原作:ジョゼ・ジョヴァンニ 監督・脚本:ジャン・ベッケル 出演:ジャン=ポール・ベルモンド クリスティーネ・カウフマン ベアトリス・アルタリバ ピエール・ヴァネック 1961年仏
邦画のタイトルは「勝負(かた)をつけろ」だが、フランスでの映画原題は「ラ・ロッカという男」(Un nommé La Rocca)であり、ジョゼ・ジョヴァンニの小説「ひとり狼(原題:L’Excommunié)」(1958年)を原作とした映画である。
ジョゼ・ジョヴァンニが、収獄時代に知りあったという一匹狼の男を題材にしたものである。
虚無的な犯罪映画「フィルム・ノワール」の系譜にあるものである。
主人公は、「勝手にしやがれ」(1959年)で、一躍ヌーヴェル・ヴァーグのスターとなった、ジャン=ポール・ベルモンド。
台詞は少なく、映像はモノクロである。苦悩することなく、簡単に殺人は行われる。
今日の日本の映画では、北野武の映画に通じる。
無実の罪で逮捕されている親友のアデ(ピエール・ヴァネック)を救うためにマルセイユにやってきた男、ラ・ロッカ(ジャン=ポール・ベルモンド)。
そこで、アデを陥れた街のならず者ビラノバを探すために、彼の情婦モード(ベアトリス・アルタリバ)を自分の女にする。自分の女を寝取られ怒ったビラノバはラ・ロッカを殺そうとするが、逆に殺されてしまう。
ビラノバを殺された部下はラ・ロッカに従い、ラ・ロッカはビラノバが営業している賭博の店も自分の支配下に置くことに成功する。
いわゆる、街のチンピラ・ギャングの頭になったのである。
そこへ、アメリカ人のチンピラ・グループが、「ミカジメ料」(ショバ代)を取りに、店にやってくる。それを断わったラ・ロッカは、そのチンピラを殺してしまい、自分も腹を撃たれ、逮捕される。
収監されたラ・ロッカは、アデと同じ監獄に入れられる。そこで、2人は早く出獄できるというので、危険な地雷除去作業班に入る。しかし、アデは地雷除去の際片腕を失う。
やがて出獄した2人は、アデの可憐な妹ジュヌヴィエーヴ(クリスティーネ・カウフマン)を含め、3人で暮らし始める。
アデは、3人で暮らす生活として、郊外の農場を買うための資金を得ようと、かつて自分を売った男から金をせしめる。しかし、金を取り戻すために男の部下がやってきて、誤ってジュヌヴィエーヴが撃たれ、彼女は死んでしまう。
ラ・ロッカはアデにこう言って、アドの元を去る。
「おまえが、彼女を殺したのだ」
主演のジャン=ポール・ベルモンドは、当時まだ20代で、一匹狼の殺し屋の凄みはないが、アラン・ドロンとフランスで人気を二分する、スターの片鱗を見せている。
クリスティーネ・カウフマンは、清純なフランス人形のような雰囲気がある。少しマリナ・ブラディーのようであり、アンナ・カリーナのようでもある。
「戦後西ドイツ最大の清純スター」と言われたが、役柄に恵まれなかったせいか、女優としては大成しなかった。
原作者、ジョゼ・ジョヴァンニは、のちに自ら監督し、主演もジャン=ポール・ベルモンドで、『ラ・スクムーン』(1972年)として再映画化している。こちらの方は、クラウディア・カルディナーレが出演している。
邦画のタイトルは「勝負(かた)をつけろ」だが、フランスでの映画原題は「ラ・ロッカという男」(Un nommé La Rocca)であり、ジョゼ・ジョヴァンニの小説「ひとり狼(原題:L’Excommunié)」(1958年)を原作とした映画である。
ジョゼ・ジョヴァンニが、収獄時代に知りあったという一匹狼の男を題材にしたものである。
虚無的な犯罪映画「フィルム・ノワール」の系譜にあるものである。
主人公は、「勝手にしやがれ」(1959年)で、一躍ヌーヴェル・ヴァーグのスターとなった、ジャン=ポール・ベルモンド。
台詞は少なく、映像はモノクロである。苦悩することなく、簡単に殺人は行われる。
今日の日本の映画では、北野武の映画に通じる。
無実の罪で逮捕されている親友のアデ(ピエール・ヴァネック)を救うためにマルセイユにやってきた男、ラ・ロッカ(ジャン=ポール・ベルモンド)。
そこで、アデを陥れた街のならず者ビラノバを探すために、彼の情婦モード(ベアトリス・アルタリバ)を自分の女にする。自分の女を寝取られ怒ったビラノバはラ・ロッカを殺そうとするが、逆に殺されてしまう。
ビラノバを殺された部下はラ・ロッカに従い、ラ・ロッカはビラノバが営業している賭博の店も自分の支配下に置くことに成功する。
いわゆる、街のチンピラ・ギャングの頭になったのである。
そこへ、アメリカ人のチンピラ・グループが、「ミカジメ料」(ショバ代)を取りに、店にやってくる。それを断わったラ・ロッカは、そのチンピラを殺してしまい、自分も腹を撃たれ、逮捕される。
収監されたラ・ロッカは、アデと同じ監獄に入れられる。そこで、2人は早く出獄できるというので、危険な地雷除去作業班に入る。しかし、アデは地雷除去の際片腕を失う。
やがて出獄した2人は、アデの可憐な妹ジュヌヴィエーヴ(クリスティーネ・カウフマン)を含め、3人で暮らし始める。
アデは、3人で暮らす生活として、郊外の農場を買うための資金を得ようと、かつて自分を売った男から金をせしめる。しかし、金を取り戻すために男の部下がやってきて、誤ってジュヌヴィエーヴが撃たれ、彼女は死んでしまう。
ラ・ロッカはアデにこう言って、アドの元を去る。
「おまえが、彼女を殺したのだ」
主演のジャン=ポール・ベルモンドは、当時まだ20代で、一匹狼の殺し屋の凄みはないが、アラン・ドロンとフランスで人気を二分する、スターの片鱗を見せている。
クリスティーネ・カウフマンは、清純なフランス人形のような雰囲気がある。少しマリナ・ブラディーのようであり、アンナ・カリーナのようでもある。
「戦後西ドイツ最大の清純スター」と言われたが、役柄に恵まれなかったせいか、女優としては大成しなかった。
原作者、ジョゼ・ジョヴァンニは、のちに自ら監督し、主演もジャン=ポール・ベルモンドで、『ラ・スクムーン』(1972年)として再映画化している。こちらの方は、クラウディア・カルディナーレが出演している。