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第42回フェブラリーS回顧~黄金配合カナロア×ハーツ、名手が絞り出すHyperion

2025-02-25 19:49:49 | 血統予想

東京11RフェブラリーS
◎14.ミッキーファイト
○12.サンライズジパング
▲9.コスタノヴァ
△1.エンペラーワケア
△15.ガイアフォース
×6.メイショウハリオ
×11.ペプチドナイル
前売りオッズは3強という売れ方だが、日曜も東京はパサパサの良だろうから、ロードカナロア産駒で1400寄りのエンペラーやコスタよりも、エアグルーヴ牝系で1800~2000に実績があるミッキーファイトを上位視した。マイルを走るのは新馬戦以来だが、前走は555キロまで馬体が増えてうなるような行きっぷり。中間は坂路で50.9-37.1-24.0-11.5を叩き出し、マイラーとしてパワーアップ中とみる。ちなみに東京ダ1600のリステッドやオープンを勝ったドレフォン産駒はこれまで3頭いて、コンシリエーレ(552キロ、550キロ)、コンティノアール(522キロ)、デシエルト(522キロ)といずれも大型。サンライズジパングは母が名牝クードフォリー4×3、自身はストームキャット≒ロイヤルアカデミーのニアリークロス3×4で配合はA級だ。マイルは1F短いが、大跳びでコーナリングが悪いので東京はベストコース。前半は離されるだろうが豪快に追い込むとみてこれが相手。

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例によってNETKEIBAの全頭血統解説より1~3着を

コスタノヴァ
リレーションシップの3/4弟でファイアンクランツの3/4兄。母カラフルブラッサムはJRA3勝(芝1800~2000)。母母トロピカルブラッサムはミレイディBCH(米G1・ダ8.5F)3着でピイラニハイウェイの母。ロードカナロア×ハーツクライは重賞勝ち馬が何頭も出る有力ニックス。ナスペリオン的ストライドで東京の直線を確り駆ける馬で、根岸Sも欅Sも好内容だし、体型的にもベストは1400か。東京マイルも3戦3勝だが、この相手だと高速決着になったほうが分がある。(距離○スピード◎底力◎コース◎)



サンライズジパング
グランシエロの下で、ATCチッピングノートンS(豪G1・芝1600m)のContributerの甥。母母Serisiaはプシケ賞(仏G3・芝2000m)勝ち馬。英チャンピオンSのKing of Steelも近親。母サイマーは名牝Coup de Folieの4×3をもつ。大型でNijinsky的に伸びのある体型で、持続力ある末脚が武器。大箱向きの中距離馬で、コーナリングがよくないので広い東京は歓迎も、マイルのHペースだと後ろからになりそう。どこまで追い込めるか。(距離○スピード○底力◎コース◎)



ミッキーファイト
ジュンライトボルトやグルーヴィットの半弟で、3代母エアグルーヴは秋天とオークスに勝ち子孫にドゥラメンテやルーラーシップなど活躍馬多数の名牝名繁殖。父ドレフォンは昨年のダートリーディングサイアーでジオグリフなどの父。この牝系のドレフォン産駒といえばデシエルトがいる。ドレフォン産駒にしては伸びがある体型で、ストライドで走るので東京はいいだろう。ベスト距離はおそらく1800で、マイルだと中団以降から差す形になるか。(距離○スピード○底力◎コース◎)



公式ラップで比較すると、昨年は12.0-10.8-11.1-11.7-12.3-12.5-12.4-12.9=1.35.7、今年は12.2-11.1-11.7-12.2-12.2-12.2-11.7-12.2=1.35.5

昨年はドンフランキーが引っ張ってイグナイターが追いかけたんですが、今年はミトノオー、サンデーファンデー、ウィリアムバローズと中距離路線の馬たちによる先導で淡々と流れた感じ

コスタノヴァはスタートはイマイチでしたが、その後のペースが速くないので難なく先行勢の直後に押し上げられたし、キングさんとしては人気薄の先行3頭はおそらく直線で止まるだろうから4角でその外に持ち出せればOK

満を持して追い出されると、ビュンと加速するというほどではなくとも、ずっと同じフォームで同じ脚色でゴールまでしっかり駆け抜けたという、実にHyperion的な好位抜け出しの勝利やったと思います

カナロア2頭は距離適性としては1400寄りという見立てやったんですが、馬体重どおり筋肉豊富なエンペラーワケア、血統どおり芝馬のような体つきのコスタノヴァ、やっぱりコスタのほうがマイルで我慢がきくんじゃないかとはパドックを見て思いましたね

仮にマイルが少し長かったとしても、許容範囲を超えたところでの踏ん張り頑張りこそがHyperionの真骨頂なのだ、ということは当ブログでは何度も書いてきたし、この大一番のテン乗りでコスタノヴァのHyperionらしさを存分に引き出したキングさんはさすがというしかなかった

「パドックで一頭あげるならばサンライズジパング」と書いておきましたが、まさに音無先生渾身の仕上げで惜しい2着でした

レースでは予想どおり後ろから、でもペースがあまり速くないのでそんなに離されずついて回れたし、そのぶん馬群が密集したのでいつものように大外を回したらロスになりそうでしたが、そこはベテラン幸が絶妙のイン差し

「ストライドで走るから大箱向き」「コーナリング加速がよくないから広いコース向き」ってなことを我々もよく書きますが、中京やといつも大外を回しつづけるしかないサンライズジパングが最内に突っ込めたのは、ようはコーナーの数とRの大きさなんですよね

