からも安中市に対して、タゴが隠していた超ど級の「お宝」をぜひ鑑定のため出品するように、動いてくれることが期待できます。

 当会は引き続き、タゴの隠し財産だった「お宝」に光があたるように、尽力を続けてまいります。

【ひらく会情報部・なんでも鑑定団「タゴのお宝」タスクフォース】

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タゴが知人に預けた絵画等6点のお宝を「何でも鑑定団」に出し渋る安中市観光協会を訪問して直訴

2011-03-21 23:54:00 | 土地開発公社51億円横領事件

■地方自治体では史上最高クラスの巨額横領事件の発覚で、平成7年6月3日に、安中市土地開発公社の元職員タゴが警察に出頭する直前、非常に親しかった知人に、とっておきの絵画等6点を預けていたことが、昨年6月22日付の上毛新聞の報道であきらかになりました。

 警察の必死の捜査や追及にもかかわらず、タゴと知人は絵画等6点の存在を隠し通しましたが、なぜか、昨年4月になって、タゴの妻から「夫所有と思われる絵画6点を損害賠償の債務履行の一部にしたい」として、安中市土地開発公社(理事長・岡田義弘市長)に差し出したため、安中市が昨年6月21日の市議会全員協議会で報告したことから、判明したものです。

 これら絵画等6点は、もしこれらが本物だったら、時価6億円はくだらない、と巷ではもっぱら噂されている代物ですが、公社の岡田義弘理事長は、まだ、これらのお宝の真贋を鑑定していないようです。

 たまたま、広報あんなか3月号で、「なんでも鑑定団」が安中にもやってくるのでお宝募集中の広告を目にした当会では、さっそくお宝募集窓口の「安中市観光協会」宛に申し込みました。ところが、応募締切り前日の3月14日になって、同協会から電話があり、「申込書にお宝の写真が添付されていない」という理由でお宝の受付を拒否されてしまいました。

 そこで、当会では、なんとかお宝を受け付けてもらうべく、3月18日午後、直接、磯部温泉会館にある安中市観光協会を訪れました。
■観光協会は、磯部温泉会館1階にあり、ドアをあけると正面に窓口があり、女性の事務員が3名ほどいました。ちょうど、一人の事務員と目が合ったので、出てきていただいた事務員の方に、「先日、なんでも鑑定団で申込をしたのですが、受付を拒否されたものです」と言って、「提出した申込用紙を回収して、あらためて直接テレビ東京に送りたいので、申込用紙を返却していただけますでしょうか。また、テレビ局に直接コンタクトしたいので、連絡先の情報を教えてください」とお願いしました。

 すると、受付の事務員は、「局長は本日はもう帰りました。午前中は出金していましたが、午後は代休を取っています」ということでした。

 「でも、提出した申込用紙は返してもらえるでしょう」とお願いしたところ、事務員は「もうしわけありません。大事なものは金庫にいれてあるので、局長がいないと、私の一存ではできません」と答えました。

 「では、テレビ局の番組制作担当者の連絡先を教えてください」と依頼したところ、これも「局長でないとわかりません。」と事務員は繰り返すだけです。

 何度も、お願いしたのですが、事務員は頑として「局長がいないから」を理由に、それ以上話が進められませんでした。

■土地開発公社が保有するお宝の絵画等6点を「なんでも鑑定団」で鑑定してもらい、もし、このお宝が本物であり、巷間で噂されていると折り、時価6億円の価値があると分かれば、番組市場最高額になるわけです。願ってもないこの機会は、安中市観光協会にとっても、千歳一隅のチャンスといえるでしょう。

 当会では、来週、再度、局長に電話をして、直訴してみる予定です。

 なお、末尾に安中市観光協会の会則を掲載しますので参考にしてください。

【ひらく会情報部】

※参考資料

安中市観光協会会則

  第1章  総則
 (名 称)
第1条 本会は、安中市観光協会(以下「協会」という。)とする。
 (目 的)
第2条 協会は、観光事業の振興と健全なる発達を図り、併せて他の産業との協調を保持して地方開発に資することを目的とする。
 (区 域)
第3条 協会の区域は、群馬県安中市の区域とする。
 (事務所の所在地)
第4条 協会の事務所は、安中市磯部温泉会館内に置く。

