市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

八ッ場ダム問題解明の鍵を握る斉藤烈事件の刑事保管記録閲覧を巡る東京地検の対応

2009-10-18 13:50:00 | 八ッ場ダム問題
■八ッ場ダム問題の実態解明の大きな鍵のひとつと思われる、八ッ場ダム工事事務所で用地第一課長をやっていた斉藤烈(たけし)による収賄事件の刑事保管記録の閲覧期限が、10月25日に迫ってきたため、当会は、今年6月26日に八ッ場ダム訴訟の群馬県の事務局である市民オンブズマン群馬の事務局長名で、斉藤烈時間の刑事保管記録の閲覧を申請していました。

 ところが、閲覧期限が迫っても、東京地検から回答がないため、10月7日付けで督促状を提出していたところ、10月12日に電話連絡がありました。

 東京地検によると、正式な様式で、改めて閲覧申請を行うように指示があり、正式な様式はもよりの地方検察庁に赴いて取り寄せするように教示がありました。

 そこで、10月13日に東京地検記録担当を直接訪れて、閲覧申請の方法について詳しくヒヤリングをしたところ、次のような条件が付けられることが判明したのです。

■東京地検の記録担当の事務官によれば、申請様式は指定の「保管記録閲覧請求書」にならって、記載する必要があるというのです。

**********
【様式第3号(第8条関係)】
保 管 記 録 閲 覧 請 求 書
              平成  年  月   日
東京地方検察庁
 保管検察官      殿
      請求者 住 所
          職 業
          氏 名         印
                 (年齢   歳)
          電話番号
下記により保管記録を閲覧したく請求します。
被告事件:○○○○○○事件
裁判を受けた者の氏名:○○○○
罪 名:○○○罪
第一審:平成   年   月   日        裁判所
控訴審:平成   年   月   日      高等裁判所
上告審:平成   年   月   日  最 高 裁 判 所
確定年月日:平成   年   月   日
閲覧請求記録:
1 被告事件についての訴訟の記録(2を除く。)
 (                          )
2 被告事件についての裁判書
3 その他
 (                          )
閲覧目的:○○○○○○○○○○○
請求者と裁判を受けた者との関係:○○○○○○○○○
閲覧希望日時:平成   年   月   日
           時   分から    時   分まで
**********

■上記の閲覧請求記録には、1から3まで該当項目に○をつける必要があります。東京置換からは「1だけでよいのでしょう?」などと誘導してきましたが、裁判所が無いと話にならないと思い、「全部欲しいのです」と答えて、1と2に○をすることにしました。

 この他、東京地検から申請用紙の記載について、直接指示があったのは、次のとおりです。

①民事訴訟判決を添付すること → したがって、前橋地裁の松丸伸一郎裁判長のとんでもない判決文のコピーを同封することにしました。

②閲覧請求者が,民訴の当事者であることがわかる資料を添付すること → 訴状に、市民オンブズマン群馬事務局長の名前が書いてある訴訟資料、たとえば、判決書あるいは訴状などのコピーを同封することにしました。判決書を①で出すため、訴状が良いかもしれません。

③請求者の本人確認資料を添付すること → 運転免許証などの写しでよいと思われます。

④閲覧請求書の「閲覧目的」、「裁判を受けた者との閲係」欄をそれぞれ「別紙のとおり」とし、オンブズマン事務局長作成文書の「この事件と,原告が係争中の訴訟との関係」部分をその別紙に記入すること → これは既に提出済の文章をそのまま閲覧請求書に添付することにしました。

