市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…松井田⇒前橋バイオマスへの看板替で分かった県とトーセンの官業癒着体質

2017-12-07 23:56:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■群馬県行政の税金無駄遣い事例には枚挙にいとまが有りませんが、なかでも林業行政の杜撰な体質は目を覆うばかりの酷さです。前橋バイオマス発電計画に対する群馬県による事業者の関電工に対する「忖度」ぶりはその典型と言えます。トーセンが進めていた安中市の松井田バイオマス発電計画がボツになったあと、関電工がシャシャり出てきて、松井田バイオマスの看板を架け替えた経緯や、群馬県に環境アセスを不問にさせたタイミングと言い、補正予算で補助金を倍増した時期といい、官と業とがナアナアで癒着して本計画を進めている様子に今回注目してみましょう。松井田バイオマス計画の概要については、次のブログを参照ください。
○2016年4月25日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!・・・前橋バイオマス発電所に係る疑問点を群馬県に情報開示請求
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1972.html#readmore

トーセンが川重商事を介して川崎油工と共同開発したとされる「燃料用木質チップ圧縮脱水装置」。放射性廃棄物の前処理・圧縮減容処理専用のプレス機SP シリーズをベースに改造したものだが、トーセンに支払われた補助金額を見ると、なんと3億7800万円! 何の変哲もない能力2000トンのプレス機械で、せいぜい2000万円程度のシロモノなのにその19倍のカネが支払われている!


PDF ⇒ mfh29.7.18evxaj.pdf
群馬県が2017年5月24日に作成した「平成27年度(繰越)群馬県林業・木材産業再生緊急対策事業完成調書」から抜粋した補助金支払いの検収時に撮影した現場写真。こんなものがなぜ3億7800万円もするのだろうか?

 かつて2011年4月5日に群馬県林業公社(当時の所在地:群馬県前橋市大友町一丁目18-7、会長:大澤正明(群馬県知事)、理事長:市村良平)が民事再生法を申請し、負債166億円の大半が3セク債の名目で県民の税金で尻ぬぐいされました。その後、公社の尻拭いの為、森林の切捨て間伐等の費用捻出等と称して、平成26年度から「ぐんま緑の県民税」という制度を開始し、復興税1000円に加えて年間700円を県税の均等割額に上乗せをして我々県民から徴収しています。

 また、相変わらず「緑の羽根募金」という旧態依然の寄付金集めも群馬県緑化推進委員会(〒371-0854前橋市大渡町一丁目10-7群馬県公社総合ビル6階、会長:大澤正明(群馬県知事)、理事長(代表理事)八木原勇治(群馬県林政推進協議会長))によって行われています。

 そして今、緑の県民税等で間伐された放射能汚染木材を集めて、4.8億円の林業補助金を投入した工場でチップ化して、今後毎年8万トン×20年間=160万トンも燃焼させ、放射性物質を含む排ガス・燃焼灰・排水を垂れ流す関電工・トーセンによる亡国事業の前橋バイオマス発電施設が赤城山南麓の電中研の敷地内に完成して、年明けから運転開始する段階にあるのです。
※参考URL:ぐんま緑の県民税(森林環境の保全に係る県民税均等割の超過課税)の仕組み↓
http://www.pref.gunma.jp/04/e3000107.html
 この前橋バイオマス発電事業では、前橋バイオマス発電㈱と前橋バイオマス燃料㈱の2つの法人が設立されています。その両方に関電工と共同出資をしている㈱トーセンがかかわっていますが、このトーセンと群馬県林業行政との間にも、深い癒着のあることが、このほど判明しました。

 松井田バイオマス計画の概要については次のブログをご覧ください。
○2016年2月1日:頓挫した安中バイオマスに目を付けた東電グループと行政が急遽浮上させた前橋バイオマス発電計画の無理難題
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1876.html#readmore

