市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

東電の一方的な値上げ通告に対して、値上げ中止の要請書と質問書を提出

2012-06-12 01:28:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■読者の皆さんのお宅にも届いたかと思いますが、当会事務局長宅にも6月7日、電気料金通知と一緒に、東電から「電気料金値上げのお願い」と題するチラシが配られてきました。


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電気料金値上げのお願い
 日頃より東京電力の電気をお使いいただき、誠にありがとうこざいます。
 弊社原子力発電所の事故から一年以上経過しておりますが、今なお、お客さま、地域の皆さま、そして広く社会の皆さまに、大変なご迷惑とご心配をおかけしております。改めて心よりお詫び申し上げます。
 弊社は、「事故により被害にあわれた方々への賠償」、「福島第一原子力発電所の安定状態の維持と廃止措置に向けた取り組み」、「電気の安定供給の確保」などの重要課題に全社―丸となって取り組むとともに、徹底した経営合理化を進めております。
 こうした状況の中、火力発電の燃料費等の大幅な増加により、この度やむを得ず、電気料金の値上げをお願いさせていただくことといたしました。誠に申し訳ございません。
 弊社は、皆さまに多大なご迷惑とご負担をおかけしていることを常に目覚し、さらなる経営合理化を徹底してまいります。
 今後も、電気の安定供給に全力で努めてまいりますので、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
        東京電力株式会社

電気料金の値上げQ&A
Q暮らしへの影響を考えているのですか?
A主なご家庭向け料金には、ご使用量の増加にともない料金単価が上がる3段階料金制度を採用値上げ幅をしており、節電による節約効果が反映されやすくなっています。
毎日の暮らしに必要不可欠な照明や冷蔵庫などの電気ご使用量に相当する1段料金については、値上げ幅を小さくしています。
Q燃料費の増加は燃料費調整制度で吸収できないのですか?
A燃料費調整制度は、火力発電の燃料である原油・LNG・石炭の価格変動に応じて、電気料金を調整する制度です。
この制度では、燃料価格の変動は料金に反映されますが、燃料消費量の増減は反映されません。そのため、原子力発電の停止にともなう火力発電量の増加による燃料費の増分は吸収できず、やむを得ず値上げをお願いさせていただきました。
Q今後、どのようにして電気料金は決まるのですか?
A弊社が申請した料金は、国の審査を受けるとともに、お客さまから意見を聴く公聴会、物価問題に関する関係閣僚会議を経て、経済産業大臣の認可を受けて決定されます。

<電気料金の改定プロセス>
電力会社<申請>→経済産業大臣<受理>→経済産業大臣<審査>→経済産業大臣<公聴会>→お客様<意見陳述>→経済産業大臣<審査>→関係機関<関係閣僚会議>→経済産業大臣<認可>→電力会社<実施>
※申請した料金は、国が設置した「電気料金制度・運用の見直しに係る有識者会議議」の報告を踏まえ、省令に定められた規則にもとづき算定しています。   ◎東京電力(平成24年5月)
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■このまま黙っていると、東電の電気料金値上げの理屈をそのまま容認してしまうため、この機会にきちんと反対意見を述べておく必要があると考えて、次の値上げ中止要請書と公開質問書を東電にFAXしておきました。もし、何らかの返事があれば、その時点で報告します。

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                       平成24年6月11日
東京電力 御中  FAX 0120-12-8589
                       〒379-0114
                       群馬県安中市野殿980番地
                       小川 賢
電気料金値上げ中止要請書及び公開質問
前略 東京電力福島第一原発事故で、ここ安中市の農地もセシウム汚染に悩まされています。
 さて、平成24年6月7日の電力料金通知といっしょに、「電気料金値上げのお願い」と題するチラシが配布されてきました。
 このことについて、次の理由で電気料金を値上げしないように特段のご配慮をお願い申し上げます。また、このことに関連して、貴社に対して公開質問をしたいので、平成24年6月30日(土)必着で書面にてご回答を賜りたくよろしくお願い申し上げます。
1.電気料金値上げ中止の要請
(1) 貴社においてまず徹底的な経費削減の取り組みがなされていないうちに、7月1日から平均10.28%の値上げを一方的に宣言するのは困ります。
(2) とりわけ、人件費については、貴社は、削減後に大企業の平均年収とされる543万円を下回るのは2012年度だけで、2013年以降は約570万円とするのは貴社のコスト軽視の体質のあらわれであり、値上げは容認できません。
(3) 貴社の西沢俊夫社長のいう「社員20%、管理職25%の給与カットの継続」はあてになりません。公的企業として支援を受けるのであれば、もっともっとカットが必要です。それをせずに、安易に値上げを利用者に押し付けるのは間違いです。
(4) 我々電力使用者は、電力会社を選択できません。外国では、発電、送電、配電がそれぞれ別々の電力会社で運営されているところが多いと聞きます。貴社のような既得権にあぐらを書いている電力会社からしか電力を供給してもらえないと言うのは不合理です。
(5) 料金の原価計算の前提に、2013年4月からの柏崎刈羽原発の再稼働を絡めていますが、原発の安全神話を国民に押し付けてきた責任と反省もなく、原発の再稼働を前提として値上げすることは絶対に容認できません。
(6) 火力発電の燃料費等の高騰を値上げの理由にあげていますが、天然ガスなどこれまで国際価格より数倍高いものを購入してきた背景には、原価積み上げ方式というコスト削減努力を放棄した価格決定方法を長年とってきたことがあげられます。コスト意識をもち、燃料費の高騰分を企業努力で吸収するのが本来のまともな公益企業のあるべき姿です。それを惰っていながら、安易に値上げに頼るのは本末転倒です。
2.公開質問
(1) 私の家では、福島第一原発事故による放射線レベルの増加による健康不安等にそなえて、事故の後、ロシア製の線量計を複数購入して、自宅及び地域周辺の放射線レベルを計測して、すこしでも安全な生活を目指しています。このロシア製の線量計の購入にかかる経費等は貴社に請求できますか。窓口と申請方法について教えてください。
(2) 貴社は、電気料金値上げについて一方的に利用者に通知していますが、貴社の電力の配電用の電柱等施設設置のため、民有地を利用する場合の土地使用料についても、コストの見直しを行う予定でしょうか。そうであれば、どのような改訂を現在想定されていますか。その実施時期についても教えてください。ちなみに私の所有地にもいくつか貴社の当該施設が設置されています。
 以上宜しくお願い申し上げます。        草々
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【ひらく会事務局】



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