波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

高倉健さんご逝去

2014年11月25日 | 日記・エッセイ・コラム

  今月10日悪政リンパ腫で映画俳優、高倉健さん(83歳)ご逝去。忘れられないのは、刑務所を出所した主人公が、夕張のスーパー(炭鉱街の生協!)で一生懸命働く妻を物陰から見ながら、「男はみんな、ああいう女が好きなんだ」と若い二人に向かってというより、自分につぶやく場面。(1977年公開「幸せの黄色いハンカチ」)脚本と演出で作る映画表現を思わず忘れてしまう一言。一語で全体を、本質を表現する「高倉健」という俳優を知った。1年で10本という粗製濫造ヤクザ映画の役者だと思っていたから「意外にやるな」と生意気に思った。

 亡くなられて2週間。今日の新聞のどの週刊誌広告も「日本映画界の巨星墜つ」の大特集。載っていた写真を鉛筆で描いて気づく、顔の一つ一つの部品の立派さ、皺の美しさ。テレビの特集番組で「生き方全部が演技に出る」の言葉。故緒方拳さんも同じようなことを言っていた。生き方が顔に出るとも思った。相手役に何度か田中裕子さん。「ぼそっと」を受けとめられるから出演しているわけで、この方も既に名優なんだろうなあ。


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