■次に示すのは、最近、当会会員が情報公開で群馬県から入手したトーセンの社長と、群馬県森林行政担当者らとの会議の記録簿です。

*****記録簿*****PDF ⇒ 20140617_tosen_gunmaken_matsuida_biomass_kirokubo.pdf
           記  録  簿
●開催日:平成26年6月17日(火) 午前9時45分~
●場 所:群馬県庁 16階 会議室
●目 的:松井田バイオマスの今後の対応
●参加者:林業振興課 根岸課長 桑原次長 剣持補佐 中村係長 野口主幹
     西部環境森林事務所 千明補佐 藤岡森林事務所 山崎所長 戸谷主幹
     (株)トーセン 代表取締役社長 東泉清寿 エネルギー事業部 三浦
●概 要:
〇トーセン社長が経緯を説明
・発電事業に関しては H25.8から水面下で進め、碓氷川森林組合の上原組合長に交渉役をお願いし、松井田妙義I.Cの近くで計画をしていた。
・今年に入り本格的に土地の交渉
・1、2月に地元説明会を開催し、10項目ほどの要望があった。(土、日や夜間通行をしないなど)→市道なので納得できない部分も…
・3月、土地交渉の最終段階で、地域相場60~70万円(一反歩)に対して100万円を提示して良い方向に進んでいた。(坪2,000円~2333円に対し3,333円を提示)
・35万円余りを払って草刈も実施(碓氷川森林組合が実施)
・その後、ソーラー関係が地権者を回り165万円で買い上げると言ったため風向きが大きく変わった。(坪5,500円)
・決まる前に報道された(上毛新聞)のが良くなかった。補助金が出るのだから、もっと高く買えるのでは?という地権者の思いがあった。栃木県では事前報道は無いので、このような失敗は無い。
・やれない事も無いが、地元が反対しているのでは強引にはできない。現在の計画地(安中市松井田町)での事業実施は難しい。
・加工協(藤岡市浄法寺)の隣の土地で出来る可能性がある。(水が無いことと、高低差があることが問題。コスト的に合うか現在調査中)
・群馬の有り余る資源、栃木県の1.4倍の資源を何とかしたい。それと、製材工場からの端材は現在静岡県に運んでいる。1台6万円の運搬費がかかり1日20台…120万円を何とかしたい。 ここに発電システムができれば、無駄な運搬費が無くなり、それを上乗せ(地域に還元)できる。


(県)・安中ではやらないという事か。
(東)・安中では無理だが、群馬ではやりたい。松井田支所には1ケ月前くらいに話をした。区長や市議には話をしていないが、何らかの形で話をしたい。

(県)・新しい場所でこれから動き出しても時間的に厳しい(H27.3には終わらない)補助金返納で進めた方が良い。補助金は単に事業者に付いているものではなく場所も重要。場所を変えるのでは「わかりました」とはならない。
   ・松井田をやめる場合でも、地元への説明と今までの書類整理は必要。
   ・施設が必要なのはわかるが、今の予算では無理(計画的にも時間的にも?)今回は全部チャラ(返納)して、練り直して改めて行った方が良い

(東)・松井田は断念する。また、藤岡で行う場合は、改めて行う。松井田で承認されていた補助金も返還することで了承

(県)・協議会もなしという事で良いか。
(東)・無しで了承

○本年度の加工協の基金事業について
(県)・社長の承諾が得られず事業が停滞しているので早めの対応をお願いしたい。
(東)・専務からは今の販売状況や計算上の数値を聞いているが、計算どおりに進まないのがこの商売…本年度は6億円の事業費を見込んでいるようだが、収益性等から判断して不可能なので規模を縮小(4億円程度)して実施したい。
   ・規模を縮小しても仕組みは(流通関係等)変えないで行う。

(県)・加工協の製品をトーセンが全部引き取らないから専務が苦労している。そこも考えて欲しい。
   ・縮小でも良いが、内容は変えないこと。それと早めに着手できるようお願いしたい。(加工協への指示等)

