市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【群馬高専アカハラ・不審死問題】隣県長野からの情報②…隣県も文科省天下り校長で大迷惑?長野高専の実情

2018-04-01 23:48:00 | 【出張!オンブズマン】長野高専の闇
■提供情報によれば、長野高専でも、文部科学省出身の天下り官僚校長によって現在大混乱が引き起こされており、その校長は長野高専教職員らをして「歴代最悪」と言わしめているそうです。
 わが群馬県とも非常に繋がりの深い隣県での出来事であり対岸の火事とは思われないこと、また、群馬高専で天下り校長によって数々の惨事が引き起こされ、また致命的に悪化したのと同根であると考えられることから、今回情報をいただいた長野高専の現状、長野高専で起こっている重大事件の数々をトピックにお伝えしていきたいと思います。


今回実情を取り上げる隣県長野の長野工業高等専門学校。Wikipediaより。


現長野高専校長・石原祐志氏。長野高専公式HPより。

(1)校長・石原氏のひととなりや素行について

■2016年4月より現職にある長野高専校長・石原祐志(いしはら ゆうじ)氏ですが、当会の調査によれば、横浜市出身、昭和35(1960)年度生まれで、聖光学院高校を卒業したのち、ストレートで1985年に早稲田大学院で修士までを取り終えています。その後旧科学技術庁側の官僚となり、省庁統合で文部科学省のキャリア官僚となっています。

 長野高専校長としての彼の素行についてですが、後述する2つの重大事件の情報秘匿・隠蔽行動に加えて、日常レベルから「酷い」の一言に尽きるものであるようです。

■高専は優秀な技術者を輩出するという学校の性質上、地元企業との繋がり、言い換えれば深い信頼関係の構築と維持が重視されます。ところが、信じられないことに、石原祐志氏は地元企業との懇談の場において平気でスマホを弄っている模様です。

 校長としての立ち振る舞い以前に、人間としての常識が疑われる行為です。そもそも、学校としての信用や地元企業との信頼関係が損なわれては、学生たちの進路にも影響してしまうことを考えれば、その場限りで済む話でもないのですが、長野高専の学生・父兄らの皆さんはこの点をどうお考えになっているのでしょうか?

 加えて、挨拶をされても会釈すら返さず、無視してふんぞり返っているようです。コミュニケーションの基本である挨拶ができない教育者など、ついぞ聞いたこともありませんが、一切教育者としての素養がなくとも天下りで校長になれる高等専門学校であれば、そんな無法も平気でまかり通ってしまうようです。

■また昨年、福岡県の博多高校で、生徒が教師に対して暴力を振るう動画がSNSにアップロードされて大騒ぎになり、マスコミや警察が動く事態にまで発展したという事件がありました。ご存知の読者諸兄も多いかもしれません。

 そんな中で、この件を知った石原校長は一言、「なんでこんなことで警察を呼んだんだ?」と言い放ったそうです。

 「学校内での暴力行為には警察の介入も視野に入れるように」と、まさに出向元の文部科学省がガイドラインでそう推奨しているにも関わらず、ここまで学内暴行の被害者の人権を軽視した発言ができるということ自体に、背筋が寒くなります。

 この発言の背景には、「とにかく問題にしたくないから、被害者は黙ってやられていろ」という、群馬高専の西尾前校長とも相通じる官僚的な腐敗した思考回路の存在が強く感じられます。

■長野高専の学内事情はというと、副校長(主事クラス教員)などの幹部は石原校長のお気に入りのイエスマンで固められており、その思い付きと官僚然としたポイント稼ぎで現場が振り回され疲弊しているのが実情だそうで、執行部の教員らが「腰巾着」であるせいで校長の暴走を誰も止められないそうです。

 そのうえ、執行部をお気に入りで固めているため、何か事件が起こった際の情報統制だけは一級品のようです。この点にも、西尾前校長隷下の群馬高専に深く相通ずるものを感じます。

