一昨日、映画を見に行きました。
作品は『最強のふたり』です。
館内には二十人ほど入っていましたか。
これが多いのか少ないのかわかりませんが、大ヒットしている映画であることにはちがいありません。
私、作品を楽しみたいため、観たい映画は評判だけは調べますが、内容は知らずに観にいきます。
フランス映画だったのですね。
てっきりアメリカ映画だと思っていました。
勉強不足も甚だしいですが、フランス語で話されたとき、妙な感じを受けてしまいました。
久しぶりの、フランス映画です。
ストーリー自体は、単純なものだと思います。
ですが、前編を覆う、ユーモアというか、ブラックに近いのもありますが、どんな状況でも人生を楽しもうとする精神がとても素敵な映画でした。
障害者であろうと、貧しかろうと、引け目を感じることなく現在を楽しんでいる。
こういう描き方は、アメリカ映画ではなかなかできないのでは、と思ってしまいました。
なかでも、障害者をいじくるようなシーンは、日本だったらできないでしょう。
しかも、ちょび髭まで作って手を挙げるシーンは、日本人の私でもドキッとしてしまいました。
ですが、そんな場面も笑えてしまうのです。
笑ってしまおう、とでもいうのですか。
世の中は偏見で溢れています。
いまさらそれをタブーにしても、しょうがないでしょうと。
ただしそれを描けたのも、苦痛にのたうつ障害者を、少しでもその苦痛を和らげようとする気持ちが、観ているものに伝わるからだとも思いました。
そういう点では、役者がほんとうに上手いと思いました。
とても自然で、手持ちカメラの映像が、まるでドキュメントのように見えるシーンもいくつかありました。
また、お互いの境遇を描いて、残酷なまでの違い、天と地との差がある暮らし。
どんなに嘆いていても現実は変わらないから、それならそれを肯定し、いまあるもので楽しもう、ということでしょうか。
だけれど、やはり、この貧富の差はなんとかならないものだろうかと、見終わった後考えてしまったのも事実です。