(東)・了承

※改めて、松井田関係でお世話になった方々への説明やお詫びをお願いし終了。
**********

■当会会員は、トーセンのほか、関電工と県行政との間の面談記録も情報開示請求しましたが、こちらは例によって非開示とされてしまいました。

 これまで、トーセンが松井田バイオマス㈱という法人を作って、安中市の松井田町で進めていたバイオマス発電計画が頓挫した理由について、進入道路脇の地権者が道路拡幅のための土地の提供に応じなかったという話を聞いていました。

 今回開示された面談記録を見ると、ソーラー発電業者による土地買上げ単価が高かったため、計画に必要な土地の確保が出来なかったことが判明しました。

 トーセンの社長と群馬県森林行政とのやりとりを見ると、完全に両者が癒着して、補助金事業の推進に邁進していることが分かります。すなわち、群馬県の山間地から間伐材を集めて、補助金をいかに活用して事業を進めることしか、関係者の頭の中には浮かんでおらず、間伐材が放射性物質で汚染されているという認識は皆無であることが分かります。

■さらに、バイオマス発電計画の過程で、情報統制が為されていることが分かります。群馬県の安中市におけるトーセンによる松井田バイオマス発電計画では、地元紙である上毛新聞等が報道したことで計画が頓挫したと、同社の社長自ら群馬県行政に「告白」しています。

 道理で、群馬県行政が、前橋バイオマス発電計画で、ひたすら情報開示を拒んでいる姿勢をとるはずです。トーセンや共同出資者の関電工の意向を斟酌し「忖度」するからこそ、このような情報隠しにやっきとなるわけです。

 結局、行政訴訟を提起して法廷の場で争わない限り、群馬県行政はこれからも情報統制をしていくことでしょう。

 それにしても、栃木県はトーセンになめられたものです。群馬県も酷いですが、栃木県も負けずに官業癒着が酷いことがこれでよくわかります。

 今回の、トーセンとの面談記録から浮かび上がった群馬県行政による官業癒着体質を目の当たりにしたことで、当会では、あらためて群馬県に対して次の内容の情報開示請求の手続きを取ることにしています。

「環境政策等が関電工と協議した、前橋バイオマス発電が環境アセスメントの適応についての協議内容の全ての記録。また、平成27年3月に関電工に対して、適応対象とならないと判断した根拠及び連絡手段とその内容 」

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報「森林環境税について」
**********毎日新聞2017年11月22日 東京朝刊
森林環境税 1人最大1000円 個人住民税に上乗せ 政府・与党検討

 政府・与党は、新たに創設を検討している森林環境税について、1人年間500~1000円程度を徴収する方向で検討に入った。地方税である個人住民税に上乗せする形で徴収する。今後、与党の税制調査会で詳細を詰め、2018年度税制改正大綱に導入時期などを盛り込むことを目指す。ただ、すでに類似の税を独自に導入している自治体もあり、税負担が増す納税者に対し丁寧な説明が求められそうだ。【中島和哉】

**********産経WEST 2017.12.6 06:30
【経済裏読み】
なんで千円も?「森林環境税」という名の国民増税 消費増税で所得はウン十万の目減り

 年末の税制改正に向けて増税論議のオンパレードだ。年間千円の税金を徴収する「森林環境税」と呼ぶ増税案が決まる見通しだ。そのうえ、サラリーマン世帯の給与所得控除の削減やたばこ税の増税までも実施される方向だ。シンクタンクの分析では平成23年以降、すでに消費税率や社会保険料引き上げなどによって実質可処分所得はじわりと減っている。増税が実行されれば、家計の負担がまた増える。税金は取りやすそうなところから取るのは、いつの世も変わらないようだ。
★ふと気がつけば…数十万円の稼ぎが
 東日本大震災があった平成23年以降、政権交代も起きたが、家計の税負担については、税制上の特例や補助金などの措置を講じながらも徐々に増える仕組みが整っていたようだ。シンクタンクの大和総研は10月、23年から32年までの9年間の主な制度改正による家計の実質可処分所得への影響試算を公表した。
 実質可処分所得は、給与から所得税と社会保険料などを差し引いたうえ、児童手当を加えて計算した。実質可処分所得の減少は、自由に使えるお金の目減りを意味し、生活の余裕が狭まることになる。

