栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」
東京11R クイーンC
◎6.フォーエバーモア
○2.マジックタイム
▲7.グリサージュ
△12.デルフィーノ
×13.セレナビアンカ
注11.カノーロ
ホエールキャプチャが完勝するぐらいだから、東京新聞杯は重発表でも時計一つかかる稍重ぐらいの馬場。火曜は晴れ予報だから良予想でいいだろう。◎の母エターナルビートは好配合でクリスタルC2着と競走能力をみせ、繁殖としても共同通信杯3着マルカジークなどを産んでおり、米血が強い血脈構成なので母系を欧血で固めたネオユニヴァースとの配合もバランスがとれている。早め先頭の正攻法で踏ん張った阪神JFは決してフロックではなく、サンデー系×ミスプロ系らしい細身でしなやかな体質なので東京コースも合っているし、距離は1800mがベストだろうが牝馬同士ならマイルも中距離もOKで、ここで取りこぼすとはちょっと考えにくい。マジックタイムやデルフィーノも走る馬だがマイラーではなく中距離馬だから、東京マイルで◎をズバッと差し切るだけの破壊力はないだろう。カノーロも素質は感じるが、ディープ×エアグルーヴ牝系でいかにも本格化は古馬になってから…という体つきと体質。穴は今度こそ先行と言っているグリサージュか。
--------
こないだようやく校了して例年どおり3月に発売になる「パーフェクト種牡馬辞典2014-2015」、今年はネオユニヴァースは私の担当となり、その「配合チェック」ではこんなことを書いてます
--------
母系にヌレイエフやサドラーズウェルズが入るとロジユニヴァースやアンライバルドといった芝中距離の大物が出る。母父トニービンもデスペラードやネオヴァンドームが出て良績。一方母系にデピュティミニスターが入るとガンジスやタカオノボルのようなダート巧者が出やすい。他ではグリーンデザートやミスプロを持つ牝馬と好相性。粘着力と機動力を武器とするので、ヘイローをクロスして更に機動力を増す配合が成功する。ヴィクトワールピサもロジユニヴァースもヘイローのクロスだ。牝駒は勝ち上がり率が低く大物も出ない。
--------
ザックリいうと「Nureyev≒Sadler's Wellsを入れてHaloをニアリークロスし、Fair Trial的粘着小脚とHalo的機動力で中山内2000mを捲る牡馬」、これが教科書に載ってるネオユニ産駒のPOG向け配合指南といえるでしょう
しかしフォーエバーモアの場合はそういう教科書に載ってない好配合というか、自身の配合というより母の配合が凄いというべきで、いつも言うように母の配合は自身の配合と同じぐらい大事なのです
母エターナルビートはクリスタルC2着の活躍馬で、その父PentelicusはUnbridledと3/4同血でFappiano系必殺のAspidistra4×3、Rough'n Tumble4×4、Better Self≒Busanda5×4・5
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103499/
エターナルビートの3代母Blue BurstはBlue Gay≒Revoked1×2(Blue Larkspur×Sir Gallahad)、母母Blue DoubleはBalladier≒Blue Larkspur4×3・4
しかし母父Sir Wiggleのところだけは米血がほぼ皆無で、Son-in-Lawにさかのぼる父系でクロスもSon-in-Law5×5・6ですから、絵に描いたような「緊張と緩和」、絵に描いたような「3/4米,1/4欧(1/4異系)」
しかも配合が凄いだけでなく競走能力もみせたのですから、これまでの代表産駒がマルカジークというのがちょっと不満なほどで、これぐらいの馬を産んでもまったく驚けない繁殖牝馬といえます
岡田総帥はGCの番組でことあるごとに「JFの3頭は強いからなあ～」とおっしゃいますが、私もあのレースを見た後、これは2強ではなく3強に近い構図じゃないかと思ってました
以下、「サラブレ」2月号「望田潤の気になる配合馬」より
--------
フォーエバーモア
芝1600～2000ｍ 大枚：芝外回り1800ｍ
母エターナルビートは好配合でクリスタルＣ２着、繁殖としても共同通信杯３着のマルカジークなどを産んでいる。全体に米血が強い血脈構成なので、母系を欧血で固めたネオユニヴァースとの配合も良い。早め先頭の正攻法で踏ん張ったＪＦはフロックではなく、立ち回りの巧さでハープスターやレッドリヴェールに一泡吹かすことも十分可能だろう。しなやかな体質でベストは1800ｍ、桜花賞もオークスも好走確率はかなり高い。
--------
