市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

大同スラグ訴訟・・・第4回口頭弁論に向けて原告住民が準備書面(6)及び(7)を提出

2016-04-21 23:42:00 | スラグ不法投棄問題
■東吾妻町萩生地区の農道整備工事契約にかかる大同有毒スラグの不法投棄問題をめぐり、市民オンブズマン群馬が群馬県を相手取って提起している住民訴訟は、4月22日(金)午前10時30分から前橋地裁2階201号法廷で第4回口頭弁論が開かれます。

 これに向けて、被告の群馬県から3月15日に第3準備書面が提出されました。内容については次の記事をご覧ください。
○2016年3月17日:大同スラグ訴訟・・・4.22第4回口頭弁論に向けて被告群馬県から第3準備書面が届く(その1)
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1923.html
○2016年3月17日:大同スラグ訴訟・・・4.22第4回口頭弁論に向けて被告群馬県から第3準備書面が届く(その2)
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1924.html

■その後当会は、被告第3準備書面で群馬県が主張する事項について反論するため、準備を続けた結果、4月15日付で原告準備書面(6)を提出しました。内容は次のとおりです。

*****原告準備書面(6)*****PDF → iuj2016.4.pdf
事件番号 平成27年(行ウ)第7号 住民訴訟事件
原告  小 川  賢 外1名
被告  群馬県知事 大澤正明
                            平成28年4月15日
前橋地方裁判所民事2部合議係 御中
              原告準備書面(6)
                       原告  小 川  賢  ㊞
                       原告  鈴 木  庸  ㊞
 平成28年3月15日付の被告第3準備書面について、次のとおり反論する。

第1 被告第3準備書面の「第1 はじめに」に対する反論

【被告の主張】
 原告らの主張は,要するに,以下の2つに整理されるものと解される。
 ① 萩生川西地区区画整理補完3工事(以下,「本件農道整備工事」という。)は,鉄鋼スラグが混合されたブレンド骨材が用いられており,廃棄物処理法に違反する違法な工事であるから,その契約(以下,「本件農道整備工事契約」という。)は違法であり,その後に行われた萩生川西地区農道舗装工事(以下,「本件舗装工事」という。)は,本件農道整備工事契約の違法性を承継するため,その契約(以下,「本件舗装工事契約」という。)も違法になる(以下,「原告ら主張1」という。)。
 ② 本件舗装工事は,本件農道整備工事の違法性を隠蔽するために行われた違法な工事であるから,本件舗装工事契約は,地方自治法第2条第14項に違反して違法である(以下,「原告ら主張2」という。)。
 なお,原告らは,原告ら主張2に関し,地方自治法第2条第16項及び第17項違反も主張しているが,これらは違法な事務や行為の効力を定めている規定であり,違法性の根拠となる規定ではない。
 以下,上記整理に従って,被告の主張の骨子を整理する


【原告の反論】
 被告は自分の都合に合わせて、勝手に原告の主張を2つに仕分けして、争点をごまかそうとしている。
 ①で被告は、「本件農道整備工事契約に使用された鉄鋼スラグが混合されたブレンド骨材が用いられているから廃棄物処理法に違反する違法な工事」と定義している。原告が当初から主張しているのは、本件農道整備工事契約に使用されたのは、無許可の大同特殊鋼、大同エコメット、佐藤建設工業が製造・出荷していた混合スラグ再生砕石なる代物は、廃棄物処理法で定めた資格のある中間処理業者が製造したものではないから、廃棄物処理法に違反していること、また、そのような違法な資材が、本来使用されてはならない敷砂利として使用されたことは、廃棄物処理法の目的に定めた「廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬、再生、処分等の処理をし、並びに生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とする」に違反していることである。被告は原告の主張を意図的に歪めて解釈しようとしている。
 ここではっきりさせておきたいのは、中間処理業者として無許可の大同特殊鋼、大同エコメット、佐藤建設工業が、本来の「再生砕石」を偽装した「混合スラグ再生砕石」なるシロモノを製造し、「スラグ混合再生路盤材」と銘打って販売(甲第44号証)すること自体、廃棄物処理法に違反していることである。
 さらに、本件農道整備工事契約に使用されたのは、単なる「混合スラグ再生砕石」ではなく、環境基準値を遥かに上回るふっ素等を含んだ有害・有毒なスラグである。鉄鋼スラグ協会のガイドラインさえ逸脱した危険物質であり、本来であれば、遮断型最終処分場で処理されるべきシロモノである。
 ②の「なお書き」で被告は、「地方自治法第2条第16項及び第17項違反を主張しているが、これらは違法な事務や行為の効力を定めている規定であり、違法性の根拠となる規定ではない」と勝手に解釈している。しかし、地方自治法第2条第15項は「地方公共団体は、法令に違反してその事務を処理してはならない」と、また、同条第16項は「前項の規定に違反して行った地方公共団体の行為は、これを無効とする」と定めており、法令に違反して事務処理を行ってはならず、行った場合でもそれは無効であるとする、極めて常識的な条項である。これを否定しようとする被告の考え方そのものが、地方自治法を歪めて解釈している証左である。


