■きたる9月16日(金)に前橋地裁21号法廷で、大同スラグの農道不法投棄にかかる住民訴訟の第6回口頭弁論が予定されています。これに先立ち被告群馬県の訴訟代理人の弁護士から8月30日付で被告第7準備書面として「求釈明」が送られてきました。そこで、原告らは次の内容の回答を、原告準備書面(10)として9月5日付で前橋地裁と被告群馬県に提出しました。内容は次のとおりです。
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事件番号 平成27年(行ウ)第7号 住民訴訟事件
原告 小 川 賢 外1名
被告 群馬県知事 大澤正明
平成28年9月5日
前橋地方裁判所民事2部合議係 御中
原告準備書面(10)
原告 小 川 賢 ㊞
原告 鈴 木 庸 ㊞
平成28年8月30日付の被告第7準備書面の「求釈明」について、原告として次のとおり回答する。
1 被告「求釈明」に対する回答
(1)原告らが甲42号証として提出した試験報告書は、有害スラグ不法投棄問題に取り組む原告らの応援者のひとりを通じて入手したものである。よって、採取者が応援者のひとりであることは想定できるものの、「○○様」については不知である。
(2)平成28年1月13日付証拠説明書において述べた通り、甲42号証はあくまで現場に投棄されていたスラグの性状を確認した結果を示すことにより、「本件舗装工事施工前に、支道27号の敷砂利として使われていた鉄鋼スラグを混合した砕石を現場で採取し試験機関で分析した結果、含有試験及び溶出試験ともに環境基準値を超えるフッ素が検出されたことを示す証拠。本件舗装前に有害物が存在していたことがわかる。」ことを立証しようとしたものである。
すなわち、原告らや被告を含め、誰が行っても大同の有害スラグの分析をすればこうした結果が得られるという蓋然性を示すことが、甲42号証の立証趣旨である。
(3)被告は、自ら有害スラグという産業廃棄物を農業地帯に撒き散らしておきながら、原因者に撤去を求めるなどのしかるべき対応をしようとしない「不作為」を棚に上げて、本事件の裁判の先延ばしを狙ってか、採取者の特定について異常なまでに執着し続けていることは、およそ公僕たる公務員としての自覚をわきまえない不遜な態度であり、極めて遺憾であるとともに、到底許されるものではない。
(4)被告はどうやら、道路管理者でもある被告の了解を得ず、現場で道路管理者でもない市民が勝手にサンプリングした分析結果は証拠として認めない、という主張を維持し続けたいらしい。
(5)被告として、それほど当会の応援者である市民が勝手にサンプリングをして当会の応援団体を通じて分析試験を認定分析機関に依頼して得られた試験報告書の結果に疑問があるのであれば、原告らと被告の双方立会いのもとで、支道27号の場所で調査し、あらためてルールに則って試料を採取し、現場に存在するスラグの成分分析を行うべきである。
(6)このことは、原告らが再三被告に対して提案しているが、よほど都合が悪いのか、被告からの応諾が未だにないことは、まことに不可思議なことである。
(7)一方、原告らとしても現在、プロファ設計㈱に対する調査嘱託申立をかけており、「スラグと天然砕石を混合した状況でサンプルをとり、それらを分析にかけている状況であるかどうか」、プロファ設計に対して写真等詳しい情報の提供を求めている。
(8)よって原告らとしては、その結果を待ってから、被告に対する求釈明として、こうした測定方法が正当な測定分析方法として有効なのかどうかについて正式な見解を示してもらい、その回答内容を踏まえてから、あらためて群馬県廃棄物・リサイクル課に、意見を求める調査嘱託を申し立てること等を検討することとしたい。
以 上
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■被告群馬県側がしつこく採取者(複数の読みかたの同じ表記の名字をもつ多数の市民の間に無用な混乱が起きるのを防止するため伏字にしてあります)にこだわっていますが、当会は甲42号証を応援団体のひとつを通じて入手したものであり、採取者や採取方法に疑問があるのであれば、当会の立ち合いで、自ら現場で大同スラグを採取して試験すればよいのに、一向にそのような動きを見せません。
このまま裁判を引き延ばし、現在刑事事件として2016年4月に群馬県警から前橋地検に送検されたこの事案に関する地検の判断結果を待っているかのようです。県の思惑は定かではありませんが、民事事件は刑事事件とは異なるため、前橋地裁では県の引き延ばし作戦に惑わされず、早期に正しい判断を下していただけるものと期待するところです。