**********
【別紙】
 八ッ場ダム工事には最終的に1兆円を超える公金が投入されると見られている。ところが、実際には、入札談合による公示価格の水増しや、この事件のような用地買収関係者による不正支出が頻発しており、公金の無駄遣いは目に余るものがある。そのため、今回発覚したこの事件の内容を検証することにより、公金の無駄遣いの実態と不正の手法を把握し分析することにより、今後東京高裁で展開される控訴審で、有利な立場を得ることが原告にとって不可欠である。
 とりわけ、この事件の被告は、国土交通省関東地方整備局直属の八ッ場ダム工事事務所の用地買収交渉の責任者である用地第一課長の職にあり、測量発注業務で、指名競争入札の内部資料を繰り返し外部に漏らしている。
 地元関係者によると、被告が課長を務めていた八ッ場ダム工事事務所用地第一課は、水没五地区のうち長野原、林、横壁の三地区の代替地交渉などを行っており、公私ともに接触があった地元民は「代替地の地主との話し合いに奔走していた。住民ですら業者からの接待の申し出があるほど。課長ならなおさらだろうが、贈収賄とは夢にも思わなかった」と驚いており、公人として、買収交渉で巨額の金銭を扱い、巨額工事の入札情報を知り得る立場にありながら、さらに業者との癒着により多額の賄賂を手中にしていたことは、工事事務所の体質がそのような不祥事の発生を許したことになり、公金の無駄遣いの根源を知る格好の事件である。
 ダム建設の計画浮上から半世紀余りにもなるのに、いまだに行政がこの大工事を中止したがらない理由は、こうした巨額の利権が背景にあることを原告団は指摘しており、この事件は業者との癒着の典型事例として、ほかにも日常的に行われていた様子がうかがえる。
 原告団は、買収交渉において、八ッ場ダム水没関係五地区連合対策委員会の萩原昭朗委員長の誕生日に開催される丸岩会と称する、買収交渉委員長、工事事務所長、群馬県知事、工事業者約70社が一堂に会する組織の存在を確認しており、入札案件で実際に行われた不正の手口を詳細に検証することにより、工事事務所と業者との癒着の実態を明らかにし、控訴審で、公金の無駄遣いの実例として、摘示していきたい。  以上
**********

■東京地検いわく「現在、閲覧手続き中の案件が今年の12月いっぱいまでかかりそうなので、来年1月以降に閲覧可能になると思う」というので、当会から「それでは通常1回でおしまいになる控訴審に間に合わないかも知れないのでなるべく早くしてほしい」と申し入れました。

 なお、今年の10月25日で閲覧期限の3年を経過しますが、既に仮に申請しているかたちなので、その心配はいらないとのことです。だが、なるべく早く出したほうがよさそうです。

■また、閲覧は、本人に限るとの事で、「私が委任状をもらって代理で閲覧しても良いでしょうか」としつこく要請しましたが、弁護士ではないという理由で、かたくなに拒否されました。つまり、弁護士なら、閲覧申請をした原告の委任状があれば代理で閲覧可能です。

 さらに当会は、「厚さ数十センチもの保管記録を書き写すのは大変だからコピーを取らしてもらえますか。お金は払いますので」とお願いしたところ、「閲覧請求という趣旨から、謄写(つまりコピー)は含まれない」として、「メモならいくらでもとっても良いが、コピーはダメ」とにべも無く拒否されました。

 以前、別件で高崎地検でも、当会が一生懸命書き写している直ぐ横で、某弁護士事務所の女性秘書が涼しい顔で、刑事裁判資料をコピーしているのを見て、地検に文句を言ったことがありますが、そのときも、弁護士で無いからダメといわれたことがあります。閲覧の場合でも、なぜ弁護士でないと委任状が有効にならないのか、理由は不明です。また、謄写した資料を入手するには、八ッ場ダムの控訴審で文書嘱託送付の手続きをすれば、入手可能となる場合があると、東京地検からは教示されました。

■東京地検の上記の指示内容にそって、早めに指定の様式に記載して、次の宛先に、保管記録閲覧請求書、別紙、そして、民事訴訟判決のコピー、閲覧請求者が民事訴訟の当事者である事を示す八ッ場ダムの訴状、運転免許証の写しを一式、次の宛先に郵送すれば、東京地検で協議して閲覧の可否と、可の場合の閲覧時期について連絡をくれるそうです。

 〒100-8903
 東京都千代田区霞が関1丁目1番1号
 中央合同庁舎第6号館A棟・B棟
 東京地方検察庁 記録担当 御中

■というわけで、本当は、当会が代理でやろうと思い、市民オンブズマン群馬の公私共に多忙な事務局長には手数をかけするつもりは無かったのですが、上記のような経緯のため、手数をかけることになってしまいました。

 もし、群馬県以外の八ッ場ダム住民訴訟の原告団で、斉藤烈事件に関心があれば、今のうちに東京地検に保管記録閲覧請求を行っておく必要があるでしょう。

【ひらく会事務局】

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