 長野高専では20年近く前、浅黄谷剛寛元校長が、勘違いから無関係の学生を叱咤したうえに傘で殴るという暴力行為を起こし新聞沙汰にまでなってしまい、結果、01年7月に退職するという衝撃的な事件が発生したことがあるようです。その当時の出来事を知る長野高専の古参教職員をして、「石原は浅黄谷よりひどい。浅黄谷にはまだ人間味があったが石原には全く感じられない」と評されるありさまだそうです。

 では、石原祐志・長野高専校長のもとで具体的にどのような事件が起き、そして揉み消されているのかを見てみましょう。

(2)環境都市工学科での水銀流出事件

■長野高専環境都市工学科では、2016年に有毒物質である水銀の漏出事故があり、その実験室内に水銀が残留しているにも関わらず、長野高専学生のみならず中学生ら数十人を入室させてしまったという事件がありました。次の報道記事をご覧ください。
http://www.sankei.com/affairs/amp/161115/afr1611150024-a.html

 報道記事を読むと、16年7月12日に装置の老朽化のため水銀が漏洩し、ただちに回収したものの、同9月28日に水銀が残留していることが発覚し、同11月15日に本事件が公表された、という時系列がわかります。

 さらに、漏洩から残留発覚までの2か月半の間に学生と中学生らが立ち入り、当事者である学生には10月中旬から下旬にかけて、中学生には11月10日に文書で通知した、とあります。

■報道内容を一目見るだけでも、なぜ残留発覚から公表まで50日近くかかっているのか、合理的な理由が見えてきません。通知や公表が遅れた理由について、「健康に与える影響を医師や専門家に確認しており、余計な不安を中学生らに与えないため」としていますが、不安を与える与えない以前に、ふつう「健康への影響」を調べるのであれば、真っ先に当事者らを検査するものではないでしょうか?

 もし本当に健康被害が出ていた場合、十中八九治療が遅れることにも繋がりかねなかったこの対応ですが、その場合は果たしてどう説明するつもりだったのでしょうか?

 まして、学外の中学生らには報道発表の数日前になってようやく一方的に文書を送り付ける体たらくで、長野高専の当事者学生より大幅に通知が遅れた理由もまったくわかりません。

 かえすがえすも、報道記事のみでこれだけの疑問点が湧き上がってくる長野高専の酷い対応ですが、さらに信じられないことに、実は学内の教職員にすら報道発表の直前まで一切この事件について知らせず、直前になってようやく概略が話されたのみだったということです(通知したという学生にも、かなり強力な箝口令を敷いて口封じしていたと考えられます)。

 さらに驚くべきことに、昨年にも別の部屋で水銀流出事故を起こしているようですが、こちらは一切公表されていません。

■たかだか1、2年で長野高専を我が物扱いし、大切な長野高専の一員である教職員・学生らをコケ以下にする石原氏の横柄、かつ、ずさんな運営手法が垣間見えてきます。全学に関わることは、ふつうしっかりと教員らとも情報共有・合議を尽くしたうえで為されるべきではないのでしょうか?

 あるいは、極めて少人数で決定・運営すれば判断の迅速化ができるという見方もあるでしょうが、上記の水銀流出事件への対応を見る限り、大して「迅速」なようにも思われません。

 ただ単に、問題にしたくない、責められたくない一心で情報をひたすら限界まで秘匿するというのが、石原氏の官僚として培われた本性なのでしょう。

(3)長野高専での不正会計事件

■これは、上述の水銀流出事件をはるかに上回る重大事件なのですが、長野高専内では驚くほど問題になっていないそうです。主因としてはやはり、石原祐志校長が事件に関して沈黙を貫いていることが挙げられます。

 では、この長野高専での不正会計事件とはいったいどのような事件だったのか、2017年6月30日付の高専機構の報告書を読んでみましょう。
http://www.kosen-k.go.jp/news/news20170630/news20170630.pdf
PDF ⇒ news20170630.pdf