  第2章  事業
 (事 業)
第5条 協会は、第2条の目的を達成するために次の事業を行う。
1 観光資源並びに観光事業調査研究及びこれに関する建議及び促進
2 郷土物産、郷土芸術品などの宣伝紹介に関すること。
3 内外観光客に対する旅行の斡旋と待遇に関すること。
4 交通機関、旅館、その他旅行、視察、遊覧に必要な設備の改善整備の促進に関すること。
5 目的を同じくする他の団体との連絡協調
6 研究会、講習、講話会等の開催
7 観光事業に関する情報の募集と配布及び機関紙、図書その他の刊行
8 郷土芸術品、土産品等の育成指導
9 観光従業員の向ヒ及び表彰
10 その他協会の目的を達成するに必要な事業

  第3章  協会員
 (協会員の資格)
第6条 協会の協会員たる資格を有するものは次の各号に該当するものとする。
1 市長、助役、収入役の職にある者
2 市議会議長、副議長及び議員の職にある者
3 県議会議員の職にある者
4 観光事業に関係ある営業者及びこれに準ずる者
5 協会の趣旨に賛同して特に協力する者
6 協会の後援者にして特に理事会において推薦した者
 (加 入)
第7条 協会員たる資格を有する者は協会理事会の承諾を得て入会することができる。
 (自由脱退)
第8条 協会員はあらかじめ協会に通知した上で脱退することができる。
 (除 名)
第9条 協会は次の各号に該当する協会員を除名することができる。
1 協会の事業の利用につき、不正の行為があった協会員
2 協会の事業を妨げ、また妨げようとする行為のあった協会員
3 犯罪その他信用を失う行為のあった協会員
 (会費の賦課)
第10条 協会は第5条の事業の費用に充てるために協会員に会費を賦課することができる。

  第4章  役員、顧問、相談役及び職員
 (役 員)
第11条 協会に次の役員を置く。
1 会長      1入
2 副会長     3入以内
3 常任理事    7人以内
4 理事     35人以内
5 監事      4人以内
 (役員の選出)
第12条 理事、監事は総会において指名推薦の方法により選出する。
2 被指名人の選定は、その総会によって選任された選考委員が行う。
3 会長、副会長、常任理事は理事会によって理事のうちより選任する。
 (役員の職務)
第13条 会長は会を代表し会務を総理する。
2 副会長は会長を補佐し、会長事故あるときは、その職務を代理し、会長が欠員のときはその職務を行う。
3 常任理事は事業の実施、変更、補正予算につき会長諮問に対し、協議決定する。
4 理事は会務の執行を決定する。
5 監事は会計を監査する。
 (役員の任期)
第14条 役員の任期は2年とする。ただし、再任を妨げない。
2 役職によって選任された役員がその役職を離任したときは後任者がその役員に就任するものとする。
3 補欠によって就任した役員の任期は前任者の残任期間とする。
4 前任者は任期満了しても後任者が就任するまでは、その職務を行うものとする。
 (顧問及び相談役)
第15条 協会は顧問及び相談役若干人を置くことができる。
2 理事会の推挙により会長が委嘱する。
3 顧問は会長の諮問に応じ、理事会、総会に出席して意見を述べることができる。
4 相談役は会長の諮問に応じ、常任理事会に出席して意見を述べることができる。
 (職 員)
第16条 協会の事務を処理するため職員若干人を置き、このうち1人を事務局長とすることができる。
2 職員は会長が任免する。
3 職員は会長の指揮を受け事務に従事する。

