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龍馬
池田敬正著「坂本龍馬 維新前夜の群像②」(中公新書)を読む。
私は坂本龍馬が好きでも嫌いでもない。たまたま寄った古本屋でこの新書を手にとって立ち読みをしていたら、目次に「船中八策」という見出しがあった。売り出し中のどこやらの市長が「船中八策」という聞きなれない言葉をしゃべっていたのを思い出して、どちらかというと何を言っているのかよく解らないそのどこやらの市長の言いたいことを、少しでも理解しようとこの新書を買った。この市長は「時の人」なのだ。
通称坂本龍馬の本名は直柔(なおなり)で、良馬とあて字したと伝えられるので「りょうま」と発音する。高知の古い俗謡に「浅井金持ち、川崎地持ち、上の才賀屋道具持ち、下の才賀屋娘持ち」とうたわれた上の才賀屋6代目の長男が別家して町人郷士坂本家をたてた。その3代目権平の弟が直柔(竜馬 1835年生)である。才賀屋は1849年に酒造業をやめて仕送屋と質屋に専業した。坂本家は高知有数の豪商才賀家の別家である。普通の武家にはない豊かな経済力があった。(上記新書「坂本龍馬」を参照)
龍馬は横井小楠、武市瑞山(半平太)、勝海舟からの思想的影響を受け、西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允、高杉晋作、中岡慎太郎といった維新の志士や薩摩の田中新兵衛、土佐の岡田以蔵等の人斬りたちと交流があった。