名馬エルコンドルパサーは
Nureyev≒Sadler's Wells3×2
Special=Lisadell4×3・4
という凄いクロスを持つことでも知られます
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1995108742/
SpecialはHyperionとNasrullahとFair Trialで構成された万能型のスピード血脈ですが、なかでもLady Juror4×4(Riot≒Fair Trial3×3)のForliの遺伝力が強く、種牡馬としてはFair Trial的な前向きな性格と力強いピッチ走法を主として伝えました
ここにやはりFair Trial的な前向きパワー小脚を伝えるDanzigをもってくると、両者のFair Trial的な面がより強調されるのは必然。実際母系にDanzigを持つエルコン産駒は、カルナバリート、ワキノエクセル、パッシングマークと、小回りコースを器用に立ち回ったり、ダートや道悪を得意とするタイプが出ています
サクラオリオンもこれまで6勝をあげていますが、オープンと準オープンの勝ち鞍は洋芝か道悪の小回り2000m。同じ2000mでも直線が長い新潟大賞典や高速決着となった金鯱賞では見せ場がなかったように、小回りで時計や上がりがかかってこそ大きく狙える馬です
http://premium.netkeiba.com/db/horse/ped/2002104686/
マヤノライジンはRoberto系×Danzig系ですからグラスワンダー的なイメージで、しかもBlushing Groom経由でTudor Minstrelも入るのでFair Trial的なパワーと粘りが伝わっており、これも小回りを捲る脚質だと書いてきました。ダービー卿CTでは穴だと当ブログでも書いたのですが、ベストは1800mなのでここは軽く見てしまいましたね。スロー想定なら印は回してもよかったかな…
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2001102414/
「ニシノホウギョクとマヤノライジン、グラスワンダー的なのは?」
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/4f3344a1d4170f06bfa8da6da01c614e
というわけで母父Danzigのワンツーとなった函館記念ですが、Danzig的前向きパワー小脚は小回り>大回り、急坂>平坦、重ダ>良という呼吸が基本。アジュディケーティングがなぜ地方競馬のリーディングに君臨しているかというと、深い砂向きのパワーと小回り向きの小脚を高い確率で伝えているからです
そうした「母父Danzig」の特質をかいま見れるデータとして、京都、阪神、新潟における、芝の内回りと外回りの成績を出しておきます
京都芝内:勝率8.4%、連対率16.8%
京都芝外:勝率5.4%、連対率8.8%
阪神芝内:勝率9.3%、連対率17.3%
阪神芝外:勝率3.0%、連対率6.1%
新潟芝内:勝率8.4%、連対率15.8%
新潟芝外:勝率7.4%、連対率13.6%
阪神内が最も成績が良いところがまさにDanzig的で、たとえば芝1400mベストの母父Danzigがいたとすると、阪神芝内1400mでは◎、新潟芝内1400mでは○、京都芝外1400mでは△、道悪になったら10%評価上げ…というような呼吸かなあと
この呼吸は母父Danzigに限らず、「Danzig的なパワー小脚を受け継いだ馬」全てに使えることは言うまでもないです