久しぶりの連休は、いづれも小論である、サルトルの「実存主義とは何か」とデカルトの「方法序説」「省察」を読み返している。カール・シュミットの小論「政治的なものの概念」の熟読も始めた。多分に時代的な風潮に後押しされながら、熱い思いを抱いて読んだ著作が秋の夜長に蘇る。サルトルの哲学を酷評したハイデガーの大著、「存在と時間」は英訳で読み始めてやっと読破のめどがたった。秋の夜長は理解に長けた時代に読んだ著作の跡をなぞるように、思い出の著作をじっくりと読み返すのが良い。
昨日は、雨の中で3時間ばかり農作業をした後で広島駅界隈を歩いた。ビッグカメラ広島駅前店で文明に触れようと思い立ったのが発端d。まるで近未来のような電気製品の海を目の当たりにしてこころが揺れた。見るのが目的なので、気にかかっていた広島駅周辺まで足を延ばして広島駅と北口をあちこち歩いた。辺りはまだ工事中なのだ。陽が落ちる前に、無沙汰している駅南口の「むさし」で天麩羅うどん定食を食べた。不覚にも、添えられた随分しょっぱいが美味しい「俵むすび」に感動すら覚えた。まだ減塩療法は続いている。3時間の農作業に5~6キロの歩行が効果を奏したようだ。血圧が(私にしては)低い数値で安定している。
今日は朝からフッサールを手掛かりにして現象学のおさらいをすることにしていた。フッサール晩年の主著『デカルト的省察』がたまたま目に留まったので手に取ったが、まもなく、まだデカルトの『省察』を読みこなしていないのに、いきなりフッサールの『デカルト的省察』はないだろうので、『デカルト的省察』を閉じて『世界の名著 デカルト』を引っ張り出して、『省察』『哲学の原理』『情念論』の順に読み進んだ。
久しぶりの本格的な哲学に疲れを覚えたので、3時ごろから宇品のスーパー「イオン」でウィンドウ・ショッピングに興じ、野菜300グラムの味噌ラーメンを食べて気を晴らした。帰り際に、そこそこのビジネススーツが1万円以下の価格で売られているのに少々驚いた。
来週の後半から再来週の前半にかけて久しぶりに休暇をとった。23日の振りかえ休暇で4連休になり、続く月、火、水の「休暇届」の提出で、この下旬は、狙い通り7日の連休になった。この間の休養がうまくいけば、心身ともに凌ぎやすい秋を向かえることができる。これから休暇中に読む本の選定を進め、畑の耕作計画を練る。この二つの趣味は私の生きがいのようなものだ。
本の選定についていうと、東洋思想ではすでに、岩波文庫ワイド版『論語』と『日本の名著 伊藤仁斎』の熟読に決めている。西洋思想では、ハイデガーに言わせると問題だらけということになるサルトルの『改訂版 実存主義とは何か』の読み直し。ハイデガーの『ZEIN UND ZEIT』、同著の英訳『BEING AND TIME』、原著の日本語訳である『存在と時間』というドイツ語・英訳・日本語訳の同時並行的読書に挑んでみたいと思う。英訳『BEING AND TIME』は、数ある『ZEIN UND ZEIT』(ドイツ語)の日本語訳『存在と無』よりもはるかに明快で読み易い。肝心のドイツ語がかなり不安なので辞書を2冊買いそろえた。語学力との兼ね合いで、英訳をメインテキストにして日本語訳と独語原著を参照しながら読んでいくことになりそうだ。
勘 太 郎 月 夜 唄 |
1 影か柳か 勘太郎さんか
伊那は七谷 糸ひく煙り 棄てて別れた 故郷の月に 偲ぶ今宵の ほととぎす 2 形(なり)はやくざに やつれていても 月よ見てくれ 心の錦 生まれ変わって 天龍の水に うつす男の 晴れ姿 3 菊は栄える 葵は枯れる 桑を摘む頃 逢おうじゃないか 霧に消え行く 一本刀 泣いて見送る 紅つつじ |
今日は午前中にアポなし訪問5組への対応を済ませ、昼の休憩に5名のロールプレイングの相手をした。さらに、夕方の4時から20有余名のクライエント相手のロールプレイングに応じた。〆代わりに、1時間ばかり待たせていた7名に30分ほどかけて腹固めのための檄を飛ばしていたら時計の針は8時を指していた。今日1日だけで50名以上の皆さんと接したことになる。3日連続の12時間労働になったとはいえ、ようやく今週の重い荷物を下すことが出来た。人と対面している時間以外は食事と書類の整理・配布に費やした。明日から新たな気持ちで10月の準備に取り掛かる。まだまだ精神と肉体に余裕がある。
碌に努力をしない人にかぎって「人事を尽くして天命を待つ」などと呑気なことを言うが、「人事を尽くとはどういうことなのか」について無頓着なようだ。昨日は、命懸けで人事を尽くして尚、努力が足りないことを痛感した。「人事を尽くした結果が天命なのだよ、小人よ!」とでも言う気なら、しまいにゃ怒るで、オジサンは!
この一節は論語からの引用だと思い込んでいた。ほんまに孔子がこの程度の甘い能書きを垂れるものかどうか気にかかったので確認してみた。結果「人事を尽くして天命を待つ」は論語からの引用でないことが判明した。さて、オジサンは誰に怒りを向ければよいのか。
節制が効いて、ここのところ血圧が上125、下85あたりで落ちついている。本来ならばかかりつけ医の先生に相談して・・・なのだろうが独断で、気にかかっていたジャガイモの種イモとニンニクの植え付けに励んだ。とめどなく汗が顔面に滴る。通り雨に降られること3度、口にしたのは熱中症対策で500mlのジュース2本のみ。9時ごろから始めて作業が終わる頃には、午後の2時を回っていた。ニンニクとジャガイモの作付けの際は底肥をたっぷり施すことにしている。スコップで穴を掘って、鶏糞や牛糞を土にすき込んでから種芋や種をひとつづつ植えて土をかぶせる。これが結構重労働だ。一心不乱の作業を終えて自宅に戻り体重計に乗ったら、昨夜と比べて体重が1.5キロ減っていた。腹は減ったが気分は爽快だ。
暇になると食べることも面倒になってくるひとだから、暇にならないよう、暇にならないように生活の舵をきってきた。忙しくしているうちに広い海に出たようなので、ここらで一服して思案を凝らすことにしよう。さて、これからどうしようか。どこの港に錨を下そうか。どこの小島に向かおうか。