旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

海釣

2012年05月27日 23時44分33秒 | Weblog
間もなく一昨日になる。かろうじて昨日、約3年ぶりに海釣りにでかけた。観音から舟入、吉島と釣り場を探したのだが、海や島々をのんびり眺めながら釣りに没頭できるような釣り場が見つからない。

餌を買ったのが宇品港近くの釣り具、というよりも釣り餌屋さんだった。最近の連れ筋を尋ねたら、ちょっときつそうなおかみさんが「難しい季節じゃね、少し早いがキスかねえ。」とのたまうので、私は「フンフン」、腹では行き先を「ベーサイドビーチ坂」に決めた。底が砂地であることがキスをあげるための条件だ。

駐車場は6月まで無料で開放されている。長い砂浜と防波堤は格好の釣り場だ。金輪島や元宇品の新緑を背景にして、彼方にウィンドサーフィンが行きかう。オキアミボイルを餌に探り釣りを始めたら一投目でわかった。海底には青海苔が繁殖しているのでキスは釣れない。

投げる、探る、あげる、新しいオキアミをつけるを繰り返した。どんな魚が食いついてもいいようにメバル針を使用した。30回ばかり探り釣りを試してあがったのは、7センチのクサフグ1尾に5センチに満たないハゼが2尾にとどまる。キスの引きはまったくない。

しかも、砂の上で餌のオキアミをつけかえていたら、通りかかったラテン系と思しき女性が釣り糸をおみ足に引っかけてくれて、オキアミを取りつけていた私の指に、その釣針が食い込むというアクシデントが起きた。ずぶっと指先に針が食い込んでしまったので抜けないのじゃないかと心配した。

ところが注射には弱いが、この手の負傷には意外に強い。メバル針は他の釣針と比べると細い。一気に抜こうと試みたらあっけなく抜けた。痛かったが染み程度の出血しかなかった。「ダイジョウブデスカ。」と旦那、通訳風の若い女性が「大丈夫ですかあ。」ラテン系の女性は「イタクナイデスカ。」。「いてえんだよお、足元に気をつけろよ。」と怒鳴りたかった。耐えたのは優しい言葉と美貌のせい。

1時間ほどで探り釣りはやめて遠投に切り替えた。餌はアオムシ(青ゴカイ)だ。大ぶりのアオムシの牙は鋭い。2、3度噛まれかけた。なんどもなんども餌のゴカイをつけかえて遠投を繰り返していたら日が落ちた。3時間かかって釣れたのは10センチに満たないコチが一匹だった。

約5年前には別府湾沖で65センチのヒラメをあげ、約20年前には海水浴場になる前のこの場所で20センチを超える青ギスを1時間ほどで10と数尾あげた私がこの体たらく、顔を洗って出直すことになった。通算で約4時間の修行は終わった。そして昨晩(一昨晩)は夜8時前に床に就き、翌朝の8時まで眠りこけた。起きざまに右手の薬指が疼いた。