第2 被告第3準備書面の「第2 原告ら主張1について」に対する反論

【被告の主張】
1 廃棄物処理法について
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下,「廃棄物処理法」という。)は,廃棄物の排出を抑制し,及び廃棄物の適正な分別,保管,収集,運搬,再生,処分等の処理をし,並びに生活環境を清潔にすることにより,生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的として定められている法律である(廃棄物処理法第1条)。
 廃棄物処理法が定めているのは,例えば,国民の責務(第3条の4),事業者の責務(第3条),国及び地方公共団体の責務(第4条),環境大臣が定める基本方針(第5条の2),都道府県廃棄物処理計画(第5条の5)などの外,一般廃棄物処理業者や処理施設に係る規定(第7条ないし第9条の7)や,産業廃棄物処理業や処理施設に係る規定(第14条ないし第15条の4)などである。
2 本件農道整備工事契約は廃棄物処理法に違反していないこと
 原告らは,本件農道整備工事契約は,廃棄物処理法に違反している旨を主張するものと解される。
 しかし,廃棄物処理法は,上記のとおり,地方公共団体の責務(第4条)を定めているものの,そこで定められている都道府県の責務は,「第2項 都道府県は,市町村に対し,前項の責務が十分に果たされるように必要な技術的援助を与えることに努めるとともに,当該都道府県の区域内における産業廃棄物の状況をはあくし,産業廃棄物の適正な処理が行なわれるように必要な措置を講ずることに努めなければならない。」及び「第4項 国,都道府県及び市町村は,廃棄物の排出を抑制し,及びその適正な処理を確保するため,これらに関する国民及び事業者の意識の啓発を図るよう努めなければならない。」というものであり,いずれも努力義務を定めているのみで,県が締結する個別具体的な契約について規制を及ぼすものではなく,その余にも,県が締結する個別具体的な契約について規制を及ぼす規定はない。
3 結論
 したがって,本件農道整備工事契約は,廃棄物処理法には違反しておらず,原告らの主張1には理由がない。


【原告の反論】
 前項①で述べた通り、廃棄物処理法の目的は「廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬、再生、処分等の処理をし、並びに生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とする」であり、被告を含め自治体も、原告を含め住民も、これを遵守しなければならない。被告の環境森林部廃棄物リサイクル課は、平成27年9月7日に、スラグ混合再生砕石あるいはスラグ混合再生路盤材なるシロモノは、産業廃棄物と認めており、被告がそのようなものを敷砂利として本件農道整備工事で使用したこと自体、違法であり、当然、本件舗装工事に先立ち、原因者である大同特殊鋼等に、撤去を命じて、撤去が確認された後に、本件舗装工事の予算計画を立案すべきであった。
 被告は3つの点で違法行為を故意に看過しようとしている。
 その1つは、大同特殊鋼、大同エコメット、佐藤建設工業が、製品カタログ(甲第44号証)まで作成して、無許可で製造したスラグ混合制裁路盤材(RC-4)と銘打った再生砕石の偽装製品を、多数の建設業者に販売していたことについての違法行為である。
 2つ目は、甲第31号証で自ら決めたルールさえ無視して、農道の敷砂利工に偽装製品が使われたにもかかわらず、施工業者にそのことを指摘しないまま、完成検査を行って合格通知を出していたことである。
 3つ目は、大同特殊鋼、大同エコメット、佐藤建設工業が製造し、佐藤建設工業が納入した材料証明書の不備をきちんと摘示しないまま、違法な危険物質を本件農道整備工事で業者に納入させ、本来、食の安全性が最優先の営農環境の観点から、そのような危険な環境汚染物質が存在するのを認識した時点で、速やかに原因者に撤去させるべきところ、あろうことは、真逆の行為、すなわち、撤去させずに上に蓋をして、恒久的に環境汚染物質の存在を固定化してしまったことである。


第3 被告第3準備書面「第3 原告ら主張2について」に対する反論

【被告の主張】
1 地方自治法第2条第14項の意義
 地方自治法第2条第14項は,「地方公共団体は,その事務を処理するに当つては,住民の福祉の増進に努めるとともに,最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」として,最少の費用で最大の効果をあげなければならないと規定している。これを,「最少費用最大効果原則」ということがある。
 なお,地方財政法第4条第1項も,地方公共団体の経費に関して,「その目的を達成するための必要且つ最少の限度をこえて,これを支出してはならない。」として,最小費用最大効果原則に則した規定を置いている。本件と同様の住民訴訟において,地方自治法第2条第14項違反が主張されるときは,地方財政法第4条第1項違反も併せて主張されることが多いが,原告らはこれを主張していないので,以下では,地方財政法第4条第1項については触れないこととする。


【原告の反論】
 さすがに、被告は長年にわたり地方自治に携わってきたことも有り、地方自治法に詳しいことを痛感させられる。第2条第14項も地方財政法第4条第1項も、同じことを意味していることは、被告の主張どおりであり、原告としてはなんら反論するところではない。
 そこで地上自治のエキスパートである被告に対して誠に畏れ多いことではあるが、地方自治法第138条の2についても、被告は既に十分承知した上で、今回の本件農道整備工事契約をしたのかどうか、あらためて、確認してもらいたいと思う。
 ちなみに、これまた被告には釈迦に説法であるが、次に地方自治法第138条の2を例示しておく。

  第一三八条の二
  普通地方公共団体の執行機関は、当該普通地方公共団体の条例、予算その他の議会の議決に基づく事務及び法令、規則その他の規程に基づく当該普通地方公共団体の事務を、自らの判断と責任において、誠実に管理し及び執行する義務を負う。


