"Time flies."であろうが『光陰矢の如し』であろうが人は凡そ、生きた年数の逆数として１年の長さを感じるそうだ。たとえば５０歳の時点では、生きた累計年数の逆数が1/50だから、１０歳時点の逆数1/10と比べると1/50÷1/10、つまり１年の長さを１０歳の時の1/5程度の長さとして感じるようになるという。私の年齢ともなると、１年が生きた累計年数の逆数の2乗か3乗辺りに感じられる。だからこそ、もっとのんびりと行った方がいいのじゃないかと思い始めている。
老体に鞭打って、よく働いている。朝から夕暮れまで若いクライエントたちの話に耳を傾け、助言をする。自分の時間をもてないことだけが心残りだ。それでも、この仕事をするために生まれてきたような気がして蜜のような満足を味わっている。暑い夏が過ぎて秋が訪れるころまでに、魂の糧になるような１冊の本を厳選する、そしてじっくり読んでみたいと思っている。
若いクライエントたちが自分の将来を自由に描くことが出来るようにするために、デッサンをする技術を教えることが私の仕事だと思っている。うまく描けなくてもいい。骨太で芯があるクライエントの絵が好みだ。
書斎の清掃に取り掛かった。掃除を怠ってきたのでかなり埃が降り積もっている。埃を立てないように用心深く、紙の布巾で拭いながら綿埃を落としてゆく。本に埃が積もるのは部屋の広さ８畳分の半分ほどだから一掃するのにそれほどの手間と時間はかからない。２時間ほどで清掃は終了した。部屋の空気が綺麗になって清々しい。冷房はシャープのプラズマクラスター付きだから、後は部屋を閉め切ってクーラーの電源を入れておけば、それで清掃は完了だ。
夕方から１年半ほどご無沙汰していた在広島某県人会の集まりに参加した、出席者30名内外の殆どは７～８年来の顔馴染みだ。東北地方の情に厚い県民性を改めて実感した。みなさん、久しぶりに出席した私の体調を心配してくれていたのがよくわかる。退院後はじめて、中ジョッキ３杯の黒ビールを飲み腹９分あたりまでつまみを食べた。3時間後に、良い出会いに感謝しながらエールエールのビアガーデンを後にした。
９時過ぎにかかりつけ医の先生のところで健康診断の寸評をいただいた。この１年半に及ぶ禁欲と抑制が体に良い効果をもたらしていることを確信することが出来た。血圧は至適値に近づきつつある。検診を受けた後で炎天下の農園に向かい雑草むしりに２時間半をかけた。帰宅してシャワーを浴びた後で久しぶりに体重計に乗ってみたら１.5キロばかり体重が減っていた。抜いた雑草は1.5キロでは済まない。昼食は好物「たこ焼き」を自分で作った。ニトリで買った「たこ焼器」のおかげで、心行くまで「たこ焼き」を楽しむことができた。キャベツとネギをたっぷり入れ、出来上がりの前に魚粉・青のりをふった。ソースに好みで醤油を混ぜたから、なお美味しかった。夕方に近くの歯医者さんで治療をした。麻酔がきれるにしたがって痛みがつのるので体の欲求に従ったら、お粥に梅干し・「キュウリのQちゃん」にアンパン・ドーナツという澱粉と糖分・塩分の組み合わせという妙な夕食になった。こうして平穏な休日の一日目が暮れようとしている。
こうもやっつけ仕事に追いまくられると、どうしようもなく休みが恋しくなってくる。今日、峡谷を這いずり回ったあとで、明日の土曜から３日ばかり、こころは見晴らしがいい丘に移動する。潮の匂いを嗅いだり深緑に吹かれて休養したら、火曜から再び、黙々と荒野を進む羊たちの元に戻る。
