京都11R秋華賞
◎4.タガノエルピーダ
○5.チェルヴィニア
▲15.セキトバイースト
△3.クイーンズウォーク
△10.ボンドガール
×2.ミアネーロ
×6.ラビットアイ
×11.ランスオブクイーン
×13.クリスマスパレード
脚力はチェルヴィニアが一番と思うが、この牝系のハービンジャー産駒はオリオールの薄いクロスになるので、カービングパスやスティーグリッツもそうだが馬群を割れない外差しになる。京都内2000の15頭立てで、どこかで外に出してまとめて差し切れるか。リバティアイランドやデアリングタクトほど脚力が抜きん出ているかどうか。
ステレンボッシュは血統どおりの長手体型の中距離馬で、今でも桜花賞を鮮やかに差し切ったのが驚きなほどだが、明らかに大箱向きなだけに京都内回りをどう差すか。好位でついて回ったとしてもコーナーが苦しくなる気がする。
ボンドガールはこの秋華賞を見据えて、クイーンSと紫苑Sで後方から馬群を割るケイバをさせてきたのが結実しそうだ。ただし母コーステッドは芝8FのBCJフィリーズターフ2着で、そこにダイワメジャーだからベストは1800という気がする。セキトバが緩みないペースで逃げるとなると、距離2000がちょっと微妙で◎は打てなかった。
タガノエルピーダの母タガノレヴェントンは非常に優秀な繁殖で、本馬のほかにタガノトネール(父ケイムホーム)、タガノエスプレッソ(父ブラックタイド)、タガノディアマンテ(父オルフェーヴル)と、異なる種牡馬との間に4頭のオープン馬を産んでいる。名繁殖フェアリードールの近親で、母母フィバリッシュは4・6・6×6・6・6・6・7・7というおびただしい数のハイペリオン血脈をもち、粘着力と成長力に定評がある牝系だ。
タガノエルピーダはキズナ×キングカメハメハだからハピやマジックサンズと同じ配合だが、やはりこの牝系の粘着力を受け継いで、前傾ラップのJFやチューリップで好走したようにペースが流れて持続戦になるとしぶとい粘り腰を発揮する。ローズSは+12キロの好馬体でひと夏越しての成長がうかがえたし、レース内容も休み明けとしては悪くなかった。斉藤崇史厩舎は+20キロのクロノジェネシスで秋華賞を勝ったように、成長力に富む中距離馬を着実な成長曲線に乗せてくるイメージがある。いつもスタートはいい馬だから、セキトバの緩みない逃げをイン好位で追走できれば面白い。
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例によってNETKEIBAの全頭血統解説から1~3着を
チェルヴィニア
ノッキングポイントの半妹でサブライムアンセムのイトコ。母チェッキーノはコディーノの全妹でオークス2着。母母ハッピーパスは京都牝馬S勝ち。この牝系のハービンジャー産駒はカービングパスやスティーグリッツがいる。父と母を足して割ったイメージで、ナスペリオン的ストライドでしなやかに差す大箱向き中距離馬。桜花賞は大外枠でうなってしまい苦しかった。ストライドで差すので京都内回りは差しやすくはないが、外々を回っても脚力の違いで。(距離◎スピード○底力◎コース○)
ボンドガール
ダノンベルーガの下で、母コーステッドはBCJフィリーズターフ(米G1・芝8F)2着。母母Malibu PierはサンタアナS(米G2・芝9F)勝ち馬。父ダイワメジャーはアドマイヤマーズ、セリフォス、レシステンシアなどを出すマイルの名種牡馬。父も母もマイラーだが、母系の奥にはLomitasなど底力とスタミナの血が入る。ここ2走は中距離で差しに回る形で、秋華賞を見据えたかのようなレースで好走。ベスト距離は1800だろうが、内回りを捌く脚はある。(距離○スピード○底力◎コース◎)
ステレンボッシュ
ヴァルコスやロカの姪で、ドゥラドーレスやレガレイラやアーバンシックのイトコ。母ブルークランズはJRA3勝(芝1800~2000)。牝祖ウインドインハーヘアはディープインパクトの母で子孫が繁栄しつづける名繁殖。父エピファネイアはエフフォーリア、デアリングタクト、ダノンデサイルなどを出し成功。血統どおりの長手体型の中距離馬で、今でも桜花賞を鮮やかに差し切ったのが驚きなほど。大箱向きなので内回りでどう差すかが今回はポイントに。(距離◎スピード○底力◎コース○)
脚力をいうならばチェルヴィニアとステレンボッシュとボンドガールだろうけれど、チェルヴィニアはAureoleの薄いクロスをもつハービン産駒で馬群を捌けるのか、捌かず外々を回して差し切れるほど脚力が抜けているのか
ステレンボッシュはパドックを見てもthe Nijinskyという胴長体型で(Nijinsky6・8×6)、京都内回りで東京や阪神外回りと同じように差せるのかどうか…Nijinskyといえばブエナビスタですら2着だった秋華賞
「NZTでうなって先行したボンドガールで、秋華賞を狙うには差しに回るしかない」大一番でユタカの教育が結実しそうな予感はあったんですが、ダイワメジャーですからベストは1800で、2000だとできれば後傾ラップで追走したい
セキトバイースト陣営が思い切って行く宣言をしていたので、秋華賞らしい前傾ラップの持続戦を想定したんですが、チェルヴィニアで前後半60秒-57秒ぐらいで走破しているということで、速かったのはセキトバだけで離れた3番手以降は後傾配分だったというレース
タガノエルビータはもうちょっと前傾配分で、Hyperionを絞り出すような我慢比べのレースができれば、最後は止まってはいないのでもうちょっとやれた気もしますが、やることはやってくれたし見せ場はつくってくれた
ボンドガールはルメールを前に見ながら60.4-57.0ぐらいで走破したわけで、京都内2000においてベストパフォーマンスに近いところは出せたと思うし、そこはさすがユタカというべきですが、それだけに勝ち馬には完敗と認めざるをえない
ステレンボッシュは道中はルメールの直後、ただチェルヴィニアと比較しても内回りのコーナリングがいいとは言えない馬で、加速するのは直線に入ってからというタイプですから、それだけに4角で外に出しながら追うような形ならば、もう少し伸び伸び走れたんじゃないかと…ボンドと同じようなコース取りなら2着3着は入れ替わっていたかも
チェルヴィニアは離れた3番手集団の好位で馬群の真っただ中、大本命馬ですから囲まれマークされるのは当然として、さてどこで外に出すんかいなと思って見ていたらけっきょく出すタイミングはなく、しかし直線ちょうど1頭ぶん空いていたスペースを馬は苦もなく割って、アッサリ抜け出して完勝というのは恐れ入りました
このハッピートレイルズ牝系のハービンジャー産駒といえば、カービングパスもスティーグリッツも馬群OKとはいえないタイプだったし、やはりAureole魂百までかと、チェルヴィニアもそこが唯一の死角だろうとみていただけに脱帽です
チェルヴィニアの配合についてはオークス回顧で書いたので下記をご一読くださいということで、チェッキーノは非Northern Dancerクロスなので、Northern Dancer4・6×4・5のハービンジャーとも、Northern Dancer5・5×4・5のモーリスとも、Storm Bird3×3のブリックスアンドモルタルとも当然のごとく合いますね
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/bfe997da3755a325a1905d39d88db246
第85回オークス回顧~「1/4ハッピーパス」チェッキーノの娘が戴冠
やることが山積みで回顧はさらりとこんなもんで…今週末から京都~滋賀~名古屋~東京という旅程で、菊も秋天も現地観戦なので楽しみです(・∀・)