【被告の主張】
2 地方自治法第2条第14項違反の判断枠組み
(1)近時の最高裁判例
 住民訴訟において地方自治法第2条第14項違反が争われた近時の最高裁判例には,以下のものがある。
① 最判平成20年1月18日(民集62巻1号1頁・乙6)
 最高裁は,普通地方公共団体が土地開発公社との間で締結した土地の先行取得の委託契約について,委託契約を締結した地方公共団体の判断に裁量権の範囲の著しい逸脱又は濫用があり,当該委託契約を無効としなければ地方自治法2条14項,地方財政法4条1項の趣旨を没却する結果となる特段の事情が認められる場合には,当該委託契約は私法上無効になるとしている。
② 最判平成23年12月2日(民集未登載・乙7)
 最高裁は,地方公共団体が締結した賃貸借契約について,前記最判平成20年1月18日を引用し,最小の経費で最大の効果をあげるという観点から,裁量権の範囲の著しい逸脱又はその濫用があり,地方自治法2条14項,地方財政法4条1項の趣旨を没却する特段の事情が認められる場合には,地方公共団体の締結した賃貸借契約は無効としている。
③ 最判平成25年3月28日(民集未登載・乙8)
 最高裁は,し尿処理を目的として設立された広域連合が新たなし尿中継槽設置のために第三者との間で締結した土地の賃貸借契約について,不動産を賃借する目的やその必要性,契約締結に至る経緯,契約の内容に影響を及ぼす社会的,経済的要因その他の諸般の事情を総合考慮した合理的な裁量に委ねられており,これらを総合考慮してもなお,地方公共団体の長の判断が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものと評価されるときでなければ,地方自治法2条14項等に反して違法となるものではないとしている。


【原告の反論】
 これらの判例が存在することは認めるが、それが本事件とどう関係するかは不知。


【被告の主張】
(2)地方自治法第2条第14項の違法性判断の枠組み
 以上のように,判例は,地方自治法第2条第14項に違反するのは,裁量権の範囲の逸脱又は濫用があり,同条の趣旨を没却するような特段の事情が認められる場合であると判示している。また,上記平成25年判例は,更に一歩踏み込み,契約の目的や必要性,契約締結の経緯や契約内容に影響を及ぼす社会的,経済的要因やその他の諸般の事情を総合考慮した上で,裁量権の範囲の逸脱,濫用にあたるかを判断している。
 なお,上記でいう地方自治法第2条第14項の趣旨とは,先述のとおり,いわゆる最少経費最大効果原則のことをいう。
 以下では,上記の判断枠組みに従って,本件舗装工事の契約締結について裁量権の範囲の逸脱又は濫用があり地方自治法第2条第14項の趣旨を没却するような特別の事情が認められないことについて述べる。


【原告の主張】
 本事件は、あきらかに裁量権の範囲の逸脱又は濫用があり、本件農道整備工事契約で違法な資材が使用されたにもかかわらず、被告は裁量権を濫用して、検査合格とした。さらに違法な資材の使用が世間で騒がれるに伴って、今度は「臭いものには蓋」とばかりに、必要性のない本件舗装工事を無理やり実行するために、直ぐに実行できる予算を流用した。被告の本件舗装工事の契約行為は、あきらかに裁量権の範囲の逸脱及び濫用に該当する。以下では、本事件が、いかに裁量権の範囲の逸脱、濫用にあたるかについて述べる。


【被告の主張】
3 本件舗装工事契約について裁量権の範囲の逸脱又は濫用はなく,地方自治法
 第2条第14項の趣旨を没却するような特別の事情は認められないこと
(1)本件舗装工事契約の目的について
 萩生川西地区圃場整備事業(以下,「本件圃場整備事業」という。)は,農地の区画整理,農道整備及び用排水路整備などの総合的な整備を実施することで,農業生産性の向上による農業振興と地域住民等の便益の増進を目的としている。
 したがって,本件舗装工事契約の目的も,農業生産性の向上による農業振興と地域住民等の便益の増進である。
 なお,原告らは,本件舗装工事契約は,本件農道整備工事において下層路盤工として用いられた鉄鋼スラグが混和している下層路盤工を隠蔽する目的で締結されたものであると主張するものと解されるが,そのような目的ではない。


【原告の反論】
 被告がいかに詭弁を弄して釈明しようとしても、産業廃棄物を敷砂利に使ったこと、その敷砂利を撤去せずに、上に舗装で蓋を掛けた事実は、否定しようとしても否定することはできない。


【被告の主張】
(2)本件舗装工事契約の必要性について
 当該道路は,急勾配であり,未舗装のままにしておくと,車両の通行等に伴って下層路盤工として敷設した砕石が路外に散逸しやすく,砕石の補充が必要になりやすい立地であった。そのため,下層路盤工が散逸するのを防ぐために可及的早期に舗装工事を行う必要があった。
 また,当該道路は,営農上の取水施設の操作場所に通じる道路であり,豪雨等のときに通行する必要性が高い。未舗装の状態だと,豪雨等のときに路面の陥没やぬかるみ等のため車両による通行が著しく困難となり,取水施設まで赴くために危険や不便が発生する恐れがあった。そのような事態が発生することを未然に防止するため,可及的早期に舗装工事を行う必要があった。
 更に,当該道路は,山際に位置しているため,雨天時等に山から若干の土砂を含んだ雨水が路面に流れ落ちて来る立地であり,未舗装のままにしておくと,土砂や雨水等の流入により路面が荒れやすい。そのため,路面整正に迫られる可能性が高く,それを未然に防止するため可及的早期に舗装工事を行う必要があった(甲10の17項)。
 なお,下層路盤工として敷設したブレンド骨材に鉄鋼スラグが含まれていることが新聞等で報道されたことで,未舗装のままにしておくと地域住民等が不安を抱いたり,農作物の風評被害に波及したりすることも懸念され,それらを未然に防止する必要性もあったが,それはあくまでも本件舗装工事の施工時期を若干前倒しした理由の1つに過ぎず,本件舗装工事契約の元々の必要性は,上述のとおりである。


