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湧永庭園
降圧剤を飲まない代わりに節制しているので酒は殆ど飲まない。つい寝酒代わりに難しい本を読んで、くらーっとくるというのか、がくっとくるというのか、体が眠気をもよおしたらそのまま眠る。ここのところ「世界の名著」正続全85巻と「日本の名著」全50巻の濫読が寝酒代わりになっている。難しい本がよい睡眠導入剤になっているのだ。心の病気なのじゃないかと思う。しかし、今に始まったことじゃない。活字中毒を自認している。だから、精神科のお医者さんにかかろうとは思ってもいない。
最近ではデカルトの「方法序説」(解りやすい)にはまってからというもの、カントの3批判書(集中して読めばどうにか解る)、ヘーゲル「精神現象学」(難しくはない)、ハイデッガー「存在と時間」(さっぱり解らない)、サルトル「存在と無」(解りやすい)と渡り歩いてきた。解説を読んでも本文を読んでも理解できない名著がある。翻訳者自身が理解しているのかどうかさえ疑わしい名著すらある。
東洋回帰というか、専ら睡眠の導入剤になっている中江藤樹・熊沢蕃山の口語訳(日本の名著)は興味深い。
体充「真実の儒道を実行するにはどのようにしたらよいですか。」
師「まず自ら思いあがった浮ついた気や名誉利益を追う欲心を捨て去り、むだ事やくだらない妄念を除き、明徳の心源を澄まし、『全孝の心法』を身につけることを根本の第一とする。」
*「全孝の心法」 仁義礼智ハ孝ノ条理ナリ、・・・、神理ノ含蓄スル所ヲ孝トスル。
中江藤樹著「翁問答」(日本の名著 中江藤樹 熊沢蕃山)の一節だ。