 報告書は、不正会計に関する高専機構での内部調査において、いくつかの高専で発生した不正会計を報告するものになっていますが、よく読むと、他の高専は比較的軽度なものであるのに対して、長野高専で発生した不正会計は飛び切り悪質なものであることが分かります。

 該当箇所を抜き出してみましょう。

**********
[長野高専関係]
 平成24年から平成27年まで、高専教員2名が店頭購入による取引において、取引先の担当者に指示を行って伝票上の品名を偽り、実際に受領した物品と伝票上の物品が異なるにもかかわらず、代金を支払った取引を行っていた。
 ・差替えにより支出した金額: 3,794,551円
 なお、差替えを行ったすべての取引は、教員のコンプライアンス意識の欠如及び納品取引の一部不実施から、不適正な会計処理を行ってしまったためである。
 また、差替えにより購入した物品等のうち、一部は教育研究用に使用されておらず、高専関係者から聞き取り調査した結果、私的流用があったものと判断した。
 ・差替えによる支出のうち私的流用と判断した金額: 510,448円

**********

■つまり、長野高専の教員によって、おもに長野高専の予算から約380万円もの不正会計が行われ、さらに約51万円が私的流用(=着服)されていたというのです。金額も他と飛び抜けているばかりか、私的流用が認定されているのもこの長野高専のケースのみです。

 調査報告書によれば、この不正会計を行った教員は2名ですが、そのうち大半の不正会計・着服を行った元教授(報告書によれば、論旨解雇あるいは停職1年相当)は調査終了時点ですでに退職してしまっており、処分不能扱い、つまり国の金を数十万円も着服しておきながらお咎めなしで逃げ切ったことがわかります。さらに、1カ月間の停職処分となった准教授の方ですが、こちらも処分に際して学内HPに告示や校長からのコメントは一切為されなかったようです。

■また、本件については文部科学省からも報告書が公表されています。

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/08/04/1378773_11.pdf
PDF ⇒ 1378773_11.pdf

 しかし、そこに記された事件の態様を見ると、不正会計額12,100円、私的流用無し、関連教員は1名(1カ月停職の准教授)のみと、機構の報告書と記載内容が大きく異なっています。

 なぜここまで食い違っているのかしばし黙考してみましたが、元教授が起こした不正会計と准教授が起こした不正会計は別件で、実態を矮小化するため、機構は後者のみを文部科学省に報告しているのかもしれません。また、本報告書の他の高専の処分結果を見れば、長野高専以外では停職処分はされていないので、停職1カ月の処分はかなり重いのがわかります。よって、実際にはこの准教授によっても私的流用が為されていた可能性があります。

 このような高専機構の相変わらずのやり口にも閉口させられますが、となると、不正会計380万円・私的流用51万円の大半が、退職した元教授によってなされていたことになります。

 もっと端的に言えば、この元教授は数十万円も国と長野高専のお金をドロボーしておきながら、一切お咎めもなく、話題にもされず逃げおおせているということです。

■そして大問題なのは、長野高専を舞台にしたこの不正会計・着服劇について、石原校長着任後に調査を踏まえた報告書が出され、全貌が明らかとなったにも関わらず、石原校長が長野高専として一切本件についてコメントも公表もしていないことです。

 このため、貴重な予算(=税金・授業料)が380万円も不正会計され、51万円も着服されたあげく、主犯の教授にはのうのうと逃亡されてしまったという長野高専史に残る大失態・大事件が発生したにも関わらず、長野高専の学生や保護者はそのことをまったく知らされていません。

 ここでもまた、問題にしたくない、責められたくないという石原氏の官僚然とした姑息な思考を読み取ることができるわけです。ここまで納税者と学生・保護者をコケにする学校長というのも珍しいものだと思われますが、読者の皆様はいかが感じられたでしょうか。

■今回取り上げる長野高専の実情は以上となります。文科省からの天下りであれば、このような男でも教職員・学生千数百名の学校のトップに立ててしまうという事実に辟易とさせられます。