 23年以降、子ども手当が縮小されたほか、16歳未満の扶養親族に適用された住民税の年少扶養控除も廃止。年収960万円以上の世帯には児童手当の所得制限が加わり、支給額が減額されている。26年に消費税率が5%から8%にアップし、予定通りなら31年10月に10%に上がる。 大和総研の是枝俊吾研究員の試算によると、妻が専業主婦で子供2人(中学生以下、3歳以上)がいる「片働き4人世帯」で年収500万円のモデルケースでは、23年に比べて30年には、可処分所得が約30万円ダウン。434万2300円あった可処分所得は403万9900円に減る。
 年収1千万円だと、児童手当の所得制限もひびいて、可処分所得は767万8300円から711万2100円とマイナス約56万円。1500万円になると、93万円も可処分所得が減り、1082万4900円から988万6400円になる。
★「高給取り」サラリーマンにターゲット
 30年度税制改正では、課税所得を計算する際に差し引ける給与所得控除(収入に応じて65万~220万円)を一律に削減する。基礎控除は上積みされるが、年収800万を超える層では削減の影響の方が大きく、増税になる見通しだ。しかも基礎控除枠は年収2400万円を超えたところで段階的に縮小し、2500万円でなくなってしまう。
 高所得者は、税金が増えても生活にあまり困らない「担税力」があるとされる。近年、株式や不動産の資産価値が上昇、大手企業を中心に賃上げも目立つ。一方で、安定した仕事や資産を持てる者と持たざる者の格差問題もクローズアップされる中、高所得者への負担が重くなりがちだ。
 税制改正は、世論動向が大きく影響する。有権者の顔色をうかがう政治家にとって、増税は反発を受けやすいだけに、とくに気を使う。このため、世論が受け入れやすい増税がターゲットになりやすい。
★千円も取られる「森林環境税」
 森林環境税は、住民税を払えている人から年間千円をさらに上乗せして払わせる案が有力。納税者は約6千万人に上るとみられ、国が森林面積や林業就業者数などに応じて市町村に配分する方向だ。36年度の導入を検討しているが、前倒しされる可能性もある。
 増税してでも確保すべき重要なことなら、ほかの予算をばっさり削ってでも優先的に資金を捻出するのが筋だが、自然保護のイメージが先行するので、痛税感を和らげやすいとの思惑があるのか。いずれにせよ、植樹や花畑を作るようなエコロジー運動をぼんやりとイメージしてはいけない。
 目的税は、あらかじめ使い道を決めておくものだが、きっちりとチェックして見直す仕組みにしておかないと、野放図に税金がとられっぱなしになってしまう。
 森林税は法定外目的税として導入している地方自治体がすでにある。森林組合などが委託を受けて行う間伐の支援のほか、農道整備、人材育成の講習会、木材利用の普及活動といった多様な事業に税金が使われている。
 税金の使い道をある程度広げ、あまり限定しないように求める声は政治家から強い。もし森林環境を保護するには、下水道や林野に通じる道路も必要だと使い道を変えていくと、一般財源と変わらなくなってしまう。
 少なくとも、なぜ納税額が「千円」も必要なのか。納得のいく説明は不可欠だ。事業を絞り込めば、課税額も減らせられるはずだ。
 税制改正ではこのほか、観光資源の整備のための財源を作るとして「観光促進税」の名で日本から海外に出て行く人に課税する出国税が創設され、たばこの増税も決まる見通し。最近ヒット商品となっている加熱式たばこも目を付けられた。
 足元では、景気回復にともなって人手不足の問題が顕在化。有効求人倍率は改善し、アルバイトの時給もアップ、大手企業を中心に賃上げ意欲も強まっている。
 しかし、景気は必ず浮き沈みを繰り返す。税金の負担は収入が苦しくなったときこそ、ずしりと重くなってくる。

