戸惑い八景

見たり聞いたりしたモノを独自に味つけしました。
飛騨の高山から発信しています。

2013年01月17日 | 想うこと

大島渚監督が15日に亡くなられました。

80歳だそうです。

日本を代表する監督であることは違いなく、世界の映画人に多くの影響を与えたでしょう。

しかし私、代表作ともいえる、『愛のコリーダ』は観ていません。

だけでなく、大島監督の映画は、一本しか観ていません。

シネマディクトと自称する私ですが、ほとんど観ていないのです。

だいたい、松竹ヌーベルバーグと呼ばれた、吉田喜重、篠田正浩、両監督の作品もあまり観ていません。

吉田監督にいたっては、作品名も知らないし、一本も観ていません。

シネマディクト返上ですね・・・。

というのも、なんか惨めったらしい印象を持ってしまって、食いついていなかったのです。

松竹といったら、私にとっては、あくまでも、小津安二郎、山田洋次、両監督の作品になってしまいます。

大島監督の唯一観た映画が、『戦場のメリークリスマス』です。

これは面白い映画でした。

公開当時ですから、とても若いときに観たのですが、少なからずショックを受けた映画でした。

それは、敵である相手を、お互いが絶対に理解できない、その断絶が感じられたからです。

それでいて、ホモセクシャルなものをお互いの中に見ている、そのなんとも奇妙な情景がよく描かれていたと思いました。

それと、なんといっても、音楽。

坂本龍一の作ったテーマ音楽の素晴らしこと。

竹を鳴らしたような音での主旋律。

映像にぴったり合っていただけでなく、いつまでも、というか、いまこの瞬間も鳴り響いて耳から離れない、曲です。

何十年ぶりになってしまいますが、もう一回、観てみようと思いました。

ご冥福をお祈りします。