 それにしても、スマホ弄りや挨拶をしないというのは、もはや官僚マインドがどうこう以前に、両親のしつけ不足が疑われるレベルです。こうしてみると、名門私立の聖光学院・早稲田という経歴も、彼が「お坊ちゃま」として相当に甘やかされて育ったことを示唆しているように見えます。半世紀前に石原家が横浜の邸宅で彼に果たしてどのような教育をしていたのか、タイムマシンがあるなら長野高専の教職員・学生を連れてつぶさに観察してみたいものです。


石原祐志氏のFacebook(http://www.facebook.com/yuji.ishihara.965)より。プライバシー保護のため一部ボカシ加工としている。たいへんに娘(孫?)思いな親としての一面があることが伝わってくる。しかし、子どもを思う心があるのならなおのこと、微力であっても普通は子どもを含めた後人のためにより良い世を作っていこうと考えるのが普通ではないだろうか。まして、中身は子どものまま育ってしまったスマホ弄り・挨拶無視の人物が、子への教育とどう向き合うのか、大変に興味がひかれる。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報1:「長野県のオンブズマン団体の実情について」
**********
 本項に関連して、長野県の市民オンブズマンは現在どうなっているのかも軽く説明したいと思います。
 長野県のオンブズマンに関しては、直近では松本市が2011年9月のオンブズ全国大会の開催地になり、また2012年に信州市民オンブズマンが長野県内15市の酒食を伴う食糧費をまとめるといった活動をしていますが、これ以降、活動ぶりはあまり聞こえてきません。
 以前は、筆者の住む群馬県安中市のお隣の軽井沢を拠点に、松葉健三弁護士が信州市民オンブズマンを名乗っていましたが、現在はもっぱら弁護士稼業に勤しんでいるようです。松本市でも、上記全国大会を開催した当時は市民オンブズ組織がありましたが、現在は活動しているのか不明となっています。
 当会からは毎年市民オンブズマン全国大会に出席していますが、見る限り、全国大会にもここ数年長野県からは出席がありません。
 したがって、長野県におけるオンブズマン活動は、5年以上前を境に、極めて低調となってしまっているのが実情です。
 全国市民オンブズマン連絡会議では毎年全国の都道府県の情報公開度ランキングを発表しています。そのランキングでは、長野県は2006年度になんと1位を獲得しており、情報公開の模範と呼ぶべき域であったにも関わらず、オンブズマン活動の低調もあってか、近頃では21位程度にまで落ち込んでしまっています。
 こうした見るに忍びない隣県の実情を受け、当会でも、近隣県の健全な自浄作用の復活と、わが群馬県とのポジティブな相互作用の構築を目指して、オンブズマンとしての協働や連携、出張も活発化させていきたいと考えている次第です。

**********

※参考情報2:この記事の続報もご覧ください。
○2018年6月24日:【出張!オンブズマン】校長自ら警察呼んで訪問OB叩き出し?更には連続自殺に独裁体制…続・長野高専の実情
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2678.html

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【群馬高専アカハラ・不審死問題】隣県長野からの情報①…高専機構からの目付役?猿田事務部長の正体

2018-04-01 21:02:00 | 群馬高専アカハラ問題
■群馬高専で繰り広げられた一連の事件に関し、何のけじめも始末も付けず、ちょうど一年前の17年3月末に文科省に逃亡した西尾前校長に代わり、長岡高専輩出の改革者として鳴り物入りで群馬高専校長の座に就いた山崎誠現校長ですが、当初の期待とは裏腹に更に劣悪化した隠蔽路線をひた走っています。その理由の一端を探るため、市民オンブズマン群馬では本年2月10日に国立国会図書館に赴き、群馬高専幹部らのプロフィール調査を行ったことは既報の通りです。
〇2018年2月20日:アカハラと寮生死亡事件に揺れる群馬高専…国立国会図書館での職員名鑑閲覧で見えてきた西尾前校長の作戦
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2566.html

