「エスポワールシチーは母が相似配合でブライアンズタイムやブレイヴェストローマンのパワーの血を増幅しており、そこへゴールドアリュールだから生粋のダート血統といえる。東京1600mよりは阪神1800mのほうがベターなのは間違いなく、ここはフェブラリーS以上のパフォーマンスを期待していいだろう」(JCダート「血統クリニック」より)
エスポワールシチーは配合通りにブライアンズタイムの良さが前面に出ていて、平坦大回りより急坂小回りで強い馬で、だからフェブラリーでは押さえでしたがJCダートでは◎にしました
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005102837/
メイショウトウコンやフリオーソのように、ブライアンズタイムのパワーの要素を増幅した配合をしていてそれが体型走法に現れている馬は、小回りコースをパワーで先行したり捲ったりすると非常に強いのですが、斬れがないので東京の長い直線ではあまり良績を残すことはできません
ブルーコンコルド(母父ブライアンズタイム)は父の父がCaerleonなので東京で斬れる脚も兼備していましたが、それでも例年フェブラリーよりかしわ記念のほうが内容は良かったです
JCダートのタイムパラドックスの配合をみればそれは明らかで、母ジョリーザザはSir Gaylord、ボールドラッドと二つのナスキロ血脈を持っているのです
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1998101683/
┌Turn-to─Royal Charger
Sir Gaylord
└Somethingroyal─Princequillo
┌Bold Ruler
ボールドラッド
└Misty Morn─Princequillo
ブライアンズタイムが東京ダートでG1を勝つには、これぐらいの仕掛けが必要でしょう
だから今年も、エスポワールシチーは◎にしません
昨年のフェブラリーはサクセスブロッケン、カジノドライヴ、カネヒキリと、Deputy Ministerを持つ馬が1~3着を独占しました
サクセスとカジノはSeattle Slewを引く点も共通しますが、カネヒキリの父フジキセキの3代母Millicentも「Bold RulerとPrincequillo」(ボルキロ)の組み合わせです
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005106204/
┌Cornish Prince─Bold Ruler
Millicent
└Milan Mill─Princequillo
┌Bold Reasoning─○─Bold Ruler
Seattle Slew
└My Charmer─○─○─Princequillo
Deputy Ministerはパワーに関してはNorthern Dancer系随一と言っていい血ですが、これ単体では少し力馬すぎる面もあるので、東京の軽いダートを走るにはナスキロ的な柔らかさしなやかさを補ってやる必要がある…ということでしょう
フレンチデピュティが成功したのも、母にボルキロの組み合わせがあるというのが大きいですね
そもそも東京ダートは馬場が比較的軽くてかつ直線が長いので、他場と比較してナスキロ的ボルキロ的な斬れが威力を発揮するということは、筆者やGKさんなんかは昔からよく書いてきました
ボルキロといえばSeattle Slewと並び称されるのがSecretariatですが、Storm Cat(サンライズバッカス、シーキングザダイヤ、メイショウボーラー)やChief's Crown(アグネスデジタル、ゴールドティアラ)の母父はSecretariatだし、以前はTopsider系の活躍が目立った(ウイングアロー、シンコウウインディ、トーシンブリザード)のもTopsiderの母Drumtopがナスキロ配合だからでしょう
┌Bold Ruler
Secretariat
└Somethingroyal─Princequillo
┌Round Table─Princequillo
Drumtop
└Zonah─Nasrullah
シーキングザダイヤはSecretariatとSeattle Slewを通じるボルキロクロスで、サンライズバッカスはSecretariat≒Sir Gaylordの3/4兄弟クロス4×5。どちらも東京ダートでベストパフォを叩き出したのが納得の配合です
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2001110220/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2002106896/
ということで東京で一変があるとしたらサクセスブロッケンだろうと、昨年は◎カジノ○カネ▲サクセスという印を振ることができのですが、今年もまずはナスキロ・ボルキロが血統予想の幹となるでしょうね~