  第5章  総会、常任理事会、理事会及び委員会
 (総会の招集)
第17条 総会は通常総会及び臨時総会とする。
2 通常総会は毎事業年度終了後2ヵ月以内に、臨時総会は必要があるときは何時でも理事会の議決を経て会長が招集する。
 (総会の定足数)
第18条 総会の議事は、会則の制定、事業計画の決定、収支予算、会費の賦課徴収方法、役員選挙、その他必要な事項を附議し、協会員の半数以上が出席レその議決権の過半数で決するものとし、可否同数のときは議長が可否を決定する。
 但し磯部温泉組合及び秋間梅林観光協会においては代議員が表決権を有する。
 (総会の議長)
第19条 総会の議長は各総会ごとに出席した協会員のうちから選任する。
 (常任理事会の招集)
第20条 常任理事会は、会長が招集する。
 (常任理事会の議事)
第21条 常任理事会の議事は常任理事の過半数が出席し、その過半数で決し、会長がその議長となる。
 (理事会の招集)
第22条 理事会は会長が招集する。理事は必要があるときは何時でも会長に対し、理事会招集の請求ができる。会長は前項の請求を受けた日から5日以内に理事会招集の手続きをしなければならない。
 (理事会の議事)
第23条 理事会の議事は理事の過半数が出席し、その過半数で決し、会長がその議長となる。
 (委員会)
第24条 第5条の事業の執行に関レ理事会の諮問機関として専門委員会を置くことができる。

  第6章  支部
 (地 区)
第25条 安中市と合併した旧松井田町を松井田地区(以下「地区」という。)とする。
 (支 部)
第26条 協会事業の推進にあたり、地区の事業を円滑に行うため、地区に支部を置く。
 (支部の名称)
第27条 支部の名称は、安中市観光協会松井田支部(以下「支部」という。)とする。
 (事務所)
第28条 地区内に支部を置く場合、支部の事務所を松井田支所地域振興課に置く。
 (支部の役員)
第29条 支部に、次の支部役員を置く。
   (1)支部長    1名
   (2)副支部長   2名以内
 (支部役員の選任方法)
第30条 支部役員は、協会総会において選任する。
 (支部役員の職務)
第31条 支部長は、支部を代表し、支部会務を総理する。
2 副支部長は、支部長を補佐し、支部長が欠員となり、又は事故あるときは、その職務を代行する。
 (支部役員の任期)
第32条 支部役員の任期は2年とする。
2 役職によって選任された支部役員が、その職を離れたときは、後任者がその支部役員に就任するものとする。
3 補欠によって就任した支部役員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 支部役員は、任期が終了しても後任者が就任するまでは、その職務を行うものとする。
 (支部の事務)
第33条 支部の事務は、松井田支所地域振興課商工観光係の職員が行う。
2 必要に応じて、嘱託職員及び臨時職員を置くことができる。

  第7章  会計
 (経 費)
第34条 協会の経費は、会費、補助金、寄付金、事業収入及びその他の収入をもってこれにあてる。
 (会 費)
第35条 協会の会費は、1口(年額1,000円)以上納入するものとする。
 (会計年度)
第36条 協会の会計年度は、毎年4月1日から翌年3月31日までとする。
 (会費の返還)
第37条 会員がその資格を失ったときは、既納の会費は返還しない。
ものとする。
   附 則
1 この会則は、昭和34年8月20日から施行する。
   附 則
1 この会則は、昭和46年8月18日から施行する。
   附 則
1 この会則は、昭和50年11月1日から施行する。
   附 則
1 この会則は、昭和54年6月4日から施行する。
   附 則
1 この会則は、昭和57年4月1日から施行する。
   附 則
1 この会則は、平成3年5月29日から施行する。
   附 則
1 この会則は、平成8年4月1目から施行する。
   附 則
1 この会則は、平成18年5月30日から施行する。
   附 則
1 この会則は、平成20年5月23日から施行する。


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相信希望で日本の被災者の皆さんを支援してくれている台湾の皆さんへ「ありがとう」

2011-03-20 23:25:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■台湾の人口は日本の約6分の1です。面積は九州より一回り小さい国です。かつては、国連の常任理事国でしたが、中国にとって代わられてから、現在は国連にも加盟できず国交のある国は20数カ国です。中国に政治的な圧力を加えられながらも、日本政府にも外交面で冷たくあしらわれながらも、世界でもっとも親日国である台湾。