【原告の反論】
 既に求釈明で、被告の説明に対して、原告は反論済みなので、被告の繰り返しの戯言に対して改めて反論するまでもない。
 被告は「なお書き」で、「下層路盤工として敷設したブレンド骨材に鉄鋼スラグが含まれていることが新聞等で報道されたことで,未舗装のままにしておくと地域住民等が不安を抱いたり,農作物の風評被害に波及したりすることも懸念され,それらを未然に防止する必要性もあったが,それはあくまでも本件舗装工事の施工時期を若干前倒しした理由の1つに過ぎず」などと主張しているが、それならば、なおさら本件舗装工事に先立ち、原因者の大同特殊鋼等に対して、有害物質入りの資材の撤去を優先的に実行させるはずだ。それを未然に防止する方法が、なぜ本件舗装工事なのか、なぜ農業地帯に持ち込まれた有害物質入りの資材の撤去より、舗装工事のほうが有効な対策と考えたのか。被告の主張は支離滅裂である。


【被告の主張】
(3)本件舗装工事契約の締結に至るまでの経緯について
ア ステージコンストラクション工法について
 本件舗装工事契約の締結に至る経緯を理解するためには,前提として,ステージコンストラクション工法を理解しておく必要がある。
 ステージコンストラクションとは,一度に表層まで完成させず,まず路盤まで施工し,その後状況を判断して段階的に完成させていく施工法である(乙9・309頁)。その方法は,舗装構造により若干その考え方を異にするが,一般的に,水田地帯等の軟弱な路床に設置される農道については,「盛土工法や置換工法等で路床改良を行って舗装をする。この場合,第一段階で下層路盤までを砕石材料等で施工し路面整形を行い,工事車両等の限定された範囲での交通開放を行って圧密沈下等の促進を図り,その後これらの状況を判断して順次段階的に施工していく。」ものとされている(乙9・309頁)。
 このような工法が用いられるのは,交通開放することで通行車両による転圧の効果が期待でき,「経費面から,また舗装構造の安全設計という面からも期間的な制約が許されるならば有利になることが多い」(乙9・309頁)からである。


【原告の反論】
 前回、平成28年1月15日付の原告準備書面(5)で、被告が強調したがる「一般的」な工法とは到底言い難いステージコンストラクションについて、原告側が苦労して見つけた文献は、「土地改良事業計画設計基準 設計 農道」(農林水産省構造改善局 平成元年4 月制定)で、28年前に制定されたものであり、やや時間的に古かったが、甲第39号証として提示したものである。群馬県職員措置請求に関する監査結果(甲第10号証)のPage 9に記されているように、群馬県監査委員の聴取に対して、被告である農村整備課及び吾妻農業事務所職員らが、「(4) 農道設計の手引(群馬県農政部策定手引書。平成24年3月版)」を引用してステージコンストラクションについて説明している経緯があるが、これらの内容は甲39号と同じであることから、平成元年からステージコンストラクションについての設計の考え方は変わっていないと思われる。本来であれば、被告がステージコンストラクションの主張を始める段階で、この工法を説明した文献を提示するべきであり、第3回口頭弁論で原告が既に同内容の文献を出して反論しているにも関わらず、この期に及んで、あらためて被告が原告に対して、この工法について理解しろ、と主張するのはまことにもって実に失礼極まりない。
 前回、原告は準備書面(5)の中で、被告の主張するステージコンストラクションとは名ばかりであり、「下層路盤工」はあくまで「敷き砂利」であると重ねて説明した。
 にもかかわらず、それについて被告は、今回の第3準備書面で反論をしていない。
 被告は、本件舗装工事の下層路盤工は、本件農道整備工事の下層路盤工と同じ材料を使用していると主張しているが、原告は、あくまで敷き砂利であると考える。
 敷き砂利には、ステージコンストラクションが適用されない、ということは、被告が常々業界を指導していることである。
 したがって、原告の指摘に反論しないまま、被告から「ここで改めて前提として,ステージコンストラクション工法を理解しておく必要がある」と主張されても、原告としては、「被告は反論ができないから、このような主張を繰り返しているに過ぎない」と考えるほかはない。
 今回新たに追加提出する甲第43号証(酒井宏明・県会議員の上申書)には、被告が、本件農道舗装工事の公示日の翌日の平成26年6月4日に、現場に酒井県議を案内した際に、ステージコンストラクションについての説明は何もなかったと記してある。このことからも、被告の主張は、違法行為を取り繕うためのウソであることがわかる。


【被告の主張】
イ 本件舗装工事契約の締結に至る経緯
 平成22年6月10日,国庫補助事業として,萩生川西地区に係る農山漁村地域整備交付金県営農地整備事業が採択された。以後,萩生川西地区について,順次,農地の区画整理,用排水路整備及び農道整備が進められた。
 平成25年3月7日,本件農道整備工事が起工され,同月18日に入札が行われ,同月19日,本件農道整備工事契約が締結されて,その後着工した。この時点で,本件農道整備工事は,ステージコンストラクションによる段階的施工法で実施し,当面は未舗装状態で工事を止めておき,将来的に舗装工事を実施することを予定していた(なお,本件圃場整備事業に限らず,圃場整備事業における農道整備では,一般的にステージコンストラクションの工法が用いられている。)。