一向に訪問ラッシュが収まる気配がない。今日は3件のアポだったのに優に10組みを超える訪問客の対応に追われた。放課後に食事をしようと思っていたら、終業のチャイムが鳴り響いてわずかの隙に、面接室と廊下は10名を超える訪問者で溢れた。冷たい水2杯が食事の代りになってしまった。連れには悪いが、弁当は家を出た時のまま家に持ち帰った。それでも結構大きな声を出し、資料探しのために歩き回るので体調はいい。若者たちのために働いているのだと気を新たにするだけで、こころが引き締まる。
「約束はできないが再検討して２，３日内に回答する。」と言い残して30分ばかりの通話を切った担当者から今朝、電話があった。私の言い分が通ったものか温情なのか判断はつかない。いずれにしても事態は好転した。回答が遅れたことを謝る担当者に労いの言葉をかけ、謝意を表してそっと電話を置いた。
手ごろな情報を求めて公立の図書館に行った。藤原智美著「『知を育てる』ということ」（副題は、後悔しない「学びの場」選びと親子関係の本)、山本麻子著「書く力が身につくイギリスの教育」、石田昌浩著「丸投げされる学校」、佐藤文男著「10年後に後悔しない転職の条件」、ブラック企業教・今野晴貴著「日本の『労働』はなぜ違法がまかり通るのか」（「『労働』は」ではなくて「『労働』には」じゃないかと思う・・・。）以上5冊は、仕事の関連で借りた。帰りにフタバ書店に寄って、「無気力の心理学」「元気が出る教育の話」（各中公新書）、キャリアデザイン教・金井壽宏著「組織変革のビジョン」（光文社新書）以上3冊は自己啓発のために買った。洒脱な書きっぷりに惚れて、数年前にも読んだような気がする斉藤美奈子著「文章読本さん江」（筑摩書房）を加えて4冊を買い込んだ。斉藤美奈子さんの著作はかなり買い込んでいるものの大半は行方知れず。書斎のどこかで永い眠りに就いている模様。
昨夜の１０時過ぎに眠りに就いて今朝は５時前に目が覚めた。昨日から雨が降り続いている。気温もかなり下がったようだ。農園の草むしりはやめて午前は「ニトリ」をぶらついてみることにした。大型の小売店の散策が好きで、よく時間をつぶす。明日は紙屋町・八丁堀界隈の大型小売店舗をぶらついてみることにするか・・・。昨日の夕刻、女友達からなつかしい電話があった。
ニュースで乱発される「嬉しい悲鳴」という表現がある。（思い通りになって）晴れ晴れとした、はずむような、良い気持ちを表わす「嬉しい」（反意語は「悲しい」）と、恐ろしいとき、驚いたときなどにあげる「悲鳴」を合わせて「嬉しい悲鳴」とアナウンスメントする、なんとも陳腐で精彩を欠いた表現だ。連日、20名に余る客人の応対をしていたら「面白ろうて やがて悲しき 鵜舟かな」という悲鳴が聞こえてきた。
理不尽なことを言われると相手の不合理を攻めあげる悪い癖がある。久しぶりに相手の理不尽を徹底的にやり込めてしまった。こちらが尻尾を振りながら話に乗りさえすれば、簡単に決着を見ていたのかも知れない。だから、少々後悔していないでもない。先方は「約束はできないが、再検討して２，３日内に回答する。」と言ってから30分ばかりの通話を切った。相手にとってはどーってことないレベルの問題なのだろう。私はかなりの確率でこちらの言い分を飲んでくれるとみている。飲んでくれなくたってどーってことはない。こちらが一度下った審判に甘んじればそれで済むのだ。先方の回答が楽しみだ。
今朝の血圧は上128に下86と目標値内に収まった。仕事に復帰してからこの数値を得るまでに15か月を要した。ここ数か月間も上が135、下が90を超えることは滅多になかった。いまだ厳格な塩分制限とカロリー制限を自らに課しているのでなおさらうれしい。下の高めが少々気にかかっていただけにうれしくてたまらない。快楽病の罠からようやく脱出する足がかりを得ることが出来た。