プレイボーイのビジネスマンが思わぬ嘘をついたことから始まる恋の行方を描き、フランスで200万人を動員するヒットとなったラブストーリー。パリの大手シューズ代理店に勤めるジョスランは、女性との一時的な関係を繰り返す軽薄なプレイボーイ。ある日、他界した母の家に残されていた母の車椅子に座っていた彼は、偶然その場を訪ねてきた美女ジュリーの気を引くため、自分は車椅子生活を送っていると嘘をついてしまう。そんな彼に、ジュリーは姉のフロランスを紹介する。フロランスは以前事故に遭い車椅子で暮らしているが、バイオリニストとして世界を飛び回りながら、車椅子テニスプレーヤーとしても活躍していた。魅力的なフロランスに惹かれていくジョスランだったが、最初の嘘を引きずったまま、なかなか真実を打ち明けることができず……。フランスの人気コメディアン、フランク・デュボスクが監督デビューを果たし、脚本・主演も務めた。フロランス役に「グレートデイズ! 夢に挑んだ父と子」のアレクサンドラ・ラミー。(映画.comより)
<2023年12月26日 録画鑑賞>
2018年のフランス映画。お話は”女好きの軽薄すぎる金持ち男が、本当に人を愛することと人生を学ぶまで”って感じの、よくある展開の映画なんですが、完全にコメディと笑い飛ばすには、ちょっと微妙だったような気もします。
主人公の男ジョスランは本当に最低な男で、若い女性の気を引くためならウソ・妄言は当たり前。若い女性と見て取れば、手当たり次第に噓八百で声をかけ、それは空港にネームボードを持ってお迎えに来ている女性にでも、です。「私だ」と声をかけ彼女についてゆく。話があまりにかみ合わないから女性が不審そうな顔をしても平気の平左。そんなこと、許されるとでも?彼女は仕事なんだし、本当のお客は待ちぼうけを食らう。お迎えの会社を始めたくさんの人が迷惑を被るのに、なんのつもり?とにかく、一事が万事。一緒に見ていた娘が「ここまでの妄言って、もはや病気レベルやな」とつぶやくほど、女をひっかけるために大仰な嘘をつく。
そんな彼ですから、亡くなった母親の家を整理に来ていても、向かいの部屋に住むピチピチミニスカート・タンクトップの女性ジュリーに「車椅子で生活している障がい者だ」と嘘をつきます。たまたま母親の車椅子に腰かけていただけなのですが、親切な彼女がケアワーカーと知って、フリをしたわけです。やがて彼女と親しくなり、実家でのランチに呼ばれることに。実は、彼女には車いす生活している姉フロランスがいて、その姉を紹介したかったのですね。ジュリーのバストとヒップに惹かれていたジョスランは大混乱。年増の姉なんて、まっぴらごめんです。
しかし、ここは”仲良し姉妹”だからいいけど、「お互い車椅子同士なら気持ちがわかるかと思って」と言って紹介するって、これは健常者の思い込みでは?とも思いました。妹だから素直な気持ちなんだろうけれど。
で、もちろん、噓八百のジョスランはぽろぽろとよく失敗するのですが、本当にことを言いだせないままズルズルきてしまいます。対するフロランスは、何事に対しても積極的で、運動もできる、頭もいい。そんな対比が描かれながら、ジョスランの目覚めを待つわけです。
<ここからネタバレ>
もちろん、車いす生活が長いフロランスには、そんなウソ、早くからわかっています。それでも、車椅子だからと同情される人生から、疑似的にでも華やかな恋愛を体験できる方を選んだのです。きれいなレストランでのディナーやデートと言った。彼女の潔さに比べて、いつまでたっても言い出せずにグズグズしているジョスランの往生際の悪かったことったら。イラつきました(笑)。
<ネタバレ終わり>
話は王道なので、安心して見ていられます。ちゃんとハッピーエンド。でも、男も50にもなれば、落ち着きましょうね(笑)。
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