市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

東邦亜鉛安中製錬所における4.11第24回工場視察会の参加報告(その1)

2015-05-01 23:04:00 | 東邦亜鉛カドミウム公害問題
■今年も恒例の東邦亜鉛安中製錬所の視察会が4月11日(土)午前9時半から11時40分にかけて実施されたので、昨年に引き続き当会も参加しました。





<会社側:東邦亜鉛>

敬称略。右側から着席順。
安中製錬所環境管理室 中島正宏課長
安中製錬所環境管理室 富沢芳幸主席幹事
安中製錬所 吉沢勇夫副所長
安中製錬所 秋山武郎所長
本社総務本部 乙葉敏夫本部長

本社総務部 大久保浩部長
眞田淡史 顧問弁護士
本社環境管理部 石井光部長

<地元住民側:安中緑の大地を守る会ほか>

会長、副会長2名、会員ら、弁護団4名、市議3名(1名は後半参加)など総勢約18名。

■当会は午前8時50分ごろに東邦亜鉛安中製錬所の事務棟に着き、入り口で手続きを済ませた後、控え室となっている1階の第二会議室で緑の大地を守る会の会員らと一緒に待機後、9時25分に2階の会場である第一会議室に移動しました。そして、9時30分から、視察会がスタートしました。

*********第1部【朝の挨拶】
会社側司会:皆様、おはようございます。環境管理室を担当しております、中島と申します。本日、工場視察会の司会を、会社側のですね、司会を担当させていただきます。よろしくお願いをいたします。それでは、まずですね。会社側の出席メンバーの紹介をさせていただきます。まず、本社からですが、総務本部長の乙葉(おとば)取締役でございます。

本部長:・・・(お辞儀)

会社司会:隣が総務部の大久保部長でございます。

総務部長:総務の大久保でございます。よろしくお願いいたします。

会社司会:そしてですね。当社の顧問弁護士でございます、真田弁護士でございます。

顧問弁護士:・・・(お辞儀)

会社司会:次に、本社環境管理部の石井部長でございます。

本社環境管理部長:石井でございます。よろしくお願いいたします。

会社司会:続きまして。安中製錬所のメンバーでございます。所を代表します秋山執行役員・所長でございます。

所長:秋山です。よろしくお願いいたします。

会社司会:次に副所長の吉沢でございます。

副所長:吉沢です。よろしくお願いします。

会社司会:そして環境管理室の富沢主席幹事でございます。

主席幹事:富沢です。よろしくお願いいたします。

会社司会:それと、環境管理室を担当します、中島と申します。よろしくお願いいたします。以上8名で、本日、工場視察会を開催させていただきます。よろしくお願いをいたします。続きましてですね、まずあの、代表者の挨拶を頂戴したいと思います。安中緑の大地を守る会会長、藤巻千浪様、よろしくお願いをいたします。

会長:はい。ああ皆さん、こんにちは。朝早く、ご苦労でございます。20何回・・・24回か。今回の視察会に際しまして、弁護の先生方、また議員の皆さん、団員の皆さん、たいへんご苦労さま。会社の皆さん、ご苦労さまです。私もろくなことは言えないけれども、この会に参加して、そして有益に終わろうと考えております。だいぶまあ皆さんに心配いただいたけども、土地改良のほうもだいぶ進展してきました。どうかまあ、調べたりまた、これを機会に、また、ぜひ情報を共有したいと思います。どうか、まあ、この会が続けてやっていけるように、していきましょう。私は百姓だから、ろくなことは言えないけれども、最後にご列席の皆様方のますますの、ご発展をお願いして、私の、ろくなことは言えないけれども、よろしくひとつお願いします。大変ありがとうございました。(拍手)

会社司会:ありがとうございました。続いて会社を代表しまして、所長の秋山よりご挨拶を申し上げます。

所長:えー、皆さん、おはようございます。所長の秋山でございます。えー、第24回目の視察会にあたりまして、ひとこと、ご挨拶を申し上げさせていただきます。昨年は2月の大雪で、その傷跡も残る中での視察会でございました。ま、今年はそのようなことが無くて安堵をしているところでございます。さて、会社の操業面については、順調に推移しておりまして、収支動向も、最近の円安、それから亜鉛価格の上昇、などによりまして、一息をついている、というところでございます。えー、また環境面についても順調で、環境に対する影響を減らし、関連する法規制を順・・・順守し、さらには、藤巻会長さんを代表とする地域の皆様と、信頼関係を維持していくことなしには、会社の存続は有り得ない・・・、有り得ない、と考えております。視察会を通じ、引き続き、これまでと同様に、皆様方のご指導とご協力をいただきますようお願いいたしまして、私のご挨拶とさしていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

