市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

妻の公選法違反で連座制適用の南波元県議…二百万円選挙公営費返還の住民監査請求を県監査委員が棄却!

2020-02-22 23:40:00 | 政治とカネ

■公営選挙費用を使って2019年4月7日投開票の県議選に当選した自民党の南波和憲県議は、その後突然5月24日に辞職しました。以後約7カ月が経過しようとする12月18日に、南波和憲に対する連座制適用に基づく群馬県議選への立候補を今後5年禁止する判決が、東京高裁で言い渡されました。このため、当会は、12月23日、群馬県監査委員に対して、群馬県選挙委員会が南波和憲のために支出した選挙公営費を本人から返還させるよう求める住民監査請求を郵送で提出しました。翌24日、群馬県監査委員事務局に電話で確認したところ、受理されたことが確認されました。その後、1月27日(月)に監査委員2名の前で陳述が行われ、当会代表から「公選法違反が確定したのだから、支出した公金は取り戻さなければならない」と力説し、「他の自治体の例など調べることなく、群馬県として判断してほしい」と念押しをしました。その住民監査結果通知が、2月18日に県監査委員事務局から送られてきました。開封して結果通知を見ると「本件措置請求を棄却する」といういつもの決まり文句がそこに記されていました。

県監査委員からの監査結果が入った封筒。

 この事件に関する当会のブログ記事は次のとおりですので、ご参照ください。
○2019年7月24日:妻が公選法違反で起訴!・・・4.7県議選で南波前県議が血税で使った選挙公営費用158万円の落とし前
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2989.html
○2019年8月23日:公選法違反で妻が起訴!・・・4.7県議選後5月に辞任の南波前県議の妻に求刑1年
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3008.html
○2019年9月23日:公選法違反で妻が起訴!・・・妻が執行猶予付き有罪判決を受けた南波元県議が一時県議会臨時議長に!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3034.html
○2019年12月24日:妻の公選法違反で連座制適用の南波元県議・・・200万円余の選挙公営費の返還を求め住民監査請求!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3095.html

■それでは配達証明付き郵便で送られてきた監査結果通知を見てみましょう。

*****送り状*****ZIP ⇒ 20200217.zip
                       群監第202-31号
                       令和2年2月17日

 小 川  賢 様

               群馬県監杏委員 丸 山 幸 男
               同       林     章

        住民監査請求に係る監査結果について

令和元年12月24日付けで収受した標記請求に係る監査結果は、別紙のとおりです。

                群馬県監査委員事務局
                 特定監査係
                 TEL: 027-226-2767

*****監査結果*****ZIP ⇒ 20200217.zip
<p1>
        群馬県職員措置請求監査結果
第1 主文
   本件措置請求を棄却する。
第2 請求人
   群馬県安中市野殿980番地
   小川 賢
第3 請求書の提出
   令和元年12月24日
第4 請求の内容
 1 請求の要旨
   2019年4月7日執行の群馬県議会議員選挙において、南波和憲(以下「元議員」という。)の親族の公職選挙法違反(事後買収)(以下「本件公選法違反」という。)の有罪が確定したにもかかわらず、群馬県選挙管理委員会は、元議員の選挙公営のために支出した公費の返還を元議員に求めようとしていない。
   本件公選法違反で連座制の適用を受けた元議員の得票数は、当然にゼロとみなされることになり、よって、法定得票数に満たないため、選挙公営の適用外となる。
   ところが、群馬県選挙管理委員会は、返還請求の必要性を認めようとしておらず、法令順守の義務を放棄しており、道義的責任も感じて いないため、元議員の選挙公営に係る支出を巡り群馬県には計207万6293円(以下「本件選挙公営費」という。)の損害が発生している。
   よって、監査委員におかれては、群馬県選挙管理委員会に対して、本件選挙公営費を元議員から返還させるなど、群馬県の被った損害を補填するための必要な措償をとるよう求められたい。
 2 事実証明書(各事実証明書の表題は、措隧請求善における請求人の記載をそのまま使用した。)
  (I) 事実証明書1 自動車の借入れ(群馬県議会議員及び群馬県知事の選挙における選挙運動用自動車の使用等の公営に関する条例第4条第2号イ)
  (2) 事実証明書2 運転手の雇用(群馬県議会議員及び群馬県知事の選挙における選挙運動用自動車の使用等の公営に関する条例第4条第2号ハ)
  (3) 事実証明書3 ポスター作成公営費(群馬県議会議員及び群馬県知事の選挙における選学運動用自動車の 使用等の公営に関する条例第7条)
第5 監査委員の除斥
   本件措置請求の審理に当たり、中島篤監査委員及び安孫子哲監査委員は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「地自法」という。)第199条の2の規定により監査に加わらないこととなった。
第6 請求の受理
   本件措置請求は、地自法第242条第1項に規定する要件を具備しているものと認め、令和2年1月8日に受理を決定した。
第7 監査の実施
 1 監査対象事項
   群馬県議会議員選挙(以下「本件選挙」という。)における選挙公営費の返還について
 2 監査対象機関
   群馬県選挙管理委員会(以下「県選管」という。)
 3 請求人の陳述及び証拠提出
   令和2年1月27日、地自法第242条第6項の規定により、請求人の陳述を聴取した。また、新たな証拠