**********日経2017/11/19付
社説 森林環境税を導入する前に
 手入れがされずに放置されている人工林を集約する新たな制度を林野庁がつくる。市町村が仲介役になって意欲のある林業経営者に貸与し、経営規模を拡大する。所有者がわからない森林などは市町村が直接管理するという。
 森林を適切に管理することは地球温暖化対策として重要なうえ、保水力を高めて土砂災害を防ぐ効果もあるが、問題は財源だ。政府・与党は「森林環境税」の創設を打ち出した。他の予算を見直して財源を捻出するのが先だろう。
 日本の国土面積の3分の2は森林で、その4割はスギやヒノキなどの人工林が占める。戦後植林した木々が成長して伐採期を迎えているが、零細な所有者が多いこともあって、多くが利用されていないのが現状だ。
 「森林バンク」と名付けた新制度は所有者が間伐などをできない場合、市町村が管理を受託し、やる気のある事業者に再委託する仕組みだ。一度に伐採や間伐をする森林を集約できれば、作業効率が向上してコストが下がる。
 近くに作業道がないなど条件が悪い森林は市町村がまず手を入れたうえで再委託する。所有者が不明で放置されている森林についても一定の手続きを経たうえで利用権を設定し、市町村が扱う。
 現在、国産材の用途拡大が進み始めている。経営規模の拡大を通じて林業を再生する好機だ。
 財政力が弱い市町村が継続的に事業に取り組むためには安定財源が要ることは理解できる。しかし、森林環境税は個人住民税に上乗せして徴収する方針だ。直接的な恩恵を感じづらい都市住民の理解を得られるだろうか。
 全国の8割の都道府県や横浜市はすでに、似たような税金を徴収している。都道府県と市町村の役割がどうなるのかについても判然としない。人材が乏しい市町村では、都道府県が作業を代行する手もあるだろう。
 森林整備は必要とはいえ、新税の前に検討すべき課題が多いと言わざるを得ない。
**********

※参考情報「群馬県林業公社解散で債務165億円」
**********日経2010/12/17付
群馬県林業公社、解散へ 債務165億円、県負担150億円以上
 群馬県は16日、165億円の巨額債務を抱える県林業公社を解散する方針を決めた。木材価格の下落に歯止めがかからず、売却益で債務を返済するメドが立たないと判断した。同日の県議会で解散を求める決議が可決されたのを受け、大沢正明知事が決断した。解散に伴う県の財政負担は150億円以上に上る見通しで、赤字事業の抜本的な改革を先送りしてきた代償は大きい。
 大沢知事は同日、県議会で記者団に「解散の方向でいきたい」と述べ、2011年2月に招集する次回の定例県議会までに公社の具体的な解散スケジュールを詰める考えを示した。
 これに先立ち、県議会は同日午前の本会議で公社の解散を求める決議を全会一致で可決した。決議書は民有地を借りて造林した木材の販売収入を分け合う分収林事業について「事実上『破綻』をきたしており、負債返済の見通しがつかない」と指摘。仮に公社を存続しても経営再建は期待できないと強調した。
 これまで県は存続の可能性も探っていたが、議会側が「県民への説明責任を果たすため、分かりやすい解決法が必要だ」(林業公社対策特別委員会の平田英勝委員長)と解散を主張。議会側が強い意志を示したことを受け、大沢知事も「議会の結論をしっかり受け止めたい」と同意した。
 県は公社に114億円を貸し付けているほか、日本政策金融公庫からの公社の借入金51億円について損失補償している。今後は「第三セクター等改革推進債」を使い資金を調達し、日本公庫などへの返済に充てる方針。さらに分収林事業を県が引き継いだ後の運営方法や、公社の職員18人の処遇なども詰める。
 公社はこれまでに5200万平方メートルの森林を造成したが、木材価格の下落で収益が悪化。仮に木材を時価ですべて売り払ったとしても、150億円以上の損失が発生する見通しだ。
 県と公社は1990年代半ばから経営改善に取り組んでいたが、組織の存廃などにかかわる抜本的な改革は先送りしてきた。県議会は16日可決した決議書の文末で「県議会として公社の経営に関する本格的な議論を怠ってきた責任があり、県民に深くおわびする」と謝罪した。
**********

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