波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

再建という希望

2011年03月30日 | 日記・エッセイ・コラム
 何度も読み返した。「再建という希望が残った -大震災 老人のつぶやき-Photo_2 」(加賀乙彦 3/29朝日)の一文。戦争中の都市爆破、広島・長崎の巨大な被害と残酷、軍国主義者の横暴と対比し立ち直った過去を思い出そう、天災への絶望でなく故郷を再生し大津波に対抗できる街をつくるのが「私たちの希望」という「つぶやき」。母と同年齢、誠実な声高でない声に耳を傾けたい。
 
 「あきらめずに立ち上がっていく。耐えて、粘り強い…日本人の美質を最も持っている東北の人々」(作家、伊集院静 3/26朝日)、「希望の光は万人に同じかたちで差すものではないが、いつかは誰にも差す…」(同作家 先週の週刊現代)こちら同年配。職場の東北出身の方々の顔去来する。共通する穏和な強さ、落ち着きと人情味。
                           
 先週の新聞、大津波に直撃された宮城石巻の大川小学校のこと。児童108人中、無事31人、21人は遺体、56人安否不明。教職員11人中、助かったのは1名。校長先生は午後から年休で不在だった。子どもたちの持ち物が、次々と掘り出される、小さな遺体も…。「子どもたちの笑顔を取り戻したい、子どもたちの居場所をつくってあげたい」と、倒壊した校舎の土砂をかき分ける校長先生。言葉が何一つ見つからない。                           
 
 宮城・岩手・福島だけで、児童・生徒184人死亡、安否不明885人。教職員は4人死亡、不明者56人。(3/25現在、朝日まとめ) 被災地学校への教職員の加配、4月20日まで前任校勤務可能な特別辞令。今日の朝刊には、「残った校舎で2部制授業、学級毎の分散授業」、「給食・体育どうすれば-福島 悩む放射能対策-自慢の給食、昼の放送で地元生産者の名前が」、「親を失った子支援-一時的に預かれる世帯数1700」、「教科書50万冊被災-新しい教科書は子どもたちの希望、会社の使命と教科書会社幹部」…教育は希望。私は今回の大震災で、「希望」という言葉が、「学校」、「教育」と同じ意味だと思うようになった。
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