 この国交なき隣国の台湾の皆さんが、このたびの東北関東大震災の復興支援のために、震災発生後わずか1週間後の3月18日夜、台湾赤十字会やテレビ各局などの主催で、震災の被災者を支援するためのチャリティー番組を放送しました。そして、4時間半の生放送中に、なんと7億8000万元(日本円で約21億円)の義援金が集まったのです。私たち日本人に示してくれた台湾の人たちの真心をしっかりと受け止めたいと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=JCJINTKGcWo
http://www.youtube.com/watch?v=gNEog32KQ_M
■このニュースはすでに、日本のマスコミでも報じられていますが、それらによると、台湾の複数メディアと赤十字会は18日夜、台北市内で東日本大震災の被災者を支援するためのチャリティーイベント「相信希望(希望を信じて)Fight&Smile」を共催し、義援金約7億8000万元(約21億円)を集めました。
 現地通信社によると、イベントには、馬英九総統夫妻や、日本のテレビドラマに出演した女優の林志玲さん、歌手のジュディ・オングさんら約100組の芸能人が順番に登場し、募金を呼びかけました。
 募金は、3月18日午後8時の開始から1時間ほどで1億元を突破。個人のほか、台湾企業からの募金も相次ぎ、終了した3月19日午前0時半までに、7億8854万元(約21億5000万円)が集まりました。
 馬英九総統も20万台湾ドル(約55万円)を贈り、電話での義援金受け付けを手伝いました。番組には、サッカーの元日本代表の中田英寿さんが駆けつけたほか、台湾人タレントのビビアン・スーさん、里帰りして番組に出演したジュディ・オングさんらも出演して番組を盛り上げました。

■台湾の人々がこれほどまでに今回日本が被った大震災に関心を示しているかと言うと、同じ島国であり、地震国であり、海岸部に原発を有することなど、地理的に近いことのほかにもたくさんの共通性があること、そして、今回被災した仙台や福島、岩手などを旅行したことのある人たちが多数おり、かつて訪れたことのある場所が大災害に見舞われていることから、余計、我が事のように思えたことでしょう。


 私たち日本人は、他国の災害に対してこれほどまで力を入れて復興を願うキャンペーンができるでしょうか。いまはただただ台湾の皆さんに感謝の気持ちをささげたいと思います。

 非常感謝。Feichang Ganxie。

【ひらく会情報部】

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東電の計画停電により3月末までは操業再開のめどさえ立たない東邦亜鉛安中製錬所

2011-03-19 21:28:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■安中市では東電の『無』計画停電により、ついに3月16日午前10時半ごろ、市内の簗瀬地区の県道交差点で、計画停電による信号機の消灯が原因で、しかも交通整理の警察官が不在だったため市内在住の69歳の男性のバイクが、左から来た軽ワンボックス車と衝突し、男性は約5時間後に死亡しました。今回の震災に伴う計画停電が原因で発生した全国初の死亡交通事故だと警察庁が発表しました。この責任は一体誰が取るのでしょうか。

 東電の停電により、一般市民はもとより、市内の産業にも大きな影響が及んでいます。硫酸亜鉛溶液を電気分解して亜鉛を製造している東邦亜鉛の安中製錬所では、3月11日午後2時46分ごろ発生した震度5強の地震の直後、なにやら大きな物音がしたのを周辺住民が聞いたという報告があります。

■地震後、安中製錬所は操業を停止しているようです。そこで、当会では3月19日朝、同所に電話で様子を確認してみました。

 電話口に出てきた担当者によると、「(地震直後に大きな音がしたという件について)設備面では被害はなかったが、一般市民向けの“計画停電”と同様、大口需要者としての当社安中製錬所に対しても東電から電力供給停止、つまり“停電”を言い渡されており、地震後操業停止が続いており、今週末も設備の点検中。鉱石を陸揚げしていた福島県いわき市の小名浜港7号埠頭は津波の被害を受けており、まだ復旧していない。小名浜製錬所から原料精鉱を鉄道で運んでくるが、常磐線が地盤沈下やレール損傷で復旧のめどが立たず、操業は3月中は無理だと判断している」とのことでした。