会社司会:続きましてですね、本日の視察コースや、日程につきまして、副所長の吉沢より説明をさせていただきます。

副所長:おはようございます。環境管理室長を兼務してます吉沢と申します。よろしくお願いいたします。えー、これから、例年と同じくですね、製錬所内の製造工程、並びに、公害防止設備を中心にご案内し、ご視察をしていただくことになります。えー、まああの、例年ととくに変わったところはないんですけども、まああの、整然とですね、きちっとやっているところを、あの、ご確認していただければ幸いというふうに思ってます。で、今回例年と異なるのは、えー、昨年、大雪でですね、倒壊してしまった、あの貯鉱舎というのが、新電解工場の北側にあるんですけども。大変ご心配をいただきましたけども、7月までに復旧工事を完了をしております。その復旧状態をですね、今日は中からちょっと、ご覧をいただくと、いうようなことがちょっと、追加となっております。えー、で、今年もマイクロバスは2台用意させてもらっております、健脚コースの1班は、視察場所ごとに、バスから降りてのご案内となります。ということで、ヘルメットの着装をお願いしたいと思います。それとちょっと生憎、今日はっきりしない天気で、お足もとも悪いかと思うんですけれども、案内はですね、環境管理室の中島課長が行いますので、よろしくお願いします。それからもう1台はゆったりコースの2班ということで、バスの中からの視察となります。えー、降りないので、ヘルメットはいらないということです。それから、あのう、まあ、バスから乗り降りしないということで、乗り降りがきつく思われるかたの乗車を、まあ、お勧めいたします。案内者は私、吉沢が担当させていただきます。それから、注意事項として、まず1点目のお約束はですね。場内での写真撮影はご遠慮いただきたい、ということです。外から、まあ、この会議場とか、外から撮る分には問題ないんですけれども、守衛所以降、についてはカメラの持ち込みはご遠慮いただきたい、ということでご協力をお願いいたします。それから、健脚コースの方はバスから降りて、場内を歩いていただきますけれども、まあ、傘を持ったりするとちょっと大変だったりしますけれども、安全を最優先にですね、お足もとにご注意いただくとともに、操業まわってますので、設備とか、製品も熱かったりしますので、それには手を触れないようにですね、お願いをしたいと思います。それでは、これから下に降りて、バスでもってご案内しますけれども、その前にちょっと記念撮影をしたいなあと、思っています。雨がひどくなければですね、前庭で、サクラと工場をバックに、ちょっと写真を撮らしてもらいたいというふうに思ってますので、ご準備をして、あのう、下にお集まりをいただければと、いうふうに思っています。えー、以上よろしくお願いいたします。

会社司会:えー、それでは工場視察に出発したいと存じます。えー、トイレ等ですね、済ませていただいて玄関のところにお集まりいただければと思います。よろしくお願いをいたします。

**********第2部【工場視察】




<1班の車内にて中島課長の説明>
皆さん、あらためまして、おはようございます。場内視察を担当します環境管理室の中島です。よろしくお願いをいたします。さきほど、この前の説明になかったんですけども、この1班の工場視察についてですけども、まず、工場の一番上、最上部に、そこに行きまして、上ってからですね。その後順次下りながら視察をしていただきます。よろしくお願いをいたします。
 当社はですね、主に亜鉛、鉛の地金、そういうものを、生産をしています。その他に、電子部品材料、粉末冶金部品、こういったものを、生産をしております。この安中製錬所ではですね、亜鉛地金、また、亜鉛の合金地金、酸化亜鉛、硫酸、粉末冶金、えー、まあ、粉末冶金による焼結部品、こういったものを安中製錬所では製造をしております。亜鉛につきましては、生産能力が年間12万トン。まあ、月に1万トンですね、生産をしております。この量がですね、国内の亜鉛の生産量の20パーセント強、こういった生産能力を有している製錬所でございます。生産したですね、亜鉛の65%くらいになるんですが、自動車などに使用されてます薄板のメッキ。こういったものに使われております。

