旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

にっぱち

2010年07月28日 21時08分32秒 | Weblog
休日が来ることだだけを心待ちにする、哀れな人間になり下がってしまった。趣味の合間に仕事をしていたあの頃が懐かしい。お盆をひかえて職場もようやく閑散期を迎えたようだ。やれどもやれども仕事が降って湧いてきた頃を思うと嘘のように平和で牧歌的な日々が続いている。間もなく「にっぱち」の8月に入る。暇疲れというのも辛い。

会合

2010年07月17日 07時52分34秒 | Weblog
連休の第一日は労働組合の会合から始まる。支部の学習会だ。その昔、民間で組合の役員をやったことがある。活動に無関心な組合員の無責任な言動に苦慮した。結果的にひどい目に遭った。だから私は、組合員としての権利を主張する前に、私が一組合員としてやるべきことをやる。

この種の会合には必ず出席している。新参の老兵であることは承知だ。それでも声がかかれば必ず出席している。毎度、組合員の出席率が3割を切るのはなんとも心もとない。私とて、連休3日の初日に組合の会合に出るのは辛いのだ。

様々なる意匠

2010年07月15日 22時17分46秒 | Weblog
意匠と衣装の区別さえつかない頃に国語の参考書で読んだ記憶がよみがえった。当時、私はマルクスと聞くだけで怖いものに触れるような世界の住人であった。今読めば、一世を風靡したマルクス主義文学に対して個人主義的な立場からその事大主義に反駁を試みていることは容易に読んでとれる。

労働法を学ぶつもりで入ったゼミでいきなり「資本論」を読むことになった。教養科目の経済学はマルクスの「剰余価値説」がテーマだった。卒業間近になってようやく「経済学批判序説」を読み切った。マルクスの思想の片鱗を理解できるようになって社会科学に目覚めた。マル経の教授たちは小林秀雄と同世代だった。

現代風にいうと、インテリ世界でマルクスがファッションだった時代に、個人の嗜好や好みを前面に打ち出してアンチ・マルクス主義の論陣を張った小林秀雄は、器用な人間ではなかった。雑誌「改造」の懸賞論文(1929年8月)では、のちの日本共産党委員長宮本顕治が芥川龍之介を論じた「『敗北』の文学」が1席で、小林秀雄のこの「様々なる意匠」は2席だった。

小林秀雄全集

2010年07月11日 00時54分35秒 | Weblog
ようやく小林秀雄の全集が手に入る。昭和53~54年にかけて出版された新潮社「新訂 小林秀雄全集」全15巻だ。ヤフオクで落札した。三島由紀夫全集を手に入れた際には著作のかなりを読み終えていた。今回の小林秀雄については代表作を数編読み終えているにとどまる。到着が楽しみだ。

この1ヶ月は心理学関係の本を読み漁った。しかし、いまだに心理学にはなじめない。3面記事的心理学は確かに面白いのだけれど、果たして学問の名に値するのかどうか大いに疑問を抱いている。もっとも、学問とは何かと問われても応えられない浅薄の身である。大上段に構えるほどのことではない。

ただ確かなのは、心理学を法律学と人文科学、哲学と文学を比較すると浮かび上がってくるような、強い論理性と非論理性または弱い感性と強い感性という範疇で仕分けをすると、心理学は非論理的な要素が高い学問なので私の肌に合わない。率直にいうと苦手なのだ。

波多野精一

2010年07月04日 23時24分39秒 | Weblog
キャリコン検定終了記念に、ヤフオクで「小林秀雄全集 全12巻」と「波多野精一全集 全6巻」の落札を試みた。1000円差で小林は失敗、波多野はうまく落札できた。

波多野は著名な宗教哲学者だ。本の到着を楽しみにしている。小林秀雄については「日本の古本屋」で手ごろな全集を見つけた。近いうちに購入しようと思う。

実技試験

2010年07月04日 15時41分48秒 | Weblog
本日の13時30分、キャリアコンサルティング技能検定2級の実技試験が終了した。ロールプレイの相手がかなりの難物で苦慮した。なにしろ相手側は2~3年間、「漠然とした不安」を抱えているのだ。あらゆる方向から原因解明の糸口をみつけようと試みたが、ついに原因を解明することができなかった。

原因が定かでない「漠然とした不安」が相手方にあるのだから、心療内科ないしは精神科に行ってみるのもひとつの選択肢じゃないか、また、次回からストレス解消の方策を話し合ってみようじゃないかと提案した辺りで終了のゴングならぬ終了のベルと相成った。

