阪神11R菊花賞
◎18.オーソクレース
○17.ヴィクティファルス
▲3.タイトルホルダー
△14.ステラヴェローチェ
×2.アサマノイタズラ
×8.エアサージュ
×11.ディヴァインラヴ
×15.ヴァイスメテオール
今年の菊花賞はダービー馬と皐月賞馬が出てこないので、言葉は悪いが飛車角落ち。だからコントレイルのように性能が適性を凌駕するという結末にはならないだろう。やはり長距離適性、スタミナだけでなく折り合いや燃費のよさは重視したい。
オーソクレースはサンデーサイレンス4×3とサドラーズウェルズ4×5の父母相似配合で、まさに父エピファネイアと母マリアライトを足して割ったような馬に出た。父はダービー馬不在の菊を制覇。母は古馬になって宝塚とエリ女勝ち。2歳時から素質は見せてきたが、中距離×中距離×中距離の配合だから本格化は菊だろうと書いてきたし、明らかに仕上がり途上のセントライトを叩いて体つきも追い切りの気配も一変している。
ヴィクティファルスもハーツクライ×ガリレオ×シルヴァースカヤだから中距離×中距離×中距離で、体質や走りはロベルト的なステイヤーに見えるから、先々はフェイムゲームやトウカイトリックのようなステイヤーに完成するだろうと書いてきた。ここまでそのイメージどおりの成長曲線を辿っていると思う。
タイトルホルダーはメロディーレーンの半弟だし、母方のハイペリオン的スタミナが表現された走りは斬れ味に乏しいが粘着力に富む。陣営は「晩成型だから菊が最も楽しみで、緩めず先行で持続戦に持ち込みたい」と宣言している。その意気も買いたい。武史なら注文どおり動かしてくるだろう。
ステラヴェローチェは2歳時はゴーンウエストのマイラーに毛が生えたようなイメージだったが、神戸新聞のパドックはクロノジェネシスのように後駆がバンプアップして本格化ムード。走りにもバゴやナシュワンの重厚さが更に感じられるようになってきた。今週の坂路が地味だったのは、渋くなって調教では動かなくなっているのもあるかもしれない。
勝つのはこの4頭だと思うが、ディヴァインラヴも燃費のいい走りはステイヤー然としておりメロディーレーンより上の着順を狙えそうだ。
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例によってNETKEIBAの全頭血統解説より1~3着馬を
タイトルホルダー
メロディーレーンの半弟で、母メーヴェはJRA5勝。3代母Lora's Guestの全姉に英1000ギニー馬On the Houseがいる。母父Motivatorは英ダービー馬でヴァンドギャルドの母父。皐月賞は厳しい流れを踏ん張り2着。ダービーはスローで鋭さ負け。母も姉もスタミナ豊富で、本馬も確かな持続力と地力を感じさせる。セントライトは直線抜け出すスペースがなかったが、馬そのものには成長が感じられた。スタミナと底力で横綱相撲をとりたい。(距離○スピード○底力◎コース◎)
オーソクレース
クリソベリルやリアファルの甥で、母マリアライトは宝塚記念とエリザベス女王杯勝ち。エピファネイア×ディープインパクトはアリストテレスやムジカと同じで、Sadler's Wellsのクロスも同じ。父譲りのしなやかさと母譲りの頑強さを絶妙なバランスで受け継ぎ、ふだんはうるさいが実戦では従順で馬群や折り合いに大きな問題はない。7~8分程度の仕上がりだったセントライトを叩き上昇、昨年のアリストテレスぐらいはやれそうなムードが。(距離◎スピード○底力◎コース◎)
ディヴァインラヴ
サンデーウィザード、ヒーズインラブ、ドゥラモンドの姪で、母母シーズインクルーデッドはデルマーデビュタントS(米G1・ダ7F)3着。エピファネイア×ディープインパクトはアリストテレス、オーソクレース、ムジカなどと同じ。レースぶりや体質もいかにも長いところ向きだが、母母にマイラーっぽい血が強いので全体のバランスとして好感が持てる。牝馬ながら菊に挑んできたが、19年メロディーレーン(5着)のような力走を秘かに期待。(距離◎スピード○底力○コース○)
