市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

身内の不祥事に寛大な安中市に、市民世論を示した懲戒等審査委

2008-12-23 15:06:00 | 困ったちゃん岡田義弘・元市政
■10月4日未明、安中市職員が、長野県警軽井沢署に酒気帯び運転容疑で現行犯逮捕された件で、11月26日、安中市は、当該職員を11月25日付で懲戒免職処分にしたと発表しました。
安中市は11月1日付で、当該職員を教育委員会から総務部職員課に異動させ、市民の目から遠ざける配慮をしました。さらに呆れたことに、刑事事件が裁判所で係属する間は元職員を休職扱いにしたいとして、11月18日(火)午前10時から開催された安中市職員懲戒等審査委員会に諮問していました。

■なぜ、どのような経緯で、休職扱いが、急遽、11月25日付で元職員を懲戒解雇処分に切り替えたのか。そのことを確認するために、当会では、平成20年12月8日付(9日受理)で、一切の関係情報を開示請求したところ、12月19日付で、開示がありました。しかし、審査委員会における議事録は、非公開で審議されたという理由で、発言した委員の個人名と、元職員の個人情報は、条例第7条第2号及び第5号に該当する、という理由で、黒塗りされました。

安中市情報公開条例の第7条第2号では「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」は不開示情報と定めています。

また、同第5号では「率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に市民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え、若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの」と定めています。
発言した委員の個人名は黒塗りされても仕方がありませんが、元職員の今回の事故の背景を含むと思われる部分を黒塗りしたのは明らかに間違っています。

例えば、「過去に本人が同様なことを起こして処分を受けたことがあるかどうか」について、市側の回答が黒塗りされています。何らかの常習性があったことをうかがわせますが確認できません。酒癖が普段からよくない場合などは、当然上司が注意を促しておかねばなりません。

■ところが、肝心な部分が黒塗りされた議事録を読み込むと、上司の処分について審査委員から「事務局としては上司の処分についてはどう考えているか」と聞かれた真下係長が「今回の事案は、業務時間外であったので、口頭厳重注意が一般的であると個人的には思います」として、穏便な対応を願い出ていることが分かります。

本当に、上司が元職員の素行や性癖を掴んでいなかったのかどうか、開示されたのが部分黒塗りされた情報では、疑問が残る結果となりました。

**********
【回議用紙】
年 度   平成20年度
文書種類  内部
文書番号  第17321号
保存年限  永年
受付年月日 平成20年11月19日
起案年月日 平成20年11月19日
決裁年月日 平成  年  月  日
分類番号  大1 中2 小7 簿冊番号1 分冊番号1
施行年月日 平成  年  月  日
完・未完別 完結
簿冊名称  懲戒
完結年月日 平成21年5月31日
分冊名称  安中市職員懲戒等審査委員会綴
施行区分  普通
公 開   1 非公開 時限秘( 年) 部分秘 全部秘 2 公開
起案者   総務部職員課職員係 職名 主幹 氏名 真下幹夫   内線(000)
決裁区分  市長
印鑑    市長・岡田 部長・秋山 課長・上原 係長・真下 係・- 公印―
関係部課合議
課内供覧  田中・伊丹・平石
件名 職員の懲戒処分に関する事項の審査について
 平成20年11月18日に口頭諮問した総務部職員課付け 課長補佐 白石功一 及び関係する上司に対する懲戒処分に関する事項の審査について、同月19日安中市職員懲戒等審査委員会委員長より同審査委員会規則第7条の規定に基づく答申書が別祇のとおり送付されましたので、報告いたします。

【答申書】
平成20年11月19日
安中市長 岡 田 義 弘 様
   安中市職員懲戒等審査委員会 委員長 森泉寿義雄(公印省略)
職員の懲戒処分に関する事項の審査について(答申)
 このことについて、平成20年11月18日、本審査委員会に対し審査を求められた、平成20年10月24日自動車運転過失障害と道路交通法違反(酒気帯び、ひき逃げ)の罪で長野地方裁判所佐久支部に起訴された、総務部職員課付け 課長補佐 白石功一 及び関係する上司に対する処分内容について、審査の結果、下記のとおり答申する。
   記
1.総務部職員課付け 課長補佐 白石功一は、懲戒免職が妥当である。
2.関係する上司は、教育長、教育部長、文化センター所長とし、勤務時間外の事件であること等を考慮し懲戒処分には値しない。しかし飲酒運転撲滅等交通安全意識の徹底、管理職員の注意喚起の意味も含め、厳重注意等の処分を行うことが望ましい。
《添付書類》安中市懲戒等審査委員会議車緑

