市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

簗瀬二子塚古墳と周辺用地に約3億400万円の血税投入を決めた岡田市長の気持ちを占う

2012-08-28 22:42:00 | 土地開発公社51億円横領事件
■今日の東京新聞朝刊に、「簗瀬二子塚古墳 安中市が用地取得」と題する記事が報じられました。この古墳は、原市小学校の南400mほどの碓氷川中流域の氷川右岸の中位段丘上にある安中市簗瀬八幡平に立地しています。全国には同じように「二子塚」と名付けられた2個の丘状の地形を持つ古墳がいくつもあり、方墳を2基つなぎ合わせた双方墳或いは長方墳という形式を「二子塚」と呼ぶところもありますが、安中市簗瀬の「二子塚」古墳の場合は、前方後円墳の形式となっています。この古墳に、ケチな安中市が3億円もの血税を投入するということで、いろいろ背景を占ってみました。


 今日の朝刊の記事は、次の内容でした。

**********2012年8月28日付東京新聞
簗瀬二子塚古墳 安中市が用地取得
 安中市簗瀬の六世紀前半の前方後円墳で、関東で最古とされる横穴式石室を持ち、当時の有力豪族が埋葬されたとみられる「簗瀬二子塚古墳」について同市は、古墳を含めた用地を取得することを9月3日開会の市議会九月定例会に提案する。一帯の古墳公園としての保存整備に本格的に取り組む。(樋口聡)
 同古墳は、東西が約80メートル、南北は最大約60メートルで、周りを幅約20メートルの周堀が囲む。
 市は当初、国指定史跡を目指し、個人が所有していた古墳や周辺を含む用地を取得し都市公園とする構想を計画。2000年までに、古墳南側の約3千6百平方メートルを市土地開発公社が先行取得したが、古墳の東側で市道の工事により周堀の一部が破壊されていたことや、古墳周辺での宅地開発、厳しい財政状況などにより構想は頓挫していた。
 市は今回、古墳や残る周堀を含めた約7千平方メートルと、公社が購入した分を約3億4百万で購入する意向。本年度当初予算に取得費を計上していた。
 市教委は、専門家による保存整備委員会に基本設計の策定を委託しており、当面は県指定史跡を目指していくという。岡田義弘市長は「長年の懸案にようやくめどがついた。新しい視点で町づくりが進められる」と話した。
**********

 この簗瀬二子塚古墳については、今年の3月4日にも東京新聞が、古墳の保存に向けて、安中市が古墳を含めた用地を取得し、「古墳公園」として整備に乗り出す方針であることを報じました。東京新聞の販売店主でもある記者は、岡田市長と懇意ですので、この記事は岡田市長の意向を反映したものだと市民に捉えられていたところでした。

 そうした予告を経て、本日また新聞報道に至ったわけですが、この記事の内容を見ると約1ヘクタールの公園用地取得のために3億円を投じることに、何かひっかかるものを感じます。

■といいますのは、この土地取得手続が全て安中市土地開発公社を介して行なわれるからです。

 最近、当会では安中市土地開発公社の財務内容に関する情報を入手する機会を得ていませんが、3年前の2009年2月11日の当会ブログで当時の土地開発公社の塩漬け土地の現況について報告したことがあります。
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/189.html

 それによると、今回の簗瀬二子塚古墳公園用地関係で、2000年までに土地開発公社が先行取得していたとされる約3千6百平方メートルの土地は次の用地と思われます。

<公有用地>
番号.資産区分/面積(今期増減)/期末残高/うち支払利息累計/当期増加支払利息
3.簗瀬二子塚古墳史跡公園用地/1,387.00㎡(±0)/63,177,592円/9,789,588円/989,700円
4.簗瀬街区公園用地/2,295.92㎡(±0)/111,786,434円/13,642,560円/2,334,696円

■当時の情報では、上記2つの合計3600㎡の土地の合計簿価は、1億7496万5026円になり、1平方メートル当たり単価は4万8601円となります。これに、今回、約7000㎡の土地を買い増して、総額約3億400万円を安中市土地開発公社に支払うことになるわけですから、約7000㎡の土地に約1億6500万円(1㎡当たり2万3576円)の血税を投じるわけです。

 綾瀬二子塚古墳あたりの住宅地の地価は、2万円程度と見られますが、2000年までに公社が取得した土地の単価は現在の倍近いレベルとなっています。今回、めでたく、これらの塩漬け土地を、安中市が血税を払って買い取ってくれるというのですから、土地開発公社の理事長でもある岡田義弘市長としては万々歳といったところでしょう。長年にわたり多額の政治献金を岡田市長にしていた東京新聞の地元販売店主記者のインタビューで「長年の懸案にようやくめどがついた。新しい視点で町づくりが進められる」と、顔をほころばせて語った岡田市長の様子が目に浮かぶようです。

 岡田市長の喜びの背景には、タゴ事件の尻拭いのため安中市・公社から毎年群馬銀行に支払われる原資として、土地開発公社に土地の先行取得事業をさせたりするための事務費(=手数料)として、事業費の5%程度を、市民の血税を使って、公社につぎ込んでいることから、今回の3億円の事業に伴う事務費として、1500万円程度を確保できることになり、4ヵ月後の年末12月25日に群馬銀行にしはらうタゴ横領金の和解金返済資金として、一息つけることになるからです。

 この件については、当会としてもこの機会に、我らが安中市の土地開発公社の塩漬け土地の実態の現況を確認してみたいと思っています。

【ひらく会情報部】

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 地方自治法の政務調査費条項... | トップ | 甘楽町など他自治体の放射能... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

土地開発公社51億円横領事件」カテゴリの最新記事