市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

1号議案で紛糾し一時中断したJA碓氷安中第22期総代会におけるトップの説明責任とコンプライアンスの必要性

2015-06-01 23:17:00 | 国内外からのトピックス
■5月31日(日)午後1時からJA碓氷安中の第22期総代会が開催されました。例年、質問者はせいぜい2、3人で、1時間余りでシャンシャンとなるのが常ですが、今回は大荒れとなり、途中で中断するなどして結局閉会したのは午後4時半ごろでした。

 いったいどんな理由で紛糾したのかというと、第1号議案で、総額650万円を課徴金として支出してもよいか、という提案がJA側からだされたのでしたが、各地区から詰めかけた総代は誰も賛成の挙手をしませんでした。

 なぜなら、この支出理由について組合長からきちんとした理由説明がなかったからです。

■第22期総代会に先立ち、平成27年4月28日(火)午後1時30分から本所で理事会が開かれました。
○理事会だより(JA碓氷安中のHPより)↓
http://www.jagunma.net/usuan/pdf/rijikai.pdf

 これによれば、次の件で討議がなされ、原案通り可決されたことになっています。
Ⅰ 監査報告
1 平 成 26年度末監事監 査報告書について
Ⅱ協議事項
1 平成27年3月末事業実績について
2 第22期通常総代会に付議すべき議案について
3 職員の定員について
4 給与規程の改定について
5 総代会表彰内規に基づく表彰について
6 大口融資について

 筆者もかつて碓東地区の総代のひとりとして総代会に出席したことがあります。筆者は決算書における貸倒引当金の金額の根拠について質問しました。その結果、不良債権かどうかの評価を外部の専門家に委ねるのではなく、JA碓氷安中が自分で査定していることが判明したので、それでは最終的に、ほんの少し利益がでるように逆算して、貸倒引当金をはじいていつのではないか、と詰め寄ったことがあります。そのときは経理担当者がいちおう説明をしてくれました。

■ところが、今年の総代会では、650万円もの課徴金としての支出がいったい何のために発生したのか、JA側からちゃんとした説明がないため、総代らが納得できなかったからです。

 中断後再開した総代会で、「この件は、あらためて調査の上、総代らに諮ることにする」ということで、ようやく閉会しましたが、後味の悪い第22期総代会の印象を参加者に残しました。

 民間企業で言えば株主総会に相当するJA碓氷安中の総代会ですが、組合長がきちんと「課徴金」の支出理由について説明ができなかったことは、大変気になるところです。

 本当のところは誰にも分かりませんが、未確認の情報筋によれば、税務署から「課徴金」のかたちで請求された背景には、JA碓氷安中がきちんと収支を税務署に申告していなかった可能性が指摘されています。

 そのひとつとして、昨年8月からリニューアルをしてオープンした国道18号線沿いにあるJA碓氷安中直営の農産物直売所「まゆっ娘」(まゆっこ)(安中市松井田町五料649-1)を巡る情報が取りざたされています。

 この「まゆっ娘」は、以前は、同じ場所でJA碓氷安中「朝市会」(上原初男会長)の農産物直売所でした。そこの売上に対して、JA碓氷安中が手数料として3%を受け取っていたのを、どうやらきちんと計上していなかったのではないのか、という見方が飛び交っているようです。

 このことはきちんと組合長が説明責任を果たさなければ、総代らの合意は得られないことは火を見るよりも明らかだと思われます。

■JA碓氷安中では、以前から不祥事が時々取りざたされる体質のようですので、今回の一件が別の不祥事発覚の引き金にならないことを祈るばかりです。
○2012年11月30日:
着服=横領三昧の安中市で今度はJA碓氷安中を舞台に横領発覚するもタゴ事件の555分の1の規模↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/914.html

 また、時をほぼ同じくして、群馬県内の他のJA組織で不祥事が発覚しました。

*********産経新聞2015.5.26 07:10
群馬・嬬恋の農協男性職員、2570万円を横領
 嬬恋村農業協同組合(松本義正組合長)は25日、40代の男性職員が約2570万円を横領したと発表した。
 同組合によると、職員は平成22年3月から今年5月までの間、野菜など農産物の販売清算で架空の伝票を起票し、担当者が不在の際に印鑑を無断使用して家族名義のJA普通貯金口座に89回も入金していた。住宅ローンの返済や教育資金などに使っていたという。
 今年度の2月決算で勘定残高にずれがあり、伝票を調べたところ、委託農家ではない職員の家族名義への振り込みがあったことから犯行が発覚した。
**********

 約5年間もの間、架空伝票を作り放題、担当者不在時にその担当者の印鑑を無断使用し放題、家族名義の口座も作り放題で、しかも、2750万円横領されていたのに、ようやく今年の決算期に帳尻が合わないことに気付いたのですから、すべて経理業務はそれまで、やりっぱなしで、ノーチェック状態だったようです。

■JA碓氷安中の総代会を揺るがせた「課徴金」支出について、本来であれば、税務署に聞けば、「課徴金」の内訳や理由が判明するのでしょうが、守秘義務とやらで、第三者には教えてもらえません。ぜひ、JA碓氷安中の理事のかたがたが、しっかりと税務署に掛け合って真相を調べ上げることが期待されます。

【ひらく会情報部】

コメント (2)
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