【安中市懲戒等審査委員会議事録】
日時:平成20年11月18日 午前10時~午前11時30分
場所:市役所203会議室
出席者:委員 須藤英利 森泉寿義雄 岡田建造 須藤隆 茂木雅俊(全員出席)
    事務局 総務部長・秋山潔 職員課長・上原有一 職員係長・真下幹夫 主事・平石和明
1.開会:総務部長
2.挨拶:岡田市長
 本日は、ご多忙のところ安中市職員懲彼等審査委員会に御出席いただきたまして、誠にありがとうございます。また、当委員会の設置にあたりまして皆様方に委員への御就任をお願いいたしましたところ、公私ともにお忙しいお立揚であるにもかかわらず、快くお引き受けをいただきまして、重ねて厚くお礼申しあげます。
 さて、本日は平成20年10月24日自動事運転過失傷害と道路交通法違反(酒気帯び、ひき逃げ)の罪で長野地方裁判所佐久文部に起訴された、総務部職員課付け 課長補佐 白石功一、また、関係する上司にたいし、安中市懲戒等審査委員会規則第2条に基づく、審議をお願いするわけでございますが、どうぞ宜しく審議のほどお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。(市長 他の公務のため退席)(配布資料の確認)
3.委員長互選:委員の自己紹介 事務局職員の自己紹介
○発言者○発言内容
総務部長「それでは暫時休憩といたします。」
総務部長「ただいま岡田区長会長さんから、森泉委員さんが委員長に決定したとご報告がありました。森泉委員長でご異議はありませんか。」
他の委員「異議無し。」
総務部長「それでは、森泉さんにご挨拶をいただきます。」
4.委員長挨拶(委員長就任の挨拶)
○発言者○発言内容
総務部長「それでは、委員長に以降の会議の進行をお願いします。」
■■■■■■「次第に沿って、進めさせていただきます。初めに、当会議は市長より白紙諮問されたということでよろしいでしょうか。」(事務局に対して確認)
総務部長「はい。先程、市長の挨拶にありましたとおり、口頭での諮問をお願いしたということでお願いいたします。」
5.議題の審議
○発言者○発言内容
■■■■■■「それでは、事件の経緯について、事務局より説明願います。」
上原課長(事件の経緯について説明)
真下係長(資料の説明)
■■■■■■「ありがとうございました。ただ今、事件の経過と資料の説朔かおりましたが、この件に関しまして、事務局にご質問等はありますか。」
■■■■■■「では私から、本人はこの件に関しまして、どのように受け止めていますか。」
上原課長「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」
■■■■■■「過去に本人が同じようなことを起こし、処分を受けた前歴はありますか。」
真下係長「■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■「職員組合として、職員を弁護することがあれば言ってください。」
■■■■■■「■■■■■■■■■■■酒気帯び運転でのひき逃げで、刑事事件で起訴されたことは、情状酌量の余地は無いと考えられます。」
■■■■■■「家庭の事情はどうですか。」
■■■■■■「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」
■■■■■■「今の時代として一番厳しい処分を受けて、公平委員会に申し立てをされることも考えなくてはなりません。」
■■■■■■「人身事故、当て逃げ、飲酒運転では、この規定(国の懲戒処分の指針)どおりにやるしかないと思います。」
■■■■■■「本人の様子はいかがですか。処分に対抗する意思は無さそうですか。(事務局に対して確認)
上原課長「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」
■■■■■■「碓氷峠向こうで酒を飲んで、朝まで寝ずにここまで帰って来ようと考えていたことが、残念でならない。村内の寄り合いで酒を飲んだ帰りに、軽トラで自損事故を起こした位なら、まだましではあったが。国の懲戒処分の指針は資料にありますが、地方自治体の方が国より処分が軽いとかの基準はありますか。」
真下係長「市の基準はありません。高崎市も平成20年4月1日付けで国の懲戒処分のとおりに要綱を改正しております。」
■■■■■■「資料7によりますと酒気帯び人身事故での措置義務違反は、免職になっているので引用できると思います。」
■■■■■■「職員の身分が報道によるものだけで、処分されないか心配していたが、手続き的なことを慎重に、世間の風潮に惑わされないで、個々の事実で検討して処分の内容を決めて欲しい。」
■■■■■■「職員は日常から、組合を含めて、飲酒運転の再発防止と安全運転の意識を高めて欲しい。」
■■■■■■「倫理的、交通安全の意識を高める必要があります。飲酒運転は日常的に起こる可能性があります。全国で飲酒によるひき逃げが起きています。今回の事実は明日は我が身、常に可能性はあります。救護義務を怠ったのは誠に残念。家族のことが心配ではあるが、委員の皆さんを説得するのは難しいのかなと思っている。」
■■■■■■「飲酒運転、救護措置義務を怠ったのは、懲戒免職で仕方ないと思っている。固の基準が指し示しているとおりに、公務員の規律を示さなければならない。本人の処分については、懲戒免職でよろしいか。」
他の委員「異議無し。」
■■■■■■「事務局としては上司の処分についてはどう考えていますか。」
真下係長「今回の事案は、業務時間外であったので、口頭厳重注意が一般的であると個人的には思います。」
■■■■■■「所長、部長、教育長、どこまで処分するか。機構上は所長が上司ではあるが、教官長には後々影響が無ければ市が襟を正す意味で、世間一般に教育長に処分を出した方が、市としてよろしいのではないかと考えます。
■■■■■■「館長は職員を指導監督しているのですか。」
■■■■■■「微妙な状況なのです。」
■■■■■■「館長に指揮監督は難しいと思います。」
■■■■■■「白石さんが日常的に飲酒をして運転をしているような習慣があったとして、それを放置していたとすれば、問題であります。館長は非常勤であれば、センター長に経歴に傷がつかない程度で良いと思う。」
■■■■■■「今回のケースが基準になると思います。」
■■■■■■「どんな形にしろ、これからこういう問題が起きないようにする必要があります。この場では、口頭での形、訓告の意見が多いですね。」
■■■■■■「処分の対象を広げるつもりは無いが、安全運転管理者はどうなのか。」
総務部長「私が市全体の安全運転管理者です。」
■■■■■■「公務中であるなら、安全運転管理者は真っ先に処分の対象になると思います。」
■■■■■■「今回は白紙諮問の形でしたが、市長の考えも聞いた上で、我々の意見を審議したかった。
■■■■■■「本人に対しては、懲戒免職。本人以外の上司については、地公法上の懲戒処分に該当せず規律維持の処分をしてもらいたいということで、よろしいでしょうか。」
他の委員「異議無し。」
■■■■■■「飲酒運転撲滅のため、公務員が率先して行動して欲しいです。他に事務局何かおりますか。」
総務部長「特にありません。」
6.閉会:総務部長
(資料回収)