 当会によるこうした調査の反響は大きく、その中で、群馬のお隣り長野県にお住いの教育関係者から、群馬高専と高専機構の内情に関わる大変貴重な内部情報をご提供いただきました。群馬高専を他の高専と比較して分析することは、それぞれの学校の体質といったものを客観的な尺度で見ることができるため、こうした他校に関する情報は、大変貴重です。

 群馬高専を開かれた明るいキャンパスにするための当会の活動にご協力くださり、厚く御礼申し上げますとともに、ご提供を賜った情報に関しては、今回2つの記事にまとめて、順次ご報告させていただく次第です。本件に関心のある読者・関係者の皆様がたにとって、高専の抱える諸問題の実態を知るうえで、有益となれば幸いです。


今回素性が大きく明らかになった猿田智男・群馬高専現事務部長。この経歴を覚えられたし。

■群馬高専の異常なまでに頑なな隠蔽姿勢がいったい何によって駆動されているのか? この命題について、当会では様々に分析を重ねてきましたが、提供情報によれば、17年4月から群馬高専事務部長の座にある猿田氏が、そのキーパーソンとなっているようです。

 入手した猿田事務部長の経歴を確認すると、14年4月に国立高専機構の総務課長になって3年間勤めたあと、昨年4月から現職にあることがわかります。すなわち機構本部から群馬高専の最高幹部として送り込まれた形となりますが、この目的の一つが、群馬高専の運営に機構本部の意向を反映させる、端的に言えば、支配するためである可能性が高い、というのです。

 当会として、猿田氏に関しては、昨年6月の面談時に対面した以外ではこれといって接触する機会もなく、山崎校長の陰でひっそり転属し情報も無かったことから、高卒から蛍雪の功で事務部長に登りつめた人物といった程度の印象しか抱いていなかったため、この視点については完全に盲点でした。

■では、高専機構・各高専の内部運営について都度説明を加えつつ、群馬高専と高専機構、そして猿田氏のウラ事情について詳細を見ていきましょう。

 ここで猿田氏を語る上でもっとも大きな要素のひとつが、「信州大学」です。長野県唯一の4年制国立大学として知られますが、猿田氏の経歴を再度見返すと、高校卒業後すぐの1977年4月にここに新規採用され、以後生涯のキャリアの大半をここで過ごしていることがわかります。これは、猿田氏の生まれ故郷が長野県であるからに他なりません。

 それから30年後の07年4月には信州大学の課長補佐まで登りつめますが、情報提供者いわく、このあたりから猿田氏のキャリアに「異変」が起こったようです。

■それまで奉職していた信州大学内で猿田智男氏がどのように思われていたかというと、実は評判はあまり芳しくなかったようです。というのも、異様に上昇志向が強く、部下に対して高圧的な態度を取り、上に対しては忠実な“犬”となってゴマをする人物だったためです。

 さらに前述のとおり07年には課長補佐にまで登りつめていましたが、ここから信州大の課長になろうと血走り、猿田氏は自ら課長候補として自分を売り込みます。しかし、これが裏目に出てしまったようです。信州大学では上司から声を掛けられて課長(候補)になるのが慣例であるにも関わらず、上昇志向のあまり“犬”であることを珍しく忘れてしまいました。

 こうして、慣例を破ってしまった猿田氏は、せっかく取り入ってきた上司からも不興を買ってしまい、結果として信州大で課長になる道は閉ざされてしまいました。

 経歴を見ても、08年4月から長野高専総務課長になっており、上も下も敵だらけになった彼が課長のポストを得るため信州大を飛び出ざるを得なかったことがわかるとともに、この時から彼が高専機構に本格的に関わり始めていることがわかります。

