旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

映画の中の男と女

2005年09月30日 19時55分28秒 | Weblog

男性の皆さんには、マーロン・ブランド、ロバート・デニーロ、アル・パチィーノが主演した、フランシス・コッポラ監督の「ゴッド・ファーザー」3部作を、
女性の皆様には、愛らしくて悲しいジェルソミーナの愛を描いた、フェリーニ監督の「道」をお勧めします。

こういうわたしは、日々女性の皆様に泣かされております。
お勧めする映画のようにはまいりません。
今日も、アマンに泣かされました。
でも、その方がいいのです。
これ位でいいのです。
とほほ・・・。

それでは みなさん
さいなら さいなら

古本屋さん

2005年09月30日 10時36分05秒 | Weblog


古本屋さん歩きの楽しみは、この目で『社会科学に強い店、あるいは芸術書に長けた店など、色々個性がある古本屋』さんであるかどうかを探っていける点にあります。

まず、店に置いてある本の隅から隅まで背表紙を眺めてみる、そうして何かが引っかかるような表題の著作については、その目次を一覧してみる。さらに興味が湧けば本文を立ち読みする。通読の結果、身近に置いておきたいと思えば財布と相談する。

これがわたしの古本屋歩きの要諦です。専門書については、やはり、大學図書館のものでしょう。

回答になっていませんね・・・?


パシフィコ横浜

2005年09月29日 05時11分14秒 | Weblog

久しぶりの東京だ。空路、東京に向かう。「パシフィコ横浜」で「エンプロイー・ミーティング」がある。もちろん、エンプロイヤー側の主催だ。年に一度は、社員一同が一場に会して士気の高揚を図ろうという企画だ。

元々、愛社精神が旺盛な方ではないので出席を躊躇していた。しかし、最近では出席を哀願されるというか、強要されるというか、仕方がないから出席することにしている。

開き直ってみれば会社の負担で、年に一度の東京見物も悪くはない。ミーティングは2時間程度で終わる。日帰りではもったいないので、一日滞在を延ばして、今回も神田の古本屋街を歩いてみようと思う。宿泊は新宿に決めた。

朝倉喬司著「ヤクザ・風俗・都市」 ①  グレート東郷

2005年09月25日 22時41分30秒 | Weblog
               グレート東郷

副題が「日本近代の暗流」である。どこかで読んだような気がするルポである。それもそうだ。初出一覧によると「別冊宝島」への出稿が大半を占める。出版業界の2ちゃんねるである「別冊宝島」はかなり読み込んでいる。間違いなく過去に読んだルポもある。

「日系人プロレスラーに見る黄色い禍」という記事については、似たようなわたしの意見を過去ここのブログにも書いた。わたしは、敗戦国対戦勝国の対立軸でグレート東郷について述べたが、朝倉は、「黄色い禍」つまり「黄禍」を軸にして日系のプロレスラーを論じる。

『おれが今度日本から連れてきたレスラーは、トヨタ・ニッサンと同じだ。性能は抜群。なんたって優秀な技術でつくりあげたマシーンみたいなものさ。そこにいくと相手のあいつらはなんだ。できたときからポンコツ同然。クライスラーやフォードみたいなもんじゃないか。ろくに道路も走れやしない。おまけに不人気で赤字続き。日本の商品ばっかり買ってるバカなアメリカ人の代表選手だ。これで勝負になるわけがない。』と日系のプロレスラーであるミスター・フジは、観客のアメリカ人たち向けてにくまれぐちをたたく。
それでも朝倉は、このミスター・フジといえどもグレート東郷の迫力とヒールとしての存在感には遠く及ばないと言い切る。


金嬉老著「われ生きたり」 

2005年09月25日 22時40分04秒 | Weblog

あとがきにかえて 日本人への手紙
『・・・人を蔑視したり、差別したりする人間は心が貧しく、最も軽蔑される人間以外の何者でもなかった。自分は自らの事件と裁判の中で、そのことをはっきりと教えられました。
差別をする者は、差別をされる者の痛みや苦しみがどんなものか理解できない、心のゆがんだ人間だと思います。そういう人間によって、将来のある人間たちがどんなに苦しみ悩み、そして、自らの手で死を選んだことでしょうか。悲しいかな、他人の不幸や苦しみ痛みは我慢できても、自分自身のこととなると、耐えられないのが、人間の姿だと思います。
・・・日本人ではないのに、日本名を使い、日本人の前で自分が何人であるかもちゃんと言えない、そういう在日同胞が数多く、いまだにいる事を私は知っています。だからといってそういう同胞を批判したりはできません。何故なら、そういう生き方は、実は、日本の社会が、そして日本人たちが強いているからです。』

今日、在日の友人から、心温まる電話があった。

後藤田正晴回顧録「情と理」

2005年09月25日 22時37分18秒 | Weblog

後藤田
『宮沢さんというのは、本当は政治家として見た場合には、とにかく真面目すぎるわな。今の日本の政治風土ではね。あまり頭が良すぎて先が見えすぎるんですね。だからやろうとすることに勢いがないんだよ。頭は素晴らしい。この人は本当に頭がいい。その点、中曽根さんというのは頭良くないですよ。それだけに、非常に馬力があるんです。どうも宮沢さんの場合には先が見えすぎるんじゃないかな。しかし、素晴らしい頭脳だな。』

実松譲著「巣鴨」

2005年09月25日 22時32分37秒 | Weblog

『死刑を執行される日は、木曜日の夜、死刑囚棟から連れ出され、「金曜日」の夜半、巣鴨プリズンの東北隅にある刑場を囲むコンクリート塀の「13」をしるした鉄扉をくぐり、13階段をのぼって絞首台の露と消えるのである。』

