市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

八ッ場ダム建設工事にかかる公聴会で有害スラグ問題を主体にオンブズマンが公述

2015-07-01 00:13:00 | 八ッ場ダム問題
■市民オンブズマン群馬は6月27日(土)午後1時35分から30分間、国土交通省主催の公聴会で公述人として、有害スラグ問題を主体に、八ッ場ダム建設反対の立場で公述をしました。その時の様子を報告します。

公聴会の会場となる「岩櫃ふれあいの郷」の入り口。






 当日、予定時間の1時間ほど前に会場に到着し、入場手続をしました。その際、次の配布資料を国交省職員から手渡されました。

**********現地配布資料


20150627_koujutunin_heno_haifu_siryo.pdf
                    整理番号 公22
 一級河川利根川水系八ッ場ダム建設工事に係る公聴会
          公述人用留意事項
        平成27年6月27日(土)
*一時退場されて再入場される場合には、リボンで公述人であることを確認しますので、必ずリボンを付けて下さい。
*裏面に公述人等が遵守すべき事項、傍聴人が遵守すべき事項の抜粋を記載していますので、ご一読ください。
*会場では公述人控席が決まっていますので、そちらにご着席ください。なお、公述終了後も公述人控席にお戻りください。
          議 事 次 第
                    (敬称略)
     【平成27年6月27日(土) 11組】
10:20~10:50 公述人13 : 鈴木郁子
10:50~11:20 公述人14 : 牧山明・高山彰
11:20~11:45 公述人15 : 市川正三
12:45~13:15 公述人16 : 八ッ場ダムをストップさせる千葉の会
                  中村春子・村越啓雄・武笠紀子
13:15~13:35 公述人17 : 青木紅
13:35~14:05 公述人18 : 市民オンブズマン群馬 小川賢
14:25~14:40 公述人19 : 埼玉県 副知事 岩崎康夫
14:40~15:10 公述人20 : 高橋比呂志
15:10~15:40 公述人21 : 備藤實
16:00~16:30 公述人22 : 冨永靖徳
16:30~17:00 公述人23 : 土屋信行
【ご注意】
※ 上記は予定の時刻です。会の進行上、変更になる場合がありますのでご丁承願います。
※ 軽装で議事を進行させていただきます。ご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

【公述人等が遵守すべき事項(抜粋)】
①公聴会においては、議長及び議長補助者の指示並びに国土交通大臣の委託を受けた者の案内に従ってください。
②受付後は、受付でお伝えする公述人控席に着席の上、議長からの登壇の指示をお待ちください。
③公述を行う際には、議長が登壇を指示しますので、指示に従って登壇してください。登壇した方のみ公述を行うことができます。
④登壇することができるのは、原則として公述人本人のみです。(以下略)
⑤公述は、議長の指示に従って開始してください。
⑥公述1件あたりの公述時間は、国土交通大臣が「公聴会において意見を述べることができる時間等について(通知)」において通知した意見を述べることができる時間となります。
 この公述時間には、起業者に質問をされる場合の質問及びそれに対する答弁に要する時間を含みます。なお、複数の方が共同で公述を申し出ている場合も、1件当たりの公述時間は、通知した意見を述べることができる時間となります。
⑦意見の陳述及び質問は、土地収用法施行規則第11条第2項及び第3項の規定により、標題の事業の範囲並びに申出書に記載された意見の要旨及び質問の要旨の範囲内で行わなければならず、この範囲を超えて意見の陳述又は質問をした場合は、議長によりその発言を禁止されることがあります。
⑧公述では、起業者以外の者を質問の相手方として答弁を求めることはできません。
⑨公述は、口頭により行うこととし、資料等を配布することはできません。(以下省略)
⑩公述が終了した場合、又は議長により公述の禁止を命じられた場合は、議長の指示に従い速やかに降壇してください。
 上記事項に違反した場合、議長により会場から退場を命じられることがあります。この退場命令に従わない者が多数いることにより公聴会の運営が困難となったとき等の場合においては、議長により公聴会を打ち切られることがあります。当該打切りの後においては公述はできません。
**********

 国交省からは、事前に資料を郵送されていましたが、これにもいろいろな文書が同封されており、いずれも、あれをしてはいかん、これをしてはいかん、という内容ばかりでした。

■2日目の6月27日(土)は、11人が公述人としてステージに登壇しました。会場の「岩櫃ふれあいの郷 東吾妻町コンベンションホールふれあいの館」には約100名の聴衆が詰めかけていました。

 市民オンブズマン群馬は、公聴会2日目の6月27日(土)午後の部の3番バッターとして登壇し、次の内容で公述をしました。

**********(公述意見の内容)**********
公述人の小川賢です。現在、市民オンブズマン群馬の代表をしております。
市民オンブズマン群馬は、群馬県において、行政を外部から監視し、行政による税金の無駄遣いや行政及び関連する権限を不当に行使することによる住民・関係者の権利・利益の侵害に対する調査及び救済の勧告を図る活動をしているボランティア団体です。
我々、市民オンブズマン群馬では、平成16年(2004年)から八ッ場ダムをめぐる公金支出差止等請求住民訴訟事件の群馬原告団事務局として、八ッ場ダム工事にかかる公金の無駄遣いについて追及をしております。
本日は、時間の制約上、次の手順で公述したいと思います。
最初に既に提出済みの公述の申出書にしたがって、私の意見の要旨をあらためて述べたのち、国土交通省に対する6項目の質問について、質疑応答の時間とし、その上で、時間に余裕が生じた場合、私の意見の詳細について述べたいと思います。
では、私の意見の要旨について述べます。

