市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…環境アセス免除根拠不存在訴訟の控訴審が年明けに東京高裁で開催見込み

2017-12-12 23:42:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災

■文書主義であるべき行政制度の根幹を否定する前橋地裁による関電工の前橋バイオマス発電施設にかかる環境アセスメント免除根拠情報不存在決定処分取消にかかる当会の住民訴訟は、2017年11月8日に前橋地裁で原告敗訴の判決が出されたため、当会では11月22日に控訴状を前橋地裁に提出したところ、11月30日付で補正指示が地裁から出されたため、12月4日に控訴状の補正に必要な書類を前橋地裁に提出しました。これと併せて控訴理由書も一緒に提出しました。すると、12月12日正午過ぎに東京高裁からさっそく控訴審の訴訟進行に関する照会書がFAXで当会事務局あてに送られてきました。いよいよ年明けの1月下旬から2月にかけて控訴審の口頭弁論が開かれることになります。

東京高裁第23民事部Cイ係からFAXで送られてきた訴訟進行に関する照会書。


 この事件は、群馬県行政と東京電力との官業癒着を浮き彫りにした典型事例です。

 東電福島原発事故の原子雲(プルーム)によって群馬県北部から西部にかけての山間地帯は広範囲に放射能による深刻な環境汚染を受けました。今でも県内の山間部では平野部に比べると高い放射線レベルを示しています。とりわけ人の出入りが少ない森林エリアでは、さらに放射線レベルが高い状況にあります。今回、関電工はトーセンやと組んだそこから放射能汚染の間伐材を切り出して集荷し、乾燥時間を短縮するために生木のままチップ化してから、機械的に油圧プレスで脱水し、ボイラに投入して燃焼させ、発生した高温高圧の蒸気でタービンを回すことで、発電機を駆動させて電気を起こし東電に販売するという亡国事業=バイオマス発電施設設置計画が、事業者である東電グループの関電工により、群馬県環境アセスメント条例の適用を受けないまま、既に先月から試運転が頻繁に繰り返されており、年明けの本格稼働開始に向けて準備が進められています。

 関電工がこの亡国事業のために導入した流動床ボイラ式発電施設ですが、一般に7,000kw級(関電工が前橋市に提出した環境配慮計画では6,700kw)で排ガス量は毎時約46,000m3/h程度になるとされています。このことから、6,700kwの今回の発電施設では、比例配分すると、排ガス量は毎時約44,000m3/hとなり、この場合、排ガス量は群馬県環境アセスメント条例で定めた毎時4万㎥を1割超えることになります。

 ところが群馬県は、条例は化石燃料使用を想定したのであり、バイオマス発電の場合は、水分量の多い間伐材という植物由来の燃料を使うので、水蒸気が排ガス中の相当部分を占めるため、一律水分量20%の場合の燃焼条件に換算する必要があるから、その点を考慮して、排ガス量が条例適用の対象になるかどうか、関電工のほうで判断するように口頭で指示したのであり、そのやりとりの文書はもとより水分量を「おまけ」した根拠を示す文書も含めて、一切存在しない、と主張しています。

■文書主義を基本とする我が国の行政制度においては、条例の運用に関して、当然のことながら、その手続きや判断の過程で必ず書面で記録を残すはずですが、群馬県は口頭主義を主張し続けています。そのため、当会は、住民訴訟に踏み切りましたが、一審の前橋地裁の塩田裁判長は、被告群馬県側の主張である「口頭で条例の特例措置を説明したが、条例に対象外と判断したのは事業者である関電工だから、文書としては存在しない」という、無茶苦茶な主張だけを採用し、11月8日に原告オンブズマン敗訴の判決を下してしまいました。

 そこで、当会では11月22日に控訴状を前橋地裁に提出したところ、この度、11月30日付で補正指示が地検からあったため、12月4日に補正の為の追加文書を裁判所に提出しました。併せて控訴理由書も一緒に提出しました。原審の判決から今回の高裁への控訴に至る過程は次のブログをご覧ください。
○2017年11月8日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…環境アセス不要根拠文書不存在訴訟で地裁が原告敗訴の問答無用判決
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2456.html
○2017年11月22日:【緊急速報】東電の毒牙から赤城と県土を守れ!・・・バイオマス発電施設から大量の白煙!関電工の暴挙!
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2472.html
○2017年11月30日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…赤城山南麓に漂うバイオマス発電の白煙と控訴状不備を指摘してきた裁判所
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2482.html
○2017年12月4日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…環境アセス免除根拠不存在訴訟の一審敗訴で控訴理由書等を地裁に提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2486.html

