市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

安中市で2番目のメガソーラーを下秋間に作ったNTTの資金源についての考察

2013-11-14 23:10:00 | 国内外からのトピックス

■安中市で2番目となるメガソーラーが11月13日に竣工しました。NTTファシリティーズが下秋間のゴルフ場の遊休土地を借りて建設したもので、最大出力は約3.4メガワットで、年間発電量は一般家庭1050世帯分の380万キロワット時だそうです。

 これを報じた上毛新聞の記事を見てみましょう。

**********上毛新聞2013年11月14日経済面
メガソーラー 遊休地に完成 安中
 NTTファシリティーズ(東京)は13日、安中市下秋間の下秋間カントリークラブ遊休地に建設した「F下秋間太陽光発電所」で発電所の竣工式を行い、関係者約40人が完成を祝った。
 約5ヘクタールを20年契約で借り受け、4月から工事を進めていた。最大出力は約3.4メガワットで、年間発電量は一般家庭1050世帯分の380万キロワット時。同社のメガソーラー施設としては全国で14箇所目。
 式典で渡辺光宏副社長は、「今後も技術ノウハウの蓄積を図り、自然エネルギーの普及拡大に貢献したい」とあいさつした。
**********

■NTTファシリティーズも、平成25年11月13日付の自社ホームページ上に、ニュースリリースとしてこの件を発表しています。

**********
http://www.ntt-f.co.jp/news/heisei25/h25-1113.html
2013年11月13日
「F下秋間太陽光発電所」の竣工式を実施
 株式会社NTTファシリティーズ(代表取締役社長 筒井清志)は、国が推進する自然エネルギー普及・拡大や社会全体の環境負荷低減への貢献、及び太陽光発電に関する更なるノウハウ獲得・蓄積を目的に発電事業を展開しているところですが、この度、当社において14ヶ所目の太陽光発電事業用サイトとなる「F下秋間太陽光発電所」が完成し、11月13日に竣工式を実施しました。
 本発電所は、メガソーラー設置拡大を推進されている安中市にて、プロ公式競技が実施された歴史がある下秋間カントリークラブ様の敷地を賃借し構築しました。

完成写真。
1.F下秋間太陽光発電所の概要
施設名称:F下秋間太陽光発電所
設置場所:群馬県安中市下秋間
事業者:株式会社 NTTファシリティーズ
発電開始日:平成25年11月7日
設置容量:3,374kW
想定年間発電量:3,800MWh (一般家庭消費電力 約1,050世帯分)
2.F下秋間太陽光発電所の技術的特長
(1)パネル
 国内製パネル、海外製パネルの2種類のパネルを導入することで、発電特性評価等の実運用における比較評価検証を行います。
(2)発電診断システム
当社独自の発電診断システムの導入により、気づきにくい故障や不具合等、発電量を診断できます。具体的には、診断レポートによる発電性能の見える化が可能であること、遠隔自動診断により維持管理稼働を削減できることがあげられます。さらに、ストリング*1、接続箱、PCS*2単位等、システムに応じてきめ細やかな発電診断の比較評価も可能です。
用語説明
*1 ストリング
太陽電池の1直列回路(本サイトでは国内製パネル:1直列15枚、海外製パネルは 1直列12枚となっている)
*2 PCS(パワーコンディショナ)
太陽電池から発電された直流の電気を、電力系統と同じ交流の電気に変換する装置
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■NTTグループのこのメガソーラー計画は、2012年6月13日に発表され、安中市では最初のメガソーラーになる予定でした。実際には、その後、2012年9月4日にビックカメラの新井隆司会長の個人企業が出資するベンチャー企業が、安中市小俣のゴルフ場の余剰地と隣接の市有地を格安で借りて、最大出力4.2メガワットのメガソーラーの建設計画を発表し、一足先に着工し、2013年4月24日に竣工式が行われました。こちらは年間発電量約400万キロワット時で一般家庭1100世帯分です。したがって数字的には、発電効率はNTTファシリティーズのほうが良いようです。