■その後14年4月から高専機構の総務課長に抜擢された猿田氏ですが、本人の胸中としては「ふるさとの長野県に帰りたい」という想いがあったようで、部長に昇格するにあたっては信州大か、長野高専への配属を希望したようです。しかしながら、それまで積み重ねてきた所業のせいか、信州大からも長野高専からも人望を完全に失っており、部長として長野県に凱旋する夢は絶たれてしまいました。

 長野高専に関しては、彼が2年ほど勤めた時の評判すら散々だったということに加え、職員の大半が彼の本性をよく知る信州大関係者でもあるという事情もあったようで、長野高専関係者の間では猿田氏が部長で来なかったことに安堵していたそうです。

 なお、国立大学や高専の人事は、課長補佐以下と課長以上で異動範囲(都道府県内か、そうでないか)が異なっており、前者は近隣異動、後者は広域異動のようです。近隣異動は、主に近隣大学との人事交流によって成り立っています(たとえば、群馬高専であれば群馬大学との交流が主体)。

 この場合、多くは数年程度で元いた機関に帰るなどして再度異動となりますが、出元への復帰を期さない一方通行の場合もあります。高専の課長補佐以下の事務員の三分の一から半数近くは近隣大学等からの人事交流によります。このように人材がかなり流動的なため、同県内だと他機関でも職員の評判は筒抜けであるようです。

■閑話休題、こうして行き場をなくしてしまった猿田氏ですが、彼を持て余す形となった高専機構は群馬高専に目を付けました。長野の隣りで、しかもオンブズマン対策のため「上」の命令を忠実に聞く機構の人材が求められる場所であったため、うってつけであったようです。部長ポストを欲していた猿田氏も二つ返事でこれを受け入れ、かくして猿田・群馬高専事務部長が誕生したのでした。

 他方、同じく17年4月から群馬高専校長となった山崎誠氏ですが、まだ現職に就いて日が浅いため、オンブズマンへの対応に関しては自分で考えられず、機構とのパイプが深い猿田事務部長の言うがまま、という形になっていることが強くうかがえます。

 確かに、教員上がりのまま裁判やオンブズマン対応をやれと言われても、事務方に頼りきりにならなければ厳しい部分もあるでしょう。高専機構もそれを見透かしたうえで今回の配置を行っている可能性があります。

■さらに、山崎校長の一挙手一投足を監視することにより、群馬高専が万が一にでも機構の思惑から逸脱した「独自行動」をしないよう、くびきとして猿田事務部長を充てているという見方もできます。すなわち、現在、群馬高専のオンブズマン対応はじめアカハラ・寮生連続不審死事件等の諸問題の隠蔽行動の軸となっているのは、猿田智男事務部長である可能性が非常に高いということになります。

 今から思えば、昨年6月6日の群馬高専でのオンブズマンと山崎新校長らとの会合では、山崎新校長を差し置いて、猿田事務部長がずいぶん丁重な口調で、しかし当会の質問のポイントは適当にはぐらかし、あらかじめ用意していたスカスカな内容の回答を読み上げるなど、対応を実質的に取り仕切っていた感があります。

 なお、昨年6月の猿田氏と山崎校長との面談時の様子は次のブログ記事を参照ください。
〇2017年6月15日:【詳報】群馬高専のアカハラ等問題について4月に着任の新校長ら幹部とオンブズマンの会合の一部始終
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2344.html

 また、猿田事務部長が櫻井課長にあれこれ指示せず気遣っているように見えたのは、櫻井課長が猿田部長をやっかんでいるからというよりは、実は猿田部長自身が本件を取り仕切るために、櫻井課長には後ろで会話記録をメモさせておき、単に上から目線で下働きをさせておくだけであった、というのが本当のところであったということになります。この点に関しては当会の観察・洞察の不明・不足を恥じ、深くお詫び申し上げたいと思います。

■また、提供情報によると、高専プロパーが高専校長となる場合は、しがらみ(癒着)を無くすため、在籍していた高専の校長にはなれないという暗黙の了解があるそうです。

 そうなると以前当会が仮説の一つとして挙げた「長岡高専校長の座を巡るレース」はとくに起こってはいなかったということになります。とすれば、ますます山崎校長が主体的かつ執拗に高専機構・文科省・西尾前校長に忖度する動機が薄くなってきます。

