阪神11R阪神JF
◎5.モリアーナ
○9.リバティアイランド
▲3.シンリョクカ
△17.ウンブライル
×4.アロマデローサ
アルテミスSはレースラップが60.0-33.8だから、マイル戦でも中距離質のレースになった。リバティアイランドもラヴェルも1600より1800ベターの中距離馬とみている。もちろんここも1分33秒後半の決着ならば、素質ある中距離馬が60秒で追走して33秒台で爆発できるレースになるのだが、もうちょっと流れて高速決着になるとソダシやレシステンシアがマイラーとしての絶対スピードで圧倒する。
◎はモリアーナ。エピファネイア産駒だが、母父ダイワメジャーやハビタット5×5の影響も強いマイラーっぽい体型加速で、前走は札幌1800でドゥアイズに完勝。外マイルならもっと爆発できそうなイメージだし、昨年のサークルオブライフにつづくか。
シンリョクカも中距離馬だが、母方のカーリアンが表現されてブエナビスタのように斬れる。ペースが流れて追走できるかがカギだが、斬れ味は一級品でオークスが楽しみな素材だ。
アロマデローサは1400ベストだが前走は不利があったし、バラ一族らしいミルリーフ的斬れは外回り向き。イーガンはなかなか達者だし、ここまで人気急落ならヒモ穴に加えたい。
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まずは例のごとくNETKEIBAの全頭解説から1~3着を(シンリョクカは朝日杯のものを)
リバティアイランド
ロムネヤの妹で、ITCケンブラグランジクラシック(豪G3・芝1600m)勝ちMiravalleの姪。母ヤンキーローズは豪2歳女王&3歳女王でATCサイアーズプロデュースS(豪G1・芝1400m)などに勝った。母父All AmericanはVRCカンターラS(豪G1・芝8F)勝ち。そこにドゥラメンテでトライマイベスト=El Gran Senor5×4が光る好配合。アルテミスSは猛然と追い込んだが、追い出しを待たされたぶん届かず。加速も中距離っぽいが、性能の高さでここも勝ち負けに。(距離○スピード○底力◎コース◎)
シンリョクカ
インターミッションやスライリーの下で、ダノンシャークの姪で、スペチアーレのイトコ。母レイカーラはターコイズSなどJRA5勝。父サトノダイヤモンドは有馬記念と菊花賞の勝ち馬で、2歳が初年度産駒でダイヤモンドハンズなどを出している。超スローの新馬戦を鮮やかに差し切ったが、Caerleonが表現されてブエナビスタをほうふつさせる走りはオークス向き。あの斬れは一級品も、ここはマイルでペースが流れたときの追走がポイントに。(距離○スピード○底力◎コース◎)
ドゥアイズ
シンギュラリティの姪でルークズネストやペコリーノロマーノのイトコ。母ローズマンブリッジはJRA2勝(芝1600)。母母サミットヴィルはメイヒルS(英G3・芝8F)勝ち馬。ルーラーシップ×ディープインパクトはキセキ、ワンダフルタウン、エヒト、ドルチェモアなどと同じ。ルーラーにナスペリオン血脈を重ね、ストライドでシッカリ走る中距離馬だ。札幌2歳もコスモス賞も好位でバテない強みを発揮。ただマイル戦ではあんなレースにはならないか。(距離○スピード○底力◎コース◎)
今年のJFの出走馬で、新馬でパンツが見えたのはリバティアイランドとシンリョクカの2頭で、どちらも直線の躍動と斬れにはオッチャンは鼻血ブーでした(モリアーナの新馬もなかなかキラキラしてましたが)
とはいえ、ともに桜花賞というよりはオークスというタイプに思えるので、Habitatとノーザンテーストが表現されて1800でもうなりながら抜け出してくるモリアーナのほうが、マイルの緩みないペースをマイラー然と抜け出してくるんじゃなかろうか
そんな印と馬券で、1列目にモリアーナとリバティ、2列目にシンリョクカ、2列目にウンブライルとアロマデローサを塗ったので、ゴール前はさすがに悶絶してました(^ ^;)
レースラップは前後半45.2-47.9、レシステンシアのぶっちぎり逃げ切り(45.5-47.2)よりも前傾ラップになったのに、リバティアイランドは難なく追走できたし、パドックを見ても前走よりお尻がプリッとして、中内田&川田&母豪2歳女王というプロフィールに実像が寄ってきたイメージ
「名門・下河辺家のお上品なCaerleon娘」という雰囲気を醸し出すシンリョクカはパンツなんか見せなそうなんですが、新馬戦の斬れ味はまさにブエナビスタという趣でこれも一目惚れでした
朝日杯の想定にいたのでそちらで書いていたんですが、金曜にJFの出馬を見たら名前があるのでブログにも血統解説を載せておこうと、載せておきたくなるぐらいの才媛やったのです