その意味でも、次回9月16日(金)午前10時30分からの第6回口頭弁論での裁判長の訴訟指揮が注目されます。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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事件番号 平成27年(行ウ)第7号 住民訴訟事件
原告 小 川 賢 外1名
被告 群馬県知事 大澤正明
平成28年9月5日
前橋地方裁判所民事2部合議係 御中
原告準備書面(10)
原告 小 川 賢 ㊞
原告 鈴 木 庸 ㊞
平成28年8月30日付の被告第7準備書面の「求釈明」について、原告として次のとおり回答する。
1 被告「求釈明」に対する回答
(1)原告らが甲42号証として提出した試験報告書は、有害スラグ不法投棄問題に取り組む原告らの応援者のひとりを通じて入手したものである。よって、採取者が応援者のひとりであることは想定できるものの、「○○様」については不知である。
(2)平成28年1月13日付証拠説明書において述べた通り、甲42号証はあくまで現場に投棄されていたスラグの性状を確認した結果を示すことにより、「本件舗装工事施工前に、支道27号の敷砂利として使われていた鉄鋼スラグを混合した砕石を現場で採取し試験機関で分析した結果、含有試験及び溶出試験ともに環境基準値を超えるフッ素が検出されたことを示す証拠。本件舗装前に有害物が存在していたことがわかる。」ことを立証しようとしたものである。
すなわち、原告らや被告を含め、誰が行っても大同の有害スラグの分析をすればこうした結果が得られるという蓋然性を示すことが、甲42号証の立証趣旨である。
(3)被告は、自ら有害スラグという産業廃棄物を農業地帯に撒き散らしておきながら、原因者に撤去を求めるなどのしかるべき対応をしようとしない「不作為」を棚に上げて、本事件の裁判の先延ばしを狙ってか、採取者の特定について異常なまでに執着し続けていることは、およそ公僕たる公務員としての自覚をわきまえない不遜な態度であり、極めて遺憾であるとともに、到底許されるものではない。
(4)被告はどうやら、道路管理者でもある被告の了解を得ず、現場で道路管理者でもない市民が勝手にサンプリングした分析結果は証拠として認めない、という主張を維持し続けたいらしい。
(5)被告として、それほど当会の応援者である市民が勝手にサンプリングをして当会の応援団体を通じて分析試験を認定分析機関に依頼して得られた試験報告書の結果に疑問があるのであれば、原告らと被告の双方立会いのもとで、支道27号の場所で調査し、あらためてルールに則って試料を採取し、現場に存在するスラグの成分分析を行うべきである。
(6)このことは、原告らが再三被告に対して提案しているが、よほど都合が悪いのか、被告からの応諾が未だにないことは、まことに不可思議なことである。
(7)一方、原告らとしても現在、プロファ設計㈱に対する調査嘱託申立をかけており、「スラグと天然砕石を混合した状況でサンプルをとり、それらを分析にかけている状況であるかどうか」、プロファ設計に対して写真等詳しい情報の提供を求めている。
(8)よって原告らとしては、その結果を待ってから、被告に対する求釈明として、こうした測定方法が正当な測定分析方法として有効なのかどうかについて正式な見解を示してもらい、その回答内容を踏まえてから、あらためて群馬県廃棄物・リサイクル課に、意見を求める調査嘱託を申し立てること等を検討することとしたい。
以 上
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■被告群馬県側がしつこく採取者(複数の読みかたの同じ表記の名字をもつ多数の市民の間に無用な混乱が起きるのを防止するため伏字にしてあります)にこだわっていますが、当会は甲42号証を応援団体のひとつを通じて入手したものであり、採取者や採取方法に疑問があるのであれば、当会の立ち合いで、自ら現場で大同スラグを採取して試験すればよいのに、一向にそのような動きを見せません。
このまま裁判を引き延ばし、現在刑事事件として2016年4月に群馬県警から前橋地検に送検されたこの事案に関する地検の判断結果を待っているかのようです。県の思惑は定かではありませんが、民事事件は刑事事件とは異なるため、前橋地裁では県の引き延ばし作戦に惑わされず、早期に正しい判断を下していただけるものと期待するところです。
その意味でも、次回9月16日(金)午前10時30分からの第6回口頭弁論での裁判長の訴訟指揮が注目されます。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】