波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

樹木希林さんの言葉で

2018年09月18日 | 日記・エッセイ・コラム

技とインタビューのわずかな映像しか知らないが、見事な終わり方だなあと思った女優の死。ひょうひょうとした口調なのに重さのある言葉だった。「どれだけ人間が生まれて、合わない環境であっても、そこで出会うものがすべて必然なんだと思って、受け取り方を変えていく。そうすると成熟していくような気がするのよね。それで死に向かっていくのだろうと思う。でも人間ってだらしないから、あんまりいい奥さん、あんまりいい旦那さん、いい子供で楽だと、成熟する暇がないっていうか。」(サイトで「樹木希林 言葉」で検索し拾った言葉) 
 
風立男氏は、人生とか人格とかはほぼ「環境」が決定すると思っている。「出会うものがすべて必然なんだと思って、受け取り方を変えていく。そうすると成熟していく」を、先週の停電にあてはめると考えさせられる。
自分で自分の暮らしを全くコントロールできなくなった事態。台風や大雨による悲惨なニュースを見聞きしても他人事だった。ただただオロオロし「早くつきますように」と念じるしかなかった。早く通電したところや自家発電機ある人をを羨ましく思う浅ましさ。いやはや。原発事故でなくて良かったとも思った。それを「まさか」と思ったり、もう停電はしばらくないなどと考えると、人間としても、暮らしの面でも、「成熟」がどんどん遠くに行ってしまう気がする。 これで『水』が止まったらどういうことになったことか。どんな環境になっても楽しく暮らせる術を真面目に模索しなくては。時間はまだだいぶ残っているはず。

身に転移した癌を受け入れ、「一人でできなくなったら、「これにてご無礼いたします。そうだね、最後のセリフは『「はい、みなさん、今世はこれにてご無礼いたします』。いいセリフだよね」(前同)という生き方を貫いた希林さん。それに比べ、闇夜に見た星空に驚いたり、冷凍してあった食材を一気台放出のご馳走を喜んだりして不安を紛らわせていた波風夫婦。生の根本のところが実に弱かった発見。暗闇をくれた停電と希林さんの死は、自分で自分をコントロールできない環境と自分の生きる力の脆弱さを思い知らされた。暗闇にオロオロしたことを電気のせいにしてみたり、個性派女優の見事な生き方を希有の才能のせいにするのではぜったいにもったいない。合掌。樹木希林さん、享年75歳。
 

 
画像は、ランプの光を調節するママヨさん。本を読むには暗く、ご飯のおかずは判別できる明るさ 一昨日の食堂ごっこに4名来店。とても元気良い同年齢女性の方々。話題豊富で率直、楽しかった。相席の面白さもある。未だ格好つけたがる同年齢男性ではとても太刀打ちできないなあ(涙)環境が人格形成に決定的でなければ教育の存在理由は無い。
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