■東邦亜鉛の被害状況については、3月14日(月)付で、同社は次の声明を記者発表しています。http://www.toho-zinc.co.jp/news/2011/news_20110314_2.pdf

**********
     平成23年3月14日
各位
     会社名 東邦亜鉛株式会社
     代表者名 代表取締役社長 手島達也
     (コード番号 5707 東・大証第1部)総務部
     問合せ先 総務部 本石泰男、大久保浩(電話番号 03-3272-5611)
東北地方太平洋沖地震による影響について
 平成23年3月11日に発生いたしました東北地方太平洋沖地震により被害を受けられた皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。
 さて、当該地震により発生した当社事業所小名浜製錬所(福島県いわき市小名浜字芳浜10番地)および安中製錬所(群馬県安中市中宿1443番地)の現時点で把握している被害状況等について、次のとおりお知らせいたします。
1.被害の概要
1)小名浜製錬所(ゴムの原料となる酸化亜鉛の製造と安中製錬所で使用する亜鉛原料
の前処理を主に行っております。)
① 当日勤務していた従業員については、人的被害はありません。
② 地震発生直後から停電および工場用水の断水により操業を停止しており、現時点で復旧の目処はたっておりません。
③ 設備等の被害状況については、今後調査を行います。
2)安中製錬所(亜鉛地金の生産を主に行っております。)
① 当日勤務していた従業員については、人的被害はありません。
② 停電もあり現在操業を停止しております。
③ 設備等の被害状況については、今後調査を行います。
2.業績への影響について
 当該地震による損害の見込額は、現時点で不明であります。当期業績への重大な影響が見込まれる場合には、速やかに開示いたします。
3.その他
 被災地域のいわき市小名浜に所在する当社の連結子会社である東邦キャリア株式会社(福島県いわき市小名浜芳浜10番地)については、現時点で人的、設備的な損害は殆どないことが確認されております。
以上
**********

 このプレスリリースを受けて、東洋経済新報社が3月15日付のネットニュースで次のように報じています。

**********
東邦亜鉛は福島、群馬の2工場で操業停止、再開メド立たず【震災関連速報】
11/03/15 | 16:37
 亜鉛と鉛の製錬大手、東邦亜鉛は東日本大震災の影響で、小名浜製錬所(福島県いわき市小名浜)と安中製錬所(群馬県安中市中宿)の操業を停止している。当日勤務していた従業員の人的被害はなかったが、地震発生直後から停電や工場用水の断水が続いている。設備等の正確な被害状況は現在調査中だ。
 小名浜製錬所と安中製錬所は、同社の主力製品である亜鉛の製造拠点。海外から輸入した亜鉛の原料である「亜鉛精鉱」を、小名浜製錬所で加熱処理し、安中製錬所に輸送して亜鉛地金に仕上げている。安中製錬所は国内有数の亜鉛製錬所として知られている。
 小名浜製錬所は小名浜港近くに位置するが、今回の地震による津波の被害は受けなかった。ただ停電や断水などの影響で操業を停止しており、復旧のメドは立っていない。安中製錬所も停電等の影響で操業が止まっている。
 現時点で具体的な被害状況は分かっていないが、主力の2工場の操業停止が長引けば、業績への影響も懸念される。
(許斐 健太 =東洋経済オンライン)
**********