<p2>
の提出はなかった。
 4 監査の実施
   令和2年1月27日、監査対象機関に対し、監査委員による対面監査を行った。また、これに先立ち監査委員事務局職員による事務ヒアリングを行った。
第8 監査の結果
 1 監査対象機関の主張及び説明
  (1) 選挙公営費の目的について
    金のかからない選挙を実現するとともに、候補者間の選挙運動の機会均等を図る手段として、公職選挙法(昭和25年法律第100号。以下「公選法」という。)により定められている制度であり、国又は地方公共団体がその費用を負担して候補者の選挙運動を行い若しくは選挙を行うに当たり便宜を供与し、又は候補者の選挙運動費用を負担するものである。
    本件選挙においては、選挙運動用の自動車の使用、ポスター及びビラの作成並びにはがきの郵送に係る費用が対象となっている。
  (2) 選挙公営費の概要について
  ア 選挙運動用の自動車の使用、ポスター及びビラの作成に係る支出の流れについて
   (ア) 事 前 立候補予定者と自動車の使用(借入れ、運転手の雇用、燃料代)、ポスター及びビラの作成を行う業者(以下「契約業者」という。)との間で、契約を締結
   (イ) 告示日 候補者が県選管に対し、契約締結を届け出るとともに、その確認を申請
     県選管が当該契約内容を確認し、確認書を交付
     候補者から契約業者に確認書を提出
   (ウ) 適宜候補者が作成した証明書を契約業者に提出
   (エ) 選挙後 契約業者から県選管に費用を請求。県選管から契約業者に支払
  イ 選挙運動用のはがき郵送料金に係る支出の流れについて
   (ア) 立候補受付後、県選管から候補者に選挙運動用通常葉書差出票を交付
   (イ) 候補者が当該差出票とともに作成したはがきを指定された郵便局に提出
   (ウ) 郵便局がはがきを配達
   (エ) 日本郵便株式会社から県選管に郵送料金を請求
   (オ) 県選管から日本郵便株式会社に支払
  ウ 選挙公営費の基準限度額について
    選挙運動用のはがきの郵送料は全国一律であるが、選挙運動用の自動車の使用、ポスター及びビラの作成に係る費用の基準限度額については、国政選挙に関しては公職選挙法施行令(昭和25年政令第89号)で、地方選挙に関しては各地方公共団体の条例で定められている。
  エ 選挙公営費の公費負担対象外について
    選挙運動用のはがきの郵送料については、地方選挙に関しても条例でなく公選法第142条第5項の規定により無料とされているが、選挙運動用の自動車の使用、ビラ及びポスターの作成に係る費用について、群馬県議会議員及び群馬県知事の選挙における選挙運動用自動車の使用等の公営に関する条例(平成6年群馬県条例第7号。以下「条例」という。)第2条ただし書(第7条及び第11条において準用する場合を含む。)の規定により、候補者の得票数が供託物没収点に満たない場合は、公費負担の対象ではない。
  (3) 本件公選法違反及び本件選挙公営費の経緯について