① 土地の収用は、公共の利益となる事業において、民法上の手段だけではその事業の目的を達成するのが困難な場合に、私人の財産権を強制的に取得するためのものですが、国土交通省が起業している一級河川利根川水系八ッ場ダム建設工事事業は、公共の利益に反するものです。
② 八ッ場ダムに関しては、平成17年当時、萩原昭朗・水没関係5地区連合対策委員長の誕生日を祝うため、「丸岩会」という行政関係者と業者が一堂に会してゴルフ大会や宴会を毎年開催していたこともあり、当時の県知事・小寺弘之や八ッ場ダム工事事務所所長・安田吾郎も出席して、業者との癒着ぶりを見せつけていました。
③ さらに、平成18年には斉藤烈事件が発覚しました。この刑事事件は、国交省関東地方整備局八ッ場ダム工事事務所に勤務していた用地第一課長だった斉藤烈が、同事務所が発注する用地調査業務などをめぐり、便宜を図った見返りに無利子、無担保で、業者から710万円を借りていた収賄事件のことです。
④ このように公金を長年にわたり投入しながら、その実態は政官業民の癒着のみならず、国交大臣が所管する国交省の職員らにとっても、公金をふんだんに扱える利権の場に化していました。
⑤ これまでのこうした不祥事に加えて、さらに平成26年初頭から大同特殊鋼渋川工場由来の有害スラグが大量に八ッ場ダムの現場及びその周辺に不法投棄されていた実態が明らかになりました。
⑥ しかも、環境基準値を超えるこの有害スラグは、この計画に協力をした地元住民の代替地の造成にも不法投棄されております。この結果、一般住民の居住する敷地内にも不法投棄されている実態が判明しました。これにより、住居の直下にも不法投棄されている可能性が強く指摘されています。
⑦ にもかかわらず、国交省は一部の場所だけを調査しただけで、有害スラグを使った盛土材による造成場所については、まったく調査しようとしませんでした。
⑧ こうしたルール無視の違法状態を放置したまま、八ッ場ダムの本体工事を着工することは、断じて容認できません。
⑨ 行政の信頼を取り戻すには、有害スラグを完全に撤去することが、最優先課題です。
⑩ この有害スラグの不法投棄について、排出者の大同特殊鋼も、有害スラグを一手に引き受けてスラグ混合砕石という代物を独占的に製造・出荷していた佐藤建設工業も、産業廃棄物中間処理業の許可が必要なのに、無許可で大量の産廃を八ッ場ダム工事現場等で使い続けてきました。
⑪ これらの工事は、全て国交省土木工事標準積算基準書(いわゆる「赤本」)に基づき積算され、リサイクルの観点から「再生砕石」の使用を前提に、工事予定価格として設定されたものです。
⑫ ところが、落札した業者は、好んでこの違法な有害スラグ混合砕石を佐藤建設工業から仕入れて、あるいは佐藤建設工業自身が工事請負業者として使用していました。
⑬ にもかかわらず、国土交通省は、無許可で違法な有害スラグ混合砕石を大量に出荷したり直接工事に使っていたりしていた佐藤建設工業や、違法な有害スラグ混合砕石を大量に佐藤建設工業から仕入れて使用していた地元の土建業者(池原工業や沼田土建など多数)を、毎年度、優良工事等事務所長表彰として表彰してきました。
⑭ 本来、建設リサイクル法に基づく再生砕石を使用すべきところ、産廃を原料とし大東特殊鋼から運搬費等多額の補填を受けて無許可で製造された有害スラグ混合砕石の原価はタダ同然であり、この違法資材を使用すればするほど、佐藤建設工業を始め、その他の請負業者は巨額の利益を得ることができました。
⑮ そうした不当利得の一部は、八ッ場ダム工事請負業者らから、ドリル事件で名を馳せた地元の女性代議士に政治資金として還流されてきました。
⑯ もはや、八ッ場ダムの建設工事事業は、国交省を始め群馬県、地元自治体などの「官」と、地元代議士を中核とする「政」と、有害スラグを好んで使い国交省から毎年度表彰対象となっている「業」との間の利権の草刈り場としての意義しかありません。
⑰ さらに、前述の地元住民の代表として八ッ場ダム利権を享受してきた萩原昭郎などの一部の「民」も絡んで、「政官業民」として、多額の税金をむさぼっています。
⑱ こうした実態を放置したまま、土地収用などという強制力を伴う公権力の発動で、さらに血税を無駄遣いすることは許されません。
⑲ 国交省は、行政の信頼よりも八ッ場ダムの本体工事を優先してはなりません。このまま、土地収用を強行する場合には、当会は、国交省が、住民の安全や行政の信頼よりも、八ッ場ダム工事を優先すると見なさざるを得ません。このことを指摘し、土地収用が強行された場合、強く抗議します。
⑳ 併せて、税金をこれ以上、無駄な事業につぎ込むことも直ちに再考するよう、強く要請します。


八ッ場公聴会で反対派公述人(右端)の質問に答える国土交通省職員(左端)=東吾妻町で。2015年6月28日付毎日新聞より。

続いて国土交通省への質問として次の6項目が有ります。
初めに質問6項目の内容を読みあげますので、その後、項目の順番に、誠意をもってご回答ください。それでは質問1。八ッ場ダム工事で、路盤材、盛土材、埋土材などで中間処理業の許可を得ずに製造・出荷されてきた有害スラグの所在(不法投棄先)と量を把握していますか?

