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1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

大同スラグ訴訟・・・12月1日の第13回口頭弁論で足掛け31カ月の裁判が結審!2月23日判決!

2017-12-11 00:39:00 | スラグ不法投棄問題

■平成27年4月30日の提訴から既に2年7カ月が経過した大同有毒スラグの農道への不法投棄問題にかかる舗装工事費用の返還を責任者である吾妻農業事務所長(当時)に求めることを群馬県知事に義務付ける住民訴訟の第13回口頭弁論が、12月1日(金)午前10時から前橋地裁21号法廷で開かれました。

東吾妻町萩生川西地区での大同有毒スラグ不法投棄にかかる住民訴訟の第13回口頭弁論が開かれた前橋地裁。

 当日朝、地裁1階ロビーに張り出された開廷表には次の事案が書かれていました。本日の21号法廷における審理案件は10時からの2件のみで、そのうち1件は判決言渡です。いつものように9時50分に法廷の傍聴席入り口ドアの鍵が開けられると、さっそく中に入りました。

*****開廷表*****
第21号法廷(本館2階)開廷表
平成29年12月1日 金曜日

●開始/終了/予定 10:00/10:10/弁論
○事件番号/事件名 平成27年(行ウ)第7号/住民訴訟事件
○当事者      小川賢 外/群馬県知事大澤正明
○代理人        ―  /関夕三郎
○担当       民事第2部合議係
          裁判長 菅家忠行
          裁判官 佐藤 薫
          裁判官 金澤 康
          書記官 清宮貴幸

●開始/終了/予定 10:00/10:10/弁論(判決言渡)
○事件番号/事件名 平成29年(レ)第34号/貸金請求控訴事件
○当事者      高崎きみ江/萩野隆之
○代理人        ―  / ―
○担当       民事第2部合議係
          裁判長 菅家忠行
          裁判官 佐藤 薫
          裁判官 金澤 康
**********

■開廷表の順番では、当会の住民訴訟事件が最初になっていましたが、書記官から、最初に判決言渡の事件から行い、我々の住民訴訟事件はその次にすると伝えられました。10時きっかりに、菅家裁判長が2名の陪席裁判官を従えて入廷してきました。全員起立して礼をしたあと、さっそく1件目の判決が言い渡されました。続いて、本件事件の審理が開始されました。

書記官:はい、平成27年行ウ第7号。

裁判長:はい、では手続きを始めます。甲号証。直近で出たほうから確認ね。原告さん達から甲74号は情報公開で入手した資料。これ、証拠で出されると言うことね?

原告:はい、提出いたします。

裁判長:はい。で、前回被告さんの方でご準備いただいたのが乙号証の27から31ということですね? これ提出ということで。前回、若干口頭で説明していただいたけれど、あれかな。説明していただいた本人さんかな?

被告:すいません、きょうちょっと出張なので。

裁判長:えーと、趣旨としては本件で問題となっている契約の締結行為と、説明行為について・・・えー。

被告:決裁の関係ですよね。

裁判長:狩野(吾妻農業事務所長)さん、がやっているわけではないということになっているときいているが?

被告:はい。結構でございます。

裁判長:えーと、支出、その支出そのものは会計のかたがされているという前提でよろしいんでしょうね?振込行為、支出行為は? そもそも権限ではないという前提でよろしいんですよね? ご主張は?

被告:はい。

裁判長:支払、支出命令までは権限はあるが、別のかたが権限を付されているということですよね?専決で?

被告:はい。

裁判長:支出の際はそもそも狩野さんの権限ではないと言うことね?

被告:えーとそうですね。支出行為自体はですね。

裁判長:(原告に向かって)えーと、何の話をしていたか分かりにくいかもしれないけれども。

原告:あのう、(前回の口頭弁論時の話は)いちおう事務局長の鈴木さんから、あらましは聞いておりますけれど。

裁判長:うん、あのう、問題になっている契約を締結してから、実際におカネが出るまでの流れとは、手続き的には3つの段階に分かれていて、契約の締結そのものと。それに基づいておカネを出すという行政機関のなかの支出命令という行為。実際に、おカネを出す行為。狩野さん、所長さんは、いちおう契約締結権限と支出命令の権限はあります。ただ実際にやった人は別ということになっています。それから、実際におカネを出す行為は、狩野さんは、権限はありませんよ、という話なんですね。

原告:ええ。

裁判長:で、これは狩野さんに対して賠償命令なり、金銭請求しろということだから、最初の一つだけ問題にすればよろしいのか? それとも最後の支出の部分までも問題するのか?