<p3>
年月日               内容
平成31年2月26日 本件選挙の立候補予定者等説明会
           (選挙公営を含む各種書類、様式等を立候補予定者に配付)
適        宜 立候補予定者がそれぞれ契約業者との公費負担対象となる契約を締結
           選挙運動用ビラ及びポスターの作成開始
同  年 3月29日 本件選挙の告示日(立候補届出日)
           (選挙公営対象契約の確認手続等)
同  年 3月29日 選挙運動期間
    ~4月 6日 (選挙運動用自動車の使用(借入れ、運転手の雇用、燃料代))
           (選挙運動用通常はがきの送付(郵便局に持込み))
同  年 4月 7日 本件選挙の選挙期日
同  年 4月 8日 選挙会(各候補者の得票数が確定し、選挙公営の対象者が確定)
令和元年 5月 9日 県選管が日本郵便株式会社から本件選挙に係るはがき郵送料金の請求書を収受
同  年 5月21日 県選管が契約業者から元県議の本件選挙公営費(はがき郵送料金以外)の請求書を収受
同  年 5月24日 元県議の辞職(県議会による承認)
同  年 5月27日 本件選挙に係るはがき郵送料金の支出
同  年 6月12日 元県議の本件選挙公営費(はがき郵送料金以外)の支出
同  年 7月22日 公選法違反(事後買収)で元県議の妻が在宅起訴を受ける
同  年 9月 6日 元県議の妻に有罪判決(懲役1年・執行猶予4年)
同  年 9月21日 上記有罪判決確定
同  年10月11日 東京高等検察庁が連座訴訟を提起
同  年12月18日 連座判決
令和2年 1月 7日 連座判決確定
           (確定日から5年間、群馬県議会議員選挙吾妻郡選挙区から立候補禁止)
  (4) 請求人の主張に対する見解について
  ア 本件公選法違反で連座制の適用を受けた元議員の得票数は当然にゼロとみなされ、法定得票数に満たないため、選挙公営の適用外となるという主張について
    連座判決の効力は、公職の候補者等の当選の無効と5年間の群馬県 議会議員選挙吾妻郡選挙区での立候補禁止とされている(公選法第251条の2第1項)。当該公職の候補者等の得票数は、その後の当選無効の影響を受けるものでない。
    また、公選法第251条の5の規定により、連座制の当選無効等の効力は、連座訴訟の判決が確定したときに生ずるとされている。
    なお、本件公選法違反に関わる連座訴訟は、訴え提起前に元県議が辞職しているので、当選の無効につ