<サンパイ最終処分場にて>
 ここではちょっとバスを降りずにご覧いただきたいと思います。えー、まあ、左手にあるのが、最終処分場になります。この最終処分場は、もう何度かご覧になっているかとは思うんですが、管理型でして、ここには遮水シートがはってあり、ここに入った水は回収して排水処理工程で処理するようになっています。平成25年から扱えることになっているんですが、まだゴミは入れていない状態です。最終処分場ですので大事に使っていくということで、現在、多少、最終処分しなければならないものが有りますので、そういったものは外部委託処分しています。

※参加者がバスの中から、最終処分場のシートの上に白煙が出ているのを見かけたため、会社側に聞いたところ、「今日は地表の温度が少し高いようなので、湿ったシートから水蒸気が立ち上っている」との説明がありました。

<精鉱貯蔵舎>
 道路の左手側に見えるのが、精鉱鉱舎です。こちらは海外から輸入しております亜鉛の原料、精鉱と申しますが、こちらを貯蔵している倉庫です。約1万トンの貯蔵量です。

参加者「精鉱の歩留まりはどのくらいですか?精鉱は焼く前ですよね。亜鉛は月間1万トン(生産)ということだから、精鉱入れるときに操業の何日分ありますか?」
会社側「1万トンつくるのに2万トン使います。亜鉛が50%なので、だいたい倍くらいと考えていただいて」

<TCA>
 では、こちらでですね、降りていただいて、排ガス工程の説明をいたしたいと思います。
 こちらがですね、排煙脱硫工程になります。ロータリーキルンから発生するガスをですね。こちらを、処理をしているのが、この排煙脱硫工程というものです。まずですね、ダストを、ここの工程にくる前に除去をしてですね、この除去したガスをTCAという、まあ、スクラバーなんですが、こちらで処理をしています。TCAがこの1、2、3とございますけれども、亜鉛華TCA、苛性ソーダのTCA、水TCAということで、3基のTCAを設置しております。ちなみにですね、亜鉛TCAというのはこのクリーム色というんですかね。この塔が亜鉛華のTCAです。で、今こちら側ですね、こちら側の、向かって左手にあるのが苛性ソーダのTCA。で、その右側にあるのが、クリーム色の塔がですね。水のTCAでございます。その奥にある水色の塔がですね、排気塔ということで、この3つのTCAで処理をした最終の排ガスを、大気に放出する、排出塔になっております。で、このTCAですけれども、上部からですね、先ほど申し上げた亜鉛華の液状にしたものなり、苛性ソーダだったり、水だったり、というもの、吸収液ですね。こちらを上部から降らせます。で、底部から、まあ底からですね、排ガスを入れまして、その吸収液と排ガスを接触させて、まあ、亜硫酸ガスであったり、ダストだったり、そういったものを、除塵、除去をしている工程になっています。以上なんですが、よろしいでしょうか?

参加者「亜鉛華は、噴霧するんですか?スラリー状にして噴霧するんですか。スプレーで?」
会社側「乳化してやります」

 ちなみにですね、スクラバーの中にこんな(ピンポン玉状の)ボールが入ってございます。これが何層か入っているんですけども、ここで、ですね。まあ、液の分散をしっかりしてガスの接触を良くするということで、こういったボールがこの中に入っています。4段です。4段、このようなボールが入っています。

参加者「温度環境は大丈夫なんですか?プラスチック製で」
会社側「全然、問題ないです」
参加者「常温に近いくらい?」
会社側「ええ、そうです。液が降っていますので。もともと冷却も、その手間でやっています」
参加者「どのくらい持つものですか?」
会社側「えーと・・・」
参加者「すり減って、中でボールがこう、踊るように動いているわけでしょう?だから、こすれて穴があくまでどのくらい持つんですか?」
会社側「10年以上はもつ」
参加者「10年以上もつんだ」
会社側「減ってくれば定期的に入れ替えております」
参加者「ああ、すり減ったやつはそのまま(ガスと)一緒にどこかにいっちゃうわけで、どんどん減ってきたやつだけ補充するんですね?」
会社側「全部入れ替えるんです」
参加者「ああ、入れ替えるのか・・・」