 NTTファシリティーズでは、平成25年9月以降、毎週のように太陽光発電所の計画もしくは竣工式のニュースをリリースしています。列挙してみると、9月26日広島県宮島2.126メガワット竣工、10月7日三重県鈴鹿市2.237メガワット計画、10月10日大分県臼杵市2.204メガワット計画、10月25日茨城県つくばみらい市1.082メガワット計画、10月25日山梨県北杜市明野町1.013メガワット、10月31日愛知県常滑市1.115メガワット竣工、11月1日長野県佐久市2.412メガワット竣工、11月7日茨城県牛久市3.967メガワット計画、11月12日和歌山県洲本市1.712メガワット竣工、11月13日群馬県安中市下秋間3.374メガワット竣工、11月13日宮崎県都城市0.309メガワット計画があります。

■このようにNTTグループでは、太陽光発電所計画を積極的に推進していることが分かります。その目的は、「国が推進する自然エネルギーの普及および拡大」、「社会全体の環境負荷低減への貢献」、「太陽光発電に関する更なるノウハウ獲得・蓄積」であり、2013年11月13日現在で全国14箇所において太陽光発電所を建設し運用を開始しています。

 これほど大規模な投資が行える理由について、いろいろと考えてみたところ、次の結論に辿り着きました。それは、かつて電話を引く際に誰もが購入せざるをえなかった電話加入権のことです。当会でも1980年初頭に電話を新しく引く際に8万円ほど電電公社に支払った記憶があります。