<p4>
いては当該訴訟の対象となっておらず、5年間の立候補禁止のみを求めたものになっている。
  イ 県選管は、法令順守の義務を放棄し、道義的責任を感じておらず、本件選挙公営費の返還を求めるべきであるという主張について選挙公営の制度は、金のかからない選挙を実現するとともに、候補者間の選挙運動の機会均等を図る手段及び立候補者に認められた権利であり、参政権の一部である被選挙権を実質的に保障するための制度の一つといえる。
    県選管がこれを恣意的に扱い、法令で定められた枠を越えた制裁を公職の候補者等に強制することは許されない。
    また、請求人の求める行為は、県選管の権限及び裁量の範囲を逸脱したものであり、道義的責任の発生する余地はない。
  (5) その他
  ア 本件公選法違反と本件選挙公営費の関係について
    本件選挙公営費の請求自体が過大、架空など違法なものであった場合には、当然に契約業者等に対し不当利得分の返還を求めることとなるが、本件公選法違反は、選挙公営の対象となる選挙運動用の自動車の使用、ポスター及びビラの作成並びにはがきの郵送とは無関係な違反行為(契約業者ではない者への金品の提供)である。
  イ 元議員に対する返還請求について
    選挙公営制度の適用を受けるかどうかは候補者の判断によるものであるが、既に適法に契約業者等から本件選挙公営費を請求され、支払が完了しているので、元議員に対し返還請求することは法的根拠がない。
 2 事実関係の確認
  (1) 支出事務について
    本件選挙公営費に係る支出事務については、公選法及び条例等により、適正に行われていた。
  (2) 返還規定について
    公選法や条例に公選法違反で連座制の適用を受けた議員に対する選挙公営費について、返還請求できる規定はなかった。
  (3) 返還請求について
    元議員に対して、本件選挙公営費の返還請求はしていなかった。
第9 監査委員の判断
   本件措置請求において、請求人は、元議員の選挙公営に係る支出を巡り群馬県には計207万6293円の損害が発生しており、本件公選法違反による連座制の適用を受けた元議員から本件選挙公営費を返還させるなど、県選管に対し、群馬県の被った損害を補填するための必要な措置をとるよう求めている。
   しかしながら、地自法第242条に規定する住民監査請求は、その対象とされる事項につき、違法若しくは不当な公金の支出、財産の取得、管理若しくは処分、契約の締結若しくは履行若しくは債務その他の義務の負担又は違法若しくは不当に公金の賦課若しくは徴収若しくは財産の管理を怠る事実に限定されている。
   したがって、本件選挙公営費の返還措置を講じるためには、本件選挙公営費の支出が過大、架空等による違法若しくは不当な公金の支出であるか、返還請求権を有しているにもかかわらず、当該返還請求権を行使していないという財産の管理を怠る事実に当たらなければならない。
   これらについて、監査委員は次のとおり判断した。
  (1) 違法若しくは不当な 公金の支出について
    本件選挙公営費の支出について、平成31年4月7日に本件選挙が執行され、それに伴う事務手続きは、公選法及び条例等により、必要な要件を具備していることを確認した上で適正に執行されており、違法性及

<p5>
び不当性は認められない。
  (2) 財産の管理を怠る事実について
    条例第2条ただし書(第7条及び第11条において準用する場合を含む。)の規定により、選挙公営費の公費負担の除外対象は、選挙運動用の自動車の使用、ビラ及びポスターの作成に係る費用について、候補者の得票数が供託物没収点に満たない場合である。
    これを本件についてみるに、請求人は、本件公選法違反で連座制の適用を受けた元議員の得票数は当然にゼロとみなされ、法定得票数に満たないため、選挙公営の適用外となるという主張をする。
    しかしながら、連座判決の効力は、公選法第251条の2第1項の規定により、公職の候補者等の当選の無効と5年間の選挙区での立候補禁止に限定されており、元議員の得票数は、その後の当選無効の影響を受けるものでない。そもそも本件公選法違反による制裁は、公民権の停止に限定されており、本件選挙公営費とは連動しているわけではないから、選挙公営の適用外になるという請求人の主張は採用できない。
    そして、公費負担された選挙公営費について、公選法及び条例には、公選法違反で連座制の適用を受けた議員に対する選挙公営費を返還請求できる規定はない。そうすると、本件選挙公営喪について、返還請求権は発生する余地がなく、当該返還請求権を有しない以上、住民監査請求上の財産の管理を怠る事実は認められない。
    以上のとおりであるから、元議員に本件選挙公営黄の返還を求めるという請求人の主張は失当である。
    よって、請求人の主張は理由がなく、これを棄却する。
                             以上
**********

■P3に示してある時系列票を見て驚きました。南波元県議が2019年5月23日に辞職願を議会に提出し、翌5月24日に辞職が承認された3日後の5月27日に、県選管は、選挙はがき郵送料金をJPに支出し、19日後の6月12日に、選挙はがき以外の選挙公営費(ポスター代、運転集雇用代、燃料代)をそれぞれの業者(一部は南波元県議の関係する会社)に支出しているのです。