 そして、3月18日付で同社は「業績予想の修正に関するお知らせ」として、プレスリリースしています。

**********
     平成23年3月18日
各  位
     上場会社名 東邦亜鉛株式会社
     代表者 代表取締役社長 手島 達也)
     (コード番号5707)
     問合せ先責任者 経理部長 今井 通弘)
     (TEL 03-3272-5614)
業績予想の修正に関するお知らせ
 最近の業績動向を踏まえ、平成22年11月9日に公表した業績予想を下記のとおり修正いたしましたのでお知らせいたします。
     記
●平成23年3月期通期連結業績予想数値の修正(平成22年4月1日~平成23年3月31日)(金額の単位:百万円)
        売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 1株当たり当期純利益(円・銭)
前回発表予想 (A) 101,000  6,500  5,800  7,100  52.28
今回発表予想 (B) 102,000  8,000  7,800  7,400  54.49
増減額 (B-A)    1,000  1,500  2,000   300  -
増減率 (%)      1.0   23.1   34.5    4.2  -
(ご参考※)前期実績 83,592  8,301  8,865  4,654  34.27
※(平成22年3月期)
●平成23年3月期通期個別業績予想数値の修正(平成22年4月1日~平成23年3月31日)(金額の単位:百万円)
        売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 1株当たり当期純利益(円・銭)
前回発表予想 (A)  91,000  5,100  5,700  5,200  38.29
今回発表予想 (B)  92,000  7,400  8,100  6,000  44.18
増減額 (B-A)    1,000  2,300  2,400   800  -
増減率 (%)      1.1   45.1   42.1   15.4  -
(ご参考※)前期実績 76,977  7,189  7,858  4,184  30.81
※(平成22年3月期)
修正の理由
 平成23年3月期通期における業績は、為替相場は足元円高水準となっておりますが、LME(ロンドン金属取引所)相場は当初の想定に近い水準で推移しており、需要も堅調であったことから、売上高、営業利益、経常利益及び当期純利益は、前回発表予想に対し、連結及び個別ともに増加する見込みであります。
 なお、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による影響につきましては、現時点で判明したものについては上記数値に概算で含めておりますが、引き続き調査中であり、当社の業績に大きな影響が見込まれる場合には、改めて開示いたします。
(注)上記の予想は、発表日現在において入手可能な情報に基づいて作成したものであり、実際の業績は今後発生する様々な要因により予想数値と異なる可能性があります。
以上
**********

 こうしてみると、東邦亜鉛は、円高を享受して未曾有の好決算を受けて、今回の地震により3月いっぱいまでの休業に追い込まれても、業績的には前回よりも上方修正をするほど余裕があることが分かります。

 とりあえず、安中製錬所周辺の農地や住宅地の汚染土壌の除去事業の実施方針は変わらないと思われますが、4月以降も停電が続くようだと、汚染土壌撤去事業計画に及び腰になる恐れがあります。4月初めから稼働予定だった最新鋭の電解工場の真価も、当分発揮できない状況にあります。ただし、安中製錬所の北野殿の北浦地区に隣接するサンパイ処分場の稼働が遅れることは地元住民にとっては朗報です。

■安中市で最大の産業である信越化学工業は、震災の影響について、次のようにホームページで発表しています。http://www.shinetsu.co.jp/j/news/s20110312.shtml

**********
「東北地方太平洋沖地震」による影響について    3月13日付
 2011年3月11日に発生した「東北地方太平洋沖地震」の影響による弊社事業所の状況についてお知らせいたします。
事業所の状況について:
 3月12日午前9時現在、地震に伴う停電などにより、弊社群馬事業所(群馬県安中市、松井田町)および鹿島工場(茨城県神栖市)、信越半導体白河工場(福島県西郷村)の操業を停止しております。
 今後の操業につきましては、それぞれ設備の点検を行った上で判断する予定です。
従業員の状況について:
 今回の地震により、信越半導体白河工場では3名の軽傷者を確認しております。
 弊社は今後、点検作業を進め、安全が確認できた製造設備から順次立ち上げていく予定ですが、状況に進展がありましたらお知らせいたします。
※この件に関するお問い合わせは信越化学工業株式会社 広報部 中村、小石川 TEL: 03-3246-5091 FAX: 03-3246-5096  e-mail: sec-pr@shinetsu.jp までお願いいたします。