原告:うーん、私は民間で35年飯を食っているんですけれど、契約行為、それから支出・・・、支出はたいてい会計課というところがやっているんですけれどもね。

裁判長:そうですよね。

原告:それが、役所になると今のようなことになるのかどうか。そもそもですね、今回いただいた(乙号証の)資料というのは、なぜ情報公開請求のときに出てこなかったのかなあと、まずそれ自体不思議で、もしかしたらデッチ上げたのではないのかという疑念が、まずオンブズマンとしては浮かんでくるんですけれどね。それで、支出出行為と言っても、契約書にサインをしたということは、その中で諸々の会計行為の、つまり、契約とすることを・。・

裁判長:もう一回言いますけど、契約締結がある意味でスタートなんで、そこは一応狩野(所長)さんは権限があるが、(支出行為は)別の人がやっているという話なんだけど、それはそれで監督に問題がありました、というのも有り得る話だから、それはそうことでもいいのかな。どっちにしても、狩野さんに責任があるということだからね。

原告:ええ、もちろんそうですね。

裁判長:で、支出命令の方も、権限は狩野さんに一応ありますが、他の職員さんがやっていること、だから仮に別の職員がやっていたとしても、やっぱり狩野さんに責任は外せないでしょう、という話で、それはそれでいいわけですよね?

原告:ええ、私どもはそう考えている。

裁判長:で、最後におカネを実際に出す行為のところは、そもそも、これは、狩野さんの権限ではないんだけど、そこはどうしますか?

原告:どうしますか、と言っても・・、

裁判長:そこはもう、狩野さんの権限ではないんだから、最初の2つのところで勝負します、というなら、それはそれでいいんだけれども。あの、契約のところで。

原告:ああ、そこで、だから・・・

裁判長:そこの中身で勝負をしたい、勝負すればいいというのであれば、最後の支出のところは、まあ、本件では触れなくてもいいということだろうと思うし。そうでなくて、それも含めてと言うことであれば、それはそれでいいんだろうと思うし・・・。

原告:うーん、まあ、今話したように、子細な、些細なことだと私は思うけれどもね。要はその、前も言ったように、この問題についてはまず本庁の農村整備課に言ったら、これは事務所長に聞いてくれと、吾妻のね。ということで、それからスタートして、(舗装工事を)止めてくれと言って、しかもね・・

裁判長:でもね、小川さん、住民訴訟というのに載せている以上は、枠組みに載ってこないとダメなんですよ。

原告:それは会計上の行為云々ということでね。バインドされてしまうんですよね。

裁判長:そう。それが基本。だから、最初ので、すると。

原告:だから、いいですよ。

裁判長:最初の2つで?

原告:最初の2つで勝負をしますよ。

裁判長:じゃあ、そこで勝負するということでいいですよね?

原告:はい。

裁判長:はい。で、仮に狩野さん自身がやっていなくても、指揮監督に問題があったはずだということで?

原告:はい、おっしゃるとおりです。

裁判長:じゃあ、そこの勝負ということで判断はさせていただくことにします。で、あとはそれはそれとして、もともと請求が2本立てになっていたというのは憶えていらっしゃいます?

原告:ん?

裁判長:狩野さんに対して、賠償命令の話と請求しろという2本立てになってしまっているのを憶えていらっしゃるか? 最初の?

原告:あのう、住民訴訟について、まあ私が言うのもあれですけれども、その住民訴訟の地方自治法がもう10年くらい前かな。ちょっとかわりましたよね?

裁判長:そうですよね。

原告:だから、その前だったら職員本人に(損害賠償を)請求できるんだけれど、今それができなくなってしまったんですね。

裁判長:賠償命令の性格になってしまっているんですね。

原告:そうなんです。で、そこの言い回しで、まあ・・・すいません。その裁判長が思っているようなところで、(請求が)2つになっているようなことをおっしゃるんですけれども、要するに今は、間接的にしか、勧告というか、直接には(賠償)請求できなくなってしまったんでね。ああいう書き方に・・・請求の趣旨になったと思うが。

裁判長:それはじゃあ、わかっていらっしゃっているわけね? ちゃんとね?

原告:はい、分かっております。

裁判長:そうすると、最終的にはさっきのように整理すると、もう賠償命令の方だけの請求と言うことでよろしいのかな?

原告:そういうことになりますね。

裁判長:間接・・・さっき言った、間接的にということ。

原告:そうですね。

裁判長:2つだけでいいということでね?

原告:そうです。本人に(賠償請求)できなくなってしまったので、地方自治法が改悪されてしまったからね。我々(納税者住民)にとってはね。

裁判長:それはお分かりになっているのね?