 遅くとも群馬県民は、2019年5月25日の新聞朝刊の報道を見て、この事件を知りました。5月23日の辞職願の提出を受けて、5月24日付けで報道した新聞もあります。

**********産経新聞2019年5月24日
群馬の南波県議 関係者聴取で引責辞職

24日付で群馬県議を辞職した南波和憲氏
 4月の統一地方選で行われた群馬県議選をめぐり、自民党の南波和憲県議(71)=7期、吾妻郡区=の関係者が公職選挙法違反の疑いで県警から任意で事情聴取を受けていることが24日、分かった。南波氏は23日、狩野浩志議長に辞職願を提出。24日開会した県議会本会議は、賛成多数で同日付の辞職を認めた。
 南波氏は平成7年の県議選以来7期連続で当選し、県議会議長や党県連幹事長などの要職を歴任したベテラン。捜査の行方によっては、夏の知事選と参院選に影響する可能性もある。県選挙管理委員会によると、次点の萩原渉氏(65)が繰り上げ当選する見通し。
 南波氏は23日、辞職について説明する書面を党県連の星名建市幹事長に提出。「県議選で公職選挙法に抵触する関係者に取り調べが行われている」とし、「知事選と参院選を控えており県連などに迷惑がかかる」として引責辞職する意向を伝えた。
 文書では、取り調べの対象となった人物や具体的な違法行為については「調査中」として明かしておらず、持病が悪化していることも辞職の理由に挙げていたという。
 星名氏は報道陣の取材に「県議団の重鎮であり(辞職は)痛手だ」とし、知事選と参院選に向けて「組織態勢をしっかりと固めていきたい」と語った。
 3期目の今期限りでの政界引退を表明している大沢正明知事は「重要なポジションにいた県議だっただけに辞職はショックだ」と述べた。
**********

■発行部数40万部を自称する地元紙も5月25日朝刊で次のとおり報じています。

**********上毛新聞2019年5月25日
南波和憲氏が県議辞職 7期当選 「関係者が選挙違反疑い」
 自民党群馬県議の南波和憲氏(71)=吾妻郡区、7期=は県議の辞職願を狩野浩志議長宛てに提出し、24日の県議会本会議で許可された。辞職理由について「県議選を巡り、自らの関係者が公職選挙法違反の疑いで県警から取り調べを受けているため」と自民県連に説明した。南波氏の辞職により、同郡区で次点だった萩原渉氏(65)が繰り上げ当選する見通し。重鎮県議の突然の辞職を受け、県連は2カ月後に迫る知事選や参院選に向けた態勢の立て直しを急ぐ。
 同日会見した県連の星名建市幹事長によると、南波氏は23日に狩野議長宛てに辞職願を提出、星名幹事長には辞職理由を記した書面を渡した。
 星名氏に手渡した文書では、4月の県議選を巡って関係者が県警の取り調べを受けているため、「知事選や参院選を前に、県連に多大な迷惑を掛ける懸念がある」と説明。持病の悪化による体調不良も理由としていた。
 星名幹事長は「我が党や県議団、県議会にとっても重要な方で大変な痛手」とし、「こういった時期なので県議団として改めて一致協力し、選挙に向けて組織を固めていく」と述べた。
 南波氏は議会基本条例推進委の委員長のほか、参院選群馬選挙区に自民公認で出馬予定の清水真人氏陣営の選対本部長を務めるなど、党内外で複数の要職にある。議員辞職に伴い、党内の前役職も退く意向で、県連は今後、後任選びなど対応を急ぐ。
 大沢正明知事は24日「県議会の中でも要となる議員だった。突然の辞職は私にとってもショックだ」と述べた。
 萩原氏は「驚いている」と述べ、今後については「県政で再び活動できる機会を頂けるのであれば、引き続き中山間地域の過疎化を食い止めるために力を尽くしたい」と語った。
 公職選挙法の規定では、県議選の実施から3か月以内に辞職などによって欠員が生じた場合、法定得票数を得て次点となった立候補者が繰り上げ当選する。南波氏の辞職を受け、同郡区の選挙会が同法に基づいて20日以内に開かれ、萩原氏の繰り上げ当選が決まる。
==========社会面(紙面記事より転載)
南波県議が辞職 地元に戸惑い、不満広がる 「ショック」「説明を」
 「真面目な人だったのでショックだ」―。自民党の南波県議の突然の辞職に対し、選挙区の吾妻郡内の有権者には24日、戸惑いや不満が広がった。三つどもえの激戦となった4月の県議選を巡り、陣営関係者に公選法違反容疑が浮上していることが辞職理由の一つとされ、不信感を募らせる人も。7期目の重鎮だっただけに、早期開通が求められる上信自動車道など地域の事業への影響を懸念する声もある。
 新聞で辞職の意向を知った中之条町の70代男性は、「選挙中から体調が悪そうだと聞いており、体調不良での辞職だと思っていた。選挙違反するとは考えられない」と驚いた様子。長野原町のパート女性(64)は「地域の催しに代理を立てることなく出席してくれた。辞職は驚き」とした。
 捜査関係者によると、南波氏の関係者が当選後、複数の支援者に金券を贈ったなどの疑いが浮上し、県警は同法違反の疑いを視野に、慎重に捜査を進めているもようだ。
 県議選で対立候補を応援していた中之条町の60代男性は「以前からうわさはあった。陣営に広がっているのであれば大きな騒ぎになる」と懸念した。東吾妻町の60代男性は「相当厳しかったのだろうか」として、8年ぶりの選挙戦となった状況を推し量った。
 支持した人には憤りも強い。中之条町の70代男性は「寝耳に水。懸命に応援して激戦を勝ち抜いたのに、何の連絡もなく辞めるとは頭にくる」と話した。東吾妻町の40代男性は「当選してすぐに辞職するのは理解に苦しむ。思いを託した有権者のために、本人の口からきちんとした理由を説明してほしい」と注文を付けた。草津町の男性(66)は「選挙違反が本当なら残念」と肩を落とした。
 吾妻郡町村会長の熊川栄嬬恋村長は「(南波氏は)上信自動車道の整備や八ッ場ダムの建設促進はもちろん、福祉や教育など郡内の住民に寄り添った政策を進めた。政治的でまじめな人だったのでショック」と話した。別の首長も「郡内の要望を県に伝え、調整する大きな役割を担っていた。県との太いパイプが失われることは非常に残念だ」と肩を落としていた。
 辞職の理由には、体調への不安もあったとされる。東吾妻町の自営業男性(80)は、「(南波氏は)年中、病院に行っていたようだ。選挙に出馬しなければよかったのではないか」と話していた。
**********