■今回、東京高裁から送られてきた控訴審の訴訟進行に関する照会書FAXの内容は次のとおりです。

*****東京高裁からの照会書FAX*****PDF ⇒ 20171212timfax.pdf
2017年12月12日 12時40分  東京高裁第23民事部書記官室          No.9312  P.1
【訴訟進行に関する照会書】             平成29年12月12日
      東京高等裁判所第23民事部Cイ係 裁判所書記官 小原誠司
       電話 03-3581-2055   ファックス 03-5510-3129
控訴人代表者   小 川   賢 様(FAX 027-224-6624) 甲
被控訴人代理人  織 田 直 樹 様(FAX 027-230-9622) 乙

事件番号:平成29年(行コ)第368号 公文書不存在決定処分取消控訴事件
(原審:前橋地方裁判所 平成28年(行ウ)第24号)
(当事者については,非表示としています。)
  使用法廷:717号(7階)法廷
※当部に係属した上記事件につき,すみやかに,照会事項への回答を記入し,この書面をFAX(または郵送)により,遅くとも12月19日(火)までに,裁判所宛に返信くださいますようお願いします。
 上記日までに回答されなかったり,提示した日時は全て差し支えである旨の回答をいただいた場合には,裁判所の職権により日時を指定することもありますのでご留意ください。
【照会事項と回答】       回答日 : 平成29年12月  日
  回答者
  控訴人側 ・ 被控訴人側 (いずれかマルで囲んでください。)
              氏名
                _________________
1 (被控訴人代理人につき)
  当審での受任の有無
  □ 受任予定  □ 受任しない
  控訴状等の送達方法
  □ 委任状拠出後に代理人への送達希望(□ 窓口受領可 □ 郵送希望)
  □ 本人への送達希望
2 口頭弁論期日(※ 差支えの日時を線で抹消してください。)
  平成30年 1月29日(月) 10:00 11:00 13:15 14:00 15:00
  平成30年 1月31日(水)
  平成30年 2月 5日(月)
  平成30年 2月 7日(水)
  平成30年 2月14日(水)
  平成30年 2月19日(月)
  平成30年 2月21日(水)
3 控訴審における主張・立証予定(下欄に収まらない場合は,別紙で引用して下さい。)

4 関連事件の有無 □ なし □ あり  関連事件  裁判所 平成 年( )第  号
※控訴理由書の提出期限  平成30年 1月11日まで
**********

■文書主義を否定しかねない今回の事件の控訴審の行方にご注目ください。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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【速報】アカハラと寮生死亡事件に揺れる群馬高専…アカハラ情報不開示訴訟で被告機構=群馬高専が控訴!!

2017-12-12 12:08:00 | 群馬高専アカハラ問題
■群馬高専の電子情報工学科を舞台に発生した陰湿極まるアカデミックハラスメント(アカハラ)事件。この忌まわしい事件に関連する情報公開請求に対して、群馬高専側が存否応答拒否を含む完全不開示決定をしたため、当会は異議申立てを経て1年ほどかかってようやく群馬高専側の存否応答拒否を引っ込めさせました。そこで再度、群馬高専側にアカハラに関する情報開示請求をしたのですが、またもや全面不開示処分とされてしまいました。そこで当会は群馬高専の上級機関である国立高等専門学校機構を被告として、不開示処分取消請求のための行政訴訟を提起し争ってきました。そして、その事件(平成28年(行ウ)第499号法人文書不開示処分取消請求事件)の判決言渡が、2017年11月24日(金)13時25分に東京地裁5階の522号法廷で行われました。東京地裁の古田孝夫裁判長は、一部原告の主張を認めた判決を出しました。
 そして、先ほど東京地裁の行政関係保全事件を担当する10階の民事第3部に電話(03-3581-0497)で、本件事件で被告から控訴手続きが取られているかどうか確認したところ、
「被告から控訴手続きが取られている」
との回答を得ました。
 今後、舞台を東京高裁に移して、アカハラ情報秘匿に固執する機構=群馬高専を相手取り、控訴審が繰り広げられることになります。
 判決言渡しの模様は次のブログ記事を参照ください。
○2017年11月24日:【速報】アカハラと寮生死亡事件に揺れる群馬高専…アカハラ情報不開示訴訟で東京地裁が原告一部勝訴判決!
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2476.html

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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