 はい。すいません、そしたら次の場所に移動したいと思います。

<焙焼炉>
 えー、そうしましたら、ですね、こちらで降りて、焙焼炉を視察していただきます。
 こちらはですね、焙焼炉。焙焼炉について、さきほど、あのう、精鉱鉱舎をみましたけれども、あそこの原料をコンベヤでここまで輸送してきて、焙焼炉の上部から底部へ供給します。で、下からですね、あのう、空気を送風しまして、で、入った精鉱がここで流動をします。で、最初に火をつけてあげると、精鉱には硫黄分がございますので、あとはその硫黄分が燃える。まあ、自己燃焼をするということで、入れた空気中の酸素と硫黄分が接触して、自己燃焼して反応が進んでくと。で、その硫黄分はですね、酸素と結合して亜硫酸ガスにというものいなりますので、ここで熱を持っているので、熱をですね、排熱ボイラで吸収したあと、硫酸工場に送ってですね、排ガス処理をして、硫酸を回収、まあ、製造している、というのが焙焼炉でございます。そうしましたら、ですね。ちょっと計器室のほうで、どんな作業をしているのか、ご覧いただきます。
(グレーチングのデッキを渡って隣の計器室に移動)
 えー、こちらがですね、焙焼炉を管理しています計器室になります。こちらがですね、先ほど申し上げた、あのう、炉の上部から供給と、精鉱を供給という話をしましたけれども、その供給している手前のところですね、定量供給をしている装置。まあ、どのくらい精鉱が入っているかを、まあ、モニタリングをしていると。ちなみにその投入量というのがこちらにございます。今は大体1時間当たり10.3トンくらいの供給を、定量供給をしているということでございます。
 で、ですね。こちらは焙焼炉の温度のですね。今は958度くらいですね。最大、950度から960度くらいで通常管理をしている。この焙焼炉ですね、まあ、公害に対して何が大事かというと、マイナス圧。焙焼炉内がマイナス圧(-10.1mH?)になっていることが大事です。まあ、プラス圧になってしまうと当然ガスは噴き出してしまうと、いうことで、それを管理している、見ているのがマノメータですね。今、ちょっとこう、赤と青が、ちょっとこう下がっているのがお分かりになると思いますが、これでマイナス圧を管理しているというところです。それとですね、先ほど排熱を、熱回収という、冷まして、熱回収をして、というお話をしたかと思うんですが、焙焼炉の後にですね、排熱ボイラが設置してございます。で、安中製錬所の蒸気関係、熱源ですね、こちらは焙焼炉に設置されている排熱ボイラで回収、供給をしていると。そのボイラの、今、蒸気量が、こちら(1号機)がだいたい6.3トンくらい、えー、こちら(2号機)が2トン弱くらい、まあ、合計8トンくらい、9トンくらいですかね。えー、・・・くらいの蒸気を常時回収していると、いうようなところでございます。よろしいでしょうか?

参加者「蒸気温度は?」
会社側「えーと、蒸気温度って・・・100・・・」
参加者「200度くらい?」
会社側「(その場にいた現場オペレータに対して)出るときは?蒸気温度?」
会社側オペレータ「蒸気自体、発生するときは200度くらい」
会社側「200度くらい、はい」。
参加者「ふーん、たいしたことないな。はい」
会社側「そうしましたら、次へ移動します」
(途中、再び焙焼炉の脇を通ると、構造の模式図を示した看板があったので)
参加者「あそこのφは、直径ですか?これ。このφって何?」
会社側「えっ、何でしょう?」
参加者「この9.5φって書いてあるでしょう?これ何の意味ですか?」
会社側「(空気供給用の)ノズルです」
参加者「直径?」
会社側「内径ですね」
※マイクロバスに戻る際、脇にある建物の壁に「中間処理施設」と書かれた看板が見えました。書いてあったのは「中間処理施設:焙焼炉」「汚泥、金属くず、煤塵、木屑、廃油、廃酸、廃プラ類(17t/日)」「平成18年10月10日 群馬県282-1号」「昭和60年7月8日群馬県第010200072206号」という文字でした。