今日はスローになったので前半かかり気味になりましたがなんとか我慢させて、直線は追い出しを待ちすぎるほど待って内容は大楽勝、この立ち回りの巧さはレッドリヴェールやハープスターに対して大きなアドバンテージになるでしょう
「サンデー×ミスプロの組み合わせに名マイラーなし」というのが持論ですが、この馬も父や母よりも体質がしなやかでスピードの乗りもマイラーというよりは中距離馬っぽくて、ネオユニ産駒とは思えないほど追われて全身がしなるんですが、そこがこの馬のいいところ
サンデー×ミスプロの組み合わせが伝える独特のしなやかさについてはこれまでも言及してきましたが、サンデー×マイニングだろうがデュランダル×ティンバーカントリーだろうがネオユニ×Pentelicusだろうが、字面の組み合わせからは想像できないようなしなやかな体質で、しなやかフォームで走る馬が出るのです
ベストは1800mで牝馬同士なら1600mも2400mもOK、まあ勝ちきるとなると何かひとつファインプレーが必要かもしれませんが、ホエールキャプチャみたいに牝馬三冠全部好走する確率はかなり高いんじゃないかと
マジックタイムは直線で行き場がなくて追い出しを待たされてしまいましたが、ゴール前は前と同じ脚色で、早めに並んだとしても勝ち馬はもっと伸びつづけたでしょう
この馬は血統どおりのパワーと粘りの中距離馬とみていて、だから東京マイルでこんなに走るのは立派で地力の高さは疑いようがないのですが、でもたとえば2400mに延びれば天下を獲れるかとなると、やっぱりフォーエバーみたいに美しくしなって地面に張りついて伸びないですから、大物を食うには馬場が渋ってほしいかな
デルフィーノはインベタ馬場なのに外々を押さえきれずに上がっていって脚をなくしましたが、ウチパクの芝での牝馬のスランプはまだ深刻で、ヴィルシーナだってマイルのHペースであんなに行く馬じゃなかったはず
カノーロはディープ×エアグルーヴ牝系で416キロで見るからに細身で、新馬戦もしなやかさだけで勝った感じで、3歳春にパンツ見せる早熟さは全く感じられませんでしたが、しかしこんなに負けるとは…先々は楽しめそうな素材だけに心配です
※降雪の影響で、本日東京5Rと東京9Rは芝2000m→芝1800mにコース変更になっていますのでご注意ください
というわけで調布も1800mで行われることになりましたが、しかしメンバーを見渡すと「えええええ2000mのほうがよかったのに…」とブーたれてる馬のほうが多そうで、たとえば○レコンダイトもオークス馬の弟で胴長のハーツクライ産駒で、前走1800mで勝ちましたがそこから更に距離延長で更に乗っかりたいというタイプ
そんななか▲エインセルはシャンクシー牝系のマイラーっぽさも出ていて1800mがベストくさいのですが、「スタートから押していかないと出ていかない」とまで言われていたヴィルシーナで先行争いに巻き込まれているようでは、牝馬のウチパクはまだ信用ならんなあ…とも
となると人気ですが、配合に素直なキンカメ産駒でラストタイクーンとCaerleonを通じるNorthern Dancer＋ナスキロラトロのクロスで東京で斬れるのは順当、母母ビワハイジなので反応はなかなか機敏で長いところよりも1800～2000mがベターな◎アロヒラニが、1800m変更への対応力で一歩リードという結論
銀蹄は道悪の東京ダ1400mならA.P.Indy会1400～1600m担当Tapitでいきたいんですが、○タールタンはMoon Glitter4×3で他にもIn RealityやRelicが多くて、ちょっとふつうのTapitよりもスプリンターに寄っていてベストは東京1300mやと思うので、ここも人気ですが◎キタサンイナズマで
ゼフィランサスの全弟でローレルゲレイロやリキサンマックスやキタサンラブコールやトキノフウジンとは3/4同血で、村田牧場のお家芸「キングヘイロー×モガミヒメ」の黄金配合
ナスキロラトロ＋Tom Foolベースの配合で芝のオープン級が何頭も出るぐらいですから、ダートならスピードの出る東京の道悪がベター、トキノフウジンも東京の稍～不では①⑥①②、ハナにこだわるタイプではないので、この大外ならフワッと番手でもいいんじゃないですか
ヒモ穴は△クロタカかな？この馬はSecretariat4×4にSeattle SlewとBold Bidderも入るので、ボルキロ的な体質の柔さがあって軽いダートがいいと思います
「No.1予想」「馬券総合倶楽部」ではクイーンCの前日予想をアップしていますので、そちらもよろしくお願いしますm(_ _)m
改めて「キングヘイロー黄金配合」についてモガミヒメ牝系図を見ながら
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/6ea4871d97d136671c0bb9b29e20bc37