【議長】では、起業者は回答してください。

【起業者】回答します。平成13年度以降に八ッ場ダムで施工した工事について、大同特殊鋼業渋川工場に聞き取り調査を行い、鉄鋼スラグを出荷した記録があることが判明したⅠ5工事と施工箇所等、鉄鋼スラグが混入の可能性のある材料が露出した状態になっている38工事のうち、施工箇所を基に調査を行い、大同特殊鋼業の聞き取り調査による鉄鋼スラグを出荷した記録があることが判明した工事、及び、表面に露出し鉄鋼スラグに類似する材料が認められた工事の計19か所を対象に有害物質の含有量を確認する調査を実施しております。その結果、八ッ場ダム事務所では、8工事、施工箇所は13カ所で有りますけれども、において、基準に定める基準値を超えた材料の使用を確認しております。

【議長】公述を続けてください。

えー、(スラグの投棄)場所と量、投棄量を聞いたんですけどね。ちょっと、はぐらかされてますね。次に、質問2。これまで、中間処理業の許可を得ずに使用されてきた有害スラグにより、本来、使用されるべき再生砕石の積算基準金額との差額により、血税が何年間にいくら、不当に佐藤建設工業をはじめ、八ッ場ダム工事に関与した請負業者に費消されたのでしょうか。回答をお願いします。

【議長】起業者、回答願います。

【起業者】質問の趣旨が必ずしも明らかでございませんが、八ッ場ダム工事事務所において再生砕石の使用に関し、積算を行った資料はございません。

【議長】公述を続けてください。

この点については、後でまた、時間が余ったら解説します。質問3。なぜ、無許可で有害なスラグの大量使用をしてきた請負業者に対して、国交省は毎年、優良工事等事務所長表彰の対象としてきたのでしょうか。ご回答お願いします。

【議長】起業者側、回答願います。

【起業者】優良工事表彰は、関東地方整備局発注の工事を受注し、その施工が優秀であって、他の模範とするに足りるものを表彰することにより、技術の向上及び円滑な事業の推進に資することを目的としたものです、なお、工事用副資材の使用に関し、材料など、瑕疵のある場合は、業者に対し、その瑕疵の修復を請求するか、損害の賠償を請求することができることから、今回の事案についても、群馬県の調査結果などの瑕疵の程度を判断する材料のひとつとして、総合的に検討してまいる所存です。

【議長】公述を続けてください。

あれっ?(皆さんは)騙されているんですよ。この件については、あとでまとめてコメントしたいと思います。質問4。八ッ場ダム工事事務所長が、これは当時ですけども、なぜ地元対策委員長の誕生日に、知事や請負業者が集う宴会場に顔を出して八ッ場ダムの事業説明をする必要が有ったのでしょうか。ご回答をお願いします。

【議長】起業者、回答願います。

【起業者】はい、回答いたします。過去に、補償交渉委員長より地元の研修会で、八ッ場ダム工事の進捗状況について、講師依頼を受けたことがございます。委員長からの依頼であり、広報活動の一環として、有意義と判断し職員を派遣したところです。なお、地元の研修会の出席者で工事関係者がいたかどうかということは当方で把握しておりません。以上です。

【議長】公述を続けてください。

えー、トータルで100人以上いて、そうそうたる会社のかたがいらしたというふうに私は確認しております。これも、あとでコメントします。それでは、質問5。スラグ問題について、今後の対応策を聞かせてください。

【議長】起業者は回答願います。

【起業者】大同特殊鋼業渋川工場から出荷された鉄鋼スラグについては、群馬県内の公共事業に使用されたと聞いております。今回の様態を受けて、国土交通省は、これまでに業者からの聞き取り調査により、使用箇所の特定、使用された鉄鋼スラグによる有害物質の分析等を実施し、その結果を公表するとともに、群馬県にご報告してまいりました。えー、今回の事案につきましては、廃掃法に基づく調査が群馬県において行われており、群馬県の調査結果を踏まえ、関係機関と連携し、適切に対応して行きたいと考えております。

【議長】公述を続けてください。

ああ、それだけですか。えー、では続きまして、質問6。政官業民、さきほど申しました政治、官僚、業界、住民、一部のですね、の癒着問題について見解を聞かせてください。

【議長】これは先ほどの16でご説明いただいたようなことについてどうかということでよろしいですか?

先ほどの16?

【議長】ええ、16でお話しされていた件で・・・。

ああ、ああ、ちょっと待ってね。16番・・・ええ、そういう構図だと思っておりますので、よろしくお願いします。←当会注:16番の質問とは「もはや、八ッ場ダムの建設工事事業は、国交省を始め群馬県、地元自治体などの『官』と、地元代議士を中核とする『政』と、有害スラグを好んで使い国交省から毎年度表彰対象となっている『業』との間の利権の草刈り場としての意義しかありません」です。

【議長】では、それについて答えてください。

【起業者】えー、では、お答えいたします。あのう、八ッ場ダム建設事業についても、公共事業等の発注に係る手続きについては関係法令を順守して公正な入札手続きなどを適切に実施しているところです。で、あのう、今後もそういった関係法令を順守していくことについては、変わりはございません。

【議長】公述を続けてください。

議長!再質問とかですね。そういうことについて、もう一回折り返し確認を求めてもよろしいでしょうかね。

【議長】えーと、質問の要旨の範囲内でご質問いただきまして、その関連ということで質問をしていただければ、と思います。

ああそうですか、面倒くさいな。じゃあ、いずれにしても、どうせ再質問しても、はぐらかされるのが目に見えているような感じが致しますので、今のお答えを踏まえまして、ちょっとですね。特に私が重要だと思ったのはスラグ問題なんですけれども、スラグ問題についてもう少し解説がてら、この場をお借りして、この問題の根深さをご説明したいと思います。
なぜこのスラグ問題が浮上したかというと、これは昨年の1月27日に群馬県の環境森林部が、突然と言うか、どこからか情報を得たんでしょうね。多分、その前の渋川市のスカイランドパーク駐車場問題だと思いますけれども、まあ、とんでもない生スラグが撒き散らされていて、それが、エージングといって、きちんと本当は、スラグは水を吸うと、中にCaO、つまり炭酸カルシウムが入っているので膨らむんですよね。そのため、その上に舗装してしまい、路盤材として(スラグを)埋めて舗装してしまった後に、水を吸ったものだから、もう表面が凸凹になっています。もうジェットコースターのようになっているという話です。
それが新聞沙汰になって、おそらく群馬県の環境森林部は、大同特殊鋼に、きちんと廃棄物処理法、廃掃法とも言われますけれども、これに則って立入検査をしたわけです。そうしたら、いろいろと、例えば、逆有償取引をしていたとかね、まあ、その他いろいろ問題があるようなんですけれども、それ以後、いろいろ違法不当な問題があるんですが、未だに刑事告発をしていないんですよね。廃棄物処理法についての。しょっちゅう私も県に行くんですけれども、「そのうち(告発を)するよ、するよ」と青木部長は言うだけで、未だに何もしません。
で、これを契機に私どもは、どのくらいこのスラグというものが打ち捨てられているのかと、この群馬県の水源地帯にですね。下流の皆様にとっては水源地帯です。
で、いろいろ調べました。それで鉄鋼スラグというものはどういうものか、東京の江東区だったか、鉄鋼スラグ協会という、まあ、業界団体が有るんですけど、そこにも行っていろいろ聞いたんです。そうすると、鉄鋼スラグと言うのは、とくに大同特殊鋼の場合は、特殊鋼、つまり耐熱鋼とか、いろいろ、超硬とか、高温でも硬く強度を持つとか、いろいろ難しいのがあるんですけれども、そのために、スクラップの中にいろいろ含まれている不純物をとるために、フッ素、蛍石というやつを使わなくてはいけないんですよとね。こういうことらしいですよ。
蛍石の中にはフッ素がいっぱい入っている。まあ、少量で有れば、虫歯予防になるとか言って我々子どもの頃聞かされましたけれども、今でも賛否が分かれていますが、それが大量に含まれているわけです。で、もうひとつは、クロム鉱といって、高温で強度を保ついろいろなそういう特殊鋼を生産しているわけですね。ジェットエンジンのタービンのブレードとか。そういうとき、どうしてもいろいろ鼻薬で、クロムだとかモリブデンだとか、そういうやつを入れる時に、それが要するにカスとしてスラグをして排出されると。これを長年続けているわけです。少なくとももう20数年間やっているらしいですけどね。
新聞沙汰になってから、群馬県に情報公開請求をしました。それから、大同特殊鋼にも、いったいこれまで、どれくらい、どこに捨てたのかと、まあ、佐藤建設工業を介してということが殆どらしいけれども。しかし、情報公開しないんですよ。群馬県もしません。だから、国のほうでも聴取したというんで、ぜひ、この後ですね。情報公開を最後の頼みの綱で、国の公務員の皆さんであれば、こういう違法行為に対しては住民のこういった願いを聞き届けて、情報公開に応じていただけると思うんです。ですから、大同特殊鋼のスラグがどうなっているのかというのは、今まだ、わからないんですよ。
いろいろ申したいんですけれども、廃棄物処理法で、なぜこれが取り締まれないのかということなんです。同じ国の機関でも、水資源機構。これは群馬用水を監視していますけれども、この管理道路にやはり大量のスラグ入りの産廃が投棄されました。で、これは、いち早く下流に浄水場もあるということで、水資源機構は、排出者責任として大同特殊鋼にかけあって、全部・・・(チンと10分前のチャイムが鳴らされる)あと10分ね。全部、大同の負担で撤去しました。
ところが、この八ッ場ダム、それからもうひとつは上武国道。上武国道と言うのは、熊谷から渋川のところまで、国道17号のバイパスと言うことで今、相当工事が進んでいますけれども、この工事現場にもたくさん埋まっています。八ッ場ダムもたくさん埋まっています。
こうしたものが、水資源機構が・・・要するに、環境基準値よりも高いところがいっぱいあるわけですよ。それよりも何よりも住民への安全という観点から、本来、そういうものがあってはならない物質がそこに撒かれているということ。
私は安中市の東邦亜鉛安中製錬所の近くに住んで、子どもの頃から降下ばいじん等によるカドミウム汚染の農地がみな、畑地とか水田が汚染されてきた。そういうところで、何とかきれいにしたいというところなのに、あろうことか、有毒物質が混じった、そういうものが、公共事業に大量に使われている。