<新電解工場>
ではこちらで降りていただいて、新電解工場、ごらんください。
えー、こちらがですね、新電解工場でございます。この工場はですね。平成23年9月より稼働した、まあ、安中製錬所の中で一番新しい工場ということになります。まずですね、ここで、亜鉛電解の、ほんとに原理的なところを、ちょっとご説明してからですね、上の方の工場のほうを見ていただければと、いうふうに思います。で、亜鉛電解についてはですね、まず電解槽、まあ、桶がありまして、このあたりにですね、プラス極とマイナス極・・・プラス極、陽極と言いますけれども、こちらは鉛製のプラス極ですね。一番、ここにあるのが鉛の陽極ですね。で、一方、マイナス極ですけれども、こちらは陰極といますけれども、アルミ製ですね。真ん中にあるのがアルミ製の陰極板ということになります。で、この陰極板と陽極板、アルミ板と鉛板を交互に入れまして、ここに電気を掛けます。そうすると、マイナス極、陰極板のアルミ板の方ですね。こちらの表面に亜鉛が析出をすると。まあ、電気分解で析出をすると。その析出したカソード亜鉛の表面に、亜鉛が析出したものが、一番多く、まあ、あの、右側の・・・。こういったことをこの工場ではやっています。まあ、電気分解をしている工場です。そうしましたら、上に上ってですね、工場の中をご覧いただきます。
(タラップを上って工場の内部へ移動)
 こちらがですね、電解工場ということになります。先ほどご説明したとおりでして、こちらに電解槽が並んでおります。まあ、片側に72槽、両側で144槽ございます。で、まあ、ご説明したとおりで、今、一番手前に見える黒っぽいのが鉛の陽極板です。その隣、白っぽいのがアルミの陰極板、ということになります。この陰極板と陽極板、交互に入っていると。で、この白っぽいアルミ板のほうに亜鉛が電着すると。で、この液がですね、硫酸亜鉛の溶液です。この硫酸亜鉛の溶液を、電気分解をして、この硫酸亜鉛の中の亜鉛を、このアルミ板に析出させるというのが、この電解工程でございます。この広い工場なんですけれども、実際に操業を回しているオペレータ自体は2名です。まあ、メンテナンスは別ですけれども、基本的には、この広い工場を2名で通常回しているということで、まあ、最新の工場ですので、かなり自動化をしてですね、えー、人の手を省いているという工場でございます。

参加者「この(ブーンという)音は何ですか?」
会社側「この音はですね、多分整流器の音だと思います」
参加者「変圧器?交流ですか?」
会社側「直流なんですね、はい」
参加者「古いのと今どのくらいの割合で使っています?」
会社側「なんですか?」
参加者「だから第二、旧電解工場もまだ使っているという話ですよね」
会社側「二電はつかっています。はい」
参加者「第二電解ね。これフル操業?」
会社側「えーと、こちらの方が多いですね。生産量自体は多いです。まあ、こちらの方が効率が高いんで」
参加者「そうだと思うので、そういう意味では、なぜまだ向こうをつかっているのかなと思って」
会社側「こちらだけだと、間に合わないから」
参加者「フル生産しても間に合わないということ?」
会社側「もともと、第一電解工場のリニューアルということでこれを作りましたので」
参加者「ああそうか。それから鉛の中に銀を入れているのは何か意味が有るんですか?」
会社側「強度のためです」
参加者「ああ、強度を持たすため?」
会社側「はい」
参加者「銀でなくてはだめなのね?」
会社側「えーと、そうですねえ・・・」
参加者「高いから。銀だと高いから、もっと他の素材でもよいのではないかと」
会社側「銀は自社でもつくっているので」
参加者「リサイクルか。なるほど。イオン化傾向が同じようなやつを使わないとダメなんですか?それとも銀みたいに割合安くて、イオン化傾向があまりないやつを使っているのか?」
会社側「(銀は)安くはないんですね。はい」
参加者「まあ、一時は銅と同じくらいになった時もあったですけどね」
会社側「そうですね。いまは高いですからね。やはり」
会社側「そうなんですかね。私はあまり細かいところまでは分からないんですが、聞いている限りでは、強度をかせぐためだということで。鉛は柔らかいですから」
参加者「ええ、接触したら大変ですものね」
会社側「そうですね、ショートしますから」

