旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

書評

2010年02月28日 19時24分51秒 | Weblog
住宅屋になると住宅業界のすべてを知りたくなった。信用調査を業するようになると中小企業のすべてについて知りたくなった。そして保険を売るようになると金融のすべてについて知りたくなってしまった。

今日の書評で、日本の高等教育には職業教育が欠落していることを指摘する論者がいた。同感だ。職業と教育のバランスについて語る学者が少ないように思う。否、職業について語らない学者が多過ぎる。

古典

2010年02月26日 20時42分59秒 | Weblog
暇になると無性に古典を読みたくなる。文章の書き方に関わる本であればつい買い進んでしまう。厚めの辞典をみつけると身近に置きたくなる。気に入った映画や小説の名作を英文で読みたくなる。原因は私にもわからない。

岩波文庫のワイド版「論語」を枕読するには口語訳がいい。蕪村の俳句集は冬から春の深夜に味あう。小説の醍醐味は「ドン・キホーテ」に「モビィ・ディック」に尽きるように思う。良い文章の書き手といえば、民法の我妻栄、宗教学の渡辺照宏、林達夫に三島由紀夫。辞典はとにかく厚いものが優れている。実務との関係で心理学の原書を読んでいる。Carl Rogersの英文は平明でわかりやすい。

過激な読書は翌日の業務に支障が出るので控えめな読書を心がけている。それでも、読書がつい深夜に及んで3、4時間の睡眠で出勤ということになってしまう。私は寝溜めが効くので昼間に眠気をもよおすことはない。良好な視力と寝溜め、本好きは意外にこのあたりが原因なのかもしれない。


傾聴

2010年02月25日 22時18分38秒 | Weblog
これまでは良い癖じゃないかと考えてきた。しかし、見方によっては悪い癖なのかもしれない。いつもの癖で物事を大上段に構えて観てしまう。つい、その本質をについて考えてしまう。たとえば相談する側から見れば職業相談の本質などどうでもよい。相談の内容について的確な回答をえることができればそれでよいのだ。

本来、誰しもがもっていると仮定される自己実現への願望が、相談にのる側が相談する側の話にひたすら耳を傾けることによって、傾聴することによって、明らかになってゆく。キャリアコンサルタントはその産婆の役を担うのである。ザックリといえば、正統的なキャリアコンサルティングではそのように考える。カウンセリングの底の浅さを垣間見ているようで不安である。楽観論に過ぎるのではないかと思う。

キャリアコンサルティング技能検定2級の実技試験で合格点をいただいた。論述の方が予想どおり不合格だったので総合合格は叶わなかった。しかし、私のコンサルティングが大きくぶれてはいないことが明らかになった。

熟練のキャリアコンサルタントかどうかを検定するこの実技に合格したことが日々の仕事の自信につながっている。志願者のほとんどがキャリアコンサルタントの有資格者で合格率は20%に満たない。しかも論述よりも実技の方が難関であるといわれている。私はキャリアコンサルタントの資格をもっていないし独学者である。


閉店開業

2010年02月24日 07時45分42秒 | Weblog
現職で6カ月を経てようやく有給休暇がとれるようになった。有給休暇をありがたいと感じることができるのは、業務を後日に持ち越さないからだ。その日で業務が完結し尾を引かないから休暇を楽しむことができる。

前職は挙績のみが問われる職種だ。したがって契約が挙がれば就業時間とみなされる。社外での活動が中心なので就業時間中に休息することも可能だ。開店休業、閉店開業が常態で、休暇と労働日の境界が曖昧だった。

されど我らが日々

2010年02月23日 21時52分53秒 | Weblog
私の部署では所員ひとりの削減があるらしいので、来年度も現在の職務に就くことができるのかどうかはわからない。それでも今日、現在の待遇を来年度も約束すると所長から言われ、来年の4月以降も役所で働くことになった。この役所の仕事自体が好きだから、がむしゃらに仕事をやってきたしやっている。どこの部署に配属されようと悔いはない。国民の血税と雇用保険料を負担する労働者、企業のために給料以上に働いてみせる。私は徹頭徹尾、仕事中毒なのだ。