ここまでの印象では、サトノダイヤモンド産駒はスタミナや持続力はあるけれどどうももっさりしたタイプが多く、JRA全勝ち鞍10勝のうち7勝が1800m以上で1400m以下の勝ち鞍はゼロ
だから母系にスピードが入る牝駒のほうが走るんじゃないか説やったんですが、シンリョクカの場合はカーラパワーのフレンチ斬れが絶妙に表現されていて、サトノダイヤモンドはナスキロのクロスをもたないからこそ、産駒の代ではナスキロ的な斬れに振ったほうがいいんでしょうかね
モリアーナは難なく追走どころかうなりすぎてしまいましたが、このペースでうなれるのはやはりマイラー資質が高く、直線で接触したときに戦意喪失してしまったように見えたのはAureole≒Burghclereのエピファらしいというべきで、サークルオブライフのように外差しで爆発できるマイルのパンツやと思うんやけどなあ…
種牡馬ドゥラメンテは、産駒において優れた全きょうだいクロスや3/4同血クロスを狙うのならば、Nureyevでいくかトライマイベストでいくかのほぼ二択で、それはロードカナロアなんかとも同じで、タイトルホルダーはNureyev≒Sadler's Wellsの3/4同血クロス5×4、リバティアイランドはトライマイベスト=El Gran Senorの全きょうだいクロス5×4、アーモンドアイはトライマイベスト≒ロッタレースの3/4同血クロス5×2、サートゥルナーリアはNureyev≒Sadler's Wellsの3/4同血クロス5×3
またドゥラメンテはMixed Marriageの血と明らかにニックスで、タイトルホルダーは母系にSharpen UpとGone West、スターズオンアースはSharpen Up、リバティアイランドはGone Westが入ります
「ドゥラの走るパターンですね」と40口の会員さんにもススメた馬ですが、そもそもヤンキーローズは豪2歳女王になるほどの優秀な競走馬で、その母CondesaarがMonroe≒Sex Appeal2×3という素晴らしい配合なのです(つまりリバティアイランドはSex Appeal≒Monroe6×4・5でもあるのです)
Sir Ivor
│┌○┌Sir Gallahad
└△└△
│┌Pharamond
└△
└△
└Alcibiades
┌Pharamond
┌○
│└Alcibiades
Tom Fool
│┌Bull Dog
└△
時節柄ずっと配合診断に追われる日々で、でもこれが一番やりがいのあるお仕事なのはたしかで、休む間もないのですがホンマにありがたいと思って毎日気張ってます
そんななかでリバティアイランドの血統表を見ると、もちろんJFを勝つような馬をつくることが最終的な目標ではあるのですが、その前にまずやるべきことはCondesaarをつくることで、ドゥラメンテにEl Gran SenorとGone Westをもってきたらなんでもかんでもリバティアイランドになるわけじゃないんで、ヤンキーローズをつくるにはまずCondesaarをつくらなければならないわけで、つまりMonroe≒Sex Appeal2×3を狙いすまさなければならない
母父のAll Americanってのはヤンキーローズ以外にはほとんど目立った産駒はいない謎B級種牡馬ですが、そんなAll Americanの種でヤンキーローズを出してしまうようなCondesaarをまずつくらなければならないのです
繁殖牝馬のオーナーや生産者には、そういうところから説明して提案していかないと、血統屋さんがやるべきことの根本はそこだろうと思ってます
BuckpasserもSir IvorもWar Admiralも名うてのフィリーサイアーで、直父系は拡がりませんでしたが、優れた娘たちを通じて今でも血統表に名を遺しており、いわゆる「母系に入っていい血」の代表的な存在
母系に入るBest in ShowやSex AppealやLa TroienneやSir Ivorの素晴らしさが才媛リバティアイランドには表現されていると思うので、ちょっとお下品なタイトルになってしまったのです(・∀・)
Hペースを追いかけても末がある程度しっかりしているのがスプリンターなりにバラ一族の特徴が良い塩梅に活きたってことなんですかね。何にせよ変わり身が合って良かったです。
「モンローとセックスアピールの共演!パンツ丸見え最優秀作品」
って書くと「ん?『お熱いのがお好き』のキャッチコピーか?」
と勘違いするほど、でも本文の中身が反映されている、良く出来たタイトルで感心したり爆笑したり。
で、本文が血統屋の情熱がほとばしっていて、まさにBest in Showな回顧だと思います。