しかも、タダ同然のものに対して、いわゆる再生砕石・・・本来、再生砕石というのは、コンクリート構造物を壊して、いわゆるスクラップ・アンド・ビルト等をするときに、そのまま捨てると資源の無駄だから、しっかり砕いて、もう一回骨材として、コンクリート骨材として再生すると。だから単価が高いんですよ。詳しいことは赤本でいくらになっているのかということは、私は知りませんけれども、例えば3000円くらいとしますよね。これを大同スラグは今年間2万数千トン排出しているんです。
で、佐藤建設工業は実は、これを一手に大同の渋川工場から引き受けて、で、大同はちゃんと(フッ素等を)測っているんです。たとえばこのスラグのロットは、4万PPMだと。これは社内基準だと4万PPM以下ならいいといっているらしい。ところが環境基準は8000PPM。さらに5分の1なんですよ。そこで誰が考えたのか知らないけれど、5倍に薄めればいいんだと。つまり、JISで測る時にはみな粉々に砕いて、それを振とう器に入れて、測るんですけれども、そうすると4万PPMでも天然砕石で薄めれば、佐藤建設工業は村上というところに砕石場を持っていますから、そこで、天然の砕石で薄めれば8000PPM以下になると。
こういうことで、インチキの試験成績書を行政に対して出していた。群馬県が出すのは分かります。癒着していますから。それがいいという証明書を平成22年の6月と10月に出していますから。今、県の土木、県土整備部長の倉嶋という御仁ですけれども、お墨付きを出して居るんですよ。だけど、そんないい加減なルール違反の群馬県じゃなくて、ここに居らっしゃる方は全然レベルの違う、ハイレベルな国家公務員の方なんですよ。
それがね、廃掃法、廃棄物処理法で、そんな中間処理の免許を持っていないような大同にしろ、佐藤にしろ、そういう危ない代物を、高い値段の見積で、予定価格で、実際にはそこに入っている業者、今言った池原とか沼田とかいろいろあるんですけれども、そういうのが、しかも、談合して落札率が95%以上のものばっかりですからね。
それでですね、原価、購入するときに、もの凄い安いわけですよ。3000円で多分見積もったやつを、タダ、しかも大同がもしかしたら運送費まで負担してくれるかもしれない。これは儲かりますよね。
たとえば、毎年2万5千トンですけれども、これは全く仮の話で、そのうち1万トンが公共事業、たとえば国の上部国道と八ッ場ダム、私はどのくらい使われているのか、そこを聞きたかったんですけれども、それは返事がもらえていない。1万トン使ったとすれば、差額の3000円、だから3000万円浮くわけです。それが業者に還流する。そうすると業者は、一時民主党が(政権を)とった時に、どのくらい保守政党にカネが還流したかと。ダムマネーとして還流したかということがわかった。やはり数年間で5000万円還流しているわけですよ。・・・(チンとチャイムの音)あと5分間ね。
で、今話題のドリル事件で有名な地元のさる高名な女性政治家の場合、ついこの間、検察審査会に審査申立てをしてきましたけれども、こういうところに、ゼニが回るということは、やはり、談合で(入札価格を)吊上げるということも有るかもしれないけれども、大きな打ち出の小槌のひとつはこの有害スラグなんです。
この有害スラグを、だからこういう有害スラグを多く使った方が、優良企業なんですよ。おかしいでしょう?これをね、手本としなさいってさっき言いましたよね。こういう企業を手本としなければいけない、というのが、この群馬県に来られて、八ッ場工事事務所に勤めておられると、そういう考えになっちゃうんですよ。群馬県におると皆おかしくなってしまう。スラグでこれ、やられたんじゃないかと思いますよね。
だけど、このままずっとダンマリで、この責任の所在、まず真相の追及ね。まあ、これから大同スラグがどこにどう埋めたっていうのを情報公開でお願いしますけれども、どれくらいそういったゼニが還流して、業者経由で、政治家に渡って、そのスパイラルがね、どんどんどんどん大きくなって、右も左も、保守も、民主党でさえも、ここでは対抗する候補を出せないほど、このカネの力、スラグによる有害物質による頭脳汚染、これは深刻なものがあります。
従いまして、この問題については、7月10日に・・・まず東吾妻町の萩生地区と言うところで、あろうことか、南波建設という、まあ、このかたも社長さんですかね。これ県会議員で自民党県連の幹事長もされているようですけれども、大量に、農業地帯ですよ、農道にたくさん撒いているんです。その後、去年の6月に生スラグがいっぱいあるのを発見して、これなんとか撤去してくださいと群馬県の農政部に言った。
そしたらね、農政部は、ああこれは吾妻農業事務所がやっているんだと。じゃあ、これ、いま大同に言えばすぐに撤去してくれるはずだから、それまず撤去してくださいと、言ったんです。そしたらその時は既に入札準備が始まっていて、上に仮のアスファルト舗装をするんだと。つまり臭い物に蓋をしようとするので、私は事務所長に何回も電話をして、私が住んでいる安中では、東邦亜鉛のカドミウム公害で、きれいな土にしてくださいと言っているのに、おたくのところでは、きれいな農地の中に、重金属入りのやつを入れるんですか?と。まず撤去してから農道整備を、舗装するんだったら舗装してくださいと、こう言ったら強行されました。
7月10日金曜日、午後1時10分から前橋地裁201号法廷、2階にありますから、そこで第1回口頭弁論、つまり、群馬県知事に対して、その農業事務所の所長さんが、その決裁の裁量は数百万単位だと農業事務所の所長さんになるらしいですから。まあ一部お気の毒と思うかもしれませんが、私があれだけ電話をしても知らんぷりだったので、やっぱりきちんと法廷で、これはあなたの責任ですよと、いうことで、損害賠償請求をします。・・・(チンとチャイムの音)
では、残り1分間になりましたので、エンディングとさせていただきます。今後とも、有害スラグ問題、これお手本になっちゃうわけですよ。つまり前例になってしまう。どういうことかというと、群馬県でこれがお咎めないんだったら、じゃあ、俺のところでも同じようにしてくれと、こういう波及効果が出てしまいます。私はこれ、詳しくブログに載せていますけれども、もう鉄鋼業界が毎日のように見ていますよ。どういうふうになるのかと。だから、一刻も早く群馬県の後押しして、これを刑事告発するように、エリートの皆さんにはよろしくお願いしたいと思います。以上、ありがとうございました。(場内より拍手)