この一年間の実務で培ったあらゆるスキルを総動員して、「漠然とした不安」の原因に迫ったが、ロープレの相手方が「漠然とした不安」をすべての質問の矢面に立てるものだから話に進展がない。もっとも「漠然とした不安」なのだから原因を究明すること自体に無理がある。じゃ、どのように対応すればよかったのか。

自らの勉強不足を恥じて、この一週間で10冊ばかりのカウンセリング関連の本を買った。こういう種類の相談にキャリコンとしていかに対処するべきかを自分なりに研究してみた。独学の私の場合、自分なりにやってみるしかない。 

心理学のテキストに従うと相談者は心を病んでいる。この症状を「勤続疲労」と呼ぶ研究者もいる。今回のロープレの相手方はキャリコンが扱うコンサルティングの範疇を超えている可能性が高い。自らの能力を超えた相談内容ないしは相談者に対してキャリコンはどのように対処すべきか、これが出題の意図であれば合格圏、相手の心=相談者の重い口をなんとしてでも開かせることができるかどうかが出題者の意図であれば私は不合格圏ということになりそうだ。

小林秀雄

2010年07月03日 22時29分00秒 | Weblog
読書脳が刺激を受けるのであろう。ユングに続いて無性に小林秀雄を読みたくなってきた。明日の国家検定を前に脳が飢えている。原因の多くは、傾聴だ、ラポールだとまるで高校レベルの教科書にあるような暗記、なぜ傾聴なのか、なぜラポールなのかを問わないキャリコン検定のテキストの内容にあるようだ。

口述試験対策の合間に新書『新入社員はなぜ「期待はずれ」なのか』(副題 失敗しないための採用・面接・育成)を読んでいたら、『まずは「ダメ人材」をつかまない』ための10カ条の④に浪人や留年を必要以上に繰り返し、選択と決断を先送りしてきた人材は仕事が遅いことが多いと断定している。

その部類に属する私とすれば言いたいこともあるのだが、『時間を優先して仕事を削ることができない頑なな人が多く、自分が満足するまで満足するやり方でやり通そうとします。また、プライドが高く、ポジションにこだわり、自尊心が高い。』とまでいわれると少々腹が立つ。正しく職人的ビジネスマンを自負してきた。私からすれば、職人的サラリーマンがなぜ「ダメ人材」なのかよく解らない。著者は経験則でのみ言及している。かなり批判を受けたとことわっているから・・・、ま、いっか。

明日受けるのは、キャリアコンサルティング(職業相談)の技能検定(国家検定)口述試験、私がもう一冊、本日、手にしたのが「人材コンサルタントに騙されるな!」という新書。人材コンサルタントとキャリアコンサルタントとはほぼ同義である。この場に及んでもなお、事実を究明しようとしてやまない私は、やはり「悲しき活字中毒者」なのであろう。しかも、自分が満足するまで満足するやり方でやり通そうとしている。

ユング

2010年07月02日 23時09分59秒 | Weblog
本来ならば面接試験に備え、口述のロープレに着手して勉強不足の穴を少しでも埋めておかなければならない時節なのだ。迂闊にも「臨床ユング心理学入門」を読んでいるうちに著者である山中康康裕の解説力に引き込まれた。気がつくとその大半を読み終えていた。

心理学といえばフロイトと考えるくらい精神分析がすべてであった。「夢判断」に始まって「文化芸術論」に至るまで、無意識の世界を科学的に解明したのはフロイトに始まりフロイトに終わる、という先入観に囚われていた。エディプスコンプレックスに象徴されるように意識を動かす無意識の世界の源が性欲にあると思い込んでいた。

例えば、この考え方に対してフロイト時代には既に、ニーチェがいう「権力への意思」が心のエネルギーの源であると主張する学者がいた。フロイトの1番弟子、アードラーである。フロイトの性欲と心・精神を結びつける見解とは一線を画する。

アードラーは「人間を大きく動かすのは力への意志である。」と説く。「人間の無意識の中にはこの『力への意思』すなわち劣等感が存在する。」ことを前提にして、性の問題に一切触れることなく神経症を説明した。

衝撃を受けた。古典的名著といえどもフロイト著作の歴史的な位置づけや思想の批判的な摂取を怠るとこういうことになる。私の心の内にある事大主義への警鐘でもあった。