ミッキーファイトも馬体重550キロどおりの肉付きで、これならマイルで追走に戸惑うことはないだろうと思われたのですが、今日のペースだとむしろ噛み気味なぐらいで、しかもずっと馬群が固まって進んだので、外枠からずっと外4を回らされることに

もうちょっと流れて縦長になったほうがレースはしやすかったかもですが、まあこれぐらいは走るだろうという想像どおりの走りは見せてくれたし、コスタノヴァの頑張りがそれ以上に素晴らしかったと称える以外にないです

<ワンターン大箱ダートマイルにおける本格的なスピードを競うレースで、最近はStorm Cat(レモンポップ、カフェファラオ、モズアスコット、レッドルゼル)とKingmambo(ペプチドナイル、レモンポップ、レッドルゼル、エアスピネル)の血が強い。スピードが出る締まった馬場だとStorm Catの軽いスピード、良馬場だとNureyevのパワーが優位、というイメージだ>

全頭血統解説の導入文ではこのように書いたのですが、直近10年のフェブラリーSにおいて、勝ち時計が1分35秒台のときは、コスタノヴァ、ペプチドナイル、レモンポップ、インティ、ゴールドドリーム、コパノリッキーと、キングカメハメハやゴールドアリュール経由でNureyevをもつ馬が勝つケースが圧倒的に多い

いっぽう高速決着となった22年(1.33.8重)、21年(1.34.4良)、16年(1.34.0重)は、カフェファラオ(連覇)とモーニン、勝ち馬はいずれもStorm CatはもつがNureyevはもたないんですよね

サンライズジパングは母サイマーが名牝Coup de Folie4×3で、自身はStorm Cat≒ロイヤルアカデミーのニアリークロス3×4と、キズナ産駒としても見どころの多い配合

同じくStorm Cat≒ロイヤルアカデミー3×4のキズナ産駒リビアングラスが先の京都記念で2着、またロイヤルアカデミー≒Storm Cat4×4のファインニードル産駒エイシンフェンサーがシルクロードSで重賞初制覇と、最近も活躍が目につくニアリークロスです

このクロスをもつ馬はStorm Cat的なスピードでダートを走るので、以下のように渋った馬場が鬼で、サンライズジパングも重賞勝ちは京都1800重のみやこSと盛岡2000稍の不来方賞で、つまるところ「Rが大きいコースの脚抜きのいい馬場」が最強だろうと

Storm Cat≒ロイヤルアカデミーをもつ馬のダ馬場状態別成績


ロードカナロア×ハーツクライはコスタノヴァ、ケイデンスコール、トロワゼトワル、ロードデルレイ、ヴァルディゼール、そして豪G1ブルーダイヤモンドS勝ちTagaloaと、計6頭の重賞勝ち馬を出しており、父ロードカナロアからみても母父ハーツクライからみても最有力のニックスといえます

いつも書くように、短距離~マイルの種牡馬には中長距離の肌を、中長距離の種牡馬には短距離~マイルの肌を、というのが配合論のイロハのイ

以下はG1勝ちカナロア産駒を母父別にソートしたもので、こうしてみると母父が短距離~マイルなのはダノンスマッシュとファストフォースとレッドルゼルぐらいで、そしてこの3頭はいずれも短距離のG1を勝ってますね

パンサラッサ(Montjeu)
ダノンスコーピオン (Sligo Bay)
ファストフォース(サクラバクシンオー)
アーモンドアイ(サンデーサイレンス)
サートゥルナーリア (スペシャルウィーク)
ブレイディヴェーグ (ディープインパクト)
コスタノヴァ(ハーツクライ)
Tagaloa(ハーツクライ)
ダノンスマッシュ(ハードスパン)
ベラジオオペラ(ハービンジャー)
ステルヴィオ(ファルブラヴ)
レッドルゼル(フレンチデピュティ)

ロードカナロアのような短距離~マイルの種牡馬は、ハーツクライやスペシャルウィークやMontjeuのような重厚な中長距離の肌に配して、マイル~中距離で成功するというのが配合論の王道なのだ、ということが理解していただけるかと思います

中長距離の肌でもディープインパクトよりはハーツクライやSadler's Wells系との配合が成功しているのは、ロードカナロアは母レディブラッサムがSecretariat=Syrian Seaの全きょうだいクロス3×4で、短距離種牡馬ながら非常に柔らかな体質をよく伝えるので、これ以上ナスキロ柔さを増幅するよりはナスペリオン的な剛性あるストライドに転化したほうがいいということでしょう

カナロア×ディープ唯一のG1馬ブレイディヴェーグはNureyev5×5をもつし、女王アーモンドアイもNureyev5×3でナスキロのクロスはもたないし、カナロア×バクシンオーの黄金配合にしても、ナスキロではなくナスペリオンで攻めているのだという見方はできますよね


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2 コメント

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Unknown (後方侭)
2025-02-25 20:42:02
望田さん渾身の◎が印象深いジャンダルム。
数少ない産駒デビューの際は中距離馬を肌に持つ馬に注目してみようと思います。
合掌。
返信する
Unknown (MJ)
2025-02-25 21:08:52
スプリンターズは京サラのツアーの日で、グランデを出て空港に戻る途中、山あいでバスのテレビの映りが怪しくなってきて、ジャンダルムが先頭に立ったその瞬間に画面が真っ暗になりました(^ ^;)配合診断ではたまにすすめたりしてたんですけどね…合掌
返信する

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