オーソクレースはキャロツアーで実馬を初めて見たんですが、周回展示では何かに怯えてうるさかったものの身のこなしがよくて、ああこれはわかりやすくエピファとマリアライトを足して割ったイメージや、わかりやすい父母相似配合やという第一印象やったんですが、あのときの姿と今日の菊花賞のパドックがみごとに線でつながったというか、そうそうこんな馬になるといいなあと思ったんや…というオーソクレースがそこにいました
だから伯父リアファルの無念(1人気3着)を晴らして欲しかったんですが、Motivator肌は優秀、モチ肌はいいぞと言いつづけて、今年はPOGでステラリアをイチオシし、「ドゥラメンテ産駒の配合においては(ロードカナロアと同じく)Nureyev≒Sadler's Wellsの3/4同血クロスが第一手だろう」と種牡馬辞典で書いた私としては、Nureyev≒Sadler's Wells5×4の初年度産駒タイトルホルダーが大きなタイトルを獲得したこともとても嬉しい(ホープフルではオーソクではなくタイトルが◎でした)
私が調べたところでは、Motivator産駒の海外重賞勝ち馬はTreve(凱旋門連覇)やRidasiyna(仏G1オペラ賞)をはじめ計16頭、うち10頭が牝馬で、残るFelician、Hamish、Motivado、Pallasator、Sky Hunter、Robin Hoods Bayは全てセン馬というおそるべきフィリーサイアーぶりで、日本で最も活躍したのもタイトルホルダーの母メーヴェです
裏を返せば牡駒が全く走らなかったので種牡馬失敗の烙印を押されたわけですが、Motivatorの母Our WestはMixed Marriage4×4、母父Gone Westの母父がSecretariat、3代母Uncommittedは名繁殖でBuckpasserの娘でBusanda≒Better Self2×2
肌に回ったら最高といえる血脈構成をしているし、超フィリーサイアーな産駒成績からも母父Motivatorは非常に有力で有能やと思っていますが、日本に輸入されたMotivator牝馬はメーヴェ、スキア(ヴァンドギャルドの母)、ポリネイター(ステラリアの母)の3頭で、いずれもオープン馬を産んでいるんですよね
またドゥラメンテはこのMixed Marriageの血と相性が良く、Sharpen UpやGone Westなどを通じて母系にMixed Marriageの血を引くドゥラメンテ産駒は、JRAに38頭が出走し22頭が勝ち馬、タイトルホルダーの他にもアスコルターレやアイコンテーラーなどが出ています
タイトルホルダーの走りにはこのMixed Marriage(Tudor Minstrel産駒でSon-in-Law4×4)やBe My Guest(Northern Dancer×Tudor MinstrelでHyperion4×4)の「HyperionとLady Juror」的な粘着力が強く表現されています
だから父ドゥラメンテのように豪快な全身運動で直線バキューンと爆発というタイプではないんですが、ずっと同じフォームで実直に走りつづけることができて父より小回りがきくので、そういう意味では阪神内回り菊花賞らしい馬が勝ったといえるのではないかと
下記の弥生賞を勝ったときのPacallaの記事で「晩成型だから一番使いたいのは菊花賞」と明言していた岡田牧雄さん、その牧雄さんの指示どおりに果敢にハナを切り、父横山典弘のセイウンスカイの再現のような逃げ切りを演出した横山武史はまだ22歳
https://pacalla.com/article/article-3098/
日曜のボツ予想ではエピディープ(エピファネイア×ディープインパクト)のすごいステイヤーぶりを力説しておいたんですが、エピディープの芝距離別成績は上のようにすごいことになっとります
ステラヴェローチェはレース後の吉田隼人のコメントが全てで、馬体の張りも明らかに前走のほうがよかったし、レッドジェネシスともども道悪の神戸新聞を力走した反動があったのだろうし、それでオーソクレースとビッシリ叩き合ってのこの4着はやっぱりかなり強い
何にせよ、見事な武史の逃げきりでした。
あ、Mixed Marriageの直系だ
これまた色々とイジりがいがありそうな(^w^)