「東北地方太平洋沖地震」による影響について(第2報)   3月14日付
 2011年3月11日に発生した「東北地方太平洋沖地震」の影響による弊社の状況についてお知らせいたします。
事業所の状況について:
 3月14日13時現在、操業を停止した弊社の工場および事業所のうち、群馬事業所(群馬県安中市、松井田町)の設備点検が完了し、操業を再開いたしました。
 なお、群馬事業所につきましては、東京電力の計画停電が実施された場合は操業に影響を受ける見込みです。
 また、弊社鹿島工場(茨城県神栖市)、信越半導体白河工場(福島県西郷村)の2工場につきましては、引き続き設備の点検を行っております。
従業員の状況について:
 今回の地震により軽傷を負った信越半導体白河工場の従業員3名につきましては、いずれも病院での手当を受けた上で帰宅しております。
 弊社は今後、点検作業を進め、安全が確認できた製造設備から順次立ち上げていく予定ですが、状況に進展がありましたらお知らせいたします。

「東北地方太平洋沖地震」による影響について(第3報)   3月15日付
 2011年3月11日に発生した「東北地方太平洋沖地震」の影響による弊社工場の状況についてお知らせいたします。
3月15日13時現在、操業を停止中の弊社鹿島工場(茨城県神栖市)、および信越半導体白河工場(福島県西郷村)の2工場につきまして、引き続き設備の点検を行っております。
安全を最優先としながら、両工場の設備の点検作業を進めておりますが、現在までに一部の製造設備で損傷が認められています。なお、現段階では、それら設備等の損傷の復旧にどの程度の時間を要するか、明確にはなっておりません。
 弊社は引き続き点検作業を進めるとともに、復旧に全力を尽くしてまいりますが、状況に進展がありましたらお知らせいたします。

「東北地方太平洋沖地震」による影響について(第4報)   3月17日付
 2011年3月11日に発生した「東北地方太平洋沖地震」で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。被災地の一日も早い復興をお祈りしております。
 このたびの地震の影響による弊社の状況について(第4報)お知らせいたします。
3月17日13時現在、弊社鹿島工場(茨城県神栖市)、および信越半導体白河工場(福島県西郷村)の2工場が操業を全面停止しております。余震も多発する中、安全第一として点検作業を行うこととしております。
 そのような状況下で、白河工場においては、現在点検作業を中断しておりますが、これまでの点検で製造設備での損傷が認められております。現段階では、それら設備等の復旧にどの程度の時間を要するか、明確にはなっておりません。当面は、稼動を続けている、白河工場以外の信越半導体グループの工場での生産体制を改めて整備し、対応してまいります。
 鹿島工場においても、引き続き設備の点検を行っておりますが、現在までに一部の製造設備で損傷が認められています。また、鹿島工場は、鹿島港に面した鹿島コンビナートに位置しておりますが、港湾設備、コンビナートの電気・水等ユーティリティ設備も損傷が認められますので、現段階では、同工場の復旧にどの程度の時間を要するか、明確にはなっておりません。
 また、東京電力および東北電力の計画停電等によって、これに関係する弊社工場が一部影響を受けております。弊社としては、全社を挙げて、電力の削減、使用抑制に協力してまいります。
 弊社は引き続き復旧に全力を尽くしてまいりますが、状況に進展がありましたらお知らせいたします。
**********

 信越化学の記者公表記事を見ると、安中市内にある同社工場に限っては、地震発生直後に、設備点検を実施し、3月14日には操業再開に漕ぎ着けたことが分かります。しかし、東電の計画停電による影響は受けていることを示唆しています。

■こうして、安中市内の二大産業であり、電力の大口需要者である信越化学と東邦亜鉛では、東電の「無」計画停電に悩まされながらも、幸い設備的や人的なダメージは回避できたようですが、肝心の操業面では両社ともに東電の停電の影響を大きく受けている様子です。

 設備には、放射性物質の影響はないかもしれませんが、電気の安定供給は両社とも最重要課題です。やはり、電力会社が地域によって寡占状態なのは産業振興の観点から問題です。東電1社体制は、あらためなければなりません。とりわけ、電力業界のガリバーであり、データの改ざん体質が身にしみついている東京電力は、原発を巡って自民党政治の利権の温床をひきずってきました。即刻、抜本的な改革を行い、諸外国のように、電力分野も自由化する必要があるでしょう。

【ひらく会情報部】

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