チリ大地震津波が教える防災の心構え

2010-03-03 02:03:00 | 国内外からのトピックス

■また、大地震が発生しました。1月12日（火）午後4時53分(現地)にハイチでM7.0の地震が発生し、死者は20万人を超えるという大惨事があったばかりです。

　ところが、日本の自衛隊が、ハイチに到着して活動を始めて間もないというのに、今度は、2月27日（日）午前3時34分、日本時間27日午後3時34分に南米のチリ中部がM8.8の巨大地震に見舞われ、28日現在で既に死者が708名を超えるという報道が為されています。

　幸い、日本への影響は、最大1.3m程度の津波で収まり、情報化社会のお陰で、1万7500キロを津波がやってくる22時間の間に、十分な防災準備がなされて、被害も軽微で済んだことは何よりです。気象庁は3月1日（月）午前10時15分に、高知県や東北太平洋側などに出していた津波注意報を解除し、28日朝から出ていた日本国内の警報・注意報はすべて解除されました。

　今年の1月17日は、阪神淡路大震災からもちょうど10周年で、昨年来続いている世界各地の大地震は、私たちにも無縁ではありません。

■ところで、津波といえば、既にTsunami（ツナミ）として、世界共通語になっていることは皆さんご存知だと思います。

　津波は海底地震、海底火山の噴火等海底の急激変異によって発生します。しかし、陸地が震源であっても断層が海底に続いている場合、津波が発生する可能性があります。その他、周辺の火山噴火や地震などにより海に崩壊した大量の土砂や氷雪が一度に海に流れ込んだときにも発生します。

　とはいっても、津波の発生原因の90%は海底地震による地殻変動によるものです。世界史上、津波による最悪の犠牲者数は、平成16年（2004年）12月26日に、インドネシアのアチェ州で発生したスマトラ沖地震津波で18万人～2４万人が死亡又は行方不明になったといわれています。

　日本最大の津波高さは85ｍで、1771年4月24日の明和大津波と呼ばれる八重山地震津波で石垣島で記録し、この時の死者は１万2千人と言われています。日本の本州での、最大の津波高さは38.2ｍで、1896年の明治三陸地震津波の時に、岩手県綾里村です。日本最悪の犠牲者数も、この時の明治三陸地震津波で死者は2万2066人でした。

■スマトラ沖地震津波は、スマトラ-アンダマン地震などとも呼ばれますが、インドネシア西部時間2004年12月26日午前7時58分50秒（日本時間午前9時58分）にインドネシア西部、スマトラ島北西沖のインド洋で発生したマグニチュード 9.3 の地震です。津波は、インド洋をわたり、隣国タイ、マレーシアから、インド、モルジブ、スリランカ、マダガスカル、ソマリアなど東アフリカ諸国にも及びました。この2004年のスマトラ島沖地震の際には自転が僅かに早まったと言われています。

　当時、当会の事務局長は、津波から約3ヶ月を経過した2005年3月23日から24日にかけて現地に入り、地震や津波の現場をつぶさに視察してきました。

　その時撮影した写真の幾つかをご紹介します。死者24万人と言われた史上最悪の大惨事と、地震と津波の自然エネルギーの猛威を痛感させられます。