<貯鉱舎>
 先ほどですね、吉沢(副所長)の方から少し話がございましたけれども、昨年2月の大雪で、屋根が崩落した貯鉱舎が右手です。前回ですね、昨年視察をしていただいた時は全く屋根が無い状態で、シートで覆われていた状態をご覧いただいたと思います。先ほど所長のご挨拶の中でもちょっと話がありましたけれども、その後ですね、7月末ですね。このようなテントシートというかたちで復旧が完了してございます。今からですね、ちょっと、中に入っていただいて、どんな構造なのかを見ていただきたいというふうに思います。
(そのままマイクロバスで内部に乗り入れる)
 こちらが貯鉱舎と申します。面積が大体4100㎡くらい。堆積能力としてはですね2万3600トンの鉱滓、鉱石関係を堆積する能力があります。
 さらに見ておわかりのとおりですね、今までのものは、スレートの建屋だったんですけれども、ご覧のとおり、テントシートの構造ということで、ございます。以前のスレートより、このテントシートの方が、密閉性が上がって、非常に漏れがないということで、という状況です。
(テントシート建屋の外に出て坂を上る際に)
 こちらはですね。車のタイヤにどうしても滓が付いてしまいますので、今、ご覧のように、この坂に水を流しまして、タイヤを洗浄して出て行くと、いうような対策をしてございます。

<8号集塵機>
 そうしましたら、こちらで降りていただいてですね、8号集塵機の説明をさせていただきたいと思います。
こちらがですね、8号バグフィルターになります。ここに4基のバグフィルターが設置をされております。8号炉というのが、この8号炉の集塵器ということになります。8号炉は電解で作ったカソード亜鉛、こちらをここでは溶解炉で溶解をしております。その溶解炉の集塵をしているのが、この8号バグフィルターということになります。で、ですね、まずバグチューブ、この装置の中にバグチューブが入れてあり、この中に、煤塵を含んだガスを通過させて、このフィルターで、こちらでホコリ等を回収しているという装置でございます。除染率については、このバグフィルターについては除染率については、99.7%以上、非常に高い集塵室です。で、これがですね、排気塔、排気塔の手前にストップガードというものですが、ホコリをですね、ストップさせる装置が付いています。いま、試しにやってみますけれども、このように通しまして光の中をホコリが通過すると、警報が鳴るということで、穴が開いた場合は警報によってこのバグチューブの異常が検知されるというふうな仕組みになってございます。今、やったのがまさにここでして、この中をですね、ホコリの混じったガスが通りますと、光がこちらからこちらに出ておりまして、こちらで受けている光をホコリが遮った時に警報が出るというような構造になっております。えー、よろしいでしょうか?

参加者「1日でどのくらい、そのバグフィルターを叩いて(ダストを)回収できるんですか?」
会社側「タイマーで叩いていますので」
参加者「1日トータル、4つあわせて1日どれくらいホコリが集められるんですか?量は?」
会社側「約2トン弱です。ここだけじゃなくて、全体、安中製錬所のバグの全体で」
参加者「(バグフィルターは)他にもあるん?」
会社側「あります、あります」
参加者「いくつくらいあるんですか、このバグフィルターは?」
会社側「えーとバグがですね、2号、4号、7号、8号・・・えー、3、4、5、6、7・・10基くらいありますね」
参加者「これを4つとカウントして10ですか?」
会社側「はい、はい」
参加者「これは問題だな」

<溶解・鋳造工程>
 こちらはですね、調合亜鉛という製品を製造している工場です。で、今皆さんの前にあるのが、まさに調合亜鉛というものです。こちら大体1トンぐらい、1つの塊が1トンぐらいの量です。で、まあ、この白っぽいような色をしているのが亜鉛とアルミニウムの合金。こちらのちょっと、青っぽいほうは、ニッケル添加(?)ということでございます。こちらの調合亜鉛については、高炉メーカーさん、要は先ほどバスの中で一番先に申し上げた薄板メッキ、こちらの原料として使われております。こちらの工場ですね、一般カソード亜鉛の溶解をしております。溶かした亜鉛を、ですね。手前の3つの炉に入れまして、向かって左側にアルミを溶解している炉がございます。こちらの溶けたアルミに、溶けた亜鉛、これを混ぜて調合をして、手前にあります黄色い四角い箱がそうなんですが、これを鋳型というものです。この型の中に溶けた亜鉛を流し込んでですね、冷却をさせて、凝固をさせます。で、できあがったものが製品です。というのが、調合亜鉛ということになります。