【原告の反論】
 南波建設が施工した本件農道整備工事の設計図書には「敷砂利」と記載されている。このことについて原告は、監査委員も甲第10号証の中で認めていることを、原告準備書面(3)の求釈明⑥で具体例も交えて説明した。
 にもかかわらず、被告はこの点について、具体的に説明していない。被告は単に「起工された時点からステージコンストラクションが予定されていた」と繰り返すのみである。ならば、本件農道整備工事を請け負った南波建設が当該工事を施工する前に、敷砂利工から下層路盤工に設計変更すればよかったのではないか?
しかも被告は、原告への反論をしないまま、「一般的にステージコンストラクションの工法が用いられている」と主張をエスカレートさせている。何をもって「一般的」とするのか?お役人様である被告が、「一般的」と突然言い始めれば、納税者である一般住民は、奴隷のようにそれに従わなければならないのか?群馬県の土木・農道工事のバイブルというべき群馬建設工事必携(平成27年度版、1224ページ、URL:file:///C:/Users/Owner/Downloads/H27%E5%BF%85%E6%90%BA%E2%85%A0(%E7%AC%AC%EF%BC%91%E5%9B%9E%E6%94%B9%E6%AD%A3%E5%BE%8C)%E3%80%90%E9%9B%BB%E5%AD%90%E7%89%88%E3%80%91H280205.pdf)を見ると、どこにもステージコンストラクションなる言葉が見当たらない。
 原告もステージコンストラクションについて文献で読み込んでいる。原告は、この工法を設計段階から組み込むのであれば、使ってもよい工法と考えるが、「一般的」なのかどうかは、群馬建設工事必携を基準に判断するべきだと考える。しかしこの議論は、前述の原告主張のとおり、本件農道整備工事における工種そのものが「敷砂利工」であったため、本事件とは無関係の話である。
 酒井県会議員の上申書(甲第43号証)によると、2014年6月4日の現地視察の際、農政部からはステージコンストラクションの説明は何もなく、現場の状況は掘削を伴わず、砕石も転圧されていないことから、酒井議員も「敷砂利工であった」との認識を得ている。監理課通達(甲第9号証)によれば、敷砂利に鉄鋼スラグをブレンドした砕石は使用できないので、酒井議員は「撤去するべき」と農政部に指摘をした。
 すなわち、被告は、1年間も違法で有害なスラグを敷砂利として放置しておいた行為(このため、当然ながら当初から転圧さえしなかった)を糊塗しようと企んで、なんとか下層路盤工を装うために、被告自身が甲9号証で決めた自らのルールさえ無視して、ウソをつき通そうとしているのである。


【被告の主張】
 本件農道整備工事の施工中である同年4月23日,県営萩生川西土地改良事業推進協議会第24回工事委員会が開催され,出席していた地域住民等から,本件農道整備工事に先行して平成24年6月12日から同年11月30日にかけて実施された萩生川西地区区画整理5工事に係る農道のうち勾配が急な路線について舗装工事を希望する旨の要望が出された。被告は,上記5工事に限らず,急勾配の路線,維持管理上必要な路線,営農上利用の多い路線については,優先度,予算状況等を考慮し,本件圃場整備事業の事業期間内に舗装工事を実施する旨を回答した(乙3)。
 同年6月28日,本件農道整備工事が完了した。
 平成26年1月から同年2月にかけて,大同特殊鋼株式会社が鉄鋼スラグを販売していることが逆有償取引に当たり廃棄物処理法に抵触する疑いがある旨の報道がなされ(甲1 3,甲14),また,同会社の鉄鋼スラグに関して国会で質疑がなされるなどした。
 同年3月,本件圃場整備事業で施工した農道の下層路盤工に,大同特殊鋼株式会社渋川工場に由来する鉄鋼スラグが混合されたブレンド骨材が使用されていることが確認された。
 吾妻農業事務所長は,上記3項(2)で述べた舗装工事の必要性に加え,地域住民等から舗装の要望が出されていたことや,大同特殊鋼株式会社に由来する鉄鋼スラグを含む砕石が下層路盤工として未舗装の状態で露出していることで地域住民等が不安を抱いたり農作物の風評被害への波及も懸念されたことから,総合的に判断し,早期に本件舗装工事の必要を認めて,工事を早期に繰り上げて実施することとした。
 被告は,平成26年5月20日,本件舗装工事の予算措置のために,地域公共事業調整費を活用できないか協議を行い,同年6月2日,地域公共事業調整費からの支出が決定された。
 そして,同年6月11日に本件舗装工事に係る入札が行われ,同月12日,本件舗装工事契約が締結された。


【原告の反論】
原告の反論に対して答えず、相変わらず同じ説明を何度も被告から繰り返されても原告としては困るのである。甲43号証にもあるとおり、本件舗装工事を中止し有害鉄鋼スラグを撤去すれば、それで事足りたのである。無駄な血税を投入する必要はなかったのである。


【被告の主張】
(4)本件舗装工事契約の内容に影響を及ぼす社会的要因
 本件舗装工事は,本来的に,地域住民等の要望を受けて実施されることになったものである。
 鉄鋼スラグに係る報道は,舗装工事の施工時期を早めたという点で契約内容に影響を与えた社会的要因の1つではあるが,あくまでも施工時期の点のみであり,舗装することは事業目的の達成及び地域住民等の要望が主たる社会的要因である。


【原告の反論】
 被告から何度も同じ説明をされても、原告としては困る。地域住民等の要望する舗装希望箇所は他にもたくさんある中、鉄鋼スラグを不法投棄されている路線しか舗装されていない。また、有害スラグが敷砂利に施工されていることを地域住民等にきちんと説明すれば、地域住民等は間違いなく撤去を要望するはずである。


【被告の主張】
(5)本件舗装工事契約の内容に影響を及ぼす経済的要因
 当該道路については,前記(2)で述べたとおり,未舗装の状態だと砕石の補充や路面整備などの必要に迫られる可能性が高く,将来的に道路の維持管理費の増加が確実視されていた。
 本件舗装工事を施工したことにより,それらの維持管理費が増加することがなくなったため,道路の維持管理費が低減された。