 ところが、この電話加入権が紙くず同然になってしまったのです。この問題について、平成12年10月27日の東京新聞が記事で取り上げています。

**********東京新聞2004年10月27日
NTT加入権廃止『国家的詐欺』の手口、整備を口実 ぼったくり?【東京新聞】
 NTTの「加入権料」(施設設置負担金)が二〇一一年までに廃止される。総務省の情報通信審議会がゴーサインを出したからだ。だが、これまで「財産」だと思ってきた利用者にとっては、紙くずとなる事態にブーイングが収まらない。NTTは「一時金だった」と言うが、資産と強調したセールスもしていた。「国家的詐欺」の“手口”とは-。
■財産うたうパンフ
 「NTT自身が、過去において『じぶん電話宣言』というパンフレットで『いつまでも大切な資産になるから』とうたって、施設設置負担金を販売した。その事実をなくすのであれば、集団詐欺販売だ」
 情報通信審議会に寄せられた一般利用者の怒りは収まらない。
 NTTの窓口で「『もし結婚して不要になったらこれはパンフレットにも書いてあるように財産なので買収してもらえる』と言っていた」と職員に言われたという声もあった。
 NTT側は加入権料は「施設設置負担金」と称して、財産ではないと主張してきた。ところが、過去に「財産」と売り込んでいた実態がある。同審議会でもこの点を問題視した。
 戦後、加入者は順調に増えた。加入権料は一九八五年の民営化以降は七万二千円に固定された。固定電話事業を行うNTT東日本広報室は「九四年以前に、一部の支店で『電話は大切な財産です』などと誤解を招きかねないパンフレットを作製し、配布したことがあるのは事実」と認める。
 石川県の加入権売買業者は十年前、同県内で配布されたこのパンフレットを保管していた。そこには「いつまでも大切な財産になるから」との文言が記載され、新社会人らに自分用の固定電話を持つよう呼び掛けている。
 「全国民の電話加入権資産を守る会」の前波亨哉代表は「これは国家的詐欺だ」と憤まんやる方ない。「財産だと言ってきたのに、急にその価値はゼロになりますと言う。しかもゼロであることは最初から言っているのに、国民の側が見落としていただけでしょうと詭弁(きべん)をろうしている」と憤る。
 NTTはこんな売り方もしていた。前波氏によるとNTTは、加入権を戻すので返金を、という一般の顧客には「加入権の買い取りはしない」とにべもなく断り、「タウンページを見て業者に連絡して売ればいい」と説明してきた。
■大口顧客には『買い取り』も
 一方で「加入権料を返せ」と強硬に要求するうるさい客や企業など大口顧客に対しては「別の顧客に転売する作業をやっていたようだ。NTTによる事実上の加入権の買い取りで、大変不公平だ」(前波氏)という。もし事実なら利用者への背信行為ではないか。
 こういった加入権料徴収を一部とはいえ行いながら、NTT東日本広報室は「電話加入権は電話サービスを受ける権利であり、財産的価値を保証するものではない」と「財産」であることを否定する。さらに電話を休止した場合、十年たっても再開せず、休止の継続も申し出ないと加入権は自然消滅するという。
■売買が行われ相続税も発生
 だが加入権は社会では「財産」と扱われてきた。加入権売買が広く行われている。本来なら今の時期は引っ越しが増える来春に向けて加入権を買い集める仕込みの期間だ。だが、今年一月時点での約二万円だった業者間取引価格は、現在約一万円に下落した。
 「廃止の報道が出た十九日以降、市場が成立しませんよ。今は売りたいというお客さんに謝ってお断りしている状態」。加入権売買の専業業者三百社でつくる全国電話取引業協会の武田献事務局次長はこう嘆く。
 質権もある。自宅に電話を持つことが資産家の象徴だった五〇年代半ばには、電話質権は三十万円もの高値を付けたという。東京都内の質店「質島田屋」の戸枝殖宣社長は「現在二千本の加入権を質に取っていて、質草の約半分を占る。財産的価値が消滅すると大変な影響だ」と危ぐする。
 税法上も「無形固定資産」として法人税の課税対象だ。個人では親から引き継げば相続税が発生する。さらに税滞納者の差し押さえ財産にもなっている。東京都では昨年度約八千三百件の差し押さえを行ったが、その半数が加入権だ。こうして国としても実態は「財産」扱いをしてきた。
 これだけ価値があるだけに、利用者の加入権料の返還要求は今後強まりそうだが、NTTには返還せずに廃止した“前科”がある。
 NTTドコモの携帯電話も当初は七万二千円の新規加入料を徴収していたが、段階的に値下げし九六年に全面廃止した。この際も支払った人に返還されていないが、問題化しなかった。
 一方で、固定電話加入権料の返還を求めた訴訟もある。九七年に訴訟を起こした野村吉太郎弁護士はその理由をこう話す。
 「電話が普及していなかったころならともかく、電話網が完成して以後も金を集め続けた。もともと徴収する必要がない不当利得だ」。最高裁まで争い、請求は棄却されたが、「加入権廃止の方向が決まったことで、私の主張の正しさが証明された」と強調する。
 携帯電話の加入権廃止や訴訟になった経緯を見れば、加入権の扱いをどうするかいずれ求められることは分かっていたはずだ。
 経営評論家の梶原一明氏は「電電公社時代、無競争で営業努力を怠り、高い加入権の支払いを強いてきた。独占が崩れてライバルとの競争が激しくなる中、いずれ加入権がなくなることは誰もが予想していたが、対応は準備してこなかった。説明責任を果たすべきだった」とNTTの経営姿勢を問題視する。
 NTT東日本は「いただいた七万二千円は設備の新規投資に充てられており、基本料の値下げという形で利用者に還元した」(広報室)と突っぱねるが、梶原氏は「NTTは加入権が値上がりすると言ってはいないものの、強制的に徴収してきた。その金で設備投資をし、利益を上げてきたのだから、利用者に還元するのは当然だ」と主張する。
■『基本料金を無料にして』
 加入権総額は約四兆三千二百億円(税抜き)。NTT側は「払えない」と言う。だが固定電話会社は契約数減で苦戦しているものの、グループ全体では純利益はトヨタ自動車に次ぐ規模だ。「四兆円全額返還は無理にしても、基本料金を三カ月無料にする程度のことはできる」と梶原氏は指摘する。
 前出の野村弁護士は「四兆円を株式にして加入者に分配すべきだ」と主張する。実は電電公社の民営化前に、加入権を株式にして分配する議論が浮上したが、いつの間にか立ち消えになった経緯がある。
 野村弁護士は言う。「株を売却しようとしていた国は、四兆円分の株式が増発されれば相対的に株の価値が下がるとみてやめさせたのだろう。問題の解決を遅らせた責任は、NTTだけでなく国が対策を怠らせてきたことにもある。株式化して分配するのが今なお最善の解決策だ」
**********

