中山11R フェアリーS
◎10.カービングパス
○2.コートシャルマン
△4.ノットフォーマル
×1.テンダリーヴォイス
×12.ギンザヴィクトリア
注13.アドマイヤピンク
注16.トーセンラーク
カービングパスはコディーノの半妹で、母ハッピーパスは京都牝馬S勝ち馬で、シンコウラブリイやキングストレイルなどが出るハッピートレイルズにさかのぼる牝系。赤松賞は1人気を裏切る3着に終わったが、ハービンジャー産駒は東京芝[1-2-4-20]に対し中山芝[4-3-3-13](1/11終了現在)、明らかに平坦大回りより急坂小回り向きという傾向を示している。ベルーフが東京の百日草特別2着後に阪神のエリカ賞を快勝したように、本馬も中山替わりで前進が見込めるから、7頭も出てきた赤松賞組から取るならこれだろう。コートシャルマンは血統的に素質や将来性は評価できるが、現状は1400mがベストにも見えるし、ここはスローなら巻き返しがあるという見立てで。テンダリーヴォイスはデニムアンドルビーと同じディープ×キンカメで、母系の奥にナスキロ血脈が強いからこれは中山より東京向きという見立て。トーセンラークのキャリアと機動力も中山マイルで怖いが、立ち回りの巧さを活かしたいだけにこの大外枠は厳しいか。
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今年のフェアリーは赤松賞の再戦のような組み合わせで、当然その取捨上げ下げが大きなポイント、私はカービングパスとノットフォーマルとギンザヴィクトリアを上げてテンダリーヴォイスを下げてみたんですが、結果はノットフォーマルがジワッとハナに立ってそのまま押し切り、鞍上黛にとっても父ヴァーミリアンにとっても嬉しい重賞初制覇
ローデッドはオースミハルカの下やからAlydarパワーで捲ってナンボ、中山向きの脚質なのは承知してましたが、前走の勝ち方がいかにもしぶとい中距離馬に見えたので、マイルでは捲るところまでいかないんじゃなかろうかと無印…
戸崎は向正面で押し上げたのが巧かったですが、この馬はディープ産駒でもチューリップよりフラワー向きやと思います
テンダリーヴォイスは最内の北宏らしいソツのない立ち回りも、デニムアンドルビーと同じディープ×キンカメで母母のところにナスキロ2本、細身で脚長でやっぱりこれは東京マイルがベストで、次クイーンCに出てきたらローデッドには先着するだろうと
コートシャルマンはJFの止まり方が酷くて、Mr.Prospectorが強い体型からも現状1400mベストではないかという疑念が湧いてきて、ここはスローもありうるからもうちょっと辛抱するかもしれない…という○でしたが、このペースでも最後ひと押しきかなかったのは、やっぱり少し距離が長いのではないかと思います
カービングパスは好位でちょっと怒らせ気味に走らせて、うんうんハッピートレイルズはそれでエエんよ…と頷きながら観ていたんですが、直線はコートシャルマンが手応えほど伸びなかったのでスペースがありませんでした…
「道中は良かったです。しかし4コーナーで出るところがありませんでした。申し訳ありません」
うんうん4角までは良かったよ。あれぐらい怒らせて走らせたほうがいいよ。あれでもうワンポジ前で、引っかかる寸前で4角でうなってれば、岡部さんとシンコウラブリイの世界やで…と柴山の背中ポンポン(・∀・)
ヴァーミリアンは泣く子も黙るダート王として長く君臨しましたが、2歳時にはクラシックの登竜門ラジニケを勝っているし、母はダイワメジャーと同血でそこにエルコンドルパサーですから、たしかにパワーが勝ってはいますが芝もOKという血統
父系がMr.Prospectorで、サンデーサイレンス、ノーザンテースト、Sadler's Wells≒Nureyevと主要なNearco系の血をひと通り持っていて、クロスがNorthern Dancer4・5×4、2歳の短距離戦で勝ち上がる産駒がけっこう出ているのも、サンデーサイレンスかノーザンテーストかMr.Prospectorか、なんらかの強いクロスができてしまうというのもあるでしょう
というわけで産駒の配合の呼吸はだいたいキングカメハメハと同じで、まずはNorthern Dancer4・5×4を緩和することが第一、しかしその場合、キンカメやハービンジャーと違ってサンデー牝馬を使いにくいというのが弱点ではあります