【起案用紙】
年度    平成20年度
文書種類  内部
文書番号  第17408号
保存年限  永年
受付年月日 平成20年11月20日
起案年月日 平成20年11月20日
決裁年月日 平成20年11月20日
分類番号  大1 中2 小7 簿冊番号1 分冊番号1
施行年月日 平成 年 月  日
完・未完別 完結
簿冊名称  懲戒
完結年月日 平成21年5月31日
分冊名称  安中市職員懲戒等審査委員会綴
施行区分  普通
公開    1 非公開 時限秘( 年)部分秘 全部秘 2 公開
起案者   総務部職員課職員係 職名 主幹 氏名 真下幹夫 内線(000)
決裁区分  市長
決裁    市長・岡田 部長・秋山 課長・上原 係長・真下 係・- 公印―
関係部課合議 -
課内供覧  田中・伊丹・平石
件名 職員の懲戒処分等について
 上記のことについて、次のように決定してよろしいか伺います(別紙 枚)
 総務部職員課付け 課長補佐 白石功一 の、地方公務員法第29条の規定に基づく懲戒処分について、指示により下記のとおり処分することとしたいがよろしいか伺います。
 なお、関係上司については、勤務時間外の案件である等考慮し懲戒処分には値しないと判断されます。しかし、飲酒運転撲滅等交通安全意識の徹底、菅垣職員の注意喚起の意味も含め、教育長、教育部長、文化センター所長にたいし、下記のとおり訓告(文書による厳重注意)処分としたいがよろしいか、併せて伺います。
   記
1.総務部職員課付け 課長補佐 白石功一
(1)処分内容 懲戒免職
(2)処分日 平成20年11月25日
(3)辞令案
  第3661号 総務部職員課付け 課長補佐 白石功一
  地方公務良法第29条第1項第3号の規定により本職を免ずる
          平成20年11月25日 安中市
(4)処分説明書 別紙のとおり
(5)事由 地方公務員法第29粂第1項第3号該当
2.教育長、教育部長、文化センター所長
(1)処分内容  訓告処分(文書による厳重注意)別紙案のとおり
 「教育長に対する措置につきましては、市長をもって行うことが適切と判断できますが、教育委員会出向職員に対する措置につきましては、教育長をもって行うことが適切と思われます。しかし、今回は一連の措置の関係上、教育長と協議のうえ、市長よりおこなうものとする。」