 ここで今回の情報提供を踏まえれば、上昇志向が異様に強く、「上」の言う事に極めて従順な猿田氏が、高専機構によって、山崎校長の「サポート」かつ「目付役」として送り込まれ、結果として群馬高専が機構のいいようにされているというのが、現状のひとつの見方なのでしょう。

 そしてアカハラ事件不開示訴訟に関する控訴や、「校報」人事情報・弁護士費用情報全面不開示などの異常なまでのオンブズマン敵視・徹底抗戦姿勢は、猿田事務部長が駆動力となっているということになります。

■考えれば、「徹底抗戦」に関しては、群馬高専としても文書作成や関係各所(機構本部や弁護士事務所)との調整、会議など相当な労力を要するはずであり、まして控訴となれば貴重な群馬高専の予算から膨大な額の訴訟・弁護士費用までもが飛んでいく訳です。

 我が国の今後を担う若人に使われるべき貴重な教育予算なのに、「なぜ、たかが文書数枚の為に、しかも無理筋な不開示に、ここまでの人的・金銭的リソースを投入できるのか? 素直に開示すれば遥かに楽に済むのではないのだろうか?」ということが群馬高専の異常性を象徴する疑問として長らくオンブズマンの頭の中にありました。

 この答えのひとつとして考えられていたのが、西尾前校長が逃げ切るまでの時間稼ぎですが、それだけではないのではないだろうかと思っていた矢先に、もう一つの切り口として猿田事務部長という答えが現れてきたことになります。

 つまり、群馬高専が些細な隠蔽にまで人的リソースの投入を躊躇しないのは、猿田事務部長が部下に対し横柄で高圧的で、そして罪悪感を抱かずに「徹底抗戦」のために部下をこき使えるからであって、さらに群馬高専が下らない控訴にまでその貴重な予算を投入できるのは、猿田事務部長にとって群馬高専、ひいては群馬自体がたんに成り行きで来ただけの何の思い入れもない学校であり、土地だからということでしょう。

■さて、“桃太郎”である機構の下、その“犬”として“キジ”の如く飛び回り八面六臂・獅子奮迅の活躍を見せる“猿”田部長ですが、こうなると我々オンブズマンは、(隠蔽・天下り)日本一の高専機構や一人三役をこなす猿田部長はじめ群馬高専職員からしてみれば、さしずめ鬼ヶ島の鬼ということになります。

 実は、この見方は冗談ではないようです。というのも、情報提供によれば、群馬高専職員が、「性悪のオンブズマンに噛みつかれているが、大したことは無い」と豪語していたというエピソードがあるようです。あたかも当会の活動を、暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する反社会的勢力と勘違いしているかのようです。

 何人もの人生を歪ませておいてどちらが“性悪”なのか、もはや論評にも値しませんが、あれほど報道までされても自分たちを客観視できずにオンブズマンを「イチャモンをつける性悪集団」扱いしているとなると、どうしようも無いところまで腐敗しきっているとしか言いようがありません。

■そして、猿田事務部長が群馬高専の徹底抗戦の原動力となっているとして、山崎校長はじめ他の群馬高専現幹部らの責任が軽くなるわけではありません。

 山崎校長とて、名古屋大学で博士課程まで進み、以後学問の探究者としてその生涯を捧げてきたわけですから、思考停止に陥らされ、薄汚い役人どもの思惑に屈するいわれはまったくないはずです。

 だから、山崎校長には、己の倫理観と常識と経験と教育者・研究者としての誇りに基づいて、自らしっかり考えてご行動いただきたい、と強く感じているのは決して当会だけではないはずです。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告・この項続く】⇒「隣県長野からの情報②…隣県も文科省天下り校長で大迷惑?長野高専の実情」
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2603.html

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