旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

サルトル

2014年08月31日 18時58分15秒 | Weblog

整理と調整の8月が暮れようとしている。明日新学期の日が昇れば早速繁忙期が訪れる。私は兵站を担い、戦士たちと供に野戦に臨む。現代戦の兵站は情報だ。マニュアル本に書かれていることを嘘っぽいと感じることが多い。嘘っぽいと知っていて数10冊のマニュアル本を買い込んで就職情報を入手分析する。

昨日は、西永良成著「サルトルの晩年」(中公新書)を読んだ。実存主義のスポークスマンであり、共産主義のよき理解者としてスターリンの粛清を黙認し、「焚書まで行った毛沢東」主義者でありながら知識人を擁護したサルトルの晩年が生々しく語られている。サルトルのアジテーションである「実存主義とは何か」をもう一度読んでみることにした。

 


愛車クラウン

2014年08月29日 20時10分46秒 | Weblog

「ブレーキパットが摩耗しているので前後左右4か所のパットすべてを取り換えなくてはなりません。」という診断だった。走行はすでに13万キロを超えている。あちこちが不調を訴えはじめた愛車クラウンが緊急入院することになった。
部品を取り寄せなければならないので修理にまる一日かかるという。自分の足で歩くことを意識したら存分に手足の自由さを味わうことができた。ワルノリして土日と祝祭日は車に頼らないで公共の交通機関とこの両足で移動しようなどという大それた思いに駆られて、ひとり苦笑した。
マックで好きな照り焼きバーガーにフライドポテトのM、Cokeを注文して食後しばし寛いだ後でフタバ図書に向かった。
フタバでは「マネー資本主義を制御せよ」(朝日新書)、『泣いてくれるなおっかさん 背中のいちょうが泣いている 男東大どこへ行く』の橋本治著「あなたの苦手な彼女について」(中公新書)、「物理学校 歴史の中の理科学生」(中公新書ラクレ)、尾木ママ著「教育破綻が日本を滅ぼす」(ベスト新書)の4冊を買った。
買った本をいれたビニール袋を小脇に抱えて小雨の中をあちこち歩き回った。愛用する傘と買った本の重みが心地よい。
愛車クラウンは明日の18時半にわたしの元に帰ってくる。

 


夜空

2014年08月26日 20時38分11秒 | Weblog

遅れて種をまいた向日葵がわたしの背丈に近づいた。隣では赤い薔薇が咲いている。庭の隅ではオリーブが実を結び、その奥の菜園にプチトマトが房状に実っている。まだら模様の野ブドウについた実が秋の訪れを告げ、切り倒す予定にしているもみじ2本と枝垂れ梅に目をやると秋風が吹き抜けた。
高い夜空に星が煌めいているから明日は晴れる。あと2日出ると金曜日から3連休に入る。ひと晩眠れば疲れが落ちるから、この月末には3日間の余暇を楽しむ。こころの疲れには森や山の緑、焼けた砂浜と潮騒が効く。秋場は海なら周防大島、山なら西中国山地と決めている。晩夏だから行き先に少々迷う。


河口

2014年08月25日 21時17分35秒 | Weblog

高速が2キロにわたって渋滞していた。護岸の釣場に着く頃にはすっかり日が落ちた。薄暗がりの中で取り出した竿を伸ばす。リールを取り付けて道糸を先の管まで通して、できあいの釣り針を赤いジェット錘に繋ぐと、すっかり準備は整った。青虫をつけて暗い河口に向けて思いっきり錘を飛ばす。広島湾は9時過ぎが満潮だ。闇の中で竿先を見つめる。
向いの岸にはマリーナホップのネオンが輝いている。河口の沖では島々が眠りにつこうとしている。蒸し暑い空気の中で背伸びをする。曇り空を仰ぐと気力が蘇ってくるようだ。ようやく健康を取り戻した。河口の暗闇の中に立っておれるようになった。広い河口にひとりでいることに体が馴染みはじめた。


