田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

画皮 あやかしの恋(画皮 painted skin)

2012年09月04日 22時58分15秒 | 日記
 
 血の涙を流すほど、誰かを愛したことはありますか。

 秦から漢にかけての時代、将軍・王生(ワン・シェン)は合戦の最中、盗賊に捕えられていた若く美しい女・小唯(シャオウェイ)を救出し、故郷に連れ帰る。愛する妻・佩蓉(ペイロン)に事情を話し、身寄りのない小唯を家に住まわせることに。しかし、小唯は人間の姿をしたキツネの妖魔だった。王生に恋をした小唯はさまざまな妖術で彼を幻惑し、佩蓉から妻の座を奪おうと企む。時を同じくして、町では人の心臓がえぐりとられる残忍な殺人事件が連続する。小唯の内に言い知れない不気味さを感じ取った佩蓉は、彼女が魔物の一種ではないかと疑うが・・・。(映画チラシより)


 じつは2008年の映画です。しかし、当時「怪奇ロマンス」という幻想的な世界観の悲恋物語としてメガヒットを記録、2009年には米アカデミー賞に香港代表として出品されたらしいです。

どんな男をも虜にする妖魔を演ずるのは「ウインター・ソング」のジョウ・シュン。相変わらず美しく悩ましかった。彼女が演じたからこそ、説得力を持ったのかも。愛する夫のため、妖魔に立ち向かう佩蓉を演ずるのはヴィッキー・チャオ。彼女も売れっ子ですねぇ~、ホントによく出ています。

二人の間で翻弄され、苦悩する王生を演ずるのはチェン・クン。美形でしたね~、こんな将軍なら小唯でなくとも惚れてしまうでしょう。しかも、勇敢で愛に対しても誠実。抗えない妖術に対しては仕方がないとしても。

小唯はキツネの妖魔とのことでしたが、獣に変身するシーンはなく、どちらかというと黒っぽいカナモノみたいな(カーンと音がしそうなね)姿になってました。

それにしても、悲しい物語でした。小唯は妖魔といっても、たまたまそうだっただけで、本気で将軍を愛していたのです。ただ、彼女は長く生きてきて、その容貌(若さ)を維持するために、人の心臓が必要だっただけ。もちろん、そんなにしょっちゅう人が殺されたらたまったものではないですが、彼女なりに真剣だったのです。

そして、その彼女の本気さと、この殺人をやめさせるため、妻は自ら犠牲になろうとしたのです。

しかし、将軍の妻に対する愛は本物だった。どれだけ惑わされても、妻を離さないその姿に、絶望する小唯。千年の修行で得た成果を彼女は彼女なりの愛で使ったのでした・・・。

悲しかったですね。こんなに報われない愛を見るのはつらい。
せつなかった・・・。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

神弓(最終兵器 弓)

2012年09月02日 00時14分04秒 | 日記
 
 
 幼い頃に国家反逆罪で捕えられた父を目の前で殺された兄妹ナミとジャイン。なんとか追っ手から逃れた二人は、父の友人にかくまわれひっそりと逃亡生活を送っていた。13年後、ようやく迎えたジャインの結婚式の当日、一番幸せな瞬間に、猛将ジュシンタ率いる清の精鋭部隊の襲撃によって、ジャインが捕虜として捕らわれてしまう。ナミは父の形見である家宝の<神弓>を手に取り、10万の大軍が陣取る清軍の心臓部に向かってひとり突撃する。



 原題、ハングル語なので書けません。あしからず。
少し歴史の話をすると、この「清の襲撃」が「丙子の乱(へいしのらん)」と呼ばれるものです。1636年の出来事です。



ーーー17世紀はじめ、中国全土を支配していた明が衰えを見せ、それに変わり後金が台頭してきた。1627年、後金は反後金親明的な政策をとっていた朝鮮に侵入し(丁卯胡乱)、後金を兄、朝鮮を弟とすることなどを定めた和議を結んだ。

1636年、後金のホンタイジ(皇太極、太宗)は皇帝に即位し、国号を清と改め、朝鮮に対して臣従するよう要求した。しかし朝鮮の朝廷では斥和論(主戦論)が大勢を占めたため、仁祖は要求を拒絶し、清と戦う準備に入った。清は朝鮮が謝罪しなければ攻撃すると脅したが朝鮮はこれを黙殺した。これに激怒したホンタイジは朝鮮侵攻を決意する。(ウイキペディアより)ーーー


結局、朝鮮は負けちゃうんですね。劇中、「おまえたちの国王は、這って帝の所まで来て許しを乞うたんだ。おまえたちは見捨てられたのだ!」というせりふがありますが、巨大な清軍の前には、当時の朝鮮軍は歯が立たなかったようです。

この争いによって、50万人が捕虜になったと言われています。例にもれず、妹もその夫も捕虜となってしまうのです。たまたま村を離れようとしていて助かった兄は、皆の救出に向かいます。その時、父の形見の「神弓」を手に取るのです。この「神弓」、ぐっとひねって引くことで、矢はカーブしながら飛びます(ホントか!)。

また、ジュシンタの引く弓は長弓で、矢じりだけで250g。大人の男の足を簡単に切断するほどの破壊力があるとされています(ホントか!)。

とにかく、この清の精鋭部隊が強い、強い。どこまでも追いかけてきます。お兄ちゃんもすぐれた弓引きですし、仲間もいますが、やっぱり彼らの方が格段に訓練されている。すさまじい執念です。

アジア映画って、ハリウッド映画と違って、「はぁ~、よかった。もうええわ」などと思ってから、もう一息も二息もありますね。とにかく、うやむやなハッピーエンドにはさせない。決着が着くまでとことん描きます。

なんだか体中に力が入って疲れてしまいました。

ただ、ひとつこの映画では「満州語」がキーワードになってました。ナミたち兄妹は父の影響で満州語を話すのです。でも、引きとられた友人宅はかなりの田舎で、また違うことばを話します。多分朝鮮語(?)かな。

侵略してきた清の軍人達も満州語を話すので、この兄妹は目をつけられたりします。

このへん、なぜ彼らの父親が満州語を話すのか、あるいはそれは教養であったのか、朝鮮の人がそれを話すことはなにを意味するのか、そのへんのところがわからないので、ちょっと損をしているかもしれません。

今の平和な時代に弓引きだった私は、彼らのあまりな強弓に畏怖を感じたのでありました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする