栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

きさらぎ賞回顧~あまりにも 予想どおりの ゴール前

2014-02-09 16:39:32 | 血統予想

京都11R きさらぎ賞
◎5.バンドワゴン
○1.トーセンスターダム
▲4.サトノルパン
△3.エイシンエルヴィン
良ならバンドワゴンの相手はトーセンスターダムではなくサトノルパンとみているが、サトノルパンは兄姉と比べてもナスキロ柔い体質で、前走稍重で圧勝したがパンパンの高速馬場で斬れる馬だと思う。
トーセンスターダムは母系にトムロルフが入るので掻き込んで走るところはベールドインパクトやゲシュタルトなんかと似ていて、だからこの馬は内回りの機動力があると前走時の予想で書いたし、ディープ産駒にしては外回りで本格的にズバッと斬れる脚はないとみているが、おそらく道悪は巧いので馬場が回復しないようならこちらが相手。
そしてバンドワゴンもここはハナを叩かれたり絡まれたりという可能性もありそうで、京都外1800mはベスト条件とみているが、展開的キャリア的に全幅の信頼までは置けないか。
エイシンエルヴィンは「流行スピード血脈が強い父×ドイツ血脈が強い母」というアウトブリードが面白いし、マイラーには見えないから距離延長はプラス、この休養でまだ良くなってきそうな奥深さも感じられる。
もちろん京都の高速馬場では鋭さで一歩譲ると言わざるをえないが、土曜の競馬を見ていると良まで乾いても高速馬場までは望めそうもないし、上記3頭がそれぞれ不安要素も抱えているだけに、一角崩しなら十分あるのではないか…ということで、前日予想では◎頭固定と△からのワイドという攻め方でいってみたい。

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バンドワゴンについては加速力は大したものだが距離適性がまだハッキリつかめない、もしかするとみんなが思ってるよりはマイラー寄りの馬なのではないかという書き方をしてきたし、トーセンスターダムは斬れも機動力もオープン級だがG1レベルになるとどっちつかずの面があるのではないかという書き方をしてきたし、そのあたりは今日のレースが終わってからも別に変わらないですかね~

時計一つかかる稍重で1000m通過59.9、まあ流れたほうで、バンドワゴンはスタートはもう一つでしたが和田は馬の行く気に任せた逃げで、別にミスはなかったし持ち味は出した騎乗だったといえるんじゃないかと

しかしそれであと200mから脚が上がり気味になってしまったということは、今までは超スローだからみんな気づかなかっただけで、やっぱりトモ高で後駆が立派な体型で母母キャリアコレクションのマイラーっぽさも強い馬で、私は“ナスキロ柔い長めキョウエイマーチ”と命名してましたが、1800mでも平均ペースで行くとどこまでも伸びるような馬ではなかったのかと

今日でも良まで乾けばギリギリ押し切ってたんじゃないかと思いますが、ホワイトマズルでもスタミナ十分という馬ではないのかもしれないという疑念が現実のものだったとしたら、ここは勝っておきたかった鞍だっただろうし、アサクサキングスならばあそこから差されてはいかんだろうと

なんや終わってみれば、やっぱりディープとユタカががナデ斬りやん、と言われそうですが、トーセンスターダムはゴール前はジリ脚のエイシンエルヴィンと同じぐらいの脚色で、これでクラシックの大本命という扱いになるでしょうからあえて高い目線で評するならば、ベールドインパクトだってこれぐらいは斬れたはず

サンデー×ミスプロらしい実に柔らかい体質をしているのにTom Rolfe的な肩のつくりであまりストライドが伸びず、だから京都2歳で◎にしたときにこの馬は決してストレッチランナーではなく、内回りを捲る脚も兼備しているタイプだと書いたのです

外回りの斬れ勝負にも内回りの機動力勝負にも対応できて道悪も上手で、非常に弱点が少ない優等生ですが、今のところはそういう弱点の少なさだけで3連勝しているという見方もできなくはなく、しかし3連勝とも2着とは僅差で、この勝負強さのほうをむしろ讃えなければならないかなと

エイシンエルヴィンは血クリや予想コメントで書いたように稍重で上がり11.6-12.0ならばこれぐらいはやれる馬で、母系がドイツのスタミナの塊だけに、この休養で成長してくるのではないかというのも読みどおり

アンコイルドをHyperion的脚質体質にしたようなイメージの中距離馬で距離はもっと延びてもいいんじゃないかと思いますが、エアレーション弥生賞でもしぶとく3着に食い込む一方で、自己条件で人気になっても高速馬場だとやっぱり3着…という愛すべきキャラになりそうな予感がするのう(^ ^;)

コメント (6)
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血統クリニック~きさらぎ賞

2014-02-09 15:54:56 | 血統クリニック

稍重ぐらい残るならルパン下げ、上がり12秒戦ならエルヴィンが面白い…というところまで含め、今週の血クリも内容的にはほぼパーフェクトでしたが、自分の馬券はバンドとエルヴィンのサンドイッチで食い損ねました…具でエエやろと思ったユタカに差されました(^ ^;)

これを回顧代わりにして終わらせたいところですが、とりあえず再掲しておいて後で何か書きます

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土曜の京都は雪予報、パンパンの高速馬場ということはなさそうで、稍重ぐらい残るようならばトーセンスターダムとエイシンエルヴィンを上げてサトノルパンを下げ、バンドワゴンは上滑りする馬場でなければ上げ下げなし…というジャッジでいきたい。

母系にTom Rolfeを引くディープ産駒=Pocahontasをクロスするディープ産駒は
芝良[53.42.32.240]勝率14.4%連対率25.9%
芝稍[10.4.3.24]勝率24.4%連対率34.1%
芝重不[6.3.3.17]勝率20.6%連対率31.0%

Tom Rolfe的パワーがONになっているタイプ(前駆の掻き込みが強いタイプ)は、ウリウリ、ベールドインパクト、シュプリームギフト、アルティシムス、ディープサウンド、モスカートローザなど、だいたい渋った馬場はプラスのイメージがある(ゲシュタルトもTom Rolfe6×5でRibot肩で掻き込みますが、やっぱり重は巧いですよね)。

エイシンエルヴィンも時計や上がりがかかるのは間違いなくプラスで、人気との乖離を考えるならここから馬連ワイドという手も十分ある。

サトノルパンは前走稍重で圧勝も、有力馬のなかでは一番ナスキロ柔い体質でガサもないから、対バンド、トーセン、エイシンで考えるとパワー馬場になるのは歓迎とはいえないだろう。

バンドワゴン
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104010/
母母キャリアコレクションはNasrullah≒Royal Charger6・6・6・7×4・5で、2歳時に短距離重賞を2勝しBCジュヴェナイルフィリーズで2着に入った早熟なマイラーだった。
そこにミスプロ系でも中距離の底力や斬れに秀でたUnbridled~Unbridled's Songの血が配され、ホワイトマズルが配されて生まれたのが本馬。
ホワイトマズル産駒は父のスタミナを活かすには母のスピードで先行する必要があるから、このようにスピード型の牝馬との配合が望ましいし成功しやすいといえる。
一方でダンシングブレーヴ系はNasrullah的なスピードをクロスで強く注入すると、キョウエイマーチ(母Nasrullah3×5)然り、エリモピクシー(母Nasrullah3×5)然り、テイエムオオタカ(母Nasrullah3×4)然りでマイラー方面に振れることも多い(Never Bend的な血が入るところもこの3頭と共通する)。
だから母母の影響も強いマイラーっぽい体型やちょっと一本気な先行をみると、"ナスキロ柔い長めキョウエイマーチ"というキャッチフレーズも浮かんでくるのだが…。
「キョウエイマーチがナスキロ柔くなって、距離適性が長くなって外回り向きになったような先行馬」という考察が正しければ、京都外1800mはベストコースだろう。

サトノルパン
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011102913/
リディル、クラレント、レッドアリオンの3/4弟。母エリモピクシーはエリモシック(エリザベス女王杯)の全妹で自身も京都牝馬S2着などオープンで活躍したマイラーだった。
Drone≒デプス3×3(ナスキロ+Tom Fool)を持つので産駒に確実にスピードを伝える繁殖で、アグネスタキオンを付けてもダンスインザダークを付けてもマイラーに寄せてしまう我の強さがある。
本馬は父がディープインパクトに替ってLyphard4×3にHalo≒Sir Ivor≒Drone≒デプス3・5×4・4、そしてBurghclere≒Aureole3×6。やはり母の影響は強くわりとマイラーっぽい体型に出ているが、兄たちよりも細身で脚長で体質が柔らかいのは、兄たちと違ってSir GaylordのクロスがSir Ivor≒Droneに含まれるからだろう。
だから兄たちほどマイラーっぽい加速ではなく、ベストは外1800mとみたい。
まだ緩すぎるところはあるがそれで前走圧勝だから素質は兄たちに比肩するものがあり、本格化はもっと先だろうが、外差しOKの京都外1800mなら前走以上にパフォーマンスは上げてくるはず。

トーセンスターダム
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103748/
トーセンジョーダンの甥で、ディープインパクト×ノーザンテースト×クラフティワイフはトーセンホマレボシやヒストリカルと同じ。
こちらは母父にエンドスウィープが入ったので母がMr.Prospector3×4となり更に柔らかさを増した配合といえるが、同時にTom Rolfeが入ってその母Pocahontasのクロスにもなり、ちょっと肩が立っていて掻き込んで走るところはベールドインパクトやゲシュタルトなんかと似ていて、だから京都2歳で◎にしたときに「この馬は内回りを捲る脚も兼備している」と書いた。
3/4姉のラシンティランテも根は内回り向きの機動力型で、ベストパフォは内1600mの白菊賞だろう。
ディープにミスプロをクロスで入れてナスキロクロスでまとめたのだから柔らかくストライドを伸ばして走れる体質をしているのだが、前駆の捌きがTom Rolfe的なために意外にストライドが伸びずそのぶん機動力もソコソコあるという、両刀使いだがちょっとどっちつかずな脚質でもあると思う。
そしてそのどっちつかずさは今後相手が強くなるにつれて、レースレベルが上がるにつれて露わになってくるような気がするのだ。

エイシンエルヴィン
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011110062/
父のShamardalは仏ダービーと仏2000ギニーを勝った馬で、同じく仏二冠のLope De Vegaなどを出して種牡馬として成功しており、日本ではゴールデングローブの父として知られる。
Giant's Causewayの有力後継だが、快速マイラーというよりはMachiavellianやRivermanが入ってミスプロ的ナスキロ的にしなやかになって、中距離寄りのスピードになりつつあるというイメージだ。
母La InaはMunsun産駒でSurumu3×4という典型的なドイツ血統で、この"Lライン"の牝系からはLomitas(オイロパ賞他、ドイツ名種牡馬)やLagunas(独ダービー)などが出るが、牝祖Love InがDonatello×Hyperionの組み合わせで、そこにドイツDark Ronald三銃士がかけられてスタミナや底力を増してきた牝系といえるだろう。
La InaはSurumu3×4にAureole≒Homeward Bound5×5・6だからハイインロー的スタミナはかなりのものがあり、そこにStorm Cat、Rahy、Mr.Prospector、Halo、Roberto、Rivermanと主流スピードで固めたShamardal(Halo5×4、Hail to Reason5・6×5)が配された。
自身はほとんどアウトブリードと言っていいが、La Inaが持つBold ReasoningやMill Reefの血はShamardalのHalo5×4やRivermanと脈絡するし、Shamardalの母系に入るPetingoはFair Trial×Alycidonの組み合わせなのでSurumuの「Dark RonaldとHyperion」やAureole≒Homeward Boundの「HyperionとDonatelloとAloe(Son-in-Law)」と脈絡している。
新馬戦に出てきたときも配合をほめたが、ノーブルジュエリー的な発想の配合で、ドイツ牝系が日本で最も成功しやすいパターンと言ってもよく、栄進堂が買ってくるマル外にはこういうちょっと面白い発想の好配合がけっこう多いように思う。
実馬はマイラーのGiant's Causewayを伸びのある体型にしてHyperion的体質にしたようなイメージで、つまり配合どおりのイメージ。
2戦目は直線で捌くのに少し手間取って外に持ち出している間にワンアンドオンリーに先を越されてしまったが、追い出してからの斬れ味でも少し見劣っていた。
ゴールデングローブほど鋭くないがゴールデングローブより持続力がある斬れが武器で、オープンでも相手ナリに走れるタイプで3着にはマークしたい馬だが、勝ち負けとなるとある程度持続力勝負に、11.8-12.0ぐらいの上がりになってほしいところ。
その点馬場渋化が残りそうなのはプラスだし、距離も1600mよりは1800~2000mがベターだ。