返信

2014年08月24日 09時58分03秒 | Weblog

あの夜は凄まじい雷雨でした。バケツをひっくり返したような雨と、耳元でドラム缶を打ち鳴らすような雷鳴が深夜の1時過ぎから3時間ばかり続きました。翌朝は激しい雨に打たれたというのに妙に静まりかえっているという印象を抱きながら勤め先に向かいました。深刻な被害状況を知ったのは、当日学校を出る前に同僚から「安佐北・安佐南がえらいことになっているらしいですよ、気をつけて帰ってくださいね。」の二言でした。今日も朝からヘリコプターが数機上空を舞っていますし、自衛隊、消防、泥だらけのボランティアさんたちを目にするにつけ「えらいことになったなあ。」という実感がこみあげてきます。甚大な被害を受けた緑井、八木の現場と自宅は距離にして1キロもありません。高瀬堰を挟んでちょうど真向いの位置になります。


ドベッと

2014年08月21日 23時27分17秒 | Weblog

嬉しいことに明日は厚生休暇なので続く土日と合わせると3日連続の休日になる。厚生休暇というものがどのような種類の休暇なのかいまだ知らない。休養が取れればそれでいい。だから来週の金曜日も厚生休暇をいただいている。どのような種類の休みなのか詮索する気はない。連休には少々ドベッとした生活を送りたいと思っていたところさっそく今夜からドベッとした生活が始まった。回転寿司を食べたら喉が渇くので甘酒を2カップ飲んだ。さらに喉が渇くのでコーヒーを2杯飲んだ。そしたらさらに喉が渇いてきたので氷水をコップに3倍は飲んだ。寿司は小ぶりとはいえ15かんは食べている。


象さん山

2014年08月21日 21時58分16秒 | Weblog

わたしたちは高瀬堰を挟んだ向いの山を「象さん山」と呼んでいる。山の姿が象に似ているからと娘たちが命名した。春には青い山肌に桜やツツジが賑やかに咲く。秋にはやはり青い山肌が紅葉や黄葉に覆われる。
高陽高校の裏道を抜けて少しのぼると恵下山の展望台がある。小高い山の頂を削ったような小さな展望台だ。周辺は高いクヌギと雑木に囲まれている。展望台から水を湛えた高瀬堰と「象さん山」や山の裾の日に照らされた住宅群を眺めるのが好きで、秋の休日にはよく恵下山にのぼった。
今回の豪雨で山崩れをおこしたのは緑井から八木に連なる「象さん山」だ。まるで巨大な象のような姿をしたわたしたちの山が、頂上付近や中腹あたりから5、6行の黒褐色の地肌を無残に晒し、流れでた土砂が住宅を巻き込んだ。


木田元さん

2014年08月19日 20時25分41秒 | Weblog

単位を取得した学科ですら曖昧で、学校で何を学んだかという記憶すら薄い。恩師はいなと思っていたし、学校を出てしばらくは木田元さんの名前を忘れていた。講義を聴いたかどうかさえ定かでない。積読するハイデガーや愛読するメルロ・ポンティに関わる木田さんの著作や翻訳は多い。現象学や実存主義を守備範囲にしていたのだから、彼の思索と私の興味は自ずと重なっていった。最近「闇屋になりそこねた哲学者」を読んで、その人間性にも引かれ始めた矢先に死亡記事を目にした。神田駿河台で同じ時代の空気を吸った親近感と似通った思考の方向性につられて、しばらくは木田元さんとお付き合いをすることになりそうだ。


免許の更新

2014年08月16日 08時01分57秒 | Weblog

運転免許の更新に行った。運転が少々荒くなっていることを自覚している。講師の話に懸命に耳を傾けた。青信号は「進め」ではなくて「進んでもよい」、黄色信号は「注意しながら進め」ではなくて「止まれ やむを得ない場合は進め」のサインであることを知った。当たり前のことだが死角は見えないことを再確認できた。これからの運転に生かしたい。また、今回の講習では、聞き手に聴く準備ができていたら大声で熱く語るよりも、わかりやすい言葉で淡々と語った方が通じやすいことを自ら体験することができた。有意義な半日だった。