東条英機ほか7名のA級戦犯が絞首刑の宣告を受け、巣鴨プリズンで刑の執行を受けた。同じ巣鴨プリズンで、53名のB・C級戦犯が絞首刑(death of hanging)の執行を受けている。

国外では、アメリカを裁判国とするB・C級戦犯140名 同様にイギリスを裁判国とする裁判223名 同オーストラリア140名 同オランダ225名 同中国149名 同フィリピン43名の 計920名のB・C級戦犯に死刑が執行された。 

宮本 信子

2005年09月23日 10時20分03秒 | Weblog

宮本信子という女優がいる。故伊丹十三監督「マルサの女」や「タンポポ」で主演した。実生活では伊丹監督の奥さんであったひとだ。先日、テレビのチャンネルを回していたら、彼女がジャズを歌っていた。「えーっ!?宮本信子さんがジャズを!?」ひとは見かけによらないものだ。以前から、割烹着がよく似合う宮本信子さんのファンである。ますます彼女を好きになってしまった。どうしよう?

雅楽 

2005年09月23日 10時02分04秒 | Weblog

某ホテル主催の観月会で雅楽の演奏を聴いた。笙(しょう)、筝(そう)、篳篥(ひちりき)にシンセサイザー、ジャズボーカルという和洋混合の組み合わせである。残念ながら雅楽フル・バンドは叶わなかった。そりゃそうだ、予算が許さない。
サイモン&ガーファンクルでお馴染みの「スカボロ・フェアー」、やはりアンディ・ウイリアムスでお馴染みの「ムーン・リバー」から「越天楽」(そういえば、寺内タケシとブルー・ジーンズの「越天楽 ゴー・ゴー」ってのも聴いたことがある。)まで、一時間ほど楽しませていただいた。

ところが、お酒がたくさん入った頭に、どこかでこの光景を見たことがあるという幻想が浮かぶ、ひょっとして前世で・・・などとこのヨッパ君、真面目に考えたものである。しかし、翌日になって事情が判明した。実にあっけないのである。
「文芸春秋」の10月号で「雅楽 絢爛」という特集を組んでいた。そして、わたしはこの特集の写真映像を見ていた。だから、この光景をどこかで見たことがあるように感じた。ただそれだけのこと。実に情けない。夢がない。

それにしても、「越天楽」を謳うボーカリストの舞は優雅だった。赤色系統の装束が舞台を幻想的な世界に引き込んだ。ジャズ・ボーカリストの御歳は60歳に近い。だから、なんといっても風格がある。彼女のCDがあれば欲しかった。しかし、CDの案内はついぞなかった。忘れたのであろうか?


安倍能成著「岩波茂雄傅」

2005年09月17日 23時15分57秒 | Weblog
岩波書店の創業者の伝記である。二度目の落第で一高を除籍になった岩波が、東京帝国大學文學部哲學科の選科(文学士の学位が取れない聴講生のような過程)に入学、女学校の教師を経て古本屋を開業するところまで読んだ。

平均的な一高生からみると、岩波は救いようのない思考の迷路に迷い込んだようだ。漕艇部で活躍したり、内村鑑三が主催するキリスト教の読書会に入り浸ったり、終いには哲学的な引きこもり症になってしまう。田舎者は田舎者らしく背のびをしなければよかったのだ。怪我の功名というか、岩波は一高で留年を重ねたことによって、安倍を初めとした多くの知己を得ている。32歳で古本屋を始め、のち出版事業を手がけるに至り、この一高・選科を通じて培った人脈がモノをいう。

漠然と想像していた岩波書店の創業者像というものも、実際に伝記として読んでみると予想というものがかなり裏切られることになる。風貌といい経歴といい、創業者には岩波文化人の面影はない。後半を拾い読みした限りでも、その人物像は菊池寛あたりに近い。知性や感性は並みであろうが、如何せん、商才というものに秀でる。

"Summertime "by Platters

2005年09月17日 22時19分55秒 | Weblog

Summertime and the living is easy
Fish are jumping and the cotton is high
Your dad is rich and your mom’s good looking
So hush little baby baby don’t you cry

One of these mornings you’re gonna rise up singing
Then you’ll spread your wings
And you’ll take to the sky
But till that morning
There ain’t nothing can harm you
With daddy and mommy mommy standing by

One of these mornings you’re gonna rise up singing
Then you’ll spread your wings
And you’ll take to the sky
But till that morning
There ain’t nothing can harm you
With daddy and mommy mommy standing by
So hush little baby baby don’t you cry

プラターズの「サマータイム」、好きなグループの好きな曲である。硬い本は、好きなプラターズでも聞きながら読むに限る。


開高健

2005年09月15日 00時31分49秒 | Weblog

開高権との出会いは、野性味溢れるアマゾンでの写真集「オーパ!」と、開高健ノンフィクションⅣ、マンジャーレ!カンターレ本「孔雀の舌」であった。

『OPA!何事であれ、ブラジルでは驚いたり感嘆したりすると、「オーパ!」という。』、大文字の文章が何度も出てくるこの「オーパ!」という本、実は当時の価格で2,800円した。だから、わたしは「オーパ!」オリジナルを図書館で読み、文庫本で買った。今も心は貧しいが、当時はすべてにおいて貧しかったのである。

最近立ち寄った古本屋に「オーパ!」があった。驚いた。買い求めてから埃を払い、カバーの破損箇所を直して一気に読みかえした。ほぼ20年ぶりである。20年ぶりの「オーパ!」は300円で買うことができた。もちろん25年も前の本が新本屋で売られているはずもない。

芥川賞作家でエピキュリアン開高健 1989年逝去 享年59歳

(趣味のひとつに古本屋巡りがある。しかも、古本を買う際には必ず値切る。小生古本の目利きにつき、古本屋から見ると結構手ごわいのである。)