【議長】議長:ありがとうございました。降壇してください。
********************

 なお、公述人の所属や氏名はチラシで公表されているのに、主催者・議長・企業者と一人三役の国交省関係者の所属や氏名が公表されていないのに疑問を抱いた当会は、休憩時間を利用して、国交省関係者の所属と名前を聞き取ることにしました。その場合でも、やれ控室に行くな、余計なことは聞くな、などと束縛を受けました。

議   長:国土交通省総合政策局総務課土地収用管理室室長 藤田昌邦
議長補助者:国土交通省総合政策局総務課土地収用管理室係長 高森誠
起 業 者:国土交通省関東地方整備局八ッ場ダム工事事務所
         副所長 小宮秀樹
         副所長 土屋秀樹
         副所長 市川史正
         工務課長 小平剛弘
         調査設計課(専門官) 小池
         事業計画課長 塩谷
         調査設計課長 藤原
         用地調整課長 近藤

■以上で、あっけなくあらかじめ与えられていた公述時間30分が過ぎました。今回、国交省と質問形式で対話をこころみましたが、ご覧のとおり、役所側は全くまともに返事をするつもりがありません。初めに八ッ場ダム建設ありきですので、今回の公聴会も強制収用を始めるための儀式に過ぎないと思っているに違いありません。

 それよりも驚いたのは、国交省側が反対意見ばかりでなく賛成意見として下流の自治体の首長や幹部らをサクラで何人か用意していたことです。6月27日の部でも公述人11人のうち、当会の後で登壇した埼玉県副知事の岩崎康夫と、最後に登壇した役所OBの土屋信行の2名がサクラとして建設賛成意見を述べました。当会は土屋信行の発言が賛成派の立場だと分かると直ちに会場を退出しました。とても聞くに堪えられなかったためです。

■公述後、参加者らと情報交換をしましたが、その中で注目したいのは、丸岩会で有名な地元対策委員長の萩原昭朗が、有害スラグの地元持ち込みについても関与しているらしいことです。

 同人と関係の深い地元の建設会社を通じて、スラグ利権の恩恵にあずかっている可能性があるとしたら、いったいどこまで公共事業を食い物にすれば気が済むのでしょうか?


