市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

アカハラから寮生連続怪死事件に及んだ群馬高専の闇に光を照らすべくオンブズマンが新たに情報開示請求

2016-06-17 21:45:00 | 群馬高専アカハラ問題
■群馬高専で2年余り前から取りざたされてきたアカハラ問題は、渦中の学科長の降格(*)で一件落着と考えたのか、高専側は当会のアカハラに関する情報開示の再請求に対して、再び不開示を通知してきたことはすでに報告済みです。ところが、今日の上毛新聞で報道されたように、群馬高専ではこの2年間に寮生が3名も死亡していたという事実が明らかになりました。この衝撃的な事実を踏まえて、当会では、この寮生連続怪死事件について、あらためて次の内容の情報公開請求書を本日、高専側に提出しました。

2016年6月17日上毛新聞朝刊社会面記事。記事では「3人の男子学生」としか記述されていないが、実は3人とも寮生。群馬高専の学生数は1000名は下らないと思われるが、寮生の場合、全て合わせても150名に満たないわけで、そのうち2年間で3名の死亡事件は明らかに異常である。なお、記事では触れられていないが、寮生3名の連続死亡事件の背景には、一昨年来、同校を揺るがしているアカデミックハラスメントがある。授業における学生管理に加えて、寮における寮生管理にも問題があったのではないか、という2つの要因が複合して起きた事件だとする見方もある。

(*)注:「降格」の定義について
群馬高専関係者から次の指摘がありましたので、読者の皆さんに正確な意味をご理解いただく必要があります。
 群馬高専のようなアカデミックの世界では、通常「降格」とは教授から准教授、あるいは教授から助教へと、職階を下げることを言います。
 なお、学科長とは、名前こそ響きはいいですが、誰かへの命令権を持っているわけでも、学科長の椅子というものがあるわけでもありません。せいぜい会議が増えたり、連絡をまとめなければならなかったり、ハンコを押す回数が増える程度のものです。
 それなりにキャリアをつんだ教授が、持ち回りでなってその属性をもつだけのものなので、特にキャリアを積んで実績をあげて上り詰めた証というわけでもありません。 事実、仕事が増える(わりに給料は増えない)ので学科長になりたくないと考える教員も多くいます。アカデミックな世界でも特に役立つ肩書という訳でもありません。早い話が、「学科長」を解任されたところでほとんど痛くもかゆくもありません。
 一方、教授や准教授といった職階は、勤続年数や論文などの成果に応じて上がるキャリアであり、昇進には一段階あたり最低数年はかかるため、これが「降格」となると解雇に次いで重い処分となります。
 なお、雑賀学科長が今年度から学科長でなくなったことには、「単に任期が終わっただけ」との見方もあります。(学科長の任期は基本的に2年間だからです)


**********ljiaj.pdf
(別紙)             請求する法人文書の名称等

寄せられた情報によれば、貴校では、この3年間にわたり、毎年1名ずつ寮生が怪死を遂げているということです。この事件の真相究明、責任所在、再発防止のために貴校がどのような対応をとったのかどうか、について大変関心があります。つきましては、次の情報に関して、存否を明らかにしたうえで、存在する情報について個人が特定できる情報を除く全ての情報開示を求めます。

1.2014年1月24日(金)の昼に南寮の当時、物質工学科の4年生だった学生が変わり果てた姿で発見されました。この第1回目の寮生怪死事件に関する次の情報。
1-1 この事件の経緯をまとめた調査報告書
1-2 当時の寮務主事の氏名と職位
1-3 事件後、寮生全員に対して寮務主事が帰宅を命じる指示を出したようだが、この指示を出すに至った貴校トップの判断根拠
1-4 3日間の帰宅後、1月27日(月)に寮生が学校に戻り、授業再開したが、放課後、午後8時に寮生全員に対して集合をかけ寮務主事が全寮生を前に述べた内容
1-5 この事件について、遺族から貴校に対して出された要望内容。とりわけ、情報統制について貴校への依頼の有無。有の場合はその内容
1-6 この事件について、貴校から遺族に対して出された調査結果の説明の有無。有の場合はその内容
1-7 この事件について、貴校から学生あるいは保護者経由で学生あるいは保護者に対して行われた報告ないし説明(書面の配布、あるいは、説明会の開催を含む)の有無。有の場合はその内容
1-8 学生発見時の救命措置の有無。有の場合はその経緯と内容
1-9 この事件の後、1年間以内に、貴校から学生に対して行ったメンタルケア(精神的な援助や介護)に関連した対策の有無。有の場合はその経緯と内容