夕刻

2014年08月15日 21時32分32秒 | Weblog

ドキュメンタリー「リクルートのナレッジマネジメント」と伝記「Steve Jobs スティーブ・ジョブズ」を買った。加えて「超訳 ニーチェの言葉」で痛く失望してまだ日が浅いというのに、「超訳 ブッダの言葉」まで買ってしまった。ニーチェやブッダの名を高く掲げ、美味しそうな箇所だけを取りあげて現代風の味付けをする。軽さと浅薄さと事大主義的安易さが気にいらない。「ブッダ 最後の旅」や法然の「選択本願念仏集」を精読中だからなおさらだ。余計気に障る。しかし、よく考えてみると、定価では5000円をこえるハード・カバー3冊で〆てマックセット並の値段だから、ついこちらも釣られた。ぶつくさ言うほどのことでもない。いずれも新品同様だから良い買い物をしたといわざるをえない。


お盆

2014年08月13日 19時39分49秒 | Weblog

太陽は高く山は青い。海は光り輝いて町や小島は静まりかえっている。小高い墓地から船越や海田・坂の町を一望できる。墓碑に刻まれた父のお伴でよくのぼった。父は祖母・祖父のお伴で、祖父母は祖々父母たちのお伴でのぼったことだろう。わたしは娘を従えて墓地にのぼる。盆には黄色い菊や白い菊・竜胆の紫がよく似合う。この小高い墓地で、明治から昭和・平成を生きた一家の歳月を思う。


眠り

2014年08月11日 19時44分36秒 | Weblog

盆前の学園は閑散としていた。勤めを終えて湾岸の学園を後にする。助手席の弁当箱を眺めて長嘆息、今日もせわしくて昼の食事がとれなかった。今月に入ってからというものとにかく忙しい。必要なのは休養だ。この連休中の仕事だけは御免蒙りたい。休日には歩き、明けたら再び走る。仕事を存分に楽しむのが信条だ。熟睡できれば、脳に溜まりかかっている灰を洗い流すことができそうだ。耳鳴りのないカーンとした心地に思いを馳せるだけでこころが弾む。


盆休み

2014年08月10日 14時23分31秒 | Weblog

明日、明後日と出勤すれば5連休の盆休みが待っている。わが家の墓に参る。ご無沙汰していた恩師の墓に参る。わたしより先に逝った人々を偲ぶ日々にする。盆休みのうちに、中村元訳「ブッダ最後の旅」(岩波文庫ワイド版)の表紙から裏表紙までの400ページを隅から隅まで読み返す。読み残しているのは注釈の一部だけだ。本文はすでに何度も読んでいる。ブッダの入滅後数百年後に完成したこの経典(原始仏典)では、入滅直前のブッダの言動が仏弟子アーナンダの「如是我聞」で語られる。並行して、法然「選択本願念仏集」、親鸞「教行信証」の口語訳(中央公論社 日本の名著)に目を通す。潤いに満ちた濃い時間の到来が待ち遠しい。


凄まじい!

2014年08月08日 22時27分33秒 | Weblog

まあ、凄まじい。学校に着くと、朝から7人の侍ではない、7名の生徒が指導室の前で待っていた。まとめて相談に応じている間に、別の生徒3名のちょい相談があって、2名の来客があった。午前は瞬く間に過ぎた。午後は一般教養と数学の個人指導が2名、その間アポなしの来客が3名に、やはりアポなしの生徒3名がちょい相談。記憶にとどめているだけで20名と面談したことになる。今日がピークであったとはいえ月曜からほぼ同様の毎日が続いている。クライエントである生徒たちが満足してくれているかどうか、それだけが気がかりだ。


長い余暇

2014年08月06日 19時54分34秒 | Weblog

ここン10年間というもの仕事を離れたことがないので、退職して数ヶ月後から自分が何をしているのか想像すらできない。哲学や思想は仕事の影だし、本を読むということは代理学習のようなものだから、いずれ読書とは距離を置くようになるのだろう。しばらくは、好きな釣りと農業に明け暮れそうな予感がしている