【処分説明書】
総務部職員課付け 課長補佐 白石功一
処分内容     懲戒免職
処分理由:教育委員会(出向)原市公民館館長補佐として在職中の、平成20年10月3日深夜、酒を飲み軽乗用車を運転中、信号待ちをしていた乗用車に追突し、乗っていた男女に軽傷を負わせたまま、事故後の救護義務を怠りその場から逃走し、逮捕され、飲酒運転で追突事故を起こし逃走したとして、自動車運転過失傷害と道路交通法違反(酒気帯び、ひき逃げ)の罪で、起訴されております。当該行為は、法令等に違反し、また、全体の奉仕者たる公務員にふさわしくない非行であ則別紙辞令のとおり懲戒免職とするものである。
交付場所     安中市役所 市長室
教示:この処分に不服のある者は、地方公務員法第49条第4項及び同法第49条の3規定により、処分のあった日の翌日から起算して60日以内に安中市公平委員会に対して、不服申立てをすることができる。ただし、この期間内であっても処分のあった日の翌日から起算して1年を経過したときはすることができない。
平成20年11月25日 安中市長 岡田義弘

【教育長あて厳重注意書】
教育長 中澤四郎
 元教育委員会職員の原市公民館在職中の不祥事件に関連し、次のとおり厳重注意する。
 平成20年10月3日、元職員が飲酒運転のうえ交通事故を起こし、救護活動を行わなかった違法な行為が発生し、市民の行政に対する信頼を損ねたことは、誠に遺憾と言わざるを得ない。
 今回の不祥事件を反省し、今後、管理職員として、その指導責任を十分自覚するとともに、飲酒運転の撲滅が重要課題になっている今日、交通安全意識の高揚に努め、こうした事態を二度と引き起こさないよう厳重に注意する。
平成20年11月25日 安中市長 岡田義弘

【教育部長あて厳重注意書】
教育委員会(出向)教育部長 本田英夫
(以下同文)

【文化センター所長あて厳重注意書】
教育委員会(出向)文化センター所長 内田昌
(以下同文)
**********

■岡田市長は、審査委員会の冒頭挨拶をしただけで、他公務を理由にさっさと退席しました。心配した審査委員長が「この会議は岡田市長から白紙諮問されたと考えてよいのか」と事務局に確認を求めたのも当然です。

岡田市長は、公用車を使わず、あちこち公務と称して、夜の会合にも自分の車を運転して移動する機会が多いのですから、他の公務を差し置いて、酒気帯び運転事故を審議する委員会に出席すべきです。いくら、警察や検察や裁判所に強い岡田市長とはいえ、自分にも監督責任があるわけですから、審査委員会に処分決定を丸投げしては困ります。

幸い、安中市懲戒等審査委員会は常識を発揮し、安中市からの提案を退けて、懲戒免職という諮問結果を岡田市長に11月19日付けで答申しました。通常なら、即日懲戒免職になるところですが、なぜか、紹介免職処分日は11月25日となりました。岡田市長が即決をせず、だらだらと庁内の手続の流れに任せていたことが分かります。こういう問題には、余り関心が無いのかもしれません。だからリーダーシップを取ろうとする熱意を感じさせないのでしょう。

■巷の情報によれば、当該職員は、事故を起こした際に、隣の座席に女性を同乗させていたとも言われています。また、軽井沢方面には外国人パブがたくさんあり、当該職員は相当期間入り浸っていたとも言われています。そのような話が今回の事故に絡んで飛びかうということは、既に以前から市役所内でも取り沙汰されていた可能性も否定できません。

安中市土地開発公社51億円事件で単独犯とされたタゴも、その異常に高価な背広やアクセサリー、そして派手な生活ぶりが市役所内でも「七不思議」と言われていましたが、上司や同僚はそのことを知っていたにも関わらず、誰もそのことについて追及したものはおりません。今回の職員による酒気帯び運転事故への安中市の対応は、13年前の51億円事件発覚当時やそれ以前と、同じ体質であることを雄弁に物語っています。

【ひらく会情報部】

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