 このような事情があるだけに、電話加入権を無理やり買わされた我々国民としては、電電公社→NTTのぶったくり詐欺商法に怒りを覚える方々は多数おられることでしょう。NTTは総務省の天下り先でもあり、官僚と元役人とが癒着して国民の懐からカネを騙し取る構図は、東京電力や東京ガス、高速道路会社の体質と共通したものが感じられます。

 だから、2004年の東京新聞の上記の指摘に関連して2006年5月30日、「加入料値下げにより加入権の資産価値が不当に下落した」として、25都道府県の37社と個人69人がNTTや国(監督官庁の総務省)を相手取って損害賠償を求める訴訟を起こしたのは当然です。これら提訴に対しNTTは「負担金は回線建設費の一部であり権利に非ず、財産的価値まで保証はしていない」とコメントし、行政側の意向に擦り寄る裁判所は案の定、一審判決・控訴審判決共に請求を棄却しました。

■NTTがグループ会社を使って太陽光発電に莫大な資金を投入できるのも、我々国民を騙して電話加入権を買わせてせしめた総額4兆3200億円のおかげだと見ることができます。であれば、太陽光発電でえた利益は全て、地元に還元すべきではないのでしょうか。

 なお、安中市では岡田市長が2年前に地元の北野殿の新年会で、東邦亜鉛安中製錬所周辺の重金属汚染土壌地の有効利用法としてメガソーラー計画を独自に打ち出したことがあります。その後、岡田市長はこの件について口をつぐんでしまいましたが、安中市で3番目のメガソーラー計画として、岡田市長は東邦亜鉛と水面下でこの計画について協議をしているかもしれません。真相はご本人しかわかりませんが。

【ひらく会情報部】

※参考資料
たまたま平成25年11月14日の上毛新聞の経済面では、NTTファシリティーズの安中市下秋間のメガソーラー竣工式のほかにも、次の2件のメガソーラーの竣工式或いは開所式の記事も掲載されています。
**********上毛新聞
2ヵ所目のメガソーラー稼動 中之条
 中之条町は13日、同町上沢渡の国有林に建設した「沢渡温泉第1太陽光発電所」で、発電所の竣工式を行った。同町のメガソーラーは2ヵ所目。発電した電気は信電力「中之条電力」に売電する。
 式典で折田謙一郎町長は、来年1月に3ヵ所目の沢渡温泉第2太陽光発電所が稼動することに触れ、「再生可能エネルギーのまちとして、一層発展していきたい」とあいさつした。
 第1発電所は最大出力約2メガワット。入口付近が標高634メートルに位置することから、「ムサシメガソーラー」の愛称を付けた。
**********上毛新聞
太陽光発電所完成で開所式 沼田
 ミサワホーム(東京)は13日、沼田市横塚町のミサワホーム沼田工場で、同工場に設置した太陽光発電所の開所式を行い、関係者約30人が完成を祝った。
 部品倉庫と工場の屋根に、2254枚の太陽光パネルを設置。最大出力545キロワット、年間予想発電量は一般家庭約160世帯分に相当する56万4戦キロワット、9月20日に仮想した。
 石坂好雄工場長は「太陽光発電は会社として取り組んでいる環境活動の一環。これからも活動を続けていきたい」と話した。同社は国内施設に太陽光発電設備を設置しており、沼田工場は4ヵ所目。

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