この3ヶ月ばかりは受検(受験ではない)勉強を優先した。先々週に受検を終えた昨日、新書コーナーで30分余り、興味が赴くままに新書を買い漁った。新書なら表題と目次に目を通せば私が読みたい本かどうかほぼ見通すことができる。読書欲がぐつぐつと煮え滾っている。
『人間形成の日米比較』・『考えない人』・『メンタルヘルス』(中公新書) 『若者はなぜ「決められない」か』・『就活の前に』・『行儀よくしろ』(ちくま新書) 『「聞く力」を鍛える』・『職場は感情で変わる』(講談社現代新書) 『人間関係が10倍よくなる「聞く技術」』・『非社会性の心理学』(角川新書) 『声のトレーニング』(岩波ジュニア新書) 『決断プロフェッショナル』(光文社新書) 『職場は「話し方」で9割変わる』(リック新書)計13冊を買った。
『人間関係の日米比較』『若者はなぜ「決められない」か』『考えない人』『行儀よくしろ』『非社会性の心理学』の順に読み始めた。せっかくの13冊だから2月の中旬までには全冊に目を通しておきたい。
この日和だから農園のダイコンは成長を続けてかなり太くなっていることだろう、味を良くするために肥料を控えている。30本から40本はある。収穫してから天日で乾かし、水分を十分におとして保存すれば、水に戻すだけで酒のつまみやお茶漬けに合った香の物ができあがる。ゴボウとサトイモは食べごろだ。掘り起こすのに苦労するから食べる分だけ収穫する。ゴボウは天ぷら、サトイモは定番の芋煮にして食す。ニンニクの収穫は夏場になる。毎年春になって慌てる、ジャガイモの種芋を早めに買って、今日は畑を耕す。
夕食前の暇な時間を利用して近くの(車で10分内)『ブックオフ』で新書を物色した。興味が湧いた新書を片っ端から買い物籠に放り込んでいたら、あっという間に20冊を超えたので書き込みがあるものを元の本棚に返して、うち15冊だけを買った。
国友隆一著『帝国ホテル サービスの神髄』【120年愛される理由 伝統は守るためにあるのではない、越えるために存在する。】と姜尚中著『あなたは誰?私はここにいる』【絵を見る 自分を見つめる】の2冊は別にして、あとの13冊は何らかの形で今の仕事と関連がある。
急かされることはないし慌てることもない。相談に訪れるクライエントの要望に、クライエントと共に淡々と時にはこころを熱くしながら取り組む。クライエントのこころは広く大きな海のようなものだ。耳を傾け澄ませ、クライエントを受け入れないとみえてこないし感じることができない。私も含めた世間の先入観は親の仇も同然、断じて受け入れることはできない。
いつもなら9時前に愛車プリウスで職場へ向かうところだが、今朝は1時間余り早い8時前に自宅を出てバスで職場に向かった。最後のルートは紙屋町からタクシーをとばして、どうにか10時5分前に学園に到着した。積雪が原因だ。広島バスセンターに降り立ったのが始業10時の25分前だから一時は諦めかかった。学園まで5キロ以上の道のりがある。職場に電話を入れて雪景色を眺めながらのんびりと出勤しても誰も咎めなかったことだろう。哀しい元営業マンの性(さが)でタクシー代2千円余りを浪費する羽目になった。それでも遅刻が許せない。このわたしが遅刻することが許せない。始業時間に間に合ったので、まるで心の芯に軸が通ったようだ。終業まで快適に仕事をこなすことができた。
朝食のあとで一杯と少々のコーヒーを飲んで学園に向かう。完璧とまではいわない。それでも今期の総仕上げは着々と進んでいる。今日は監督官庁から客人がある。思い起こせば、この役所にも随分世話になった。謝意を表する意味も込めて誠実に応対する。
峠を越えて身辺は静寂に覆われている。年度変わりに向けて書類の整理を進めたり、クライエントが急に進学から就職に進路を変えるような事態に備えて求人情報を収集するといった受け身の、のどかな日々が続く。
カウンセリングに関わる書籍以外では、松尾博著【ヴェブレンの人と思想】(ミネルヴァ書房)が本年の入手第1冊目になった。経済学について正式な教育を受けたわけではない。一般教養で学んだ経済学はマル経、つまりマルクス主義経済学だった。テキストは良しにつけ悪しきにつけ革新的な思想を理解するには重宝したが、サラリーマン渡世の実生活では何の役にもたたなかった。衒示的消費の実相について鋭い分析をしたヴェブレレンについては、「有閑階級の理論」を始めとして、かなりの著作を買い込んでいる。暖房が効いた部屋でのんびりと、ヴェブレンを読むところから今年の読書生活が始まる。
元旦から5日が経った。明日から学園は新学期で、若者たちの溌剌とした空気に包まれる。あさっての夕刻になると、待望の3連休の前夜がやってくる。そして・・・、ようやく新年が明ける。