雇用保険

2010年02月09日 19時27分08秒 | Weblog
この仕事に就く前に、私自身が大声をあげて職員に抗議した経験があるくらいだから、気の短い失業者諸氏のことをとやかくは言えない。要は、雇用保険の受給手続きは実に面倒で意外に時間を食う。失業という事故が生じて初めて受給資格者となるのだが、就職活動を進めないことには受給できない。

例えば、こういう点が失業者諸氏から見れば面倒で難解だからつい声をあげたくなるようだ。事務経験者を除けば一般に失業者諸氏は事務手続きが苦手だ。遅きに失したきらいがないでもないが、不肖はやと、ようやく雇用保険受給の流れを理解できたようである。この間、7か月が経過した。失業者諸氏が雇用保険のしおりを読んだくらいでおいそれと理解できるような代物ではない。すらすらと事務手続きが進みようがない。


本日は中国人の求職者から職業相談があった。一日に10時間でも12時間でも働きたいという。土曜も日曜も休日もいらないから、とにかく働きたい、お金を稼ぎたいとのことだ。ところが、労働基準法では原則週40時間、一日8時間の労働時間制が定められている。

一日12時間で1週ともなれば、週84時間労働になる。労使が合意したとしても、このような労働をを労働基準法は容認しない。指針によると、残業は1週15時間、月45時間以内とされています。家族のためという意欲は買うが、もっと日本の労働法の基本中の基本を押さえておくようにお願いしておいた。終いに彼女は、とにかく働く場を紹介して欲しいと訴えたのち、ようやく帰路に就いた。

同根の漢字とはいえ、ついに求職票というかな交りの日本語は理解できなかったようだ。片言の日本語が話せても日本語が読めない。実は、この点が問題なのだ。

ドン・キホーテ

2010年02月06日 23時55分47秒 | Weblog
ようやく仕事に慣れてきたようだ。今日は久しぶりにブックオフにでかけて社会保障や社会福祉に関わる本を買った。この種の本は人気がない。「社会保障法」と「社会福祉概論」のいずれも2003年の発行で少し古いが、十分に2010年時点での使用に耐える。併せて210円の買い物だった。さっそく読み始めた。

最近、職業訓練を受講する求職者に生活支援金を支給する制度ができた。失業者のうち、失業給付を受けることができない求職者が対象だ。厚労省の広報やハローワーク内での積極的な紹介の効果が出始めて利用する人が急増している。雇用保険の受給資格がない人のみが対象になっているので、申込者のなかに生活保護を受けている人もいる。

そこで、生活保護法のおさらいをするために2冊を買い求めたということになる。テキストによると、生活保護は4つの基本原理と4つの原則をよりどころとしている。最低生活保障と自立助長という「国家責任の原理」、「無差別平等の原理」、健康で文化的な生活維持するための「最低生活の原理」、資産調査という厳しい関門を予想させる「保護の補足性の原理」に加えて、「申請保護の原則」「基準及び程度の原則」「必要即応の原則」「世帯単位の原則」がそれである。憲法第25条、国民の生存権・国の生存権の保障義務の具体的な内容を規定している。



そのむかし、どこかの図書館で見かけたことがある様な気がする「筑摩書房 近代世界文学 2 セルバンテス」の発行は昭和49年だ。やはり本日、ブックオフで買い求めた。驚くほど装丁がしっかりしている。内容は「才気あふるる郷士ドン・キ・ホーテ・デ・ラ・マンチャ」の前篇と後篇だ。岩波文庫版とは翻訳者が異なる。翻訳の微妙な差と紙面の大きさの差を見比べながら、しばしセルバンテスの世界で遊ばせていただいた。