参加者「全部誘導加熱ね?」
会社側「そうですね、低周波誘導炉です。ただし、アルミ炉は重油です」

 そうしましたら、次に移動します。
(歩いて電気亜鉛製造場に移動)
 ここはですね、純亜鉛、まあ、弊社では電気亜鉛というふうに呼んでいますけれども、純亜鉛を製造している工程でございます。純亜鉛、何に使われるかというと、メッキですとか、あとは伸銅ですね、こういった原料に使われております。こちらも先ほどの調合亜鉛と同様にカソード亜鉛を一番奥の、3つ目の炉の下にあります誘導炉、低周波誘導炉で、だいたい500度から600度の温度で溶解しております。それをですね、こちらの一つの塊20キロくらいありますけれども、その製品を鋳型の中に流し込んで、水をかけて冷却をして固めて、凝固をさせています。まあ、水をかけていますので、熱いので、あそこに水蒸気が上っていますけれども、あそこが凝固させている場所、でございます。で、固まったものをケースから剥ぎ取りまして、こちらの組込みロボットで、50枚一山、まあ、自動機械ですから、一山1トンの製品として、積み出しているわけで、まあ、純亜鉛を製造しているところでございます。よろしいでしょうか。

<排水処理工程>
えー、ここで降りていただいて、排水工程をご覧いただきたいと思います。
こちらが排水処理の工程でございます。製錬所で出ます雑排水。これをまず集水池に集めます。で、集水池はですね、製錬所の中に5か所ございます。まあ、ここから見えるのが、まあ、第2、第3の集水池でございます。第2が、ですね、あちらの一番遠くにあるのが第2集水池。その奥にあるのが第3集水池。で、第4はですね、ちょっと見えないんですけども、あのタンクの陰に第4集水地がございます。えー、集められたですね、排水は中和、これ苛性ソーダを添加してですね。pHで10から11くらいに中和をいたします。で、中和をしますと、まあ、アルカリ性にしますと、溶液中にある金属分、これが水酸化物となって析出をします。そしてこの水をですね、今度はシックナー、固液分離をするためにシックナーに送ります。シックナーというのはですね、葉っぱの陰で見ずらいんですが、この下にある丸形のものですね。あれがシックナーでございます。で、先ほど申し上げたように金属が析出をしますので、固体になったものは下へ沈む。で、下から抜いて、スラッジというふうに弊社では呼んでいるんですが、これを自動フィルターにかけまして、水分を除去します。で、除去したものは、もう一回、精錬工程に戻して、まあ、もう一回電気分解にかけると。まあ、製錬錬工程に戻す。で、出た水ですけども、こちらについては沈殿池に戻すと、いうようなかたちになります。シックナーで固体になったものは下へ、で。上澄みです。きれいな上澄み液は沈殿池に送ると。で。さらに固液分離をして、その後ですね、砂ろ過器、そちらの水色のタンクがそうですね。砂ろ過器を通して、さらに固形分を分離します。えー、そののちですね、pHの調整槽に液が送られます。まあ水です。そこで硫酸を今度は加えまして、pH8くらいに調整をして排水処理として、まあ、うちの場合は延長放流がございますので、ここから5キロくらいの下流のですね、金ケ崎で、碓氷川に放流をしております。で、あの、このpHの、最終のpHの調整槽で異常があった場合ですね、安全ダンパーというのがございまして、pH異常があった場合は、安全ダンパーが開いて集水池に、その水は戻ると、いうような、まあ、安全サイドに働くような構造になっております。えーと、ここは以上なんですが、よろしいでしょうか?

参加者「今、冷却水というのは全部・・・一回、なんというかな、ワンパスでやっているんですか?」
会社側「冷却水…そうです。はい」
参加者「回収して、もう一回、再生水ってここに書いてあるんですが」
会社側「一部はそういうものもあります」
参加者「どのくらい回収、再生に使っているんですか?」
会社側「基本的には通常はやっていない」
参加者「ああ、やっていないのね」
会社側「はい」
参加者「それでどれくらい、その、1日当たりとか、1か月でもいいんですけれども、冷却水の必要量というのはどのくらい、使って、放流しているんですか?」
会社側「冷却水…」
参加者「冷却水というか、水ですよ。工業用水、今は…前はほら、その堰からとっていたけれども、いまは、とってないですよね?」
会社側「同じです」
参加者「今、とっているの?」
会社側「堰、取ってます。ええ、同じ、変わらないです。前と全然、量は変わってないです」
参加者「どのくらいだったっけ?」
会社側「えーと、ちょっとすいません」
参加者「昔の資料を見ればわかるんですけど」
会社側「えーと、そうですね。冷却水は…」
参加者「1時間にやっぱり数百トン?」
会社側「えーと、すいません。工業用水の量としてはうちが許可をいただいているのは、0.59、・・66だったかな」
参加者「59、66、パー・セカンド。秒ね?」
会社側「そうです。立米パー。0.59だったか、66だったか、どっちかですね、すいません。ちょっと定かじゃありません」
参加者「それはだいたい変わってないわけですね?」
会社側「変わってないです。それはMax量です」
参加者「はい。まあ、タダだからなあ」