だからついに出たヴァーミリアンの重賞勝ち馬ノットフォーマルが、母系にNorthern Dancerの血を一本も引かないというのは、配合史的には、緊張と緩和のリズム的には実に順当というべきなのです
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012103224/
ノットフォーマル自身のクロスはサンデーサイレンス3×3、Kingmambo≒Majestic Prince3×4、Pasadoble≒Alleged5×5、そして母母トロフィーポイントがBlue Eyed Momo≒Busanda4×4ですから、サンデーの柔らかさよりもKingmamboやAllegedやBuckpasserのパワーのほうがONになっていて、あくまでこのパワーでゴリ押しして強いタイプ
力馬なので赤松賞やアスター賞を見てのとおり外回りの斬れ勝負ではテンダリーヴォイスに完敗つづきですが、札幌のクローバー賞ではトーセンラークと接戦の2着があり、中山でパワーに任せて先行すれば一変があって不思議はなかった
下記エントリ「繁殖として成功するKingmambo≒Majestic Prince」も参照していただきたいですが、KingmamboとMajestic Prince(=クラウンドプリンス)は、Raise a Native、Nasrullah≒Royal Charger、Flower Bowl≒Your Hostessが共通するニアリーな関係です
┌Raise a Native
┌○ ┌Nasrullah
││┌○
│└△
Kingmambo
│ ┌○
│ ││┌Alibhai
└△┌○└Flower Bowl
└△ └△
└Boudoir
┌Raise a Native
Majestic Prince(=クラウンドプリンス)
│┌Royal Charger
└△┌Alibhai
└Your Hostess
└Boudoir
このKingmambo≒Majestic Prince(クラウンドプリンス)のニアリークロスを持つ主な活躍馬には、レディアルバローザ、アンバルブライベン、ミヤジエムジェイ、イッシンドウタイ、クラリティシチー、あとレディルージュ・リラコサージュ姉妹(母サッカーマムがKingmambo≒Majestic Prince1×4)やダイワバーバリアン・ストロングガルーダ兄弟(母フィニックスバードがKingmambo≒Majestic Prince1×3)などがおり、だいたいパワーの勝ったタイプが出やすいことはイメージしていただけるのではないかと
またダイワバーバリアン・ストロングガルーダとノットフォーマルは母母トロフィーポイントが同じイトコ同士でもあり、つまりこの牝系はMajestic LightにKingmamboを合わせることで成功している、という言い方もできるかと
サッカーマムもフェニックスバードも高打率高長打率の名繁殖牝馬ですが、下記エントリでも書いたようにこのニアリークロスは繁殖牝馬としての成功率が非常に高く、私がサッカーマムの仔を毎年ピックするのも、このニアリークロスを評価しているというのが大きいのです
淀短距離で2着に残ったアンバルブライベンはKingmambo≒クラウンドプリンス2×3、このパワーを武器に短距離の逃げ馬としてオープンを張ってますが、もうちょっとで同じニアリークロスが東西メインを逃げ切ってしまうところでした(・∀・)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009104154/
というわけでノットフォーマルもアンバルブライベンもレディアルバローザも、繁殖としてもなかなか有望なニアリークロスを持っているのです(・∀・)
ニックス(7)~繁殖として成功するKingmambo≒Majestic Prince=クラウンドプリンスのニアリークロス
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/ede2c596b1198f667f0c691ac4ba64a1
ヴァーミリアンを付けてみたいという牧場関係者からすると難問とまではいかないでしょうが、なかなか難しいですね。
主流を持ちすぎてる故に扱いづらい存在だと感じましたf(^^;
今回をきっかけにヴァーミリアン産駒が増えてそこからヴァーミリアンの様なダート王が誕生してほしいです。