2.2015年6月10日(水)にテスト期間中であったにも関わらず、電子情報工学科4年生だった学生が寮から行方不明になりました。その後、7月16日に利根川で発見されていた遺体が貴校の学生であることが確認されました。この第2回目の寮生怪死事件に関する次の情報。
2-1 この事件の経緯をまとめた調査報告書
2-2 当時の寮務主事の氏名と職位
2-3 この事件について、遺族から貴校に対して出された要望内容。とりわけ、情報統制について貴校への依頼の有無。有の場合はその内容
2-4 この事件について、貴校から遺族に対して出された調査結果の説明の有無。有の場合はその内容
2-5 この事件について、貴校から学生あるいは保護者経由で学生あるいは保護者に対して行われた報告ないし説明(書面の配布、あるいは、説明会の開催を含む)の有無。有の場合はその内容
2-6 テスト期間中に一人で群馬高専から離れた利根川に泳ぎに行ったとして、貴校は、単なる溺死で事故の可能性が高いという見解を鵜呑みにしているようだが、その根拠となる情報。もし違う場合は、その見解内容と、その理由がわかる根拠
2-7 この事件の後、2015年12月末までの期間内に、貴校から学生に対して行ったメンタルケア(精神的な援助や介護)に関連した対策の有無。有の場合はその経緯と内容

3.2016年1月13日(水)に、寮の玄関先に荷物を置いたまま、電子情報工学科4年生だった学生が1時限目の授業(8:50~10:20)に出席後、自転車とともに所在不明となった。その後、1月15日に電波も届かないような山中で発見されていた遺体が貴校の学生であることが1月16日に確認されました。この第3回目の寮生怪死事件に関する次の情報。
3-1 この事件の経緯をまとめた調査報告書
3-2 当時の寮務主事の氏名と職位
3-3 この事件について、遺族から貴校に対して出された要望内容。とりわけ、情報統制について貴校への依頼の有無。有の場合はその内容
3-4 この事件について、貴校から遺族に対して出された調査結果の説明の有無。有の場合はその内容
3-5 この事件について、貴校から学生あるいは保護者経由で学生あるいは保護者に対して行われた報告ないし説明(書面の配布、あるいは、説明会の開催を含む)の有無。有の場合はその内容
3-6 この学生は、1月13日の朝、授業前に自宅から寮に入ろうとしたが、入れずに玄関前に荷物を置いたまま、1時限目の授業に参加したとされているが、同じ寮生から指摘を受けてはじめて、貴校は当該学生が行方不明になったことを悟ったという。貴校は、この事件についても、単なる事故死の可能性が高いという見解をとっていようだが、その根拠となる情報。もし違う場合は、その見解内容と、その理由がわかる情報
3-7 この事件の後、これまでの期間内に、貴校から学生に対して行ったメンタルケア(精神的な援助や介護)に関連した対策の有無。有の場合はその経緯と内容

4.群馬高専の寮の運営に関する情報のうち、次のもの。
4-1 群馬高専学寮規則
4-2 群馬高専寮生会規約
4-3 群馬高専寮生準則
4-4 校務分掌一覧

5.寮生怪死事件が発生した際の学生寮の責任者に関する情報のうち次のもの。
5-1 第1回目の寮生怪死事件が発生した時の寮務主事の氏名
5-2 第2回目の寮生怪死事件が発生した時の寮務主事の氏名
5-3 第3回目の寮生怪死事件が発生した時の寮務主事の氏名
                                  以上
**********

■当会としては、今回の新たな情報開示請求の目的について、群馬高専の自浄作用の有無をチェックする最後の機会ととらえており、学校側の対応を注目していきたいと思います。

 もし今回も昨年と同様に情報不開示通知という処分が学校側から出された場合、前回と併せて、直ちに行政訴訟に持ち込みたいと考えております。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】


【6月18日追記】

**********上毛新聞2016年6月17日社会面
群馬高専 2年で学生3人死亡
自殺の可能性 心のケアを充実

 群馬高専(前橋市鳥羽町、西尾典真(よしちか)校長)の3人の男子学生が2014年1月から今年1月にかけて死亡していたことが10日、関係者への取材で分かった。2人は自殺の可能性が高く、1人は事故か自殺か不明という。同校は学生の心のケアの充実など、自殺防止対策を強化している。
 複数の関係者によると、14年1月に男子学生が学校の敷地内にある寮の部屋で遺体で発見された。15年6月に行方不明になった男子学生=当時4年=は利根川で、16年1月に行方不明になった男子学生=同=は山中で遺体で見つかった。山中で発見された学生が書いたとみられる遺書も見つかった。
 同校幹部によると、いずれの事案でも同級生や担任教諭に事情を聴いたが、「自殺に結び付くような原因は分からなかった」という。
 同校は1月下旬と2月上旬に、全学生の保護者を対象にした説明会を開き、動揺している子どもを見守ってほしいと呼び掛けた。校内の「学生相談室」でカウンセラーなどが学生の相談に応じる時間を増やしたり、精神的なストレスを図るためのテストを全ての寮生を対象に行うよう改めるなど対策を講じた。
 西尾校長は「学生が亡くなったことは大変重く受け止めている。学生の心のケアに全力で務め、二度とこのようなことが起こらないようにしたい」と話している。

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