スラグ問題抜きに八ッ場ダムは語れない。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※公聴会に先立ち国交省が公述人に対して送付してきた資料一式

20150609_koujutunin_heno_mlit_karano_sofu_siryo.pdf

※公聴会に関する報道記事
【6月27日報道分】
**********2015年6月27日 毎日新聞群馬版
八ッ場ダム:強制収用で住民意見 国公聴会、賛否の立場を表明 /群馬
 八ッ場ダム建設用地の強制収用に向け、国土交通省は26日、東吾妻町内で公聴会を開いた。地元住民らが公の場で意見を述べる最後の機会。約80人が傍聴し、事業者の八ッ場ダム工事事務所職員も含め11人が賛成、反対それぞれの立場から発言した。
 最初にダム工事事務所職員が水害防止や水道用水確保などの建設目的を説明。住民の同意を得て建設用地の93%を確保しているとして、未買収状態で残る土地の収用に理解を求めた。
 その後、移転に応じた住民が「いや応なく条件付きで賛成させられた。造ってくれと頼んだわけではないのにダムのせいでどれほど苦しんだか。移転した以上は完成させてほしい」と述べると、傍聴していた移転拒否住民から「まだ納得していない人間もいるんだ」と声が上がった。
 公聴会は27日も開かれる。【高橋努】

**********2015年6月27日 東京新聞群馬版
八ッ場ダム 「建設中止」の声相次ぐ 強制収用可否 判断で公聴会
 長野原町の八ッ場(やんば)ダム建設工事をめぐる公聴会が二十六日、東吾妻町コンベンションホールで始まった。早期完成を求める水没予定地の地元住民がいる一方、利水・治水効果を疑問視し、ダム周辺の土砂災害の危険性が増すと指摘するなど建設中止を求める意見が相次いだ。
 八ッ場ダムは今年一月に着工し、完成は二〇一九年度の見込み。国土交通省によると、建設に必要な土地の取得率は三月末で約93%だが、残りの地権者の中には所在不明の人もいる。同省は四月、国交相宛てに、予定地の強制収用を可能にする事業認定を申請。公聴会は、事業認定の可否を判断するための意見収集が目的で、この日は公述を希望した十一組が意見した。
 公述人の一人で、日本大学の竹本弘幸講師(地震地質学)は、建設予定地の地層は貯水により水を含むと不安定になり、ダム湖や吾妻渓谷の土砂災害などのリスクは高まると指摘。茨城や埼玉から参加した複数の公述人は、計画の見込みより水使用量は減っており「流域圏は水余りに苦しんでいる。治水効果も期待できない」と建設中止を求めた。
 一方、長野原町の元町議星河由紀子さん(72)は「まだ反対の声が聞かれ、心を痛めている。ここまできたら中止せずに早く完成させ、安心した暮らしを与えて」。埼玉県加須市の角田守良副市長も「流域圏の治水、利水効果はある。一日も早い完成を」と訴えた。
 公聴会は二十七日も開かれる。その後、第三者機関の意見も聞き、事業認定の可否が判断される。 (川田篤志)

**********2015年6月27日 上毛新聞 
八ツ場ダム 強制収用へ公聴会 11組、賛否の意見公述
 八ツ場ダム(長野原町)建設事業に伴い、国土交通省は26日、水没予定地の強制収用を可能にするため、土地収用法に基づく公聴会を東吾妻町コンベンションホールで開いた。事前に申し出のあった11組の公述人がダム建設をめぐり推進や中止を求める意見を述べた。
 公述人の1番手として、起業者である国交省関東地方整備局の担当者が登壇。ダムの目的や内容を紹介した上で、3月末時点で残り約7%(面積ベース)となっている水没予定地の取得について「任意交渉が最良。引き続き丁寧に説明していきたい」と述べ、地権者とできる限り話し合う考えを示した。
 ほかの公述人からはダム建設の賛否の意見が出た。
 地元住民らの賛成者は「ここまできたら、中止にしてほしくない。一日も早く完成して安心した生活を与えてほしい」「貯水できなければ、無駄遣いになってしまう」「農業や洪水対策にダムは必要」などと完成を望んだ。
 一方、市民グループの反対者は「人口減少で水が余る。公共の利益にならない」「自然の宝庫をダムに沈めてはならない」「治水、利水からみて、もはやダムを必要とする状況はない」などと疑問を呈した。
 国交省関東地方整備局は4月、主に地権者が不明な水没予定地を取得するため、同法に基づく事業認定を国交相に申請した。公聴会は認定手続きの一環で、判断の参考のために実施する。27日も行う。

**********2015年6月27日 17:19 NHKニュース
八ッ場ダムの土地収用で公聴会
 国が群馬県で建設を進めている八ッ場ダムの計画をめぐって、法律に基づいて土地の強制的な収用も可能になる「事業認定」の申請が行われたことを受け、国土交通省が計画への意見を聞く公聴会が東吾妻町で開かれました。
 長野原町で計画が進む八ッ場ダムをめぐっては、今年3月末までに建設予定地のうち7%の土地が取得できていません。
 このため国土交通省八ッ場ダム工事事務所は今年4月、法律に基づいて取得できていない土地の強制的な収用も可能になる「事業認定」を国土交通省に申請し、これを受けて、国土交通省は、計画に賛成と反対の立場から意見を聞く公聴会を東吾妻町で開きました。
 はじめに八ッ場ダム工事事務所が利根川流域の洪水対策など八ッ場ダムの必要性について説明しました。
 このあと、計画に賛成と反対の立場の人たちがそれぞれが意見を述べました。
 このうち計画に反対する男性は、「利根川では堤防を越えるような洪水は起きていないし、人口が減るなどして水道用の水も余っている。ダムは意味がない」と述べました。
 一方、計画に賛成する女性は、「川の流域の住民が安心できるなら建設はムダだとは思わない。完成を待ってきた人のためにも計画を前に進めて、住民の生活再建をしてほしい」と述べました。
 公聴会は、27日も開かれ、国土交通省はここで出た意見などを参考にし、事業認定が妥当かどうかを判断することにしています。