【原告の反論】
 原告としては、原告の質問に答えないまま被告から何度も同じ説明をされても困るのである。将来的に道路の維持管理費の増加が確実視される箇所は他にもたくさんある中、鉄鋼スラグを不法投棄されている路線しか舗装されていない。


【被告の主張】
(6)地域公共事業調整費からの支出について
 本件舗装契約にかかる費用は,地域公共事業調整費によって支出されているものである。
 地域公共事業調整費とは,地域総合行政及び地域振興行政の推進に資する公共事業に要する経費のうち,複数分野にかかわるものに要する経費である(乙4)。


【原告の反論】
 原告の指摘に反論のないまま、被告から何度も同じ説明をされても困る。本件農道整備工事は,「ステージコンストラクションによる段階的施工法で実施し,当面は未舗装状態で工事を止めておき,将来的に舗装工事を実施することを予定していた」というなら予定されていた予算を使用するべきである。
 この点、敷砂利工で施工された有害な鉄鋼スラグを隠ぺいする目的で無理やアスファルト被覆するなら地域公共事業調整費によって支出されることもつじつまが合う。
 ちなみに、公僕を生業としている被告には釈迦に説法であるが地方財政法第3条(予算の編成)第1項には「地方公共団体は、法令の定めるところに従い、且つ、合理的な基準によりその経費を算定し、これを予算に計上しなければならない。」とする定めがある。


【被告の主張】
 本件舗装工事を行った地区である本件圃場整備事業は,中山間地域の限られた農地で営農条件も厳しい地区において,農地の整備を行うことで,農業生産性の向上や営農経費の軽減,地域農業の主体となる担い手の育成等を目的として実施されている事業である。これに加えて,農業生産基盤の整備によって,耕作放棄地の発生を防止し,国土保全も図られるとともに,地域で生産される農作物のブランド化による販売力の向上による地域活性化など,その効果は多方面に生じうる。
 また,地域公共事業調整費を用いず,事業費を本件圃場整備事業予算で実施しようとすると,工事への着手が遅延することになり,早期に実施することが求められていた本件舗装工事を早期に実施することが不可能であった。
 このような用いられ方こそ,「地域の政策課題に機動的かつ柔軟に対応」「複数分野にかかわる基盤整備」という地域公共事業調整費の目的に適うものである。
 このように,地域公共事業調整費より本件舗装工事契約にかかる支出をしたことについては,裁量権の範囲を逸脱又は濫用したとするべき要素はない。


【原告の反論】
 被告は「本件圃場整備事業は、農業生産基盤の整備によって、耕作放棄地の発生を防止し、国土保全も図られ、地域活性化など、効果は多方面に生じうる」と本当に認識しているなら、県会議員の上申書にある通り、なぜ県会議員の指摘をうけ有害な鉄鋼スラグを撤去せず、無理やりアスファルト被覆で蓋をしてしまったのか?被告の対応は、事業の目的と真逆ではないか?被告の農政職員は、県会議員の真摯な指摘を無視してもよいのか?


【被告の主張】
4 小活
 以上の事情を総合すれば,本件舗装工事契約は,地方自治法第2条第14項が定める最少費用最大効果原則に合致することはあっても,これに反するところは全くないことは明らかであり,本件舗装工事契約の締結について,吾妻農業事務所長には裁量権の範囲の逸脱又は濫用はなく,地方自治法第2条第14!の趣旨を没却するような特別の事情は認められない。
 よって,本件舗装工事契約の締結は,地方自治法2条14項には違反しないため,同法242条の2第1項4号の「違法な行為」には当たらず,原告らの主張には理由がない。


【原告の反論】
 被告は、公共工事に際して、工事の安全性、品質性の観点から、地方自治法第2条第14項その他関連法令に基づいて、様々な施工ルールを立案して、工事関係者に伝える努力をしてきたはずである。
 にもかかわらず、本事件において、これまでの姿勢と真逆の主張をするのは、行政の継続性、正当性の観点からどうしても認めることはできない。
 よって、本件舗装工事契約の締結は、地方自治法が138条の2で普通公共団体の執行機関に対してその事務を誠実に管理・執行すべき義務を課していること、同法2条14項が事務処理にあたって最小の経費で最大の効果を挙げるべきことを求め、地方財政法4条1項が地方公共団体の経費は、その目的を達成するための必要且つ最小の限度をこえてこれを支出してはならないことなどを勘案すると、被告の主張には理由がない。

                             以 上

*****証拠説明書*****
※PDF → 6160415.pdf

*****甲号証*****
甲43号証 ※PDF → 20160328.pdf
甲44号証 ※PDF → (略)
**********

■続いて、さらに追加の反論をするために、4月21日付で原告準備書面(7)を提出しました。内容は次のとおりです。

*****原告準備書面(7)*****PDF → i7j2016.4.pdf
事件番号 平成27年(行ウ)第7号 住民訴訟事件
原告  小 川  賢 外1名
被告  群馬県知事 大澤正明
                            平成28年4月21日
前橋地方裁判所民事2部合議係 御中
              原告準備書面(7)
                       原告  小 川  賢  ㊞
                       原告  鈴 木  庸  ㊞
 平成28年3月15日付の被告第3準備書面の「第2 原告ら主張1」について、次のとおり反論を追加する。

