旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

宇宙時間

2014年10月22日 22時23分12秒 | Weblog

明日はもう10月の23日になる。時間が経過するのが早い。"Time flies"が他人ごとではなくなってきたようだ。宇宙時計で測れば、人の生なんて一瞬の輝きのようなものに違いない。しかし、その一瞬が煩雑極まりないから面白い。


修行

2014年10月18日 07時46分10秒 | Weblog

べらぼうに忙しい。相対的(あいたいてき)な仕事なので、執務中は全霊を傾けてクライエントの話に聞き入る。相談の内容が明らかになってゆくほどに、わたしのこころに何かが見えてくる。
目が覚めると、対応のひとつひとつがクライエントの共感を得ているものかどうかが無性に気にかかる。過去を振り返ってとやかく思うようでは、わたしはまだまだ修行が足りない。ひと眠りすれば心の疲れは落ちているというのに。


巧いことをいう。

2014年10月13日 20時03分26秒 | Weblog

「啓蒙とは、人間が自分の未成年状態から抜け出ることである。未成年とは、他人の指導がなければ、自分自身の悟性を使用し得ない状態である。この状態にある原因は、悟性が欠けているためではなく、むしろ、他人の指導がなくても自分自身の悟性を敢えて使用しようとする決意と勇気を欠くところにある。だから、『敢えて賢かれ!』『自分自身の悟性を使用する勇気をもて!』、これがすなわち啓蒙の標語である。」

                       カント著「啓蒙とは何か」から抜粋のうえ改竄。 


月下の一群

2014年10月11日 22時28分10秒 | Weblog

フタバ図書の古本部を一回りして堀口大學著「訳詩集 月下の一群」(岩波文庫 2009年 第10刷)と佐々木克監修「大久保利通」(講談社学術文庫 2013年5月 第1刷)を買った。古本狂の私といえども自分に対する褒美として本を買い求める場合は新刷がよい。いずれも新本同様だ。
斎藤茂吉の「赤光」や蕪村を読んでいるうちに短歌ではなくて西欧の詩集を読みたくなっていた。蔵書しているはずの上田敏訳「海潮音」を引っ張り出して読む予定だったが見つからない。フランス近代詩人66名339篇の作品を集めている「月下の一群」に偶然目が留まっので「海潮音」代わりに買い求めた。
中公新書の「維新の群像」シリーズのうちの一冊で、同じ表題でややアカデミックな「大久保利通」には既に目を通している。「大久保利通」(講談社学術文庫)は大久保が暗殺されて32年たった時点で報知新聞の記者が、生前大久保と親しく交友を持った人物や、大久保に仕えた下僕、実の妹、子息などに直接面接して聞き取った談話集であることに惹かれて買い求めた。


女神

2014年10月02日 21時39分56秒 | Weblog

夕刻になって吉報が届いた。忍耐強く真面目に努力し続ける善人は報われる。かれの中の善が成就の女神を招き寄せた。ゼウスの妻ヘラもしくは天照大神あたりが微笑んだのだろう。かりにも祝福されたからには、脇目をふらずに精進を続けるほかはない。浮気をしたり狼藉をはたらくとこのおふたかたは実に怖い。

寝酒代わりに「日本の名著 法然」を読んでいる。法然房源空は往生(あの世)と阿弥陀仏・念仏について丁寧に説いているが現世のご利益には実に淡泊だ。


反抗的人間

2014年10月01日 21時08分27秒 | Weblog

                      アルベール・カミユ 

                              井上堯之

 

『現代人の思想4 反抗的人間』(平凡社 昭和43年刊)を手にしたのが発端だった。この本の中でアルベール・カミユを知った。
「現代人の思想」では「反抗的人間」の抄訳を
理解できなかった。やむなく小説「異邦人」「ペスト」「転落」を読んだ。法学徒だったおかげで「転落」のアル中弁護士のボヤキだけはかろうじて理解できた。魅かれるものがあった。以降、カミユの手帖「太陽の讃歌」「反抗の論理」を手掛かりにしながら「不条理」や「反抗」「太陽」という言葉の解明に勤しんだ。
カミユは
交通事故のため47歳で急逝したアルジェリア出身のフランスの作家・劇作家だ。大戦前後の混乱期に、生きることの意味(というよりも意義か?)を問い続けた。わたしは「シーシュポスの神話」から、神が与えた不毛な罰=労働に何らかの意義を見出そうとするシーシュポス=人間の姿に労働の本質をみた。
昨日、元スパイダースのリードギターで、解散後は沢田研二のバックバンドのリーダーをやっていた井上堯之が『フランス哲学が好きだった。特にカミユの「異邦人」に魅かれて、いろいろ思考を重ねている内に自分を見失ってしまった。』とへらへら笑いながら語っていた。
こういう軽そうな人間がまるでファッションのようにカミユを語ると怒りがこみあげてくる。なけなしの金をはたいて10有余年前に「アルベール・カミユ全集」を手に入れている。怒りに任せて改めて全集の2と6「異邦人・シーシュポスの神話」と「反抗的人間」を読み直してみる気になった。
カミユは、セルバンテスやメルビルと並んで好きな作家のひとりだ。かなりたってから43歳でノーベル文学賞を受賞していることを知った。それまでずいぶん文章表現が下手な作家だと思い続けていた。翻訳がまずかったのだろう。


学ぶ

2014年10月01日 09時17分13秒 | Weblog

仕事が峠を越えたので今日から5日間の休暇を楽しむ。クライエントたちにはこの5日間はゆっくりと休養するように伝えてある。ところが私が休んでいてもふだん通り学校の授業はあるし、応募する企業の選択に追われることだろう。
週明けにはクライエントのひとりひとりに、さりげなく「ゆっくりと休養できましたか?」と聞いてみる。試練にたつ者が休養できるほど世の中は甘くはない。だからこそひとは精進する。週が明けると蜜のような地獄の特訓が待ってる。 

 ( ̄ー ̄)