久しぶりに「朝まで生テレビ」を見た。政局がらみのアメリカ論と国内の社会福祉問題を中心にした討論との前宣伝であった。ところが、アメリカの金融不安情報がマスコミを賑わせているせいであろう、概ねアメリカの没落に対する日本の対応策に議論が絞られた。
日本の金融機関の不良債権問題を解決したことが小泉内閣の最大の成果であると称賛する一方で、郵政改革をも含めたアメリカ追随型のグローバリズムや規制の緩和というキャッチフレーズはアメリカ経済を救済するための方便であった。しかもそれは日米間のしがらみから避けることのできない選択であったと、今頃になって小泉のブレーンから手の内を明かされるとこちらも当惑せざるを得ない。
確かに経済評論家の森永は竹下・小泉改革はインチキだと言い続けてきた。じゃ、あの小泉時代に他に打つ手があったのかという質問に森永がは答えることができない。評論家の本性を暴露されてしまった。しかし、森永が単なる元日銀マンではなくて国際金融に通暁していることを知った。それでも森永が風貌・主張ともにショボいことだけは確かである。
現在、金融不安に見舞われているアメリカで顕在化している危機は、未だ40%程度にしか過ぎない。実体経済の不振も含め、基軸通貨としてのドルへの信認が揺るぎかねないような事態も想定せざるをえないほどにアメリカ経済は衰弱していることだけは確かなようだ。あと5年間はアメリカ経済の低迷が続く。しかも、5年後以降もアメリカが従前のような経済的活力を回復する可能性は低い。したがってわが国は活力のある韓国・中国・東南アジア諸国との交易に軸足を移していかざるを得ない。
枝野議員が、日本国政府によって救済されて、しかも国内では税金を納めていない三菱UFJ銀行が、アメリカのモルガン・スタンレーに出資するのはおかしい。そんなお金があるのならば国内の企業に融資をするべきだと2度繰り返した。正鵠を得ている。
同じく、経済評論家の水野はアメリカ経済の金融不安の原因について明快な分析を示した。70年代の世界に冠たる産業国家であったアメリカは90年代に金融大国へと変貌した、あるいは変貌せざるを得なかった。そしてアメリカがこれから没落への道をたどる原因について、各国の通貨のレートが通貨の実力に応じて評価されていないことを挙げる。アメリカドルに先立つ基軸通貨であったイギリスポンドの命運も同様であったと解説する。財と金融・貿易・為替について学び直してみる予定だ。
脱線した議論の中で、日本を占領した当時の米軍には優秀な人材が多かったが、ベトナム戦争の悪夢を経験したのち、優秀な若者は軍を忌避してウォール街や大学、大企業の研究所に職を求めるようになった。がために米軍の人材不足は決定的なものになった。そしてアメリカはイラクとの戦争に負けるような弱い国になったと評論家のひとりが言うと、他の論者たちも賛同していた。
今アメリカで何が起きているかを知ることができた。以上は出演者たちの議論の一部の要約である。進行役の田原に苛立つこともある。それでも「朝生」は面白い。
日本の金融機関の不良債権問題を解決したことが小泉内閣の最大の成果であると称賛する一方で、郵政改革をも含めたアメリカ追随型のグローバリズムや規制の緩和というキャッチフレーズはアメリカ経済を救済するための方便であった。しかもそれは日米間のしがらみから避けることのできない選択であったと、今頃になって小泉のブレーンから手の内を明かされるとこちらも当惑せざるを得ない。
確かに経済評論家の森永は竹下・小泉改革はインチキだと言い続けてきた。じゃ、あの小泉時代に他に打つ手があったのかという質問に森永がは答えることができない。評論家の本性を暴露されてしまった。しかし、森永が単なる元日銀マンではなくて国際金融に通暁していることを知った。それでも森永が風貌・主張ともにショボいことだけは確かである。
現在、金融不安に見舞われているアメリカで顕在化している危機は、未だ40%程度にしか過ぎない。実体経済の不振も含め、基軸通貨としてのドルへの信認が揺るぎかねないような事態も想定せざるをえないほどにアメリカ経済は衰弱していることだけは確かなようだ。あと5年間はアメリカ経済の低迷が続く。しかも、5年後以降もアメリカが従前のような経済的活力を回復する可能性は低い。したがってわが国は活力のある韓国・中国・東南アジア諸国との交易に軸足を移していかざるを得ない。
枝野議員が、日本国政府によって救済されて、しかも国内では税金を納めていない三菱UFJ銀行が、アメリカのモルガン・スタンレーに出資するのはおかしい。そんなお金があるのならば国内の企業に融資をするべきだと2度繰り返した。正鵠を得ている。
同じく、経済評論家の水野はアメリカ経済の金融不安の原因について明快な分析を示した。70年代の世界に冠たる産業国家であったアメリカは90年代に金融大国へと変貌した、あるいは変貌せざるを得なかった。そしてアメリカがこれから没落への道をたどる原因について、各国の通貨のレートが通貨の実力に応じて評価されていないことを挙げる。アメリカドルに先立つ基軸通貨であったイギリスポンドの命運も同様であったと解説する。財と金融・貿易・為替について学び直してみる予定だ。
脱線した議論の中で、日本を占領した当時の米軍には優秀な人材が多かったが、ベトナム戦争の悪夢を経験したのち、優秀な若者は軍を忌避してウォール街や大学、大企業の研究所に職を求めるようになった。がために米軍の人材不足は決定的なものになった。そしてアメリカはイラクとの戦争に負けるような弱い国になったと評論家のひとりが言うと、他の論者たちも賛同していた。
今アメリカで何が起きているかを知ることができた。以上は出演者たちの議論の一部の要約である。進行役の田原に苛立つこともある。それでも「朝生」は面白い。