**********2015年6月27日 朝日新聞群馬版
八ッ場建設、公聴会で賛否
 国土交通省は26日、八ツ場ダム(長野原町)建設事業について、住民らの意見を聞く公聴会を東吾妻町内で開いた。土地収用法に基づき未買収地を取得する手続きの一環。今後事業の公共性が高いと認められれば、県収用委員会の審理と補償金の支払いなどを経て強制的な土地の収用が可能となる。公聴会は27日にも開かれる。
 市民約80人が傍聴するなか、住民や大学教員、市民団体のメンバーら約10人が賛否を述べた。冒頭、八ツ場ダム工事事務所の担当者が、工事の目的や3月末時点で用地取得が93%済んでいることなどを説明した。
 賛成派は「安定した生活再建を成功させるためにも、ダムの早期完成を」などと訴えた。一方、反対派からは「八ツ場ダムには、土地を収用し、住民の人生を犠牲にするだけの公共の利益は無い」などの意見が出た。
 国交省はダムの本体工事を今年1月に着工。18年9月にかけて本体や水門設備を造り、その後試験的に水をためる計画だ。

**********2015年6月27日 読売新聞群馬版
八ッ場 賛否10人が意見 土地収用手続き 国が公聴会
 八ッ場ダム(長野原町)の水没予定地にある未取得地の強制取得に向けた土地収用法の手続きとして、国土交通省は26日、東吾妻町で公聴会を開いた。公述人10人がダム建設の賛成、反対の立場から意見を述べた。27日も開催され、同法の事業認定の判断材料にする。
 公聴会には約80人が参加。事業者の同省関東地方整備局の担当者が、洪水防止や水道供給などダムの役割や、事業用地の93%を取得し、86世帯が代替地に移転している現状を説明。最後に「地域の理解、協力を得て、任意で丁寧に説明していくが、建設事業は公益上の理由がある」と事業認定を求めた。
 一方、茨城県取手市の神原礼二さん(74)は「利根川では堤防を越えた洪水はない。人口減少も進み、水は要らなくなる」と事業の反対を主張。
 長野原町の星河由紀子さん(72)は「地元はダム建設の犠牲になっていない。共存して生活するためにも生活再建を成功させて、後ずさりさせず、予定より早く完成させてほしい」と賛成の立場で話した。

【6月28日報道分】
**********2015年6月28日 毎日新聞群馬版
八ッ場ダム:公聴会終了 賛成派「流域の水害防止」 反対派「水道の需要低下」 /群馬
 八ッ場ダム(長野原町)建設事業の用地強制収用に向けて、国土交通省は27日、東吾妻町内で2日目となる公聴会を開いた。賛成派は流域の水害防止、水道・工業用水確保など建設の意義を強調。これに対し、市民グループなど反対派は、(1)下流域で堤防を越える水害は発生していない(2)人口減による水道水の需要低下−−などを挙げて、建設中止を主張した。
 公聴会は土地収用法に基づき、国交相が強制収用の可否を判断するための手続き。27日は公述人として11の個人・グループが意見を表明し、全日程を終えた。今後は国の第三者機関である社会資本整備審議会の意見聴取や、県収用委員会の審理を経て、未取得地の強制収用が可能になる。
 八ッ場ダム建設工事は、水没予定地のJR吾妻線や幹線道路の付け替えをほぼ終了し、国交省は今年1月、ダムの本体工事に着手している。【高橋努】

**********2015年6月28日 上毛新聞
前日に続き 持論展開 八ッ場ダム公聴会
 八ッ場ダム(長野原町)建設事業に伴い、国土交通省は27日、前日に続き土地収用法に基づく公聴会を東吾妻町コンベンションホールで開いた。利根川下流域の住民ら11組の公述人がダム建設をめぐり持論を展開した。
 ダムの早期完成を望む賛成者や国交省関東地方整備局の担当者は、治水や利水の面からダムの必要性を強調した。これに対し、反対者は「造っても意味のないダム」「公益性と緊急性がない」などと中止を求めた。
 公聴会は2日間にわたって実施。一般公開された。延べ約170人が傍聴した。

**********2015年6月28日 読売新聞群馬版
八ッ場公聴会最終日 判断材料11組が意見
 八ッ場ダム(長野原町)の水没予定地にある未取得地の強制取得に向けた土地収用法の手続きの一環で、国土交通省は27曰、前日に続き東吾妻町で公聴会を開いた。
 市民団体など11組が公述し、栃木県鹿沼市の高橋比呂志さん(61)は、八ッ場ダムに台風や洪水対策の効果はないとして、「公益性はない」と反対を主張した。
 一方、千葉県松戸市の土屋信行さん(65)は「流域全体で努力をして地域の安全を高めないといけない。一日も早くダムを完成させてほしい」と賛成意見を述べた。公聴会はこの日で終了し、公述人の意見は事業認定の判断材料となる。
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