■こうした重要な事実が報道されても、群馬県の選管は、条例に記載がないからとして、公金であがなわれる選挙公営費を何の躊躇もなく、選挙違反の疑いのある政治家と契約した契約業者からの請求書に対して、本人に事実関係を確認しないまま、支払ってしまったのでしょうか。

 本来であれば、供託金も没収されなければならないところです。なぜなら、供託金が没収されるのは、立候補した後に立候補を取り下げた場合や辞退した場合、選挙違反などで立候補資格を失った場合のほか、選挙で一定の得票が得られなかった場合だからです。

 この供託金の額を見てみましょう。
  選挙の種類           供託金の金額
  衆議院議員選挙(小選挙区)   300万円
  参議院議員選挙(選挙区)    300万円
  都道府県知事選挙        300万円
  都道府県議会議員選挙      60万円
  政令指定都市の市長選挙     240万円
  政令指定都市の市議会議員    50万円
  一般の市区長選挙        100万円
  一般の市区議会議員選挙     30万円
  町村長選挙           50万円
  町村議会議員選挙        なし

■今回の住民監査請求に対して、監査委員は、「公選法違反の連座制適用は当選無効と公民権行使の制限(5年間の立候補禁止)のみであり、選挙公営は適用外」を理由に、選挙公営費の返還請求はしなくてもよい、との判断をしました。

 その上で、選挙公営は、「供託金が没収されない限り、公費負担除外対象には該当しない」と結論付けています。しかし、供託金は選挙違反をすれば、当然没収されなければならないはずです。

 今回、選挙違反(事後買収)が確定したわけですから、当然供託金は没収されることになりますが、たまたま選挙の投開票日の翌日に事後買収をしたため、警察の捜査開始から終結により書類送検を経て、検察により起訴するかどうか検察官が判断するまでには時間がかかります。だから、結果的に供託金は没収に至る前に返還されてしまったわけです。

 しかし、本来であれば、選挙違反が行われ連座制の適用を受けたわけですから、当然、供託金は没収されなければならないはずです。そして、選挙公営で支出された公金も返還されるべきではないのでしょうか。