<硫酸工場>
こちらがですね、硫酸工場になります、こちらでちょっと降りて戴いてご覧いただければと思います。
えー、こちらがですね、硫酸を製造している硫酸工場になります。先ほど、というか、一番最初のほうで、ですね、見ていただいた焙焼炉。あそこで、ですね、精鉱を燃焼させて、という話をさせていただきました。その時に亜硫酸ガスが、燃焼したときに発生いたします。で、その亜硫酸ガスをですね。こちらの、こちらの工場に導きまして、ここでは排ガスを処理しながら硫酸を製造しております。えー、焙焼炉から、ですね、ちょっと見ずらいんですけど、あの遠くにある塩ビ状のですね、ネズミ色のダクトがございます。あのダクトがですね、ずっと山の上まで続いているのがお分かりになると思いますが、焙焼炉からここまでですね、あのダクトで、ここまで、焙焼炉の排ガスをここまで導いています。で、一番最初に、このミストコットレルというところに入りまして、これがですね、この正面にございますのがミストコットレル。まあ、電気集塵機でございます。こちらで、まず水分、ガス中の水分をですね、除去をします。次にですね、今度は、あのう、乾燥塔というものに送られるんですけれども、こちらについてはですね、このミストコットレルで、電気集塵機で、除去できなかった水分をさらに除去します。えー、その後ですね、今度は熱交換器というところにガスを送ります。こちらで、ですね、温度、温度調整を、ガスの温度調整を行っております。ここまではですね、ガス、まあ、塩ビパイプですので、相当温度を下げて持ってくるんですけれども、このあと硫酸にするためにですね。ちょっと温度を上げないといけないということで、ここでは、熱交換をして、ガス温度を上げる。まあ、440度くらいに温度を上げます。で、温度を上げた後ですね。今度は転化器に持ってきます。まあ、ここにある5番目のは転化器なんですけども、こちらで、ですね、SO2ガスを、SO3ガスというふうに転化をする。えー、先ほど申し上げたように、この時ですね、温度が440度くらいないといけないというようなことで、この手前に熱交換器というのを設置するということでございます。で、転化器で、ですね、SO2からSO3に転化した後ですね、今度は吸収塔、こっち側とこの7と8、こちら中間吸収塔、それから最終吸収塔になりますが、こちらで、ですね、えー、SO3ガスを硫酸に…、水に吸収させて硫酸にすると、いうことで、ですね。それ、こちらで硫酸ができると。それで、SO3ガスを吸収したガス、し終わったガス。こちらは、今度は、調湿塔に送られます。こちらではですね、えー、まあ、調湿塔の後に、また、あのう、ミストコットレルが再度付いているんですけれども、こちらは、ある程度水分がないとうまく働かないものですから、この9番の調湿塔で、ですね、調湿を行ったあと、ミストコットレルに送って、まあ、電気集塵機ですが、こちらで水分、ガスと…水分の除去と除塵を行うと。いうことでございます。で、ミストコットレルを通ったガスは、最後にですね、11番、こちらになりますけれども、排気塔から大気に放出される。で、排気塔はですね。ちょっと一番奥にある茶色っぽい、まあ、煙突ございますけれども、あそこが排気塔。あそこからこの排ガスが大気に放出されるということでございます。まあ、硫酸を作りつつ排ガス処理をしている、というのが、この硫酸工場ということになります。

参加者「あの塔はFRPですか?」
会社側「そうです」
参加者「ああ、やっぱりね。あの、放出するときのSOxは5ppmだったっけ?」
会社側「20ppmぐらいあります」
参加者「ああ、20ppmあるんだ。あとは拡散で済ますわけね。わかった、わかった。時々まだうっすらと匂うことがあるから」

 そしたら、以上で終わりにして事務所に戻りたいと思います。宜しくお願いします。
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【ひらく会情報部・この項続く】
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