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1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

大同スラグ問題を斬る!…民間工事向けで新たな火種(1)「榛東村の宅地造成地盤に大量の生スラグ」

2015-10-26 01:40:00 | スラグ不法投棄問題
■連日、マスコミには大同スラグの文字が躍っていますが、10月25日の日曜日の毎日新聞朝刊に、大同スラグの膨張の影響とみられる民間住宅の傾斜や亀裂に関する記事が掲載されました。この事件については、10月9日に行われた毎日新聞の杉本記者による講演の中でも触れられていました。さっそく記事を見てみましょう。

**********毎日新聞 10月25日(日)9時0分配信
<鉄鋼スラグ>膨張、住宅傾斜…盛り土、雨水吸い 群馬

母屋隣の資材置き場の床に生じた亀裂=群馬県榛東村で2015年7月9日、尾崎修二撮影
 大手鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」(名古屋市)の渋川工場(群馬県渋川市)から排出された有害物質を含む鉄鋼スラグを巡り、新たな問題が浮上した。群馬県の宅地の盛り土に使われたスラグが雨水などで膨張し、家が傾く被害が起きている。国が同県長野原町で建設を進める八ッ場(やんば)ダムの住民移転代替地にもスラグは無許可で使われており、専門家は「スラグの宅地利用は危険が伴う」と警鐘を鳴らしている。【杉本修作、尾崎修二】

宅地の地盤が隆起し、縁側のコンクリートは母屋から約14センチも動いている=群馬県榛東村で2015年7月9日、尾崎修二撮影


被害があった住宅の位置
 スラグを宅地に利用したのは、同県榛東(しんとう)村山子田の建設会社社長(56)の木造2階建て住宅で、先代の父親(故人)が30年前に新築した。社長によると、父親の友人で渋川工場に勤める男性の紹介で、敷地を高くする盛り土材としてスラグを譲り受けた。約2000平方メートルの土地に3~5メートルほど盛ったという。
 ところが10年ほど過ぎると外壁にひびが入り、戸口の建て付けが悪くなり始めた。さらに床が数カ所で数センチ隆起し、基礎のコンクリートにも大きな亀裂が生じ、母屋とコンクリート製縁側の間には十数センチの隙間(すきま)ができた。隆起やひび割れは今も進行しているという。
 鉄鋼スラグのうち、特殊鋼の精製で排出されるものは「製鋼スラグ」と呼ばれ、これは水と反応して膨張する性質がある。道路で利用するスラグには日本工業規格(JIS)で膨張率に基準(1.5%以下)が設けられ、JIS策定委員を務めた長岡技術科学大の丸山暉彦名誉教授(道路工学)によると、スラグに機械で蒸気を掛けるなど膨張を抑える処置をしなければ、最大で10%以上膨張することがある。社長宅を視察した丸山氏は、スラグが原因とみて間違いないとしている。
 毎日新聞は社長宅のスラグを採取して国指定の専門機関に鑑定を依頼。環境基準の7倍を超える有害物質「フッ素」が検出された。また、東京農工大の渡辺泉准教授(環境毒性学)の研究チームが別途採取した周辺土壌からは微量の発がん性物質「六価クロム」も検出された。渡辺氏は「六価クロムは自然界になく、スラグによる土壌汚染が起きている」と指摘した。
 渋川工場のスラグは八ッ場ダムの住民移転代替地などに無許可で使われ、国土交通省の調査で有害性も確認された。スラグが見つかった代替地の近くには既に住宅が建っているが、国交省は「民有地」を理由に宅地の調査をほとんどしておらず、宅地の真下に使われている可能性もある。
 丸山氏は「JISで認められたスラグはそもそも宅地での利用を想定してなく、使うのはリスクを伴う。宅地で使われた可能性があるなら、国は異常の有無を継続的に監視すべきだ」と指摘。国交省関東地方整備局は「移転代替地の今後の調査について住民の要望や宅地の状況などを考慮して判断したい」としている。
 大同特殊鋼総務部は「(社長宅の)スラグが当社製のものかは確認できていない。要望を詳しく聞いた上で対応を検討したい」とコメントした。
 渋川工場のスラグを巡っては、建設資材の取引を装った廃棄物処理法違反容疑で群馬県警が先月、強制捜査に乗り出している。
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■杉本記者が講演で語った通り、今後、民間工事向けに不法投棄されたスラグの影響による民事問題が多発することが懸念されています。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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