ピークトラム
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104293/
タッチフォーゴールドはカナダの名牝系でMr.ProspectorとBuckpasserを持つので、そこにサンデー系種牡馬を配すると「サンデー×ミスプロ×Buckpasser」のA級配合形になり、そのパターンでタッチミーノット(父ダンスインザダーク)やピークトラムの母タッチザピーク(父スペシャルウィーク)などを出して成功してきた。
エルフィンSに登録があるレッドオーラム(父ダイワメジャー)はその妹にあたるが、出てくればいいところだろう。
そこにチチカステナンゴが配されて生まれたのがピークトラムで、Northern Dancerの継続クロスの他Aureole≒Belladoana7・7×6を持つだけに、逃げたときはこれまでの3着の多さ、モノサシ馬っぷりを払拭するような快走があるのではないかと秘かに期待している。
TARGETによるとチチカステナンゴ産駒は逃げたときは[7.4.1.15]単回値461複回値138、芝に限定すると[5.3.0.10]単回値641複回値156、この勝ち味の良さもAureole魂っぽいところで、芝5勝の内訳はホルボッシュ4人気、スリーカーラナンゴ7人気、ルファルシオン5人気、レッドオラシオン11人気、シャンパーニュ2人気で、万遍なく穴をあけての単回値641だから妙味大。
ただここはバンドワゴンがいるから思い切ってハナということは考えにくく、馬体が絞れても「いつものモノサシ馬」の扱いのでいいのでは。

セセリ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011110009/
CurlinはドバイワールドC、BCクラシック、プリークネスSなどに勝った北米年度代表馬で、母父Deputy Ministerの影響が強いパワー型中距離馬だった。母Mine Inningはマイニング×Clever Trickだからゼンノロブロイの母ローミンレイチェルと同じ組み合わせ。ダ1800mの先行馬のイメージだが、Mr.Prospector3×3の影響で脚長で柔らかい体質がONになっていてきれいにストライドを伸ばして走る。ゼンノロブロイ×ヘクタープロテクターでアグネスワルツが出たようなイメージで、ここまで内回りばかり使われているがこの馬は外回りで伸び伸び走らせたほうがいいと思う。問題はバンドワゴンの存在で、自分の競馬はできそうにないし控える競馬でこの相手に善戦まで持ち込めるかどうか。

ブラックカイト
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011102345/
重賞4勝のワコーチカコにトニービン、ブラックタイドと配されたのが本馬で、ディープ×トニービン×ナスキロ×Nijinskyだと典型的な中距離ストレッチランナーのイメージだが、これがブラックタイドだともうちょっとFair Trial的にねちっこい脚質体質になるから、やっぱり全兄弟でも伝えるものは違うのだということを実感させられる。
リヴリアの母父はVaguely Nobleだし、この体質だともうちょっと前で受けたほうがいいように思うが、ここは無欲の追い込みだろうから一発の魅力は感じない。 

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日曜のボツ予想少し~休み明けからAureole魂全開

2014-02-09 10:46:34 | 血統予想

今日の朝昼兼用パスタは、ゴルゴンゾーラとトマトとちぢみほうれん草が三本柱



ディープ×ラブアンドバブルスとかディープ×クロウキャニオンみたいなもんで、まず失敗しようがないという鉄板の教科書配合、そんなもん美味いに決まってるやんというやつです(・∀・)

壇之浦は◎サンライズマルス
小倉芝[2.2.1.1]休み明け[1.1.1.2]、そして逃げたときは[2.2.0.2]
Highlight≒Aureole5×5の母譲りのAureole魂で逃げる馬で、川須の思いきりのいい先行が功を奏すとみました

かささぎはケンブリッジギルドかハッシュかなあ…ぜんぜん自信ないですが、パドック見て何か手を出すかもです

東京競馬の中止順延はまあ仕方ないとして、今日は競馬を観ながらキャロット会報の原稿を書き上げよう…(あまりにも多忙なので今回だけ泣きついて締め切りを遅らせてもらってました…)

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