■当会は、実はこの件について、1月27日の陳述に先立ち、1月9日10:39に総務省自治行政局選挙課に電話をして見解を求めました。しかし、担当職員が「調べてから連絡する」というので、その後連絡を待っていましたが、一向に連絡はありませんでした。








 そのため、再度1月27日の15時からの陳述前の14:07に、選挙課に電話をしましたが、この時も担当者が席を外しているというので、連絡がとれませんでした。したがって、やむなく陳述では、選挙課のコメントを開陳することができませんでした。










 意見陳述には、有識者の立場で2名の監査委員(丸山氏、林氏)のみが出席し、議会選出の2名の監査委員(中島氏、我孫子氏)は姿を見せませんでした。事務局に聞いてみると「本件の利害関係者だから」という理由なのだそうです。ちなみに、現在の群馬県監査委員は次の4名です。
 氏名     選出別     就任年月日     備考
①丸山 幸男  識見委員 平成25年2月21日  常勤(代表監査委員)
②林   章  識見委員 平成28年10月1日  非常勤
③中島  篤  議会選出委員 令和元年5月17日  非常勤
④安孫子 哲  議会選出委員 令和元年5月17日  非常勤


 しかし、同じ仲間の県会議員が公選法違反で公民権として被選挙権を5年間剥奪されたわけですから、この問題は他人ごとではないはずで、むしろ、積極的に監査をしてほしいところです。ただし、確かに仲間を庇うことも有り得ますので、本来選良の集まりのはずである県議会ですが、性善説をそのまま鵜呑みにするのも抵抗感が生じます。

■最終的には、前述のとおり当会の住民監査請求は監査委員に棄却されてしまいました。すなわち、選挙違反がバレても、選挙会でいったん当選が宣言されてしまい、供託金の没収を免れた後であれば、選挙公営費用も全て公金負担で問題ない、と群馬県監査委員(議会出身者を除く)が結論付けたわけです。 

 その後、2月4日の午後1時過ぎに、別件裁判で東京地裁を訪れた際に、向かい側にある総務省選挙課に電話をしてみました。すると選挙課のサカイ職員が電話口に出てくれました。サカイ氏との電話のやりとりは概ね次のとおりです。

 選挙課「先週、電話をしたが番号違いか何かでつながらなかった。回答というか規程の説明になってしまうが、例えば選挙事務所、でなく、選挙カー、自動車については公選法141条の7項に規定はされている。例えば衆議院や参議院の選挙で政令により無料で使用することができるというふうにされているなかで、そこで但しということで、供託物が国庫に帰属されることにならない場合に限るとされている。なので、あのう、そこはまあ供託金が国庫のほうに帰属されることになる場合については、無料で使用することはできないというような形になるんですけれども」
 当会「法定得票数に足りなかった場合は、というときですね」
 選挙課「そうですね。その供託金が国庫に寄贈されるということになるケースが、法定得票数に達しなかった場合ですとか、あとは、候補者の届出が取り下げられて、その候補者たることを辞した場合、そういったケースがあるのかなあと思うんですけれども、あとは司法の判断のなかで、選挙における得票が無効であるという場合について、供託物が返還されなくて没収となるというケースもあるかとおもう。その辺は、司法の判断になってくるかと思うので、得票が無効となるかいなか、というのはその個々のケースに応じて違うのかな、という気もいたします」
 当会「わかりました。そんな感じですね」
 選挙課「そんなかたちでの規定のご説明になりますので…」
 当会「まあ、いずれにしても地方分権法で、選挙の主体はそれぞれの自治体の判断ということで私も承っているので、だから今回のケースもおっしゃるように司法の判断ということだと究極的にはそう思います」
 選挙課「最終的には司法の判断ですね」
 当会「そうですよね。だから住民訴訟で白黒つけてみたいと思います。いろいろありがとうございます」
 選挙課「いや、とんでもないです」

■本件について、住民訴訟を提起するかどうかは、監査結果通知を受けた2月18日から30日以内の3月19日(木)までに判断したいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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