原告:分かっています。

裁判長:では、それはそれでそういう整理になるので、後の部分も取り下げてしまうと言うことでよいのかな?

原告:うーん。

裁判長:取り下げないと、結局できないことだが・・・

原告:もう、長年、もう3年間にわたってやっているので、早急に懸着を。

裁判長:そうすると、最初の契約締結と支出命令のところで勝負します。賠償命令のところで勝負しますと、中身のところで勝負しますということでよいのかな? あと他に、証拠の申出、調査嘱託とか鑑定とかあったんだけど、これは、もう、ここではやらないということにしますので、それを抜きにして判断するとうことにしますので。もう忘れちゃっているかな?

原告:いいえ、憶えていますよ。やっぱり、そういうことが必要だということで、いろいろお願いしてきたんだけれども、あまりにも、こう、明らかで、しかも県内各地で同じようなことが起こっていますからね。だけどいくらこちらがやっても、なかなかきちんとした、返事がどうせ帰ってこないんじゃないかと思いますけれど。それと、もう一回申し上げたいのは、最初、なんと言ったっけ? えーと、敷き砂利なのに翌年、もう一回やるための仮想路盤材云々、いろいろ言ってきましたよね。えーと、なんと言ったっけ?

被告:ステージコンストラクション。

原告:ええ、そういう横文字で(被告は)おっしゃったんですけれど、それ自体やっぱり、皆さんがルールで定めている、その、決まりに沿っていないというか、それが、なぜ今回の場合そういうのが罷り通るのか、ということですね。これは(被告の皆さんが)出している本だが、建設工事で発生する建設副資材の現場利用の取扱い云々とこう書いているんですよ。それで、リユース、リサイクルというのはよく分かるけれど、その場合でもきちんと品質は、JISに、市場に出回っている材料を使えと。それと同等の性能を有して、かつ、土壌或いは水を汚染しない、環境に影響を及ぼさないものを使えと、こう書いておきながら、なぜその有毒物質が入ったやつをステージコンストラクションという言い方で放置して、今は、上に舗装してしまったわけで宇から、これはやっぱりきちんと撤去するという、もう何回も申し上げていますけれども。そのルールに則って処理するというのが根幹ですから、これ、今までのこれまでの主張だと、もう完全に二重基準ですからね。これは重大な影響があるということを、これは本当に申し上げたいんですよ。それを裁判長の方でも十分に認識を指定いらっしゃると思いますけれども、ここで最後にもう一回、念押しをしておきたいと思います。


法廷で原告が被告側に示した「これは(被告の皆さんが)出している本」。

裁判長:まあ、あの、これまで提出していただいた準備書面とか、それから証拠もいろいろ出していただいているので、それをもう一回よく拝見させていただいた上で判断させていただくことにしたいと思います。

原告:重大な影響を及ぼしかねないということでよろしくご判断をお願いします。

裁判長:それでは、取り下げのほうは同意していただけるということでよろしいですね?

原告:はい。

裁判長:では、審理の方は今日で終了ということにしますね?

原告・被告:はい。

裁判長:はい、終結します。判決の言渡し期日を言います。年明けになります。2月23日金曜日午後1時10分。2月23日金曜日午後1時10分、この法廷で判決を言渡しをするということにします。

原告・被告:わかりました。

裁判長:では、審理の方は今日で終了です。双方ともどうもお疲れさまでした。

原告・被告:はい、ありがとうございました。

(注:上記のやりとりは、あくまでも法廷に居合わせた当会関係者のメモや記憶を突合して作成したものであり、正式には裁判所の調書の内容によりますので、ご留意願います)

■こうして、住民訴訟の期間だけで31カ月、住民監査期間の2カ月を入れると、実に33カ月間、さらに初めて東吾妻町萩生川西地区の農道に生スラグが敷砂利として投棄されていた現場を目撃した平成26年6月1日から数えると実に3年6カ月=42カ月もの時間が経過しました。

 結審間際に、裁判所が被告に対して訴訟指揮をしたことと、損害賠償請求の対象となる財務会計行為が、舗装工事の契約を締結した吾妻農業事務所長ではなく、支払い手続きをした職員にあるとの判断が最終的になされたため、一部請求の趣旨を取り下げるよう、訴訟指揮があったことなど、来年2月23日の判決に向けて、これから2か月余りの間に、裁判所がどのような配慮のもとに、最終的な判断をくだすのか、群馬県内はもとより、全国のスラグ取扱関係者がかたずを飲んで注目することでしょう。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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