<被告第3準備書面の「第2 原告ら主張1について」に対する反論の追加>

被告の主張】
2 本件農道整備工事契約は廃棄物処理法に違反していないこと
 原告らは,本件農道整備工事契約は,廃棄物処理法に違反している旨を主張するものと解される。
 しかし,廃棄物処理法は,上記のとおり,地方公共団体の責務(第4条)を定めているものの,そこで定められている都道府県の責務は,「第2項 都道府県は,市町村に対し,前項の責務が十分に果たされるように必要な技術的援助を与えることに努めるとともに,当該都道府県の区域内における産業廃棄物の状況をはあくし,産業廃棄物の適正な処理が行なわれるように必要な措置を講ずることに努めなければならない。」及び「第4項 国,都道府県及び市町村は,廃棄物の排出を抑制し,及びその適正な処理を確保するため,これらに関する国民及び事業者の意識の啓発を図るよう努めなければならない。」というものであり,いずれも努力義務を定めているのみで,県が締結する個別具体的な契約について規制を及ぼすものではなく,その余にも,県が締結する個別具体的な契約について規制を及ぼす規定はない。
3 結論
 したがって,本件農道整備工事契約は,廃棄物処理法には違反しておらず,原告らの主張1には理由がない。


【原告の反論の追加】
 被告が作成して運用中の土木・農業共通の「群馬県建設工事必携」には「群馬県建設工事執行規程」が記されている。ちなみに、ネットで次のURLでアクセスが可能である。
「群馬県県土整備部基準通知システム」
http://www.dobokunews.pref.gunma.jp/cgi-bin/cbdb/db.exe?page=DBView&did=192
「群馬県建設工事必携(H23年版)」
http://www.dobokunews.pref.gunma.jp/cgi-bin/cbdb/db.exe?page=DBView&did=420
 同工事必携の目次に続いて「1.群馬県建設工事執行規程」がある。
http://www.dobokunews.pref.gunma.jp/cgi-bin/cbdb/db.exe?page=DBRecord&did=420&qid=1424&vid=472&rid=11&Head=&hid=&sid=1371&rev=&ssid=3-725-6084-g40
 同工事必携の1-5ページに示された同規程の第17条には、契約書に関して次の記載がある(甲第45号証)。なお、下線は原告が追記したものである。

(契約書)
第17条 契約担当者が規則第191条第1項の規定により作成する請負契約に係る契約書は、建設工事請負契約書(別記様式第6号)及び建設工事請負契約約款(別記様式第6号の2)に基づいて作成しなければならない。ただし、契約の性質又は目的により必要のない事項については、この限りではない。

 ここでいう「規則」とは「群馬県財務規則」(平成3年群馬県規則第18号)のことである。また、ここでいう「建設工事請負契約約款」についても、同じく「群馬県建設執行規定」の1-14ページに次の記載がある(甲第46号証)。なお、下線は原告が追記したものである。

(総則)
第1条 発注者及び受注者は、この約款(契約書を含む。以下同じ。)に基づき、設計図書(別冊の図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書をいう。以下同じ。)に従い、日本国の法令を遵守し、この契約(この約款および設計図書を内容とする工事の請負契約をいう。以下同じ。)を履行しなければならない。


 群馬県建設工事必携では、遵守すべき法令を次の文書で、丁寧に例示している。
「7.群馬県土木工事標準仕様書」
http://www.dobokunews.pref.gunma.jp/cgi-bin/cbdb/db.exe?page=DBRecord&did=420&qid=1424&vid=472&rid=19&Head=&hid=&sid=1371&rev=&ssid=3-725-6084-g40
この中の「第1編 共通編 第1章 総則 第1節 総則」の7-73~75ページには次の記載がある(甲第47号証)。なお、下線部は原告が追記したものである。

