写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

年末ジャンボ宝くじ

2014年12月04日 | 生活・ニュース

 12月に入ると、辺りはにわかに慌ただしさを増してくる。そんなことを思いながら我が家でも、先週から中庭にイルミネーションを点滅させ始めた。こんなことで気分はいくらか高揚してくる。テレビからジングルベルの曲が聞こえてくる中「年末ジャンボの発売期間は12月19日まで」と、一段と高い声が聞こえてくる。

 年末ジャンボは売り出されたばかりかと思ったら、すでに11月の21日から発売されているという。毎年買っている訳ではなく、気が向いた時に30枚ばかり買う時がある。「前後賞を合わせて7億円!」と、いかにも1等賞が前後賞とセットで当たるようなことを叫んでいるが、それも連番で買った運のいい人のことだ。

 年末ジャンボの1等は5億円が49本、前後賞の1億円は98本。合わせて147本である。宝くじの販売枚数は6億6千万枚というから、440万枚買えば1本当たるという確率になる。440万枚買うためには13億円要る。それでも当たらないかもしれないので、こんなに大量買わないのは当たり前。

 手にしたことも見たこともない億単位の金や、確率の数字を書いて見ても、あまりピンとは来ない。何かこの確率を身近なものに例えて分かりやすく表現できないかと考えてみた。身近な米粒である。1升の米粒は6万5千粒くらいだという。それであれば440万粒は約70升。すなわち、70升の米粒の中に金色の米粒が1粒が入っているという計算になる。

 我が家で2人が食べる米の量を奥さんに聞いてみた。1日に2合という。1年では約70升。奇しくも年末ジャンボの米粒の量と同じになっている。そうか、我が家で1年間に食べるご飯の中に、たった1粒、きらりと光る1億円か5億円の米粒が紛れ込んでいる確率と同じだということが分かった。

 その時テレビから「お前の夢は金で買えるのかっ!」というCMのセリフが飛んできた。「そうだ、金が全てではない。生きてるだけで 丸儲けだ」。今年は体調の変化があっただけに、この言葉が胸に染みる。 「そんな計算をしている暇があったら、窓ガラスの1枚でも拭いて下さい!」。奥さんから早くも年末掃除の指令が飛んできた。