1-1-1-35 諸法令の遵守
1.受注者は、当該工事に関する諸法令を遵守し、工事の円滑な進捗を図るとともに、
諸法令の適用運用は受注者の責任において行わなければならない。なお、主な法令は
以下に示す通りである。
(1)地方自治法 (平成23年6月改正 法律第82号)
(2)建設業法 (平成20年5月改正 法律第28号)
(3)下請代金支払遅延等防止法 (平成21年6月改正 法律第51号)
(4)労働基準法 (平成20年6月改正 法律第89号)
(5)労働安全衛生法 (平成18年6月改正 法律第50号)
(6)作業環境測定法 (平成18年6月改正 法律第50号)
(7)じん肺法 (平成16年12月改正 法律第150号)
(8)雇用保険法 (平成22年3月改正 法律第15号)
(9)労働者災害補償保険法 (平成22年3月改正 法律第15号)
(10)健康保険法 (平成22年5月改正 法律第35号)
(11)中小企業退職金共済法 (平成18年6月改正 法律第66号)
(12)建設労働者の雇用の改善等に関する法律 (平成21年7月改正 法律第79号)
(13)出入国管理及び難民認定法 (平成21年7月改正 法律第79号)
(14)道路法 (平成22年3月改正 法律第20号)
(15)道路交通法 (平成21年7月改正 法律第79号)
(16)道路運送法 (平成21年6月改正 法律第64号)
(17)道路運送車両法 (平成20年4月改正 法律第21号)
(18)砂防法 (平成22年3月改正 法律第20号)
(19)地すべり等防止法 (平成19年3月改正 法律第23号)
(20)急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(平成17年7月改正 法律第82号)
(21)河川法 (平成22年3月改正 法律第20号)
(22)海岸法 (平成22年6月改正 法律第41号)
(23)港湾法 (平成22年6月改正 法律第41号)
(24)港則法 (平成21年7月改正 法律第69号)
(25)漁港法 (平成12年5月改正 法律第78号)
(26)下水道法 (平成17年6月改正 法律第70号)
(27)航空法 (平成21年6月改正 法律第51号)
(28)公有水面埋立法 (平成16年6月改正 法律第84号)
(29)軌道法 (平成18年3月改正 法律第19号)
(30)森林法 (平成18年6月改正 法律第50号)
(31)環境基本法 (平成20年6月改正 法律第83号)
(32)火薬類取締法 (平成21年7月改正 法律第85号)
(33)大気汚染防止法 (平成22年5月改正 法律第31号)
(34)騒音規制法 (平成17年4月改正 法律第33号)
(35)水質汚濁防止法 (平成22年5月改正 法律第31号)
(36)湖沼水質保全特別措置法 (平成22年5月改正 法律第31号)
(37)振動規制法 (平成16年6月改正 法律第94号)
(38)廃棄物の処理及び清掃に関する法律 (平成22年5月改正 法律第34号)
(39)文化財保護法 (平成19年3月改正 法律第7号)
(40)砂利採取法 (平成12年5月改正 法律第91号)
(41)電気事業法 (平成18年6月改正 法律第50号)
(42)消防法 (平成21年5月改正 法律第34号)
(43)測量法 (平成19年5月改正 法律第55号)
(44)建築基準法 (平成20年5月改正 法律第40号)
(45)都市公園法 (平成16年6月改正 法律第109号)
(46)建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(平成16年12月改正 法律第147号)
(47)土壌汚染対策法 (平成21年4月改正 法律第23号)
(48)駐車場法 (平成18年5月改正 法律第46号)
(49)海上交通安全法 (平成21年7月改正 法律第69号)
(50)海上衝突予防法 (平成15年6月改正 法律第63号)
(51)海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(平成22年5月改正 法律第37号)
(52)船員法 (平成20年6月改正 法律第53号)
(53)船舶職員及び小型船舶操縦者法 (平成20年5月改正 法律第26号)
(54)船舶安全法 (平成18年6月改正 法律第50号)
(55)自然環境保全法 (平成21年6月改正 法律第47号)
(56)自然公園法 (平成21年6月改正 法律第47号)
(57)公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(平成21年6月改正 法律第51号)
(58)国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(平成15年7月改正 法律第119号)
(59)河川法施行法 (平成11年12月改正 法律第160号)
(60)技術士法 (平成18年6月改正 法律第50号)
(61)漁業法 (平成19年6月改正 法律第77号)
(62)漁港漁場整備法 (平成19年5月改正 法律第61号)
・・・(以下略)
2.受注者は、諸法令を遵守し、これに違反した場合発生するであろう責務が、発注者に及ばないようにしなければならない。
3.受注者は、当該工事の計画、図面、仕様書及び契約そのものが第1項の諸法令に照らし不適当であったり矛盾していることが判明した場合には直ちに監督員に報告し、その確認を請求しなければならない。


 このように、請負契約の履行に際して、発注者である被告は、受注者とともに、日本国の関係法令を遵守しなければならないことは明白である。
 本件農道舗装契約では、受注者の池原工業㈱が、当該工事に廃棄物処理法や土壌汚染土壌汚染対策法に抵触する大同特殊鋼渋川工場由来のスラグが使われていたのを知っていたわけだから、現場を見て、直ちに被告の監督員に報告し、その確認を請求しなければならないところである。
 しかし、大同由来のスラグを好んで使用していたとみられる池原工業㈱が、被告の監督員に報告をしたかどうかは、不知である。
 いずれにしても、被告は、被告第2準備書面の「第3 原告準備書面(2)『第2 求釈明』に対する回答」において、「本件舗装工事契約に先立ち施工された本件農道整備工事契約において、請負業者から使用材料承認願の提出を受け、その品質について基準を持たしていることを確認できたため使用した。なお、スラグ混合下層路盤材RC-40は再生砕石として株式会社佐藤建設工業から購入し使用しているため,大同エコメット株式会社が廃棄物処理業の許可を得ているか否か確認する必要はない」として、法令で定める諸法令のうち、廃棄物処理法等の遵守を怠ったことを認めている。
 このことからも、本件農道整備工事契約は、製造・販売の資格のない無許可業者である㈱佐藤建設工業から購入した資材を使用していることは明らかであり、上記の自ら定めた契約ルールである工事必携、規程、規則、約款、標準仕様書に照らしても、廃棄物処理法等の法令を遵守しておらず、被告の主張には理由がない。
 なお、被告が、大同特殊鋼由来の産業廃棄物であるスラグを本件農道整備工事契約で敷砂利として使用したこと自体、被告の県土整備部が発出した通達(甲9)で禁止した砕石骨材(クラッシャラン)にクラッシャラン鉄鋼スラグをブレンドした骨材の下層路盤工以外の工種に抵触しており、被告の主張からは、まさにルール無視の無法行政がまかりとっている実態をうかがい知ることができる。

                           以 上

*****証拠説明書*****
※PDF → 7160421.pdf

*****甲号証*****
甲45号証 ※PDF → b45qnhsk.pdf
甲46号証 ※PDF → b46h_ij.pdf
甲74号証 ※PDF → b47qnyhwdl1ij.pdf
**********

■なお、被告の群馬県からは、4月の異動で一部の担当職員らが交替した為、次の2件の書類が提出されてきました。

*****訴訟代理権消滅通知書*****
※PDF → 20160421im.pdf

*****指定代理人指定書*****
※PDF → 20160421wlw.pdf
**********

■以上の訴訟資料が裁判所に提出された上で、原告として明日4月22日の第4回口頭弁論に臨むことになります。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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